JPS5837867Y2 - 反転機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、材料を反転させる反転板の駆動機構を改良し
た反転機に関するものである。

板状の材料の表裏面を加工、あるいは表面処理する場合
、この材料が軽量物であれば、作業者の手作業により、
材料の反転作業を行うことが可能であるが、材料が数十
に７を超える重量物になると、手作業による反転作業は
、困難であるとともに、また危険を伴う。

そこで、この種の重量物の材料の表裏反転作業を効率良
く行う装置として、従来より第１図ａｂに示すような反
転機が知られている。

この第１図ａ、ｂは、従来から知られている反転機の基
本構造及びその動作原理を示す図であり、反転させるべ
き材料１が載置される送り側の反転板２と、反転された
材料２を受ける受は側の反転板３とを有しており、これ
らの反転板２及び３は、相対向する方向に開閉できるよ
うにそれぞれ固定軸４及び５にまり回動支持されている
。

また、第１図ａに示すように、前記反転板２及び３０対
向端部には、送り込まれる材料１のすり落ちを防止する
ためのストッパ６及び７が設けられており、さらに、送
り側の反転板２には、材料１の移行を円滑に行うための
補助ストッパ８が付設されている。

９及び１０は、前記反転板２及び３をそれぞれ回動駆動
するための駆動機構であり、一般には、油圧あるいは空
圧のシリンダ機構が用いられ、そのピストンロッドによ
り、前記反転板２及び４を押し上げて回動駆動する構成
になるものである。

しかして、第１図ａに示すように、反転すべき材料１を
送り側の反転板２上に載置して、補助ストッパ８に突き
当るまで送り込み、駆動機構９を作動させて、前記固定
軸４を中心に回転板２を図示Ａ方向に回動させる。

同時に、駆動機構１０も作動させて、受は側の反転板３
を図示Ｂ方向に回動させ、最終的には、第１図すに示す
ように、材料１が両反転板２，３により挾み込まれる状
態になるまで、回転板２゜３を回動駆動する。

この場合、前記回転板２を９０°以上回動させることに
より、回転板２上に載置されていた材料１が、回転板３
側に移り、さらに、前記補助ストッパ８により形成され
た段差により、材料１０反転板３側への移行が円滑に行
われる。

しかる後、駆動機構９，１０を作動させ反転板２．３を
前述したとは逆方向に回動させることにより、反転板３
上に、表裏の反転された材料１が載置されることになる
。

すなわち、従来の反転機は、固定軸４及び５により開閉
自在に支持された一対の反転板２，３に、それぞれ駆動
機構９．１０を連結し、この一対の反転板２．３を同時
に相対向する方向に回動駆動して材料１を挾み込み、送
り側の反転板２から受は側の反転板３への材料１の反転
移行を行う構成になるものである。

したがって、従来の反転板では、それぞれの反転板につ
いてそれぞれ駆動機構９．１０が必要となっており、機
構的に複雑であり、しかもそれぞれの駆動機構９，１０
を同時に作動させるタイミングの調整が難しくその１駆
動制御部が複雑になるという欠点がある。

さらに、反転作業時には、固定軸４．５を中心として反
転板２．３を押し上げる方向に回動させているため、駆
動機構９．１０としては大きな駆動力を有するものが必
要となり、装置が大形、高価となり、また反転作業が反
転様設置面から高い位置で行われるために、各部材に大
きな衝撃力が加わるとともに、動作も不安定になりやす
いという問題点がある。

また、反転させるべき材料１の板厚寸法を確保するため
に、前記固定軸４，５間の間隔をある程度とらなければ
ならず、例えば反転させる必要のない材料を第１図ａに
示す状態で、表裏を反転させずにそのまま反転板２から
反転板３側へ通過させることができない場合も生ずるな
どの問題点がある。

本考案は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、
反転させるべき材料を挾み込んで反転作業を行う一対の
反転板を連結し、この一対の反転板をリンク機構を用い
て一つの駆動機構により同時に回動駆動させるようにす
ることにより、装置の小形簡略化及び低価格化を図ると
ともに、材料の反転作業を低い位置で行わせるようにし
て反転作業の安定化を図り、さらに、反転作業の無人化
を容易にしたり、あるいは反転不要の材料をそのまま通
過させることができるようにした反転機を提供すること
を目的とするものである。

以下、図面を参照して本考案による反転機の一実施例を
説明する。

第２図は、本考案による反転機の一実施例の全体構成を
示す斜視図である。

ここで、１２は、反転すべき材料１１が送り込まれる送
り側の反転板であり、この実施例では反転板１２を、底
板を有する枠体で構威し、材料の送り方向に沿う対向す
る一対の軸受部を形成して、この軸受部に、材料１１の
送りを円滑に行わせるための適宜個数のローラ１３を支
持させるようにしている。

１４は、前記反転板１２と同様に有底枠体状に形成され
、材料１１の送りを円滑に行わせるためのローラ１３が
設けられ、反転された材料１１を受ける受は側の反転板
であり、この反転板１４と前記反転板１２とは、その対
向端部がピン１５からなる連結部材により互いに相対向
する方向に回動自在に連結されている。

また、前記反転板１２の底板部には、この反転板１２の
回転中心となる固定軸１６が設けられ、この固定軸１６
が、架台１７の側板に設けられた軸受部１８により支持
され、一方前記反転板１４の底板部には、この反転板の
移動を支持する移動軸１９が設けられ、この移動軸１９
０両端部にガイドローラ２０が転勤自在に取付け、この
ガイドローラ２０が、前記架台１７に固定された長孔状
の案内部２１により移動案内されるようになっている。

２２は、前記反転板１２側の端部に着脱自在に設けられ
たストッパであり、反転作業を行う場合には、適宜な係
合機構によって前記反転板１２に係合し、送り込まれた
材料１１の送り方向端部を支えるとともに、反転作業が
不要の材料１１を送る場合は、反転板１２との係合を解
かれて、送り作業に支障をきたさないよう外すことが可
能なようになっている。

この場合、反転作業の不要な材料が送り込まれルコとカ
ナい反転機にあっては、このストッパ２２は、反転板１
２に対して固定された構造であってもよいことは、もち
ろんである。

２３は、前記ストッパ２２と同様に、前記反転板１４に
設けられて、反転される材料１１の端部を支えるストッ
パであり、必要に応じて、前記反転板１４に対して着脱
自在に取付げられる。

さらに２４は、前記反転板１２及び１４を駆動するため
の駆動機構としての油圧シリンダであり、この油圧シリ
ンダ２４のピストンロッドの先端が、前記反転板１２の
底板部に固定された受は板２５に揺動自在に取付けられ
ている。

また２６は、反転板１２上の材料１１を反転板１４側に
円滑に移行させるために、前記反転板１２側に設けられ
た押出し部材であり、常時は、ばね２７により、材料１
１の移送面より下方に押し下げられているが、材料１１
０反転時に、架台１Ｔ内に固定されて、前記押出し部材
２６の押出し機構となるストッパ２８に係合し、材料１
１の移送面上に突出して、材料１１の下部近傍を押す作
用をする。

さらに図示はしていないが、前記油圧シリンダ２４の動
作タイミングを作るための、例えばマイクロスイッチな
どの位置検出部が、架台１７内の適宜位置に配設される
。

次に、上述した構成における本考案による反転機の動作
について説明する。

第３図ａ、ｂは、本考案による反転機の動作を説明する
ために、要部を抽出して示した図であり、第３図ａは、
反転作業前の準備状態を示し、第３図すは反転作業時に
おける各部材の位置状態を示してＬ゛る。

しかして、第３図ａに示すように、反転すべき材料１１
を送り側の反転板１２上に載置して、その送り方向の端
面が、ストッパ２２に突き当るまで押し込めば、材料１
１０反転作業のための準備が終了する。

この第３図ａに示す状態で、外部より油圧シリンダ２４
に対して作動信号を与える、あるいは、ストッパ２２に
マイクロスイッチ等を付設して、材料１１の突き当りを
検出して、その検出信号を作動信号として油圧シリンダ
２４に与えるようにすれば、この油圧シリンダ２４が作
動し、ピストンロッドがシリンダ内に引込まれ、これに
連結されている反転板１２が、固定軸１６を中心に回動
し、したがってピン１５により連結されている反転板１
２と１４の連結部が、図示Ｃ方向、すなわち、前記固定
軸に関して、反時計方向に回動して下方に引き込まれる
。

しかして、ピン１５により連結された連結部が回動する
ことにより、反転板１４の移動軸１９の端部に設けられ
たガイドローラ２０が案内部２１の案内面を転動しなか
らＤ方向に移動し、反転板１４が反転板１２とともに回
動しつつ所定方向に移動案内される。

すなわち、一個の油圧シリンダ２４の引込み動作により
、一対の反転板１２及び１４の連結部が、下方に引き下
げられ、反転板１２上に載置されていた材料１１が、第
３図すに示すように、前記反転板１２及び１４に挾み込
まれる状態となる。

この場合、前記反転板１２に対する油圧シリンダ２４の
連結位置を、固定軸１６から離れた位置に設定しておく
ことにより、反転板１２の引込み動作に要する力は少な
くてすみ、油圧シリンダ２４として低出力で小形、かつ
安価なものを用いることが可能となる。

しかして、前記反転板１２を、第３図ａに示す状態から
第３図すに示すように９０°以上回動させることにより
、反転板１２側で支えていた材料１１の荷重が反転板１
４側に移り、反転された材料１１が受は側の反転板１４
に移行する。

（〜かも、上述した反転作業は、反転板１２と１４の連
結部を下方に引き下げた反転機の設置面からみて低い位
置で行われるので、安定した状態で反転作業が行われ、
かつ各部に対する衝撃力も少なくなる。

また、この低い位置で反転作業が行われるということは
、装置全体の高さを低くでき、装置の小形化を行う上か
らはきわめて有利である。

さらに、この実施例では、反転板１２の端部近傍に常時
はばね２７により材料１１の移送面下に押し下げられて
いる押出し部材２６が、第３図すに示す反転作業時にス
トッパ２８に乗り上げ、反転板１２０回動につれてこの
押出し部材２７が材料移送面を超えて突出し、材料１１
の下部近傍を押し出す構成になっている。

したがって、材料１１０反転板１２から反転板１４側へ
の移行がきわめて円滑に行われ、とくに、板厚の薄い材
料を反転させる場合などにも、第３図すに一点鎖線で示
すように材料１１の下端部が反転板１２側のストッパ２
２に乗り上げたまま残って、材料の移行が行われない、
というような不具合が解消されるという利点がある。

しかして、第３図すに示す状態で材料１１０反転作業が
行われた後は、外部から油圧シリンダ２４に対して動作
切替え信号を与える、あるいは、例えば図示するように
位置検出用のマイクロスイッチ２９を架台１７内に配設
しておき、このマイクロスイッチ２９の接点信号を油圧
シリンダ２４に与え、油圧シリンダ２４の動作を切り替
え、ピストンロッドをシリンダから押し出すようにする
。

この油圧シリンダ２４の動作切替えにより、反転板１２
が固定軸１６を中心に上述したとは逆方向に回動し、ま
たこの反転板１２とピン１５により連結されている反転
板１４も、その軸部１９の端部に設けられたガイドロー
ラ２０が案内部２１により図示Ｅ方向に移動案内されな
がら回動し、最終的には、第３図ａに示す状態に戻り、
反転板１４上に、最初の状態とは表裏が反転された材料
１１が載置されるようになるのである。

この場合、反転板１２が元の位置に戻ったことを、例え
ば図示する位置に配設されたマイクロスイッチ３０によ
り検出し、油圧シリンダ２４に対する圧油の供給を停止
するようにすればよい。

また、ストッパ２２及び２３が、それぞれ反転板１２及
び１４に対して着脱自在に構成されている場合は、この
ストッパ２２及び２３を外すことにより、反転板１２及
び１４は一連の材料移送板として作用し、例えば反転す
べき材料と反転する必要のない材料とが混在して送られ
てくるような場合に、反転作業と単なる材料の移送作業
との作業の切替えが容易に行えて、作業性の大幅な向上
が見込めるという利点がある。

ところで、上述した実施例では、一対の反転板１２及び
１４を駆動する駆動機構として、油圧シリンダ２４を用
いた例について説明したが、この駆動機構としては、そ
の他空圧シリンダ、あるいはモータ等によって構成して
もよいことは、もちろんである。

また、上述した実施例では、送り側の反転板１２に油圧
シリンダ２４を連結した例を示しているが、油圧シリン
ダ２４を受は側の反転板１４に連結し、この反転板１４
の移動軸１９に案内部２１により案内されるスライド運
動を与え、一対の反転板１２及び１４の開閉運動を行わ
せるようにしてもよい。

さらに、油圧シリンダ２４による反転板１２及び１４の
開閉機構に替えて、適宜な駆動機構により反転板１２の
固定軸１６に回転運動を加え、反転板１２及び１４の開
閉運動を行わせるようにすることもできる。

そのほか、本考案は、上記し、かつ図面に示した実施例
に限定されることなく、その要旨を変更しない範囲で種
々変形して実施できるものである。

以上述べたように、本考案による反転機は、反転すべき
材料を挾み込んで反転作業を行う一対の反転板の端部な
互いに回転可能に連結し、この一対の反転板の一方を、
一つの駆動機構によって固定軸を中心に回動させるとと
もに、他方の反転板を案内部に係合して所定方向に移動
支持される移動軸により前記一方の反転板とともに回動
させつつ移動させて、前記一対の反転板の連結部を下方
に引き下げるようにしながらこの一対の反転板で材料を
挾み込むようにして、材料の表裏の反転を行う構成にな
るものである。

したがって、本考案による反転機は、反転板を駆動する
駆動機構が一つで足り、しかも、反転作業に要する力は
少なくてすむので、装置の小形簡略化及び低価格化が図
れるというすぐれた効果を生ずるものである。

また、駆動機構が一つであることから、反転作業の動作
タイミングの制御が容易であり、反転作業の自動化が容
易になるというすぐれた特長を有し、作業性及び信頼性
等の向上について得られる効果もきわめて犬である。

さらに、反転作業が低い位置で行われるので、動作の安
定化が得られるという性能上のすぐれた特長を有し、し
かも、これにより装置の小形化を行う上からもきわめて
有利となるなどについても、多大の効果が得られるもの
である。

またさらに、一対の反転板が、連結部により連結されて
いるので、例えば、反転すべき材料と反転不要の材料が
温材して送られてくる場合などに、一対の反転板を水平
状態に維持したまま反転不要の材料を単に移送する際に
、反転板の対向端部に材料を落し込むなどの事故が生じ
ない等、作業上の得られる効果も犬である。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ、ｂは、従来の反転機の動作を説明するための
図、第２図は、本考案による反転機の一実施例を示す概
略全体構成図、第３図ａ、ｂは、同実施例の動作を説明
するための図である。 １１・・・・・・材料、１２．１４・・・・・・反転板
、１５・・・・・・ピン、１６・・・・・・固定軸、１
９・・・・・・移動軸、２０・・・・・・ガイドローラ
、２１・・・・・・案内部、２４・・・・・・油圧シリ
ンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 互いに相対向する方向に回動自在に設けられた一対の反
   転板により、一方の反転板上に載置した材料を挾み込む
   ようにしながら他方の反転板上に移行させて材料の表裏
   の反転を行う反転機において、前記一対の反転板の対向
   端部を回動自在に連結する連結部と、前記一対の反転板
   の一方に設けられ、この一方の反転板の回動を支持する
   軸部と、前記一対の反転板の他方に設けられ、この他方
   の反転板の移動を支持する移動軸部と、この移動軸部を
   所定方向に移動案内する案内部と、前記各反転板の連結
   部近傍に係合自在に突設され、材料反転時に材料の下方
   端部を支えるストッパ部材と、材料が送り込まれる側の
   反転板の連結部近傍に出没自在に設けられ、下端部が反
   転板下に突出する押出し部材と、材料反転時に、前記材
   料が送り込まれる側の反転板とともに回動する前記押出
   し部材下端の軌道上に配設され、前記押出し部材下端に
   当接して前記押出し部材の先端を材料移送面より突出さ
   せる押出し機構と、前記一対の反転板のいずれか一方に
   連結され、前記連結部を下方に引き込む方向に回動させ
   る駆動機構部とを備えた反転機。