JPH11292669A - 好気性発酵肥料の製造方法及び製造装置 - Google Patents

好気性発酵肥料の製造方法及び製造装置

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JPH11292669A
JPH11292669A JP10108531A JP10853198A JPH11292669A JP H11292669 A JPH11292669 A JP H11292669A JP 10108531 A JP10108531 A JP 10108531A JP 10853198 A JP10853198 A JP 10853198A JP H11292669 A JPH11292669 A JP H11292669A
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heat
fermentation
air
temperature
organic material
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JP10108531A
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Shoichi Yamamura
正一 山村
Shinjiro Kanazawa
晋二郎 金沢
Keisuke Kasahara
敬介 笠原
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Sanyu Co Ltd
Original Assignee
Sanyu Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】発酵所要速度を短縮させ、製造コストを低減で
きる好気性発酵肥料の製造方法と製造装置の提供。 【解決手段】好気性超高温菌を含む菌体培養物と有機廃
棄物とからなる有機物原料を発酵槽内に堆積し有機物原
料に空気を送り込んで発酵を進行させる好気性発酵肥料
の製造方法において、発酵の開始前から発酵の初期の段
階の間で有機物原料を加熱してその温度を所定の発酵温
度以上に昇温させる製造方法。床部に空気吹き出し口7
を有する発酵槽B,Bと、発酵槽内の有機物原料を
周囲から加熱する原料加熱手段5と、発酵の開始前に吸
入空気を加熱するとともに発酵の進行に伴って外部に放
散される熱及び余剰熱を吸収しこの熱を熱源として吸入
空気を加熱することができる熱交換手段と、加熱された
空気を発酵槽の空気吹き出し口に供給する空気送り込み
手段とからなる好気性発酵肥料の製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、好気性発酵肥料の
製造方法及びその方法を実施するための製造装置に関す
る。さらに詳しくは、有機廃棄物を主原料とする有機質
肥料、特に好気性発酵肥料の製造において、製造所要時
間を短縮することができる好気性発酵肥料の製造方法と
製造装置に関する。
【0002】従来の好気性発酵肥料の製造においては、
好気性菌(中温菌・高温菌・超高温菌等の各種の菌体)
を含む菌体培養物例えば先に製造した好気性発酵肥料の
一部と、有機廃棄物例えばし尿パンケーキとを有機物原
料として発酵槽内に堆積し、発酵槽の床部から空気を送
り込み好気性菌の作用によって発酵を進行させ次第に高
温化させて、ときどき発酵槽内の有機物原料をかき混ぜ
て(以下、この作業を「切り返し」という。)発酵槽内
の温度を平均化させながらさらに発酵を進行させて、完
熟状態の肥料に製了している。しかし、この製造方法に
よると、発酵の開始から例えば 100℃に近い超高温菌に
より完熟肥料に仕上がるまで、少なくとも45日から50
日、通常は60日から90日、長い場合には4カ月も経ねば
ならなかった。このために、従来法による好気性発酵肥
料の製造では、長期間に及ぶ有機物原料堆積面積の専有
を必要とし、電気代もかさみ、しかもその製造工程を連
続化させることができなかった。したがって従来の製造
方法では、有機物原料の処理能力に限界があり、好気性
発酵肥料を大量生産するためには敷地を広く必要とし相
当の製造コストを要する等さまざまな問題があった。特
に冬期には、外気温度が低いので送風温度が低くなり、
有機物原料は大気と同じ温度に晒されて、好気性菌の活
動は緩慢で有機物原料が発酵を開始するまで相当の時間
を要した。また夏期においても、有機物原料の温度は30
℃くらいに過ぎないため、昇温発酵の速度は緩く、100
℃に近い温度に昇温させるのに長時間を要することに変
わりはなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の実情
に鑑みてなされたもので、有機質肥料、特に好気性発酵
肥料の製造における発酵開始前の段階から完熟肥料とし
て製了するまでの製造所要期間を大幅に短縮させ、製造
コストを低減できる新しい製造方法及び製造装置を提供
することを目的とするものである。また本発明は、省エ
ネルギー的手段を用いることによって、一段と経済的効
果を高めることができる好気性発酵肥料の製造方法及び
製造装置を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するた
めに、本発明のうち請求項1に記載の発明は、好気性超
高温菌を含む菌体培養物と有機廃棄物とからなる有機物
原料を発酵槽内に堆積し有機物原料に空気を送り込んで
発酵を進行させる好気性発酵肥料の製造方法において、
発酵の開始前から発酵の初期の段階の間で有機物原料を
加熱してその温度を所定の発酵温度以上に昇温させるこ
とを特徴とする好気性発酵肥料の製造方法である。
【0005】また本発明のうち請求項2に記載の発明
は、請求項1に記載の製造方法において、発酵の開始前
から発酵の初期の段階の間で有機物原料を加熱してその
温度を所定の発酵温度以上に昇温させ、発酵の進行に伴
って外部に放散される熱及び余剰熱を熱源とするヒート
ポンプにより吸入空気を加熱し、加熱した空気を有機物
原料に送り込んで有機物原料の温度を所定の発酵温度以
上に昇温させ、さらなる発酵の進行に伴って外部に放散
される熱及び余剰熱を熱源とするヒートポンプにより吸
入空気を加熱する工程を繰り返し行なうとともに、発酵
の進行状況に応じて有機物原料の加熱温度を制御するこ
とを特徴とする好気性発酵肥料の製造方法である。
【0006】さらに請求項3に記載の発明は、好気性超
高温菌を含む菌体培養物と有機廃棄物とからなる有機物
原料を複数基の発酵槽内にそれぞれ堆積し各有機物原料
に空気を送り込んでそれぞれ発酵を進行させる好気性発
酵肥料の製造方法において、発酵の進行に伴って外部に
放散される熱及び余剰熱を熱源とするヒートポンプによ
り吸入空気を加熱し、加熱した空気を任意の発酵槽内の
有機物原料に送り込んでその有機物原料の温度を所定の
発酵温度以上に昇温させ、さらなる発酵の進行に伴って
外部に放散される熱及び余剰熱を熱源とするヒートポン
プにより吸入空気を加熱する工程を繰り返し行なうとと
もに、発酵の進行状況に応じて各発酵槽内の有機物原料
の加熱温度をそれぞれ制御することを特徴とする好気性
発酵肥料の製造方法である。
【0007】さらに請求項4に記載の発明は、床部に空
気吹き出し口を有する発酵槽と、発酵槽内の有機物原料
を周囲から加熱する原料加熱手段と、発酵の開始前に吸
入空気を加熱するとともに発酵の進行に伴って外部に放
散される熱及び余剰熱を吸収しこの熱を熱源として吸入
空気を加熱することができる熱交換手段と、加熱された
空気を発酵槽の空気吹き出し口に供給する空気送り込み
手段とからなることを特徴とする好気性発酵肥料の製造
装置置である。
【0008】さらに請求項5に記載の発明は、仕切り壁
によって区画され床部に空気吹き出し口を有する発酵槽
と、床部もしくは壁部又は床部と壁部の両方に取り付け
てある伝熱パイプからなる原料加熱手段と、発酵槽の上
方に設置してある熱吸収器及び送風機に連結してある空
気加熱器並びにこの両者の間に設けてあり空気加熱器と
伝熱パイプにそれぞれ熱を供給するヒートポンプとから
なる熱交換手段と、空気加熱器によって加熱された空気
を発酵槽の空気吹き出し口に供給する送風機及びダクト
からなる空気送り込み手段とで構成することを特徴とす
る好気性発酵肥料の製造装置である。
【0009】さらに請求項6に記載の発明は、仕切り壁
によって区画されそれぞれの床部に空気吹き出し口を有
する複数基の発酵槽と、各床部もしくは壁部又は各床部
と壁部の両方に取り付けてある伝熱パイプからなる原料
加熱手段と、各発酵槽の上方にそれぞれ設置してある1
基又は複数基の熱吸収器及び発酵槽外の送風機に連結し
てある空気加熱器並びに熱吸収器が吸収した熱を集める
吸熱パイプと空気加熱器との間に設けてあり空気加熱器
と各伝熱パイプにそれぞれ熱を供給するヒートポンプと
からなる熱交換手段と、空気加熱器によって加熱された
空気を各発酵槽のそれぞれの空気吹き出し口に供給する
送風機及びダクトからなる空気送り込み手段とで構成す
ることを特徴とする好気性発酵肥料の製造装置である。
【0010】さらに請求項7に記載の発明は、請求項6
に記載の製造装置において、複数基の発酵槽に跨がって
床部もしくは壁部又は床部と壁部の両方にヒートパイプ
を取り付けてある好気性発酵肥料の製造装置である。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。尚、本発
明の説明において「%」の表示は、特に断らないかぎり
「重量%」を表す。本発明に係る好気性発酵肥料の製造
方法は、好気性超高温菌を含む菌体培養物と有機廃棄物
とからなる有機物原料を発酵槽内に堆積し有機物原料に
空気を送り込んで発酵を開始させる好気性発酵肥料の製
造方法において、発酵の開始前から発酵の初期の段階の
間で有機物原料を加熱してその温度を所定の発酵温度以
上に昇温させることを基本とするものである。したがっ
て、まず、この基本の製造方法から説明する。
【0012】本発明においては、主原料として有機廃棄
物を使用する。本発明でいう有機廃棄物とは、わら、落
ち葉、ヌカ、籾殻、樹皮、切板、オガ屑等の植物廃棄
物、家畜類や家禽類の糞尿、動物の屍体や血液や内蔵等
の動物廃棄物、し尿、汚泥、下水のスラッジ、都市ご
み、食用廃油、食品廃棄物等の生活廃棄物や工業廃棄物
の他、通常の堆肥や有機質肥料の原料となるもの、及び
有機質肥料の原料としてとして処理しようとする全ての
有機性物質を含む。本発明では、こられの有機廃棄物の
1種又は2種以上を同時に使用してさしつかえない。
【0013】本発明では、これらの有機廃棄物と好気性
超高温菌を含む菌体培養物とで有機物原料を構成する。
尚、本発明においては、好気性菌が発酵活動をなし得る
温度帯に応じて、55℃未満で活動するものを中温菌、55
℃以上75℃未満で活動するものを高温菌、75℃以上で活
動する菌を超高温菌と称する。本発明では、好気性超高
温菌として、従来使用されているどのような菌でも使用
することができるが、本発明者らが鹿児島県姶良郡牧園
町の霧島火山帯の土壌から見いだして先に特許出願中で
あり(特開平9-59081)、バチルス属、ミクロコッカス属
或いは放線菌に属し現在工業技術院生命工学工業技術研
究所に寄託している受託番号FERMP-15036 、FERMP-1508
6 、FERMP-15087 、FERMP-15536 、FERMP-15538 、FERM
P-15539 、FERMP-15540 、FERMP-15541 、FERMP-15542
等の土壌菌のうち1種の菌体又はこれらの菌の混合菌体
を好適なものとして使用することができる。
【0014】これらの好気性超高温菌を含む菌体培養物
は、例えば以下のようにして製造する。好気性超高温菌
をはじめ好気性高温菌や中温菌等の任意の好気性菌を含
む土壌を採取し蔗糖溶液等を加えて高温下で通気しなが
ら発酵させて菌体を培養し、このものを有機廃棄物例え
ば生汚泥と混合して高温下でさらに通気しながら発酵さ
せて菌体培養物とする。尚、本発明の製造方法によって
一旦好気性発酵肥料を製造した後は、その好気性発酵肥
料を菌体培養物として使用することができる。すなわ
ち、本発明の製造方法によって製了した完熟状態の好気
性発酵肥料を発酵槽から取り出して包装等の次工程に移
す際に、その一部を「好気性超高温菌を含む菌体培養
物」として発酵槽内に残留させ、その上に主原料である
有機廃棄物を投入し堆積させて次回の有機物原料を構成
してもよい。むしろ、本発明者らの知見では、本発明に
より先に製した好気性発酵肥料を菌体培養物の一部又は
全部として繰り返し使用する方が安定した発酵状態が得
られ、肥料成分に富む有機質肥料を得ることができるこ
とが判明している。しかし本発明では、どのような方法
で製した菌体培養物でも使用することができる。
【0015】本発明では、まず、このようにして製造し
た好気性超高温菌を含む菌体培養物と有機廃棄物とから
なる有機物原料を発酵槽内に堆積させる。好気性発酵の
開始に必要な有機物原料の水分含量は、35%から75%程
度、好ましくは40%から70%程度である。例えば、本発
明により製了した完熟状態の好気性発酵肥料を菌体培養
物として30部使用する場合その水分含量は30%程度であ
るから、有機廃棄物として水分含量70%程度のし尿パン
ケーキを70部添加すると、発酵開始に必要な水分状態を
容易に得ることができる。
【0016】本発明において使用する発酵槽は、屋根を
有する建屋の中に1槽又は複数の槽として設けられる場
合が多い。本発明の発酵槽は「発酵ヤード」等と称され
るものも含み、通常の堆肥生産の場合と同様にコンクリ
ート等の仕切り壁によって、例えば1区画を幅5m×長さ
15m×高さ3m程度の、有機物原料を内部に堆積させ発酵
させるのに適当な容積のものに区画したものが好まし
い。発酵槽の床部には、外気を取り入れることができる
ように空気吹き出し口を設ける。具体的には、複数個の
空気吹き出し口を有する送気パイプを床下等に2列程度
に敷設するか、溝ダクトにスリットを併設し網蓋を被せ
空気吹き出し口とする。
【0017】従来の好気性発酵肥料の製造では、発酵槽
の床部に敷設した空気吹き出し口から未加熱の空気を送
り込んで好気性発酵を進行させるのであるが、本発明で
は、発酵の開始前から発酵の初期の段階の間で発酵槽内
の有機物原料を加熱してその温度を所定の発酵温度以上
に昇温させることに大きな特徴がある。一般に微生物
は、20℃から40℃の範囲が活動の最適温度であることが
知られているが、本発明者らの知見によれば、各種の好
気性菌を含む菌体培養物を使用する好気性発酵において
は、発酵の初期の裡に有機物原料の温度をできるだけ短
時間でこれらの菌の発酵温度帯に昇温させると、初期の
発酵速度が早まるだけでなく、以後の発酵の進行速度も
早くなることが判明した。本発明は、これらの知見に基
づいて完成させたものである。
【0018】本発明において「発酵の開始」とは、初め
発酵槽内の有機物原料に空気を送り込んでもほとんど変
化しなかった有機物原料の温度が、急激に上昇し始める
時点をいう。従来の好気性発酵肥料の製法では、通気開
始後4日〜5日の間は有機物原料の温度はほとんど変化
しない。また「発酵の初期の段階」とは、いくぶん発酵
の開始傾向が見られるもののいまだ急激な温度上昇が始
まっていない段階のことをいう。本発明では、発酵の開
始前から発酵の初期の段階の間、すなわち有機物原料の
温度がほとんど変化しない時期からわずかに上昇を見せ
始める間の任意の時期に有機物原料の加熱を開始する。
したがって、本発明では、発酵槽内に有機物原料を投入
する作業を行なっている時点から加熱を始めてもよい
し、有機物原料の温度が急激に上昇する前であれば有機
物原料の投入・堆積が完了してから加熱を開始してもよ
い。本発明において、有機物原料の温度を「所定の発酵
温度以上に昇温させる」とは、有機物原料が外部から加
熱されていない状態すなわち好気性菌が自力発酵を行な
う状態の時に発酵を開始又は進行する温度以上に上昇さ
せる、という意味である。本発明における「発酵開始前
から発酵の初期の段階の間で有機物原料を加熱して所定
の発酵温度以上に昇温させる」具体的な方法としては、
例えば、以下の方法を採ることができる。 (1) 先に製した完熟状態の好気性発酵肥料を菌体培養物
として発酵槽内に残留させ て使用する場合は、その残
留完熟肥料の温度がまだ熱いうちにその上に有機廃 棄
物を投入し堆積させ、必要に応じ適当に混合して、有機
物原料を昇温させる 方法 (2) ヒートポンプに連結してある伝熱パイプを発酵槽の
床部もしくは壁部又は床部 と壁部の両方に取り付け
て、ヒートポンプの熱をこの伝熱パイプに送り、有機
物原料をその周囲から加熱して昇温させる方法 (3) ヒートポンプを作動させて吸入空気を加熱し、加熱
した空気を送風機により発 酵槽の空気吹き出し口から
送り込んで有機物原料を下方から加熱して昇温させ る
方法 本発明では、上記(1) 、(2) 又は(3) の方法を適当に組
み合わせて使用し、有機物原料を初期の発酵を開始する
のに必要な温度まで、できるだけ早く昇温させることが
好ましい。本発明者らの知見によれば、発酵開始に必要
な有機物原料の温度の目安は13℃から40℃程度、好まし
くは20℃から30℃程度である。そのためには、空気加熱
器ないし伝熱パイプを通して有機物原料に対し60〜80℃
程度、好ましくは70℃前後の高温を一挙に与えることが
望ましい。
【0019】本発明に係る好気性発酵肥料の製造装置
は、床部に空気吹き出し口を有する発酵槽と、発酵槽内
の有機物原料を周囲から加熱する原料加熱手段と、発酵
の開始前に吸入空気を加熱するとともに発酵の進行に伴
って生ずる外部に放散される熱及び余剰熱を吸収しこの
熱を熱源として吸入空気を加熱することができる熱交換
手段と、加熱された空気を発酵槽に供給する空気送り込
み手段とからなる構成のものを基本とする。以下、本発
明の製造装置について説明する。
【0020】発酵槽内の有機物原料を周囲から加熱する
原料加熱手段として、先に説明したとおり、ヒートポン
プに接続してある伝熱パイプを床部もしくは壁部又は床
部と壁部の両方に取り付けておく。すなわち、伝熱パイ
プは、空気吹き出し口以外の床下に敷設しておくか、又
は仕切り壁に埋設しておくとよい。伝熱パイプは、熱媒
体としてパイプ内に水を充填した通常のものでさしつか
えない。ヒートポンプは、伝熱パイプに高熱の一部を送
って有機物原料を加熱し発酵を促進させる。ヒートポン
プには、この伝熱パイプの温度を必要に応じて調節する
ことができる制御手段を付設しておく。
【0021】発酵槽の上方すなわち建屋の屋根又はその
近傍には、有機物原料の発酵に伴って有機物原料から放
散される熱及び余剰熱を吸収するための熱吸収器(蒸発
器)を設置する。この熱吸収器はヒートポンプに接続し
てあり、ヒートポンプは外気を吸入するための送風機を
連接した空気加熱器に接続されている。また空気送り込
み手段として、送風機とともに、加熱された吸入空気を
送風機により発酵槽の空気吹き出し口まで運ぶためのダ
クトを配設し、空気加熱器はこのダクトに接続する。
【0022】発酵槽が複数基設置されている場合には、
上記の熱吸収器は、装置全体にわたり1基又は複数基を
天井又はその近くに設置する。また、ヒートポンプと空
気加熱器は、全体で1基にまとめて、吸熱器が吸収した
熱を集める吸熱パイプに接続されているヒートポンプを
作動させてこのヒートポンプで作った高熱を各発酵槽の
空気吹き出し口と各伝熱パイプにそれぞれ分配するよう
に配置することができる。尚、これらの熱交換手段は、
複数の台数制御型にしてもよいことは勿論である。本発
明では、複数の発酵槽を使用する場合、温度の不均衡を
なくすために、伝熱パイプと併設するか又は単独に、ヒ
ートパイプを設置することができる。ヒートパイプは、
例えば、銅又はステンレス鋼等で製したパイプの内側に
ガラス繊維等で作ったウイック材を張り詰めたものもあ
り、内部を減圧状にしてあるので、熱の移動と授受を容
易に行なうことができる。すなわち、ヒートパイプは、
その一端が受けた熱を容易に他端に伝えることができる
ので、これを発酵槽内の任意の箇所、例えば床部とか背
後の壁部又はその両方に横に跨がって埋設しておくと発
酵槽内の有機物原料の温度を容易に平均化することがで
きる。特にこのヒートパイプを2基ないし3基の発酵槽
の壁部もしくは床下又はその両方に跨がって取り付けて
おくと、一方の側の発酵槽内の有機物原料の温度を他方
の側の発酵槽内の有機物原料に容易に伝達するので、発
酵の進行状況に応じて各発酵槽の間で熱の授受が行なわ
れて、発生した熱をさらにむだなく利用することができ
る。ヒートパイプは、動力が不要であるので、ヒートポ
ンプに替わり又はヒートポンプとともにこれを設置する
と、静的な熱移動手段として省エネルギー効果を一層高
めることができる。尚、ヒートパイプは、ヒートポンプ
とは切り離して設置する。
【0023】次に、上記の製造装置を使用して好気性発
酵肥料を製造する方法を説明する。まず、先に説明した
要領により、好気性超高温菌を含む菌体培養物と有機廃
棄物とからなる有機物原料を発酵槽内に仕込む。発酵の
開始前から発酵の初期の段階の間の任意の時点で、送風
機を作動させて外気を吸入し、ダクトを介して発酵槽の
空気吹き出し口から有機物原料へ吸入空気を送り込む。
同時にヒートポンプを起動して高熱を作り出し、空気加
熱器に連通して吸入した空気を加熱し、加熱された空気
を発酵槽の空気吹き出し口から送り込み、有機物原料を
下方から加熱して温度を上昇させる。ヒートポンプはま
た、発酵槽の仕切り壁及び/又は床下に取り付けてある
伝熱パイプに高熱の一部を送って有機物原料を周囲から
加熱して温度を昇温させる。尚、本発明において、有機
物原料を「周囲から」加熱するとは、有機物原料の側面
と下面(床面)の両方又はその一方から加熱する、とい
う意味である。また有機物原料を「下方から」加熱する
とは、有機物原料の内部に下から空気を送り込んで加熱
する、という意味である。有機物原料の温度が上昇する
と発酵が開始される。発酵の進行に伴って有機物原料の
温度はさらに上昇し熱を放散するので、この熱を発酵槽
の上方に設置した熱吸収器で吸収させ、これを熱源とす
るヒートポンプにより高熱(凝縮熱)を作り出し、この
熱の一部を空気加熱器に送って送風機から吸入された空
気を加熱する。すなわち、ヒートポンプを介して、有機
物原料が放散する熱(放置しておくと上方に放散してし
まう熱)を吸収した熱吸収器と送風機を連接した空気加
熱器との間で熱交換を行なわせる。加熱された吸入空気
は、送風機によりダクトを通って発酵槽の空気吹き出し
口から発酵中の有機物原料に供給され、有機物原料を下
方から加熱して所定の発酵温度以上に昇温させる。また
熱の一部は、床部及び/又は壁部に埋設した伝熱パイプ
に送られ有機物原料を周囲から加熱する。本発明では、
この放散される熱及び余剰熱を熱源として有機物原料を
所定の発酵温度以上に昇温させる工程を、必要に応じ、
繰り返し行なうことができる。尚、熱を加えない建設ス
タート時は発酵に時間がかかるが、発熱し連続運転にな
ればヒートポンプの働きによって効率のよい、燃料加熱
が不要の省エネ加熱を行なうことができる。
【0024】本発明ではまた、発酵の進行状況に応じ
て、有機物原料の温度を適宜に制御できるようにしてお
く。すなわち、ヒートポンプを調節して伝熱パイプや空
気加熱器への熱の伝達を止めたり絞ったりすることがで
きるような制御手段を設けておく必要がある。尚、本発
明では、発酵温度を85℃以上で 100℃未満を維持するよ
うに制御すると、安定した発酵状態を続けることができ
るので、製造所要時間をさらに短縮することができる。
【0025】有機物原料の温度がやや低下する傾向を示
した時点で、発酵槽内の有機物原料の切り返しを行なう
と、発酵の温度は低下するが、上記の加熱を続けている
と、温度は再び急速に上昇する。切り返しを行なうこと
によって、有機物原料の全体に空気が行きわたり、ムラ
なく平均に熟成させることができる。切り返しを5〜6
回程度行なうと、有機物原料の温度はもはや上昇せず、
有機物原料は黒褐色の乾燥粉体となる。その時点が発酵
の終了である。従来の製法では、外気温そのままの空気
を吹き込むので、せっかく発酵昇温した有機物原料が低
い外気温にさらされることになり、吹き込み付近は常に
温度が上昇しないため、切り返しを頻繁に行なわなけれ
ばならなかった。本発明では、有機物原料を任意の時点
で加熱することができ、しかもその加熱温度を制御でき
るようにしたので、切り返しによって有機物原料の温度
が低下しても、加熱を続けることによって急速に温度を
上昇させることができ、発酵の速度を落とさないように
することができるのである。また本発明によれば、切り
返しの回数を従来よりも減らすことができる。
【0026】本発明による好気性発酵肥料の製造では、
発酵の初期の段階から連続して有機物原料に加熱した空
気を供給すると、発酵が進行し有機物原料の温度が 100
℃以上に上昇し、さらに加熱空気を送り続けると発火温
度以上に達し、火災のおそれがあるため、発酵中におけ
る有機物原料の切り返しや温度制御は、工程の管理上必
要なものである。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき実施例をもっ
て本発明をさらに説明する。
【実施例1】図1は、本発明の一実施例として、伝熱パ
イプとヒートパイプを併設した好気性発酵肥料の製造装
置の全体を示す正面の概念図である。図1において、A
は雨水を凌ぐ屋根を有する建屋であり、その側面はほぼ
開放されている。建屋Aの下方には、コンクリートの床
部8を敷設してある。建屋Aの内部は、コンクリートの
仕切り壁10によって任意の有機物原料11の適量を収納で
きる容量、例えば1区画が幅5m×長さ15m ×高さ3mの容
量を有する4つの発酵槽B1〜B4に区画されている。各仕
切り壁10の中には、ヒートポンプ1に接続されている伝
熱パイプ5とヒートパイプ9(ヒートポンプ1に接続さ
れていない)とが交互に埋設されている。また床部8の
直下にも伝熱パイプ5を敷設してある。さらに発酵の期
間中発酵槽B1〜B4内の有機物原料11の発酵熱を所定温度
範囲、すなわち、85℃以上で 100℃未満の温度に維持す
るために、(図示しないが)温度制御手段としてサーモ
スタット等を発酵槽B1〜B4の各仕切り壁10等に設置して
ある。
【0028】発酵槽B1〜B4のそれぞれの床部8の中央に
は、長手方向に空気吹き出し口7が設けてあり、各空気
吹き出し口7・7・・は、それぞれダクト6によって、
建屋Aの外方に設置した送風機2の送風口に連設されて
いる。送風機2はまた床部8の下面に配したダクト6の
途中に設けた空気加熱器3を介してヒートポンプ1と連
通されている。ヒートポンプ1は、発酵槽B1〜B4の上
方、すなわち建屋A内の天井又はその近傍に設置されて
いて外部に放散される熱及び余剰熱を吸収する3基の熱
吸収器4・4・4の吸熱パイプに接続されている。尚、
本実施例では熱吸収器4を3基設置したが、これに限る
ものではなく、その設置台数は、状況により適宜決める
ことでさしつかえない。
【0029】発酵槽B1〜B4のそれぞれに、例えば、先に
その発酵槽で製造した完熟肥料の一部を残留させてお
き、その上にし尿パンケーキや生汚泥等の有機廃棄物を
それぞれ投入し堆積させ有機物原料11とする。まず送風
機2を作動させて外気を取り込み、ダクト6を介して空
気吹き出し口7・7・・から発酵槽B1〜B4内へ送気を開
始する。同時にヒートポンプ1を起動させ、高熱を作り
出しその一部を発酵槽B1〜B4の仕切り壁10に埋設されて
いる伝熱パイプ5と床部8の直下に敷設した伝熱パイプ
5の両方に送り発酵槽B1〜B4内の有機物原料11を周囲か
ら加熱する一方、熱の一部を空気加熱器3に送って送風
機2が吸入した空気を加熱し、加熱された吸入空気を送
風機2によってダクト6を通して発酵槽B1〜B4の各空気
吹き出し口7・7・・に送り有機物原料を下方から加熱
して、発酵の開始を促進させる。有機物原料が昇温する
ので発酵が開始され、発酵の進行に伴って有機物原料は
次第に高温となる。
【0030】有機物原料から放散される熱及び余剰熱
は、建屋A内の天井又はその近傍に設置されている3基
の熱吸収器4・4・4によって適宜吸収され、ヒートポ
ンプ1はこの熱を熱源として高熱を作り出しその一部を
発酵槽B1〜B4の仕切り壁10に埋設されている伝熱パイプ
5と床部8の直下の伝熱パイプ5を通して発酵槽B1〜B4
内の有機物原料に周囲から伝え加熱する一方、空気加熱
器3にも熱を送って送風機2が吸入した空気を加熱し、
加熱した吸入空気を送風機2によってダクト6を通して
発酵槽B1〜B4の各空気吹き出し口7・7・・から有機物
原料11に伝えて下方から加熱し、発酵をさらに促進させ
る。発酵の進行に伴って放散される熱及び余剰熱は、熱
吸収器4・4・4によって吸収され、ヒートポンプ1は
この熱を熱源として高熱を作り出しその一部を仕切り壁
10に埋設されている伝熱パイプ5と床部8のの伝熱パイ
プ5を通して発酵槽B1〜B4内の有機物原料に周囲から伝
え有機物原料11をその周囲すなわち側面と下面からさら
に加熱する。熱の一部は、空気加熱器3にも送られ送風
機2が取り入れた外気を加熱し、加熱した外気を送風機
2によって発酵槽B1〜B4の各空気吹き出し口7・7・・
から有機物原料11に伝えて下方から加熱する。この加熱
サイクルは、発酵の進行状況に応じて、繰り返し行なわ
うことができ、ときには中断することもできる。ヒート
パイプ9は、各発酵槽B1〜B4内の温度を平均化し、有機
物原料の温度を高めて発酵を早く開始させまた進行させ
る働きをする。
【0031】発酵の進行状況に応じて、発酵槽B1〜B4
の各有機物原料11の温度をそれぞれ適宜に制御できるよ
うにしておく。すなわち、発酵槽B1〜B4の各仕切り壁10
の内壁や熱吸収器4の近傍に設置されたサーモスタット
の作動によりヒートポンプ1を調節して伝熱パイプ5や
空気加熱器3への熱の伝達を止めたり絞ったりする。
尚、この制御手段を使用して、発酵温度を85℃以上で 1
00℃未満を維持するように制御すると、安定した発酵状
態が得られ、効率的である。本実施例では、このよう
に、発酵の進行に伴って有機物原料が放散する熱及び余
剰熱を熱源とするヒートポンプにより外気を加熱して有
機物原料11を昇温させる工程を必要に応じて繰り返し行
ない、発酵の進行状況に応じて有機物原料11の温度を制
御するので、効率的な発酵を続けることができる。
【0032】本実施例の装置を使用して、発酵槽B1内に
仕込んだし尿パンケーキの温度が10℃の場合、加熱を全
く行なわず、仕込み後ただちに10℃の空気を供給し始め
ると5日目に温度が急に15℃に上昇して発酵が開始され
た。そのまま通気を続けると次第に温度が上昇し、80℃
になった時点で昇温の速度が衰えたので切り返しを行な
い、以後4回切り返しを行なって、完熟状態のさらさら
した有機質肥料に仕上げるまで60日間を要した。本実施
例の装置を使用して、発酵槽B2内に同様に10℃のし尿パ
ンケーキを仕込み、ただちに送風機2を作動させまたヒ
ートポンプ1を起動して伝熱パイプ5に75℃の熱を送る
一方、空気加熱器3により外気を加熱して空気吹き出し
口7・7・・から75℃の熱を供給し、有機物原料11を加
熱した。約5時間後に有機物原料11の温度は40℃に達
し、すでに発酵が開始されていることが確認されたの
で、一旦加熱を中止し、有機物原料11には10℃の空気を
再び供給し続けた。以後は上記の発酵槽B1の場合と同様
に切り返しを4回行ない、各切り返しの直後だけ、それ
ぞれ70℃の加熱空気を2時間づつ供給してすみやかに昇
温させ、発酵を進行させた。この方法によると、42日目
に完熟状態の好気性発酵肥料が得られた。尚、本実施例
では、好気性超高温菌を含む菌体培養物として、同じ発
酵槽内で先に製造した好気性発酵肥料の一部を残留させ
たものを使用した。また、発酵の最初は、鹿児島県姶良
郡牧園町の霧島火山帯の37〜40℃の硫黄地帯の土壌と同
郡の青苔の生育している水田の土壌とを混合し発酵させ
たものを菌体培養物として使用し、以後繰り返して使用
し続けた。
【0033】各発酵槽B1〜B4内の有機物原料11は、上下
層をショベルローダー等を使ってときどき切り返し作業
を行なって、温度を平均化させる。尚、建屋Aの内部
は、各発酵槽B1〜B4ごとに自動車やフォークリフト、シ
ョベルローダー等が自由に走行できまた作業できる通路
と間隔を保っていると作業が容易となる。
【0034】
【実施例2】図2は、本発明の別の実施例であり、実施
例1の装置の背壁12の中に、複数基の発酵槽B1・B2を跨
いでヒートパイプ9・9・を埋設させた装置の一部を示
す正面概念図であり、図3は、その側面概念図、図4
は、その平面概念図である。図2〜図4の各符号の意味
は、実施例1の場合と同じである。図2〜図4におい
て、有機物原料の発酵は各発酵槽B1・B2・・ごとに進行
している。いま発酵槽B1が完熟状態に近づき発酵熱が 1
00℃を越えようとすると、その熱を背壁12中のヒートパ
イプ9の発酵槽B1側が吸収し、同じヒートパイプ9の発
酵槽B2側に伝える。すなわち、発酵熱が高い方の発酵槽
B1の熱は低い方の発酵槽B2へ移動し、かくして発酵槽B1
・B2の間で発酵の促進化と平均化を行なうことができ
る。その他の仕組みは、実施例1と同じである。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、発酵の開始前から発酵
の初期の段階の間で有機物原料を所定の発酵温度以上に
昇温させるので、発酵の初期から高温下で制御すること
ができて、発酵の開始が早まるとともに以後の発酵速度
も早くなるので、好気性発酵肥料の製造の全期間を通し
てその製造所要期間をいちじるしく短縮することができ
る。特に従来法では、冬期は夏期に比べ、発酵所要日数
がいちじるしく長くなっていたのであるが、本発明によ
れば、冬期における発酵遅延を防止できるので、冬期と
夏期の所要日数の差を解消することができる上、年間を
通して一定した日数で好気性発酵肥料を製造することが
できる。したがって、生産工程を管理しやすくなり、生
産コストを低減させることができる。また本発明によれ
ば、発酵の進行に伴って外部に放散される熱及び余剰熱
を熱源とするヒートポンプにより外部空気を加熱し、加
熱した空気により有機物原料をその下方及び/又は周囲
から加熱して有機物原料の温度を所定の発酵温度以上に
昇温させ、さらなる発酵の進行に伴って外部に放散され
る熱及び余剰熱を熱源とするヒートポンプにより吸入空
気を加熱する工程を繰り返し行なうとともに、発酵の進
行状況に応じて有機物原料の加熱温度を制御することに
したので、放散される熱や余剰熱をむだにすることなく
再利用することができる。さらに、自己発酵熱を送風空
気に還元することにより、高い発酵温度でも省エネルギ
ー効果を上げることができる。さらに本発明によれば、
切り返し作業の回数を少なくすることができ、労働生産
量を上げることができる。本発明は、発酵の進行に伴っ
て外部に放散される熱及び余剰熱を熱源とするヒートポ
ンプを使用する仕組みにしたので、吸収した熱以上の熱
量を供給することができて、きわめて効率的でしかも省
エネルギー的効果の高い好気性発酵を行なうことができ
る。したがって本発明では、従来の製法に比べ、好気性
発酵肥料製造のコストを大きく低減させることができ
る。本発明はまた、発酵の進行の状況に応じて有機物原
料の温度を制御するので、有機物原料の仕込みと発酵を
常に最適の温度状態を維持したまま続けることができ
る。したがって、本発明では、切り返しを行なうことで
有機物原料の温度が低下するのを最小限に防ぎ、またす
みやかに回復させることができるので、発酵の速度を落
さずに進行させることができる。さらに本発明では、切
り返しの回数を少なくすることができ、従来法に比べ労
働生産量を上げることができる。本発明は、複数基の発
酵槽を使用する場合でも、各発酵槽内の有機物原料の温
度をまとめて制御することができるので、発酵の進行状
況に応じ、各発酵槽内の温度を平均化することができる
とともに、1回あたりの発酵所要期間が大幅に短縮でき
るので、有機物原料の仕込みや仕上がった好気性発酵肥
料の取り出しを連続的に行なうことができる。
【0036】本発明によって得られる好気性発酵肥料
は、好気性超高温菌の作用によってほぼ 100℃近くで完
熟となる。また、発酵の途中においても高い発酵熱を発
するので、雑菌、特に芽胞形成雑菌や雑草種子を死滅さ
せることができ、得られる有機質肥料はほとんど臭気を
発しない。また蛆虫やその他の害虫も高温のため死滅し
以後寄りつかない。また雑草の発生が防止できる。本発
明によって製した好気性発酵肥料は、 100℃近くで完熟
しているので水分は蒸発し、高熱により自然に乾燥す
る。本発明による完熟好気性発酵肥料は、臭気もなく、
無機化した砂様の状態で水にもすぐには溶けず、沈降す
る。したがって、搬送や包装が容易である。また超高温
菌は完熟によって菌株は固定されているので、乾燥有機
質肥料として、そのまま製品化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の装置の全体を示す正面概念
図。
【図2】本発明の他の実施例の装置の一部を示す正面概
念図。
【図3】上記実施例の装置の一部を示す側面概念図。
【図4】上記実施例の装置の一部を示す平面概念図。
【符号の説明】
A 建屋 B1 ・ B2 発酵槽 1 ヒートポンプ 2 送風機 3 空気加熱器 4 熱吸収器 5 伝熱パイプ 6 ダクト 7 空気吹き出し口 8 床部 9 ヒートパイプ 10 仕切り壁 11 有機物原料 12 背壁
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年2月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】本発明において「発酵の開始」とは、初め
発酵槽内の有機物原料に空気を送り込んでもほとんど変
化しなかった有機物原料の温度が、急激に上昇し始める
時点をいう。従来の好気性発酵肥料の製法では、通気開
始後4日〜5日の間は有機物原料の温度はほとんど変化
しない。また「発酵の初期の段階」とは、いくぶん発酵
の開始傾向が見られるもののいまだ急激な温度上昇が始
まっていない段階のことをいう。本発明では、発酵の開
始前から発酵の初期の段階の間、すなわち有機物原料の
温度がほとんど変化しない時期からわずかに上昇を見せ
始める間の任意の時期に有機物原料の加熱を開始する。
したがって、本発明では、発酵槽内に有機物原料を投入
する作業を行なっている時点から加熱を始めてもよい
し、有機物原料の温度が急激に上昇する前であれば有機
物原料の投入・堆積が完了してから加熱を開始してもよ
い。本発明において、有機物原料の温度を「所定の発酵
温度以上に昇温させる」とは、有機物原料が外部から加
熱されていない状態すなわち好気性菌が自力発酵を行な
う状態の時に発酵を開始又は進行する温度以上に上昇さ
せる、という意味である。本発明における「発酵開始前
から発酵の初期の段階の間で有機物原料を加熱して所定
の発酵温度以上に昇温させる」具体的な方法としては、
例えば、以下の方法を採ることができる。 (1) 先に製した完熟状態の好気性発酵肥料を菌体培養物
として発酵槽内に残留させて使用する場合は、その残留
完熟肥料の温度がまだ熱いうちにその上に有機廃棄物を
投入し堆積させ、必要に応じ適当に混合して、有機物原
料を昇温させる方法 (2) ヒートポンプに連結してある伝熱パイプを発酵槽の
床部もしくは壁部又は床部と壁部の両方に取り付けて、
ヒートポンプの熱をこの伝熱パイプに送り、有機物原料
をその周囲から加熱して昇温させる方法 (3) ヒートポンプを作動させて吸入空気を加熱し、加熱
した空気を送風機により発酵槽の空気吹き出し口から送
り込んで有機物原料を下方から加熱して昇温させる方法 本発明では、上記(1) 、(2) 又は(3) の方法を適当に組
み合わせて使用し、有機物原料を初期の発酵を開始する
のに必要な温度まで、できるだけ早く昇温させることが
好ましい。本発明者らの知見によれば、発酵開始に必要
な有機物原料の温度の目安は13℃から40℃程度、好まし
くは20℃から30℃程度である。そのためには、空気加熱
器ないし伝熱パイプを通して有機物原料に対し60〜80℃
程度、好ましくは70℃前後の高温を一挙に与えることが
望ましい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】有機物原料から放散される熱及び余剰熱
は、建屋A内の天井又はその近傍に設置されている3基
の熱吸収器4・4・4によって適宜吸収され、ヒートポ
ンプ1はこの熱を熱源として高熱を作り出しその一部を
発酵槽B1〜B4の仕切り壁10に埋設されている伝熱パイプ
5と床部8の直下の伝熱パイプ5を通して発酵槽B1〜B4
内の有機物原料に周囲から伝え加熱する一方、空気加熱
器3にも熱を送って送風機2が吸入した空気を加熱し、
加熱した吸入空気を送風機2によってダクト6を通して
発酵槽B1〜B4の各空気吹き出し口7・7・・から有機物
原料11に伝えて下方から加熱し、発酵をさらに促進させ
る。発酵の進行に伴って放散される熱及び余剰熱は、熱
吸収器4・4・4によって吸収され、ヒートポンプ1は
この熱を熱源として高熱を作り出しその一部を仕切り壁
10に埋設されている伝熱パイプ5と床部8伝熱パイプ
5を通して発酵槽B1〜B4内の有機物原料に周囲から伝え
有機物原料11をその周囲すなわち側面と下面からさらに
加熱する。熱の一部は、空気加熱器3にも送られ送風機
2が取り入れた外気を加熱し、加熱した外気を送風機2
によって発酵槽B1〜B4の各空気吹き出し口7・7・・か
ら有機物原料11に伝えて下方から加熱する。この加熱サ
イクルは、発酵の進行状況に応じて、繰り返し行なう
とができ、ときには中断することもできる。ヒートパイ
プ9は、各発酵槽B1〜B4内の温度を平均化し、有機物原
料の温度を高めて発酵を早く開始させまた進行させる働
きをする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C05F 9/02 C05F 11/08 11/08 B09B 3/00 ZABA

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 好気性超高温菌を含む菌体培養物と有機
    廃棄物とからなる有機物原料を発酵槽内に堆積し有機物
    原料に空気を送り込んで発酵を進行させる好気性発酵肥
    料の製造方法において、発酵の開始前から発酵の初期の
    段階の間で有機物原料を加熱してその温度を所定の発酵
    温度以上に昇温させることを特徴とする好気性発酵肥料
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の製造方法において、発
    酵の開始前から発酵の初期の段階の間で有機物原料を加
    熱してその温度を所定の発酵温度以上に昇温させ、発酵
    の進行に伴って外部に放散される熱及び余剰熱を熱源と
    するヒートポンプにより吸入空気を加熱し、加熱した空
    気を有機物原料に送り込んで有機物原料の温度を所定の
    発酵温度以上に昇温させ、さらなる発酵の進行に伴って
    外部に放散される熱及び余剰熱を熱源とするヒートポン
    プにより吸入空気を加熱する工程を繰り返し行なうとと
    もに、発酵の進行状況に応じて有機物原料の加熱温度を
    制御することを特徴とする好気性発酵肥料の製造方法。
  3. 【請求項3】 好気性超高温菌を含む菌体培養物と有機
    廃棄物とからなる有機物原料を複数基の発酵槽内にそれ
    ぞれ堆積し各有機物原料に空気を送り込んでそれぞれ発
    酵を進行させる好気性発酵肥料の製造方法において、発
    酵の進行に伴って外部に放散される熱及び余剰熱を熱源
    とするヒートポンプにより吸入空気を加熱し、加熱した
    空気を任意の発酵槽内の有機物原料に送り込んでその有
    機物原料の温度を所定の発酵温度以上に昇温させ、さら
    なる発酵の進行に伴って外部に放散される熱及び余剰熱
    を熱源とするヒートポンプにより吸入空気を加熱する工
    程を繰り返し行なうとともに、発酵の進行状況に応じて
    各発酵槽内の有機物原料の加熱温度をそれぞれ制御する
    ことを特徴とする好気性発酵肥料の製造方法。
  4. 【請求項4】 床部に空気吹き出し口を有する発酵槽
    と、発酵槽内の有機物原料を周囲から加熱する原料加熱
    手段と、発酵の開始前に吸入空気を加熱するとともに発
    酵の進行に伴って外部に放散される熱及び余剰熱を吸収
    しこの熱を熱源として吸入空気を加熱することができる
    熱交換手段と、加熱された空気を発酵槽の空気吹き出し
    口に供給する空気送り込み手段とからなることを特徴と
    する好気性発酵肥料の製造装置。
  5. 【請求項5】 仕切り壁によって区画され床部に空気吹
    き出し口を有する発酵槽と、床部もしくは壁部又は床部
    と壁部の両方に取り付けてある伝熱パイプからなる原料
    加熱手段と、発酵槽の上方に設置してある熱吸収器及び
    送風機に連結してある空気加熱器並びにこの両者の間に
    設けてあり空気加熱器と伝熱パイプにそれぞれ熱を供給
    するヒートポンプとからなる熱交換手段と、空気加熱器
    によって加熱された空気を発酵槽の空気吹き出し口に供
    給する送風機及びダクトからなる空気送り込み手段とで
    構成することを特徴とする好気性発酵肥料の製造装置。
  6. 【請求項6】 仕切り壁によって区画されそれぞれの床
    部に空気吹き出し口を有する複数基の発酵槽と、各床部
    もしくは壁部又は各床部と壁部の両方に取り付けてある
    伝熱パイプからなる原料加熱手段と、各発酵槽の上方に
    それぞれ設置してある1基又は複数基の熱吸収器及び発
    酵槽外の送風機に連結してある空気加熱器並びに熱吸収
    器が吸収した熱を集める吸熱パイプと空気加熱器との間
    に設けてあり空気加熱器と各伝熱パイプにそれぞれ熱を
    供給するヒートポンプとからなる熱交換手段と、空気加
    熱器によって加熱された空気を各発酵槽のそれぞれの空
    気吹き出し口に供給する送風機及びダクトからなる空気
    送り込み手段とで構成することを特徴とする好気性発酵
    肥料の製造装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の製造装置において、複
    数基の発酵槽に跨がって床部もしくは壁部又は床部と壁
    部の両方にヒートパイプを取り付けてある好気性発酵肥
    料の製造装置。
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