JPS5838195B2 - 二枚刃安全かみそり - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はホルダの基台に対して上刃体及び下刃体が前
後動する二枚刃安全かみそりに関するものである。

この発明の出願人は第１図に示すように上刃体１と下刃
体２との間に、天板３又はホルダ４に固定された長四角
形状のスペーサ５を介在させ、一方、前記上刃体１と下
刃体２を刃台６に結合させ、これらを天板３とホルダ４
との間で前後方向に摺動可能にして、上下両刃体１，２
を安全にホルダ４内に保管できる二枚刃安全かみそりを
すでに提案している。

しかし、第１図に示す上下両刃体１，２が最も前方に出
ている状態では、下刃体２の刃縁２ａの位置は、前記ス
ペーサ５の前縁５ａより前方にある上刃体１の刃縁１ａ
よりさらに前方にあるため、すなわち下刃体２の露出量
の方が上刃体１の露出量が太きいため、上刃体１を完全
にホルダ４内に没入させるには同上刃体１が同図刃縁１
ａ位置から前記天板３の前縁３ａまでの僅かな幅Ｄ１分
後方へ移動させればよいのに対し、下刃体２は同刃縁２
ａから前記スペーサ５の前縁５ａまでの大きな幅Ｄ２分
後方へ移動させなければならなかった。

そこで、前後方向の移動範囲を小さくするためにスペー
サ５の前縁５ａを第１図鎖線に示すように全体に前方へ
延出することが考えられるが、上刃体１の刃縁１ａ下面
に同スペーサ５が近接する程、同上刃体１の剃り味が落
ちるため、スペーサ５の前縁５ａを全体に前方へ延出さ
せることは限界があった。

この発明の目的は前記問題点を解消し、上下両刃体を固
定した刃台を僅かに前後方へ移動させるだけで、同上下
両刃体を露出及び没入させることができる二枚刃安全か
みそりを提供するにある。

以下、この発明を具体化した二枚刃安全かみそりの一実
施例を第２図〜第７図に基づいて説明する。

１１はホルダ１２の上端に対し一体に成型された基台で
あって、その上面周囲には左右両側枠１３、前枠１４及
び後枠１５が形成されている。

１３ａは両側枠１３外側に形或された山状の係合溝、１
３ｂは両側枠１３先端部上面に形成された断面レ状の嵌
着溝である。

１６は同両側枠１３先端部間に対し一体架設されたガー
ド部材であって、その上面には長手方向に数条の小突条
１６ａが形成されている。

１７は前記基台１１上面の両側において前後両枠１４，
１５間に突設された一対のガイドレールであって、うち
一方は断面長四角形状に形成され、他方は断面台形状に
形成されている。

１８は前記前枠１４後面中央部両側に突設された一対の
係合突起であって、その係合突起１８の後方で相対向す
る位置に、前記基台１１上面から突設した突片１９とで
、係止凹部２０を形成している。

２１は後枠１５の中央部を切欠いて形成した操作凹部で
あって、第３図に示すようにその下部には半円弧状の表
示壁２２が後方へ突設されている。

なお、同表示壁２２外面には左、中央及び右部に順次０
，１，２の表示がなされている。

２３は基台１１上面中央において、前記表示壁２２に囲
まれるように形成された凹陥部であって、その中央部に
は円筒状の支持筒２４が突設されている。

２５は下方へ突設した支軸２６を前記凹陥部２３の支持
筒２４に対じ回動可能に嵌入する操作部材であって、後
方へ上下方向の可撓性を有する操作レバー２７が突設さ
れている。

２８は同操作レバー２７の先端に一体形成したつまみ部
であって、第４図に示すように後面には縦方向に延びる
指示突条２８ａが、又、前面上部には後記する天板５４
の係合凹部５９に係脱可能に係合される係合突部２８ｂ
が突設されている。

なお、操作部材２５におけるつまみ部２８の指示突条２
８ａは同つまみ部２８によって操作部材２５を回動操作
させるときに前記表示壁２２の外面に沿って回動され、
０，１，２の表示を指示し、後記する基台１１及び天板
５４に対する刃縁の突出量を示すものである。

２９は操作部材２５の左右両側に一体形成した前記凹陥
部２３の円弧状内周面に摺接ガイドされる弧状ガイド部
、３０は操作部材２５の上面に突設された偏心ピンであ
って、前記支軸２６から偏倚した位置にある。

３１は前記基台１１上面に対し前後動可能に装着される
刃台であって、その左右両側部上面には上下刃体固定用
の取付突起３２を突設するとともに、中央部には前記操
作部材２５の偏心ピン３０が挿入される長孔３３を透設
している。

３４は前記長孔３３の両側部に突設した四角形状の下刃
体固定用の固定突起であって、その上面には上刃体固定
用の取付突起３５が突設されている。

３６は刃台３１下面両側部に対し幅方向に凹設したガイ
ド突条であって、前記基台１１上面のガイドレール１７
に対しそれぞれ摺動可能に嵌合される。

３７は刃台３１の前側面中央部両側に切欠形成された切
矢部であって、同刃台３１が第７図ａに示すように前枠
１４にその前側面が後方から前方へ移動して当接したと
き、前記前枠１４の係合突起１８及び基台１１の突片１
９と嵌合するようになっている。

３８は前記刃台３１の上面に固定される下刃体であって
、前端縁を刃縁３９とするとともに、その両側部上面に
は刃台３１の取付突起３２と対応する位置にそれぞれ孔
４０が透設され、さらに同じく刃台３１の固定突起３４
と対応する位置にそれぞれ四角形状の固定孔４１が透設
されている。

従って、下刃体３８は刃台３１に対し取付突起３２が孔
４０に、さらに、固定突起３４が固定孔４１に嵌合され
て固定される。

４２は前記四角形状の固定孔４１の前縁をレ状に切欠い
て形或した凹部であって、後記するスペーサ４３の係止
突起４９が貫通する。

４３は前記下刃体３８の上面と摺動可能に当接し、かつ
、前記基台１１に固定される全体としてほぼ四角形状を
なすスペーサであって、前記刃台３１に突設させた四角
形状の固定突起３４が前記下刃体３８の固定孔４１を介
して嵌合し、前後方向に移動可能となるように第５図ａ
，ｂに示すように後側面の中央部両側に山伏に切欠いた
ガイド凹部４４が形成されているとともに、同後側面の
両側に同じくレ状のガイド溝４５が切欠形成されている
。

４６は同スペーサ４３の後側面中央部から左右方向に一
体状に延びた可撓性を有する撓み部であって、その先端
部を内方に屈曲形威し、その先端に前記ガイド溝４５内
に配設され、かつ前記刃台３１に突設させた取付突起３
２と対応する位置に連結支持片４７が一体状に形或され
ている。

４８は前記連結支持片４７に透設した貫通孔であって、
前記取付突起３２が下刃体３８の孔４０を介して貫通す
る。

従って、下刃体３８を固定した刃台３１が第７図ｂに示
す位置から第７図ａに示す位置まで前記操作部材２５に
よって移動されたとき、基台１１に固定されるスペーサ
４３の撓み部４６は第５図ｂに示すように前方へ撓むよ
うになっている。

４９は同スペーサ４３の下面前部において、前記前枠１
４の係合突起１８と基台１１の突片１９とで形成された
係止凹部２０に対応した位置に突設させた左右一対の係
止突起であって、前記下刃体３８の凹部４２を貫通して
同係止凹部２０に挾入固着され、同スペーサ４３は基台
１１に対して固定される。

５０は同スペーサ４３の前面４３ａ下部を第７図ａ，ｂ
に示すように一体状に前方へ延出させて形成したカバー
片であって、同スペーサ４３の前側面を断面段差状に形
成している。

なお、この実施例では、カバー片５０の前方へ延出させ
る幅Ｄ３は第７図ａにおいて、後記する上刃体５１の刃
縁５２から天板５４の前縁５７ａまでの幅Ｄ４と、前記
下刃体３８の刃縁３９から同カバー片５０の前縁５０ａ
までの幅Ｄ５とが等しくなるようにしている。

５１は前記スペーサ４３の上面に摺動可能に当接され、
前記刃台３１に対して連結される上刃体であって、前端
縁を刃縁５２とするとともに、同上刃体５１にはそれぞ
れ、同刃台３１の取付突起３２，３５と対応する位置に
孔５３が透設されている。

そして、前記取付突起３２，３５を各孔５３に貫通させ
、その先端部を前記上刃体５１がスペーサ４３に対して
摺動できる程度に第７図ａ，ｂに示すようにかしめるこ
とによって、上刃体５１は前記スペーサ４３上面で、前
記刃台３１に対して固定されている。

従って、刃台３１が基台１１に対して前後動ずると、下
刃体３８及び上刃体５１も同様に前後動される。

５４は前記基台１１との間に前記上下両刃体５１ ，３
８を固定した刃台３１を前後動可能に挾着するように基
台１１に対して固定される天板であって、その両側部下
部には前記基台１１の係合溝１３ａに嵌合されその下面
に係止される係止爪５５が下方へ突設されているととも
に、同両側部先端下部には、同基台１１の嵌着溝１３ｂ
に嵌合される嵌合突起５６が突設されている。

５７は同天板５４の前部に形或した前縁５７ａ程薄くな
る前縁部、５８は第６図に示すように同じく天板５４後
部中央に後方へ半円弧状に突設させた蓋状凸部であって
、前記基台１１の表示壁２２表面の数値０，１，２と対
応するように係合凹部５９を刻設した同じく半円孔状の
係止曲壁６０を前記表示壁２２上面との間に操作レバー
２７が導出されるだけの空隙を有するように一体形成し
ている。

次に上記のように構成した二枚刃安全かみそりの作用に
ついて説明すると、このかみそりはホルダ１２を持ち通
常の軽便かみそりと同様にして使用されるものであるが
、操作部材２５のつまみ部２８の指示突条２８ａを表示
壁２２の０に合わせると偏心ピン３０は刃台３１の長孔
３３の最も左側に位置し、第７図ｂに示すように刃台３
１は最も後退した位置にあって、下刃体３８の刃縁３９
はスペーサ４３のカバー片５０と基台１１の前枠１４上
面との間まで、又、上刃体５１の刃縁５２は天板５４と
スペーサ４３上面との間まで後退した没入状態にある。

従って、このように下及び上刃体３８，５１が外部に全
く露出していない状態では危険もなく携帯に便利である
。

次に、つまみ部２８の支持突条２８ａを表示壁２２の１
又は２に合わせると偏心ピン３０は右方へ移動されると
ともに前進し、刃台３１を前動させるので、数値１に合
わせた場合には少なく、２に合わせた場合には第７図ａ
に示すように下及び上刃体３８，５１は最も多く露出さ
れる。

この時、スペーサ４３の撓み部４６は前記刃台３１の前
動にともなって第５図ｂに示すように前方へ撓み、元の
状態に戻ろうとする復元力が働くが、前記つまみ部２８
の係合突部２８ｂが天板５４の係止曲壁６０の係合凹部
５９に係合されるので、下及び上刃体３８ ，５１は突
出した状態が保持される。

従って、使用後は前記つまみ部２８の係合突部２８ｂを
係止曲壁６０の係合凹部５９から外せば、前記スペーサ
４３の撓み部４６の復元力によって、刃台３１は元の最
も後退した位置に戻され、下及び上刃体３８，５１も元
の位置に後退するので、両刃体３８，５１の没入及び露
出操作は非常に簡単となる。

又、スペーサ４３の前面４３ａ下部に断面段差状になる
ようにカバー片５０を延出形成したので、下刃体３８の
露出量が、上刃体５１の露出量と同じ小さな値となり、
刃台３１を僅かに前後方向へ移動させるだけで、下及び
上刃体３８，５１を完全に露出及び没入させることがで
きる。

しかもスペーサ４３の前面４３ａは断面段差状となって
いるので、上刃体５１の先端部下部は、突出した状態で
は空間があるため、剃り味を落すことはない。

さらに両刃体３８．５１が没入するとき、同両刃体３８
，５１に付着した剃りカスはそれぞれ前枠１４の前縁、
カバー片５０の前縁５０ａ、スペーサ４３の前側縁及び
天板５４の前縁５７ａによって取除かれる。

なお、この発明は前記実施例に限定されるものではなく
以下の態様で実施することも可能である。

（イ）第８図に示すようにスペーサ４３前面段差部を丸
味を持たせ、カバー片５０に付着した剃りカスの除去を
容易にすること。

（口）第９図に示すように、スペーサ４３の前側部上面
を斜状に切欠いてカバー片５０を形成すること。

（／→ 刃台３１とガード部材１６を一体成型し、同刃
台３１の前後動とともに同ガード部材１６も前後動する
二枚刃安全かみそりに応用すること。

以上詳述したようにこの発明はホルダ基台と天板との間
に前後動可能に装着される刃台に固定された上刃体と下
刃体間に、スペーサを介在させた二枚刃安全かみそりに
おいて、前記スペーサの前面に下記下刃体の露出量を小
さくできるように、同下刃体上面に摺接可能に当接し、
前記上刃体下面に当接しないカバ一部を一体状に延出形
成したことにより、上下両刃体を固定した刃台を僅かに
前後方向へ移動させるだけで同上下両刃体を露出及び没
入させることができる効果を発揮するので二枚刃安全か
みそりとして産業上優れた発明である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の二枚刃安全かみそりの要部側断面図、第
２図はこの発明を具体化した二枚刃安全かみそりの分解
斜視図、第３図は同じくホルダの要部斜視図、第４図は
同じく操作部材を後方から見た全体斜視図、第５図ａ，
ｂは同じくスペーサの動作を説明する平面図、第６図は
同じく天板を後方からみた全体斜視図、第７図ａ，ｂは
同じく上下両刃体の動きを説明するための二枚刃安全か
みそりの要部側断面図、第８図はこの発明の別例を示す
スペーサの要部側断面図、第９図は同じくこの発明の別
例を示すスペーサの要部側断面図である。 基台１１，ホルダ１２、側枠１３、前枠１４、後枠１５
、ガード部材１６、ガイドレール１７、操作凹部２１、
支持筒２４、操作部材２５、操作レバー２７、偏心ピン
３０、刃台３１，取付突起３２ ，３５、長孔３３、固
定突起３４、下刃体３８、刃縁３９、スペーサ４３、ガ
イド凹部４４、ガイド溝４５、撓み部４６、連結支持片
４７、カバー片５０、上刃体５１，天板５４。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ホルダ基台と天板との間に前後動可能に装着される
   刃台に固定された上刃体と下刃体間に、スペーサを介在
   させた二枚刃安全かみそりにおいて、前記スペーサの前
   面に、前記下刃体の露出量を小さくできるように、同下
   刃体上面に摺接可能に当接し、前記上刃体下面に当接し
   ないカバ一部を一体状に延出形成したことを特徴とする
   二枚刃安全かみそり。 ２ カバ一部はスペーザの前面下部から前方へカバー片
   を一体状に延出形成し、同スペーサ前部を断面段差状に
   形成したものである特許請求の範囲第１項に記載の二枚
   刃安全かみそり。 ３ カバ一部はスペーサの前部上面を斜状に切欠−いて
   形成したものである特許請求の範囲第１項に記載の二枚
   刃安全かみそり。 ４ カバ一部上面は面取り形成されたものである特許請
   求の範囲第１項ないし第３項のいずれかに記載の二枚刃
   安全かみそり。 ５ スペーサはホルダ基台に移動不能に固定されたもの
   である特許請求の範囲第１項ないし第４項のいずれかに
   記載の二枚刃安全かみそり。