JPS5837361Y2 - 内視鏡における送気送水装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、挿入先端面に観察用光学系の対物レンズを設
け、挿入軸方向を中心とする視野にある被検部を観察す
るようにした内視鏡において、観察用光学系の対物レン
ズ面及びその周辺の先端部に対する洗浄と、被検部観察
面の洗浄とを外部操作によって互に切換え得るようにし
た送気送水装置に関するものである。

この種内視鏡による体内被検部の観察にあっては、内視
鏡先端部を被検部観察面する際及び観察中に、該先端部
に体液あるいは粘液等が耐着し易いので゛、これ等附着
物を洗浄して観察光学系の本来の機能保持を図らなけれ
ばならない。

その為に、従来は内視鏡装置に空気又は水の送通路を併
設し、この送通路から噴出する送気水によって所要の洗
浄を行なうようにしていた。

そして、この洗浄を更に効果的に行なうために、送気水
の噴出路を内視鏡先端部に設けである内祝窓に向けるよ
うにした装置も一部で提案されている。

ところが、従来のこれ等装置は、前記送通路の出口から
浸出する水により先端部附着物を単に押退ける程度の作
用しかなく、前記附着物の除去能力が充分でなく、また
、送気水をノズル装置で内祝窓に向けて積極的に噴出さ
せるような装置では、附着物の除去能力が増す反面、噴
出する送気水が内視鏡先端部の比較的狭い範囲、例えば
、観察用光学系の対物レンズ面のみに限られる結果、被
検部照明用のライトガイド端面等に対する耐着物除去が
効果的になされない嫌いがあり、且つ、噴出力を高める
ための前記ノズル装置の小径の穴が、汚物によって詰ま
ってしまうといった故障の惧れがあった。

そこで、本考案では、従来のこれ等装置に代って、観察
用対物レンズ面の洗浄だけでなく、被検部照明用のライ
トガイド端面も含めて、内視鏡先端部全体に亙る洗浄を
可能とし、併せて被検部観察面の洗浄までも行ない得る
装置を提供しようとするものである。

以下図示の実施例を参照して本考案装置の特徴とすると
ころを詳述すると、第１図は、本考案装置の一実施例を
一部縦断して示す要部の側面図であって、同図によって
示されるように、観察光学系の対物レンズ１は、内視鏡
の先端金物２の先端面に設けてあり、これに連らなるイ
メージガイド用のファイバー３によって観察視野を手許
観察部に導く光学系が構成しである。

４は前記ファイバー３の延設路に平行して併設した送気
水の送通路で、前記対物レンズ１の設置面に隣接してそ
の送通路開口端を設けである。

なお、図示してないが、前記先端金物２には、その他に
も観察用照明のためのライトガイドの端面及び排気水路
の開口等が設けである。

５は、先端金物２に嵌着し、しかも前記対物レンズ１の
端面、ライトガイドの端面、送通路４の開口端、排気水
路の開口等を囲んで設けた先端フードで、その内壁の一
部に板状の流路切換片６の一端を軸着しである。

流路切換片６は、その回動自由端を前記送通路４の開口
端から噴出する送気水の噴出流路を遮る位置と、その流
路域から避退する位置とを占めるように、前記軸着部を
支点として回動する。

この流路切換片６は第４図示の他の実施例に示す如く、
前記流路と直交する面内で回動し、送気水の噴出流路に
対し介入避退自在に構成してもよく、或は、その軸着部
を先端金物２の張出し縁に設けるように構成してもよい
。

流路切換片６は、その軸着部におけるクリックストップ
機構又はビス止め機構等によって、前記切換状態を予め
選択した位置に固定的に保持し得るように構成してもよ
いし、また手許操作部まで延設した引紐若しくは操作杆
などによって、手許操作に応じて前記切換位置を選択的
に採り得るように構成してもよい。

送気水の噴出流路域に占位して噴出送気水を遮った切換
位置にある流路切換片６は、送通路４の開口端から噴出
する送気水をその片面に当て、第１図上矢標で示す如く
、対物レンズ１の端面やライトガイドの端面等を設置し
た先端金物２の端面の広い領域に向けるように作用する
。

この場合、先端金物２に嵌着され、これら各端面や前記
各開口端を囲んで設けられている先端フード５は、流路
切換片６の片面に衝突して飛び散る送気水を、無駄なく
端面各部に向けてそれらの洗浄のために役立てられる。

この送気水の前記端面に向う流路変換の状態に方向性を
与える必要がある場合には、この流路切換片６を拡大し
て示す第２図及び第３図に示したように、その片面の一
部に流路ガイド溝７及び７′を穿設することが効果的で
ある。

他方、流路切換片６を他の切換位置に回動し送気水の噴
出流路域から避退させた第１図上点線図示の占位位置で
は、送気路４の開口端から噴出する送気水は、被検部の
観察面８に向って直達的に噴出するので、該観察面８の
洗浄を行なうことが出来る。

また、この時該観察面８への噴出方向は切換片６の回動
による傾きを調節することにより広い範囲で変化させる
ことが出来る。

このように、本考案装置は、内視鏡の先端金物の送通路
出口端の近傍に板片状の流路切換片を、送気水の噴出流
路域を遮る位置とこれから避退する位置とを選択的に切
換え又は可変的にその傾きを調節し得るように軸装配設
したことによって、内視鏡先端金物の端面郡全体に及ぶ
洗浄と被検部観察面の洗浄とを選択的に行なうことが出
来、しかも、対物レンズの端面のみでなく、観察用照明
の為のライトガイドの端面に耐着する粘液、汚物等を除
去して照明効率を高め得る利点があり、嵌着した先端フ
ードによる噴出送気水の飛散防止の機能と相俟って、先
端金物の端面全域に亙る広い範囲の洗浄が可能であって
、先端付近を常に清潔に保つ上で効果がある。

また、前記観察面の洗浄に加えて、流路切換片を避退位
置に回動占位させることにより、患部への薬液、麻酔液
及び造影剤等の注入も可能である等、実用上顕著な効果
を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一実施例を示す要部の−部縦断側
面図、第２図及び第３図は本考案装置における流路切換
片の実例を夫々示す斜視図、第４図は本考案装置の他の
実施例を示す先端部の平面図である。 １・・・・・・対物レンズ、２・・・・・・先端金物、
４・・・・・・送通路、５・・・・・・先端フード、６
・・・・・・流路切換片、７，７′・・・・・・流路ガ
イド溝。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）挿入先端面に観察用光学系の対物レンズを設け、
   挿入軸方向を中心とする視野にある被検物を観察するよ
   うにした内視鏡において、少なくとも前記対物レンズの
   端面と照明用ライトガイドの光射出端面と、これらに隣
   接する送気送水用の送通路の開口端とを囲む先端フード
   を挿入先端部に設け、前記送通路の開口端より噴出する
   送気水の噴出流路に介入し、またこの介入位置から避退
   する板片状の流路切換片を前記先端フードの内側におけ
   る内視鏡先端部分に回動可能に軸装してなる送気送水装
   置。
2. （２）前記板片状の流路切換片が、互に隣接配置された
   前記対物レンズの端面と、前記照明用ライトガイドの光
   射出端面を、前記送通路の開口端とを具備する挿入先端
   面に平行する軸方向の支軸により、前記先端フードの内
   壁に回動可能に軸装されている実用新案登録請求の範囲
   第（１）項に記載の送気送水装置。
3. （３）前記板片状の流路切換片が、前記挿入軸方向と平
   行する軸方向の支軸により前記先端フードの内側に軸装
   され、前記対物レンズの端面と、前記照明用ライトガイ
   ドの光射出端面と、前記送通路の開口端とを具備する挿
   入先端面に平行する面内で回動可能に軸装されている実
   用新案登録請求の範囲第（１）項に記載の送気送水装置
   。
4. （４）前記板片状の流路切換片が、前記送通路の開口端
   より噴出する送気水の噴出流路中に介入した回動位置で
   噴出する送気水と相対する片面上に、噴出送気水の流路
   方向を変換する流路ガイド溝を具備している実用新案登
   録請求の範囲第（１）項に記載の送気送水装置。