JPS5838396B2 - 有機質廃物の多段醗酵装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は有機質廃物の多段醗酵装置に関し、詳しくは、
ひと、家畜、家禽の排泄物、厩堆肥、産業廃棄物等の有
機質廃物の多段醗酵装置に関し、その目的は縦型醗酵槽
を複数室に分ち、各室内においてそれぞれ温風通気醗酵
を行い、最上室の醗酵室から被醗酵原料をバッチ・コン
ティニュアスに供給すると共に最下室の醗酵室の底部か
ら熟成品を取り出すようにすると共に、醗酵熱を被醗酵
原料内に構造体として埋設された吸熱管に吸熱させて生
じた温風を通気中に混入して循環利用して好気醗酵を促
進させることによって、短期間に有機質廃物を醗酵熟成
させ、バッチ・コンテイニュアスに有機廃物の醗酵熟戒
品を取り出す多段醗酵装置を提供することにある。

上記のような有機質廃物、特に家畜，家禽の糞尿等の排
泄物の処理はあるいはビニルハウス等を利用して通気乾
燥して臭気を除き或は容器内において通気醗酵を行い醗
酵と同時に乾燥した後、肥料ないしは飼料として利用す
る方法によって処理されているが、エネルギー源を用い
ないときは長時間を要し、エネルギー源を用いればその
時間は短縮できるが、その作業が殆んどバッチ的に行わ
れるため手間と多犬のコストを必要としてこれらの廃物
の処理に労力と費用を要しているのが現状である。

最近エネルギー源の危機が叫ばれるにいたり、これら従
来の欠陥の改善が切実な問題として提起されるにいたっ
た。

本発明者はこれら有機廃物の醗酵装置として連続方式に
近いｂａｔｃｈ ｃｏｎｔｉｎｕｏｕｓ法の設備として
縦型の多室、多段型方式を取り入れて頭部からバッチ連
続的上記の有機廃物の原料を水分６０〜７ｏφ程度で供
給して各室各段において通気醗酵を行い、さらに下段の
方に落としつつ醗酵を進行せしめて、最下室の底部から
熟成品として取り出すことのできる構造の醗酵装置につ
いて研究すると共に、これらの通気醗酵の際に発生する
醗酵熱は醗酵物中に配設した吸熱管中の空気を加温させ
て加温空気に変化させて該加温空気を醗酵物への給気に
混入して循環させ、加温空気を醗酵物料に散気供給する
ことによって醗酵熱を有効利用することによって、醗酵
を短縮化すると共に熱エネルギーの節減を可能とする配
管を組み合せた装置について研究し本発明を完或するに
いたった。

すなわち、本発明は、縦型円筒状ないしは角墳状の醗酵
槽を単数ないしは複数室に分ち、各室にはそれぞれ複数
段に碁板の目状の醗酵熱吸熱管を均一に配設し、かつ上
記各段の吸熱管の間に多数の通気孔を有する散気管を均
一に配設し、上記吸熱管及び散気管は同時に兼ねて被醗
酵物を支持して重圧減少効果を発揮し得る構造とし、各
室にはそれぞれ排気管及び底部には一ケ以上の排出機構
を設ける劃一の構造とし、最上の醗酵室の上部には被醗
酵原料供給ホツパー、最下の醗酵室の底には熟成製品を
取り出し装置を備えて、上部よりバッチ連続的に被醗酵
原料を供給し、底部より熟成製品を取り出すようにする
と共に、上記吸熱管は槽外にて上記散気管への給気管と
併合するように配管され、醗酵熱は加温空気として被醗
酵物への通気として循環して加温好気醗酵を促進するよ
うに構威されたことを特徴とする、ひと，家畜，家禽の
排泄物、厩堆肥、産業廃棄物から選ばれた有機質廃物の
多段醗酵装置である。

以下本発明を図面と共に説明する。

第１図は本発明の装置及び同配管系統図であり、第２図
は第１図第■室部分の一部切開正面図、第３図は第２図
Ａ−Ａ線横断平面図を示す。

図中、１は本発明の醗酵槽、２は吸熱管、３は散気管、
４は排出機構、４′は同ダンパー、５は廃物原料ホツパ
ー、６は同原料用ベルトコンベヤー又はパケットコンベ
ヤー、７は熟成品取出し口、８は同搬出パケットコンベ
ヤー、９は搬出用ベルトコンベヤー、１０は被醗酵原料
（有機質廃物）、１１は排気系統管（配管図中白矢印で
示す）、１２は給気又は循環加温空気系統（配管図中黒
一つ矢印で示す）、１３は循環加温空気及び／又は加熱
空気と給気との混合給気系統（配管図中黒二つ矢印で示
す）、１４は補助温風ボイラーにより加熱された加熱仝
気管、１５は予熱空気、１６はブロフー、１６’は通気
用、１６２は新空気給気用、１６３は排気用、１７は熱
交換器、１８は補助温風ボイラー １９は同蓄熱装置、
２０は排気煙突、２１はバルブ又はダンパーを示す。

本発明の醗酵槽は図に示すように縦型角墳状又は円筒状
でも何れでもよいが、縦方向に単室ないしは複数室（図
ではＩ，ＩＩ及び■の３室）によって構成され、室を単
位として連接し得る構造とし強度さえ許せば室数を増す
ことによって生産能力を増加させることができ、極端な
場合は単室でもよい。

又このように複数室のものを並列に設けることによって
さらに生産能力を増加すると共に原料供給装置及び熟成
品取り出し装置を共通に使用できる。

本発明の単位室は必須要件として第３図に示すように碁
板目状に均一に吸熱管２を複数段（図面の例では例えば
３段）配設して発酵中に発生した熱を吸収して取り出す
役目をする。

かつこの吸熱管の間には第３図に示すように散気管３を
設け散気管には多数の孔を穿って被醗酵物１０に加温空
気の混じた（後述）空気を送り、好気的醗酵を促進せし
める役目をする。

この場合上記の吸熱管２及び散気管３は上記のそれぞれ
の役目だけでなく本発明の醗酵槽の構造を強化して充填
された被醗酵物を支持して被醗酵物の重圧を減少して被
醗酵物が適当な間隔をおいて通気が円滑に行われるよう
に、又醗酵物が順次適量ずつ下に送られるように醗酵物
の重量を分けて支持する機能を有するような構造として
、例えば吸熱管２は醗酵槽の主支柱枠に独立に連接しか
つ散気管３はこの吸熱管２に吊下する等分担して醗酵物
を支持分割する役目を有せしめており、この構造は本発
明の醗酵槽の重要な要件を構或する。

このような機能を有せしめるためには例えば醗酵槽の幅
が３ｍとした場合、図のように吸熱管２と散気管３によ
って６等分され一層の厚さがほぼ３０ｃｒｒＬ〜５０Ｃ
ｒ／Ｌの厚さをなしており、この厚さがこの形式で好気
醗酵を行うための適当な厚さをなすように又適当な通気
が行われるように吸熱管及び散気管の数と大きさ、通気
孔の数等を定める この醗酵室は以上の他に底部に排出
機構４を設ける。

この排出機構は回転体によるもの又は図のようにダンパ
ー形式によるもの等任意のものが用いられ、その数も１
ヶないしは複数ケ設けてよく図ではハンドルによって開
閉するダンバー４′を複数個を配置して下方の醗酵室へ
の被醗酵原料を排出する役目を有している。

本発明の醗酵槽は上記の醗酵室を単室設けるか又は同じ
構造の醗酵室を複数室重ねればそれだけ処理能力が増し
て一室に滞留する時間が短かくなりかつ被醗酵物の混合
が十分に行われ、空気及び熱の分布も均一に行われるよ
うになるが、一方醗酵室の強度からの制約もあり３ない
し４室を重ねる方が経済的である。

図ではＩ，ＩＩ，Ｉの３室設けて、最上部にホッパ−５
とベルトコンベヤー６によってバッチコンテイニュアス
に水分６０〜７０係の廃物を供給して、１室に２〜３日
滞留通気醗酵を行い、次に下の室に順次に落して落した
分だけホツパーで供給して醗酵を続け、約６〜７日で完
全に醗酵を終了して水分２０〜３０係の熟成物として最
下室の底部から排出され、スクリューコンベヤー８及び
取り出し口７を通じてベルトコンベヤー７によって外部
に搬出されて肥料又は飼料として使用される。

この場合製品の一部原料の数係ないし数十係程度を原料
供給ホツパーにフィードバックして循環させるようにす
れば、種菌の供与と共に原料水分の調整を町能とし醗酵
速度をさらに促進させることができる。

一方このような醗酵によって生じた醗酵熱は各室の吸熱
管２に吸収されてその中の空気を加温し加温空気は加温
空気管を通ってブロワー１６′によって一部は循環加熱
空気１２として循環し（黒一つ矢印）、一部は新鮮な空
気の熱交換器１７で予熱された空気と混じて循環加温空
気と給気の混合系統（黒二つ矢印）を通じて各室の各段
の散気管３に平均に分散されて醗酵物に加温給気して給
気によって醗酵温度を低下させることなく好気醗酵を促
進するに役立つ。

なお、この醗酵の初期において未だ醗酵熱の発生がない
とき又は冬期等気温の低下が著しいか醗酵熱の発生が不
十分な時は補助温風ボイラー１８を稼動して燃料を用い
て熱を発生させ煙管式又は水管式の蓄熱装置１９を通じ
て通気用管に加熱空気管１４によって加熱空気を補充し
て被醗酵物の醗酵温度を一定以上に保つようにする。

しかし夏季及び醗酵が円滑に行われれば補助ボイラーは
当初稼動させるだけで十分である。

又各室に発生した排気は各室の境の上部排出部の空所に
集まり排気温度の低い部分は図の左側の排気管１１を通
じて排気ブロワー１６３によって排気煙突２０より排出
され、排気温度の高い部分は図の右側の排気管１１によ
って集められ、熱交換器１７によって給気ブロワー１６
２によって導入される新鮮な空気１２を加熱して予熱空
気管１５中の予熱空気として散気管に供給する混合給気
の温度が低下しないようにするのに役立った上、他の排
出空気と共に排出煙突２０から排出される。

なおこの排出煙突から排出される排出空気は悪臭を伴う
ことが多いのでその場合はこの排気を上記の補助温風ボ
イラー１８に導き燃焼せしめてその煙突より排出させる
ようにすれば悪臭を軽減することができる。

本発明の上記の設備により、 （１）吸熱管を均一に碁板目状に配置したことによりそ
の重圧減少機能と相俟って醗酵熱を有効に回収し、実験
によればその±程度を回収して循２ 環して温風として散気管に供給され甚しい寒冷でない限
り補助温風ボイラーを必要とせず、省エネルギーに役立
つと共に醗酵物に通気する際に通常発生する温度低下に
よる醗酵の阻害が防止され、醗酵の促進に役立つ。

（２）散気管を均一に配設しこれによって醗酵物の重圧
減少機能を生じ、かつ好気醗酵に役立つと共に、醗酵に
役立つのみならず、例えば鶏糞等を乾燥のみによって乾
燥製品とする場合は補助温風ボイラーを稼動してそれと
散気管によって乾燥製品の生産も呵能である。

（３）上記の吸熱管と散気管の重圧減少効果は単に重圧
を減少するのみならず、好気醗酵の保持に役立つ。

例えば１．５ｍ〜２ｍ厚さの被醗酵原料を単槽内に投入
するとそのために通気が行われなくなり嫌気醗酵となり
悪臭を発生するにいたり又除湿も困難となり乾燥が行わ
れず、又本発明のような排出機構の円滑な作動が困難と
なり、運転不能に陥るようになるが、上記の重圧減少効
果によってこれらの弊害を完全に追放することができる
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の装置及び同配管系統図、図中黒一つ矢
印は給気又は循環加温空気系統、黒二つ矢印は循環加温
空気及び／又は加熱空気と給気の混合給気系統、白矢印
は排気系統のそれぞれ配管系統を示す。 第２図は第１図■室部分の一部切開正面図、 第３図は第２図Ａ Ａ線横断平面図を示 す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 縦型円筒状ないしは角墳状の酸酵槽を単数ないしは
   複数室に分ち、各室にはそれぞれ複数段に基板の目状の
   醗酵熱吸熱管を均一に配設し、かつ上記各段の吸熱管の
   間に、多数の通気孔を有する散気管を均一に配設し、上
   記吸熱管及び散気管は同時に兼ねて被醗酵物を支持して
   重圧減少効果を発揮し得る構造とし、各室にはそれぞれ
   排気管及び底部には一ケ以上の排出機構を設ける劃一の
   構造とし、最上の醗酵室の上部には被醗酵原料供給ホツ
   パー、最下の醗酵室の底には熟戒製品取り出し装置を備
   えて、上部よりバッチ連続的に被醗酵原料を供給し、底
   部より熟成製品を取り出すようにすると共に、上記吸熱
   管は檜外にて上記散気管への給気管と併合するように配
   管され、醗酵熱は加温空気として被醗酵物への通気とし
   て循環して加温好気醗酵を促進するように構成されたこ
   とを特徴とするひと、家畜、家禽の排泄物、厩堆肥、産
   業廃棄物から選ばれた有機質廃物の多段醗酵装置。