JPS5839292Y2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は高周波加熱装置、特にそのドアの開閉に連動す
るスイッチ機構部分に関するもので、その目的とすると
ころはスイッチ機構部分を簡略化して組立やすく、シか
も安価に構成するとともに、動作を確実なものにしよう
とするものである。

高周波加熱装置において加熱室外に、電波が漏洩するこ
とは非常に危険であるので、ドアの開閉に連動して電源
を入切するいわゆるドアースイッチを設け、ドアを開い
た状態では高周波発振器への通電を断って発振を停止す
る構造にしている。

第１図に一般的な高周波加熱装置のドアを開いた状態の
外観を斜線図で示す。

第１図に示すように本体１内の加熱室２の開孔面に対向
してドア３が開閉自在に設けられている。

このドア３にはハンドル４の操作に連動するドアキー５
を設け、ドア３を閉じた時にはこのドアキー５は本体１
のフック６に係止される。

なお、この第１図の７はタイムスイッチ、８は高周波発
生開始用の調理ボタンである。

第２図、第３図、第４図は上記高周波加熱装置のドア部
分の従来のスイッチ機構を示すものである。

第２図において、フック６は本体１にビス締付（あるい
はスポット溶接）で固定されている。

このフック６の内側でドアキー５の先端が当接する位置
にスイッチレバー９ａの先端を位置して設け、その支軸
１０ ａはフック６に固定されている。

このスイッチレバー９ａによって操作されるドアスイッ
チ１１は本体１に固定したスイッチ取付板１２に固定し
て設けている。

そして、この構成により、ドア３の閉成時はドアキー５
が第３図のごとくスイッチレバー９ａを押し、ドアスイ
ッチ１１をＯＮし、またドア３を開くとドアスイッチ１
１はＯＦＦとなり、加熱室２外部へ電波が漏洩すること
を防止していた。

ところがこの構成によると、フック６、スイッチ取付板
１２が別個に必要であるので組立てが複雑であるだけで
なく、フック６とスイッチ取付板２との取付位置関係が
少しでもずれるとドアスイッチ１１の動作が不確実にな
るのでかなり正確にスポット溶接やビス止め等を行なわ
なければならず、その加工も大変であった。

また、ドア３を閉じる時、ドアキー５がフック６の前面
部に当接して、このドアキー５がドア３の内部に引っ込
み、その後、フック６の穴にこのドアキー５が再度突出
して係止されるのであるが、フック６の前面部にこのド
アキー５が当接した際、かなりの衝撃がフック６に加わ
ることとなる。

この結果、瞬間的に、フック６の前面部が上部にもち上
り、逆にフック６の後方部（支軸１０ａ）が下方に下が
り、そして今度はその反動で、フック６の前面部が下方
に下がり、後方が上に上る。

この時ドア３はまだ完全には閉じていないが、上記作用
によりドアスイッチ１１が閉じてしまい電波漏洩の恐れ
があった。

さらに、ドアキー５と調理ボタン８が第２図のごとく左
右方向にかなり離れているため、操作レバー１３ａも長
いものとなり、支軸１４ａを介して動いている。

このため、ドア３を閉じた瞬間にドアキー５の動きに負
かされて、スイッチレバー９ａ及び操作レバー１３ａが
上方に動くのを防止するために操作レバー１３Ｈの強度
を向上させなければならない。

また、それ故に、操作レバー１３ ａの取付板１５ａが
ドアフック６と別金具になっているので取付板１５ ａ
の取付精度が必要で作業性の悪いものであった。

さらに、操作レバー１３ ａの一側は支軸１４ａを中心
として、調理ボタン８の押す方向と反対方向（前面方向
）に動く。

そのため、操作レバー９ａの突出部１５より前方向に、
この操作レバー９ａの動作分のスペースが必要となり、
ひいてはトップマークベース１６の厚みさえも制約を加
えてしまい、意匠上の自由度を阻害していた。

本考案はこのような従来の欠点を簡単な構成で解消しよ
うとするもので、第５図〜第１２図を参照して本考案の
一実施例を説明する。

なお、上記従来の構成と同一部分は同一番号を使用して
説明する。

第５図、第６図のごとくドアキー５を係止するフック６
ｂは取付板１７の一部にビス３０．３１にて取付られて
いる。

また、第５図、第８図の９ｂはスイッチレバーであり、
先端をドアキー５と当接している摺動体３２に当接して
設け、支軸１０ ｂは同じく取付板１７に固定されてい
る。

一方、ドアスイッチ１１は第５図、第１１図のごとくス
イッチレバー９ｂに面した位置で取付板１７にビス３３
．３４等にて固定されている。

また、第５図、のネジレバネ１８はドアキー５がフック
６ｂから外れた時スイッチレバー９ｂをドアスイッチ１
１がＯＦＦとなる方向に付勢している。

さらに、ネジレバネ１９はドアキー５がフック６ｂから
外れ、スイッチレバー９ｂがドアスイッチ１１をＯＦＦ
する方向に附勢した時に、調理ボタン８を押していない
にもかかわらずスイッチレバー９ｂが移動してドアスイ
ッチ１１がＯＮＬないように、操作レバー１３ｂを附勢
している。

このように本考案はフック６ｂ、スイッチレバー９ｂ、
操作レバー１３ｂ、ドアスイッチ１１を一つの取付板１
７に固定しているので、このスイッチ機構部分のみ、別
にユニットとして組立、および調整ができる。

このため、組立は簡単に行え、またそれぞれの部品間の
関連位置も取付板１７だけの加工精度を良くしておけば
くるわす、したがってドアスイッチ１１の動作も常に確
実に行われる。

なお、取付板１７の加工精度を良くすることはプレス加
工で充分なしえ、スポット溶接などによる製品間のバラ
ツキも出にくく安定したスイッチ機構を提供できる。

また、部品間の関係位置のバラツキが少なくなるという
ことは、組立後再びドアスイッチ１１の動作位置をそれ
ぞれ調整する必要がなく、あらかじめ決めた一定の位置
に取付板１１を固定するだけで済むので、この点からも
組立が容易になる。

次に本考案の要点である摺動体３２について述べる。

従来はドアフック６ｂと調理ボタン８の位置はテ゛ザイ
ンによって決められ、それに応じてスイッチレバー９ｂ
を摺動体まで含めた第３図のような複雑な形状のスイッ
チレバー９Ｃをテ゛ザイン変更の都度新規に作成してい
た。

これに対し本考案のごとく別部品の摺動体３２を設ける
ことにより、フック６ｂがデザイン少々上下に変更して
も摺動体３２の長さｌにて多少調整すれば対応できる。

又ｌが相当長いデザインのときは第１３図に示すように
スイッチレバー９Ｃであれば形状を作るだけでも精度が
でないので不可能となるし、又ドアキー１５がベクトル
Ａ方向に対し、スイッチレバー９Ｃは回転方向のベクト
ルＢ方向となり、動きが大きくなってフック６ｂ近傍に
あるトップマークベースの収納スペースも上記実施例の
ものより大きくなるし設計的にも困難になる。

又ベクトルＢ方向に動くことにより、上下方向のみなら
ず支軸１０ ｂとスイッチレバー９Ｃの先端までの寸法
ｍが長くなり、たわみが大きくなってドアキー５の動き
がストレートにスイッチ１１に伝えられず、誤動作の原
因となる。

すなわちドア３を閉じたタイミングよりスイッチ１１が
オンするタイミングが狂うこととなったり、スイッチを
押す際チャタリングをおこしたりし、ついにはスイッチ
を焼損することになる。

以上説明したように本考案によれば取付板にスイッチ関
連部品を全て取付けると言う簡単な構成により組立やす
く、シかも各部品間の位置関係が安定するので誤動作が
おきにくくなる。

またスイッチレバー自身も単純な形状により寸法精度が
でるし、たわみは第１３図に示すものより少く、スイッ
チの耐久性が増す。

さらにフックの位置、調理ボタンの位置などデザイン上
の自由度も増すなど実用的効果の大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高周波加熱装置の外観図、第２図は同要
部スイッチ機構の斜視図、第３図は第２図におけるＡ−
Ａ’線による断面図、第４図は第２図におけるＢ−Ｂ’
線による断面図、第５図は本考案の一実施例を示す高周
波加熱装置のスイッチ機構部の要部斜視図、第６図は同
要部取付板とネジレバネの斜視図、第７図は同操作レバ
ーとネジレバネの斜視図、第８図は同スイッチレバーの
斜視図、第９図は同摺動体の斜視図、第１０図は第５図
におけるＢ−Ｂ’線による断面図、第１１図は第５図に
おけるＣ−Ｃ′線による断面図、第１２図は第５図にお
けるＤ−Ｄ’線による断面図、第１３図は従来のスイッ
チレバーを示す斜視図である。 ３・・・・・・ドア、５・・・・・・ドアキー、６ｂ・
・・・・・フック、８・・・・・・調理ボタン、９ｂ・
・・・・・スイッチレバー１１・・・・・・ドアスイッ
チ、１３ｂ・・・・・・操作レバー１７・・・・・・取
付板、３２・・・・・・摺動体。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）ドアに設けられかつ突出する方向に付勢されたド
   アキーと、前記ドアの閉成時に前記ドアキーを係止する
   フックと、前記ドアの閉成時に前記ドアキーにより付勢
   される摺動体と、前記ドアの閉成時前記摺動体を介して
   前記ドアキーに付勢されるスイッチレバーと、前記スイ
   ッチレバーにより開閉されるドアスイッチと、高周波発
   振器を発振開始させる調理ボタンと、前記調理ボタンの
   オフ時には前記スイッチレバーの回動を阻止しオン時に
   は前記スイッチレバーの回動を可能とする操作レバーと
   を備えた高周波加熱装置。
2. （２）摺動体の支持部をスイッチレバーの支点軸の取付
   板と一体とした実用新案登録請求の範囲第１項記載の高
   周波加熱装置。
3. （３）フック、操作レバー支持部、摺動部の支持部、及
   びスイッチをスイッチレバー支点軸の取付板に一体に取
   付けた実用新案登録請求の範囲第１項記載の高周波加熱
   装置。