JPS5839933Y2 - 電動フアン制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車両用、主に自動車用クーラにおける冷媒冷
却用電動ファンを有効に制御し、該電動ファンの可動率
を下げるようにした電動ファン制御装置に関するもので
、電気負荷の軽減を目的としている。

自動車用クーラには、一般に、冷媒を用いた蒸気圧縮式
が使用されている。

この蒸気圧縮式は、液化冷媒を断熱膨張させて圧力と温
度を下げ、霧状となして蒸発器に送込み、ここで冷媒は
外部の熱を吸収して気化し、等温膨張を続けて空気の冷
却作用を果し、過熱蒸気となって圧縮機に吸入され、断
熱圧縮されて高温、高圧のガス状態で凝縮器に入り、外
部に熱を放出して液化状態に戻るものであり、冷媒冷却
用として少なくとも１個の電動ファンを持っているが、
従来の自動車用クーラでは、この冷媒冷却用電動ファン
が、クーラＯＮのときは常にＯＮされており、高速走行
時等の不必要領域にお５でも作動を続け、頗る不経済で
あった。

すなわち、冷媒を冷却する凝縮器は、走行時に通風良好
な場所に設置され、特に乗用車では断ね車体前方の２ジ
工−タ前面に配設されており、高速走行時は電動ファン
に匹敵する車速風を得られるので、冷媒冷却用電動ファ
ンの作動は不必要であった。

本考案は上記の点に鑑み、車両用クーラにおいて、水温
センサと冷媒圧力センサの論理和により、ラジェータ冷
却用電動ファンを制御し、該電動ファンの作動の如何に
よって冷媒冷却用電動ファンを制御するようにしたもの
であり、ラジェータ冷却用電動ファンが、高車速時の車
速風により回転したときの逆起電圧を利用して、冷媒冷
却用電動ファンの作動回路をＯＦＦするようにしたもの
である。

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は、本考案電動ファン制御装置の一実施例を示す
回路図で、図中１は水温センサ、２は冷媒圧力センサ、
３は冷媒冷却用電動ファン制御回路、Ｍｌはラジェータ
冷却用電動ファン、Ｍ２は冷媒冷却用電動ファン、１Ｒ
Ｌはラジェータ冷却用電動ファン制御用リレー、ＩＲＬ
ｌはその接点、２ＲＬは冷媒冷却用電動ファン制御リレ
ーで、このリレー２ＲＬにはクーラがＯＮされている間
、クーラコンプレンサより電圧が印加されている。

２ＲＬ、はリレー２ＲＬの接点、Ｄは逆流防止用ダイオ
ード、Ｔｒは冷媒冷却用電動ファン制御用リレー２ＲＬ
をＯＮ、ＯＦＦさせるトランジスタ、Ｒはトランジスタ
Ｔｒの作動点を決定するパイアス調整用抵抗である。

上記の如く構成された本考案の装置において、クーラＯ
Ｎで、水温が低く、かつ低車速の場合は、水温センサ１
および冷媒圧力センサ２が共にＯＦＦで、リレーＩＲＬ
が作動せず、接点ＩＲＬ□がＯＦＦしているので、ラジ
ェータ冷却用電動ファンＭ１は作動せず、トランジスタ
ＴｒのＶＢＣはＯ■で、トランジスタＴｒはクローズ状
態となっている。

一方、冷媒冷却用電動ファンＭ２０制御用リレー２ＲＬ
には、前記したようにクーラコンプレンサより電圧が印
加されているので、電流は第２図に示すように、トラン
ジスタＴｒを通じてアースされ、その電流Ｉｃによって
リレー２ＲＬは作動し、その接点２ＲＬ□がＯＮとなっ
て冷媒冷却用電動ファンＭ２は作動している。

この場合、ラジェータ冷却用電動ファンＭ□には、逆流
防止用ダイオードＤにより電圧が印加されないため電動
ファンＭ□は作動しない。

この状態で、高車速になると、ラジェータ冷却用電動フ
ァンＭ１はその作動回路はＯＦＦされているか車速風に
より回転して逆起電圧を発生する。

この電圧はトランジスタＴｒのＶＢＣに印加されるので
、トランジスタＴｒはオープン状態となり、そのため冷
媒冷却用電動ファンＭ２０制御用リレー２ＲＬは電流を
断たれて復帰し、接点２ ＲＬｌがＯＦＦすると同時に
冷媒冷却用電動ファンＭ２もＯＦＦとなる。

そして水温センサ１または冷媒圧力センサ２のいずれか
一方がＯＮとなり、ラジェータ冷却用電動ファン制御用
リレー１ＲＬ′ｂ′−ＯＮとなって接点ＩＲＬ１がＯＮ
し、ラジェータ冷却用電動ファンＭ１がＯＮすると、ダ
イオードＤを通じて冷媒冷却用電動ファンＭ２も同時に
ＯＮし、クーラのＯＮ、ＯＦＦおよび車速に関係なく両
電動ファンＭ１２Ｍ２は共にＯＮ状態となるのである。

本考案は、上述のように車両用クーラにおいて、水温セ
ンサと冷媒圧力センサの論理和によりラジェータ冷却用
電動ファンＭ１を制御し、該電動ファンＭ１の作動の如
何、すなわち水温センサまたは冷媒圧力センサのいずれ
か一方がＯＮで、ラジェータ冷却用電動ファンＭ□が作
動しているときは、冷媒冷却用電動ファンＭ２を共に作
動し、上記各センサが共にＯＦＦで、電動ファンＭ１が
停止している低車速時は制御回路を通じて電動ファンＭ
２を作動させ、さらに電動ファンＭ１が車速風により回
転した高車速時はその逆起電圧により電動ファンＭ２を
停止させるように構成したので、従来クーラＯＮのとき
は高速走行時等の不必要領域でも作動していた冷媒冷却
用電動ファンを、風速感知用等の特別なセンサを用いる
ことなく、高速走行等の運転条件で、自動的に停止させ
ることができ、従って電動ファンの稼動率が下がり、電
気負荷が軽減され、経済的であるばかりでなく、電動フ
ァンも長寿命となる等、幾多優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案電動ファン制御装置の実施例を示す回路
図、第２図は同上トランジスタの作動特性図である。 １・・・・・・水温センサ、２・・・・・・冷媒圧力セ
ンサ、３・・・・・・冷媒冷却用電動ファン制御回路、
Ｍｌ・・・・・・ラジェータ冷却用電動ファン、Ｍ２・
・・・・・冷媒冷却用電動ファン、１ＲＬ・・・・・・
ラジェータ冷却用電動ファン制御用リレー、２ＲＬ・・
・・・・冷媒冷却用電動ファン制御用リレー、Ｄ・・・
・・・ダイオード、Ｔｒ・・・・・・トランジスタ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両用クーラにおいて、水温センサと冷媒圧力センサの
   論理和出力により制御されて作動するラジェータ冷却用
   電動ファンＭ□と、該ラジェータ冷却用電動ファンＭ１
   と共に作動される冷媒冷却用電動ファンＭ２と、上記水
   温センサと冷媒圧力センサがいずれも無出力のとき、冷
   媒冷却用電動ファンＭ２を作動させ、２ジ工−タ冷却用
   電動フアンＭ１が高車速時の車速風により回転したとき
   、その電動ファンＭ□の逆起電圧を検出して冷媒冷却用
   電動ファンＭ２を停止させる如く回路構成された制御回
   路とから成ることを特徴とする電動ファン制御装置。