JPS584010Y2 - ポット式燃焼器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は温風暖房機などに使用するポット式燃焼器に関
するもので、燃焼初期の燃焼立上り時間を短縮すると共
に、燃焼終期における消火時間を短縮する如くしたこと
を特徴とするものである。

この種の燃焼器は蒸発皿内で石油を蒸発させながら燃焼
させるものであり、石油の蒸発は燃焼時の輻射熱によっ
て促進される。

このため蒸発面積は出来るだけ大きくした方が蒸発効率
がよく、そこで従来、蒸発皿内に金網を敷設し、該網の
面で蒸発面積を拡大させる如きものが提供されている。

しかし単に金網を用いただけでは、かならずしも満足す
るような蒸発効率を得ているとはいえないのが現実であ
る。

本考案は斯る点に鑑み特殊な燃料吸収板を使用すること
により、良好な燃焼効率を得る如くしたものである。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳述する。

第１図は蒸発皿の断面斜視図であり、該蒸発皿は横長直
方体状で、底板１の長辺方向の２つの対向壁面つまり正
面側の壁面２ａ及び背面側の壁面２ｂと、同底板１の短
辺方向の２つの対向壁面３゜３（なお図面では一方のみ
図示）とによって形成している。

また、これら壁面２ａ、２ｂ、３のうち長辺方向の対向
壁面２ａ、２ｂをそれぞれ上下２段で対向方向にせり込
んで綴れ部４ ａ 、４ ｂを形成すると共に、上部縦
れ部４ａの上部をそれぞれ反対方向に広げてデツキ面５
，５を形成している。

さらに、前記下部綴れ部４ｂ、４ｂの上部斜面に前記蒸
発皿内の上方に向けて開口する多数の空気供給孔６・・
・・・・を開口すると共に、放縦れ部４ｂ、４ｂの下部
斜面には前記底板１に向けて開口する多数の空気供給孔
６・・・・・・を開口している。

また、前記上部綴れ部４ ａ 、４ ａの上部斜面にも
多数の空気供給孔６・・・・・・を開口している。

また前記蒸発皿内には特殊な燃料吸収板７を設けている
。

該燃料吸収板７は発泡金属、セラミック、ステンレスウ
ールなどの多孔質金属或いは耐熱温度１０００℃程度の
金属以外の多孔質物質によって形威している。

この燃料吸収板７は蒸発皿の底板１上に密着状に配置し
、前記底板１の上面略全域を被う状態に設置して°゛て
ノの断面形状が２つの平行状の溝形になるように、該燃
料吸収板７の中央部の長辺方向を上方に垂直状に突出し
て空気整流用壁８を形成している。

さらに、該燃料吸収板７における長辺方向周辺部を前記
長辺方向の対向壁面２ａ、２ｂに向けて斜め上方に立上
げて隆起部９，９を形成している。

そして、該隆起部９，９、前記底板１および前記壁ｉ’
面、’（２ａ 、２ ｂで形成される間隙１０．１０つ
まり容姿＄１．２ ａ 、９間の間隙１０と、各要素１
，２ｂ、９間の間隙１０とを燃料流通路となしていて、
該燃料流通路に燃料供給管１１の先端を開口している。

本考案は上記の如く構成するものにして、以下作用を説
明する。

石油を燃料供給管１１を介して間隙１０内に供給すると
、該石油は該間隙１０に沿って流れ、且つ多孔質物質に
よって形威した燃料吸収板７での毛細管現象によって、
該吸収板７の全面に速やかに拡散する。

そこで電気ヒータ（図示せず）によって燃料吸収板７に
吸収した石油に点火すると、該燃料吸収板７の面に沿っ
て炎が広がる。

そして最下段の空気供給孔６，６・・・・・・がら蒸発
皿内に矢印の如く吹き込まれる燃焼用空気によって燃料
吸収板７に浸透している石油の蒸発が促進され、この結
果炎はバーナ口を形成する下段の綴れ部４ｂから次第に
上段の縦れ部４ａへ移行し、燃焼度が次第に拡大する。

しかも炎の拡大によって輻射熱の温度も高くなり斯る輻
射熱によっても石油の蒸発量を増大させる。

特に燃料吸収板７の両側に形威した傾斜状の隆起部９，
９は底板１上に貯溜されている石油の上面より上方に突
出しているが、毛細管現象によってこれら隆起部９．９
にも石油は浸透している。

しかもこれら隆起部９，９は蒸発皿上で燃焼する炎に向
って傾斜して輻射熱を受けやすいようにしているから、
この隆起部９．９の面から石油の蒸発が助長される。

また、最下段の空気供給孔６，６・・・・・・から前記
蒸発皿内に矢印の如く吹き込まれる燃焼用空気は、燃料
吸収板７の水平な部分に当って鉄部における石油の蒸発
を促進した後に、空気整流用壁８に沿ってＵターンする
ので、これら両方向からの燃焼用空気は互いに衝突する
ことがないので、石油の良好な蒸発を促進することがで
きる。

さらに、前記燃料吸収板７はその断面形状が略Ｗ字状で
あって蒸発面が極めて広いものであるから、石油蒸発量
の増大を図ることができるものである。

本考案は以上詳述したように、底板１、長辺方向の２つ
の対向壁面２ａ、２ｂ及び短辺方向の２つの対向壁面３
，３からなる横長直方体状の蒸発皿を形成し、前記長辺
方向の対向壁面２ ａ 、２ ｂの高さ方向略中央部を
、対向方向にせり込んで縦れ部４ｂ、４ｂを形威し、該
綴れ部４ｂ、４ｂの上部斜面に前記蒸発皿内の上方に向
けて開口する多数の空気供給孔６・・・・・・を開口す
ると共に、該綴れ部４ｂ、４ｂの下部斜面に前記底板１
に向けて開口する多数の空気供給孔６・・・・・・を開
口する一方、多孔質物質によって形成した燃料吸収板７
を、前記底板１の上面略全域を被う状態に設置すると共
に、該燃料吸収板７の中央部の長辺方向を上方に突出し
て空気整流用壁を形成し、さらに該燃料吸収板７におけ
る長辺方向周辺部を前記長辺方向の対向壁面２ａ、２ｂ
に向けて斜め方上に立上げて隆起部９，９を形成し、前
記隆起部９，９、前記底板１および前記壁面２ａ、２ｂ
で形成される間隙１０．１０を燃料流通路となし、該燃
料流通路に燃料供給管１１の先端を開口したものである
から、該燃料吸収板７は無数の小さい孔を備えており毛
細管現象によって燃料の広がり速度が早く、また該吸収
板７全面にむらなく石油を浸透させる。

このため点火後、炎の広がり速度が早い効果がある。

しかも多孔質物質によって形成した燃料吸収板７の表面
は、ミクロ的には無数の凹凸を形成しているから、金網
などに比べて蒸発面積が大きく、このため石油の蒸発量
を増大できるし、さらに燃料吸収板７の長辺方向周辺部
を斜め上方に立上げて隆起部９，９・・・・・・を形成
して蒸発面積を拡大すると共に、これら隆起部９，９・
・・・・・で輻射熱を受けやすいようにしているから、
石油の蒸発量はさらに増大する。

このため、点火後の小さな炎が最大燃焼度になるまでの
過程、つまり燃焼立上り時間を短縮できる効果がある。

さらに、前記燃料吸収板７はその断面形状が略Ｗ字状と
なって、広い蒸発面積を有するものであるから、蒸発量
を増大でき、それだけ蒸発皿を小形にでき、それだけ石
油の貯溜量も少なくなる。

従って反対に消火するときの時間を短縮することができ
る利点がある。

さらにまた、燃料吸収板７の中央部の長辺方向を上方に
突出して形成した空気整流用壁８によって、燃焼用空気
の衝突を防ぐことができるので、石油の良好な蒸発を促
進することができる。

また、前記隆起部９，９、前記底板１および前記壁面２
ａ、２ｂで形成される間隙１０．１０を燃料流通路とな
しているので、石油の拡散を速めることができ、この結
果、気化ガスが分散されて均一となり、燃焼が安定する
ものである。

さらに、前記長辺方向の対向壁面２ ａ 、２ ｂの高
さ方向略中央部を、対向方向にせり込んで縦れ部４ ｂ
、４ ｂを形成しているので、炎が一旦該綴れ部４ｂ
まで上昇移行したのちは、該炎が綴れ部４ｂより下に移
行しないものであり、このため燃焼状態は安定し煤の発
生を防止することができる等の諸種の優れた効果がある
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るポット式燃焼器の断面斜視図であ
る。 １・・・・・・底板、２ａ、２ｂ・・・・・・対向壁面
、３・・・・・・対向壁面、４ｂ・・・・・・綴れ部、
６・・・・・・空気供給孔、７・・・・・・燃料吸収板
、８・・・・・・空気整流用壁、９・・・・・・隆起部
、１０・・・・・・間隙、１１・・・・・・燃料供給管
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底板１、長辺方向の２つの対向壁面２ ａ 、２ ｂ及
   び短辺方向の２つの対向壁面３，３からなる横長直方体
   状の蒸発皿を形成し、前記長辺方向の対向壁面２ａ、２
   ｂの高さ方向略中央部を、対向方向にせり込んで縦れ部
   ４ｂ、４ｂを形成し、放縦れ部４ｂ、４ｂの上部斜面に
   前記蒸発皿内の上方に向けて開口する多数の空気供給孔
   ６・・・・・・を開口すると共に、放縦れ部４ｂ、４ｂ
   の下部斜面に前記底板１に向けて開口する多数の空気供
   給孔６・・・・・・を開口する一方、多孔質物質によっ
   て形成した燃料吸収板７を、前記底板１の上面略全域を
   被う状態に設置すると共に、該燃料吸収板７の中央部の
   長辺方向を上方に突出して空気整流用壁８を形成し、さ
   らに該燃料吸収板７における長辺方向周辺部を前記長辺
   方向の対向壁面２ ａ 、２ ｂに向けて斜め上方に立
   上げて隆起部９，９を形成し、前記隆起部９゜９、前記
   底板１および前記壁面２ａ、２ｂで形成される間隙１０
   ．１０を燃料流通路となし、該燃料流通路に燃料供給管
   １１の先端を開口したことを特徴とするポット式燃焼器
   。