JPS5837025B2 - 表面処理装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は被処理物にさび止め等の表面処理を施すための
表面処理装置に関するものである。

従来、被処理物、例えばプレス打抜された金属材料より
なる小物部品に表面処理を施す場合、網状のバレル容器
内に多数の小物部品を収容し、そのバレル容器を脱脂槽
、酸洗浄槽，リン酸塩水溶液浴槽等に順次浸漬するとと
もに、それらの各槽において各小物部品間に溶液が浸透
するようにバレル容器を溶液内に浸漬した状態で一方向
に数回回転させるのが普通である。

しかしこの方法においては、前記の回転に基いて上方に
持上げられた小物部品が急速度で落下し下方にある小物
部品に衝突するためその小物部品に傷がつくおそれがあ
り、又浸漬工程が多いため上記の如き傷がつく確率が高
いものであった。

又例えば第７図イに示すような薄板状の部品Ａを多数バ
レル容器内に収容して上記の如き表面処理をした場合、
通常前記部品をプレス打抜する際においてその表面に防
錆油等が付着するため、第７図口に示すようにそれらが
互いに密着し易く、又前記バレル容器の回転が一方向だ
けであるために互いに密着した部品はなかなか離れ難く
部品間への溶液の浸透が十分に為され難いものであった
。

本発明は、このような問題を一挙に解消し得るものであ
って、以下に本発明を具体化したー実施例を示す図面を
参照してその詳細を説明する。

尚一対の要素についてはその一方を図示し、他方を省略
する。

図中１は被処理物に脱脂、酸洗い、水洗い等の処理を順
次施すために多数配置された浴槽、２はリン酸塩の稀薄
水溶液が収容されたリン酸塩槽、３は機枠（図示せず）
に適宜の方法で固定さ花たシリンダー、４は前記シリン
ダーに嵌装されたピストン、５は基端が前記ピストン４
に固着され開放端側にラツク６が形或されたピストンロ
ンド、７は前記ラツク６に噛合するピニオン、８は前記
機枠に固定された一対の支承部材９，９に回転可能に支
承され且つ一端に前記ピニオン７が固着された駆動軸、
ｉｏ，ｉｏは前記駆動軸８に固着され前記浴槽の両側に
配置された一対の駆動輪，ｉｉ，１ｉは機枠に固着され
前記浴槽１の上方にその浴槽を挾んで対称に配置された
一対の支持部材、１２．１２は前記支持部材１１．１１
の各々に回転可能に支承され一つの水平な共通軸線の周
りに回転し得る一対の回転軸、１３，１３は前記一対の
回転軸の各々の一端に固着された一対の従動輪、１４．
１４は前記一対の従動輪の各々と前記一対の駆動輪の各
々との間に張設された一対のチェーン、１５．１５は基
端が前記一対の回転軸の他端に各々固着された一対の回
転腕，１ ６ ， １ ６は前記一対の回転腕の各々の
開放端に枢支１７，１７され保持部１６ａ，１６ａが設
けられた一対の保持部材、１８は両端がその保持部材１
６，１６に取外し可能に保持された支持棒、１９は前記
支持棒１８に吊下部材２０により吊下され内部に多数の
被処理物が収容された網状容器である。

尚、図中２１はコンプレッサー、２２は圧力空気切替バ
ルブ、２３は絞り弁である。

本実施例の構造は以上のように構成されており、次にそ
の作用について説明する。

まず第１図は、網状容器１９が適宜の搬送装置（図示せ
ず）によりリン酸塩槽２に搬送され、その網状容器１９
に収容されている被処理物（図示せず）がリン酸塩水溶
液中に浸漬された状態を示している。

この状態で圧力空気切替バルブ２２が切替られると、ピ
ストンロツド５が往動終端まで往動されそのピストンロ
ツド５の往動に基いてピニオン７が反時計方向に一回転
される。

従って一対の回転軸１２．１２が反時計方向に同時に一
回転され、その回転に基いて網状容器も移動される。

而して、一対の回転軸１２，１２が０度〜１−８０度ま
で回動される間略一定速度にて同転され、次にそれカ月
８０度〜３ ６ ０度回転される間においては網状容器
１９中に収容された被処理物の重量により加速される状
態となり、シリンダー３中の圧力空気が圧縮性であるた
め一対の回転軸１２，１２は前記一定速塵よりも早い速
度で回転される。

次に圧力空気切替バルブ２２が再び第３図に示すように
切替られると、ピストンロツド５は復動終端まで復動さ
れそのピストンロンドの復動に基いてピニオン７が時計
方向に−回転される。

それに従って一対の回転軸１２，１２も時計方向に一回
転され、罰述と同様の理由によりそれが３６０度〜１８
０度回転する間は一定速度で、又１８０度〜Ｏ度回転さ
れる間はその一定速度より早く回転される。

上述の回転軸１２．１２の回転（こ基く網状容器１９の
運動は、その始動時には円運動であるが、回転軸１２．
１２の回転が繰返されるに従い網状容器１９の慣性によ
り第４図（ピストン前進時）、第５図（ピストン後退時
）に示すような円運動とは異なる運動となる。

従って網状容器１９内の被処理物には後述するように上
下方向と水平方向との複合運動が付与される。

即ち、回転軸１２．１２が０度〜９０度回転する間被処
理物ａ，ｂ，ｃ，ｄは第６図イに示すように矢印Ｆ方向
及び上方への慣性を附与される。

而して、回転軸１２．１２の回転が９０度を超えると網
状容器１９はそれまでとは逆に上昇しつつ左方へ移動し
始める。

従って第６図口に示すように、被処理物ａ，ｂ，ｃは網
状容器の右側に寄り集まり、この時被処理物ｂと密着し
ていた被処理物ｄは前述の慣性によりその被処理物ｂ以
上に移動され得る。

又回転軸１２，１２の回転が１． ８ ０度を超えると
、網状容器は前述とは逆に下方に上昇速度以上の速度で
移動し始めるため、上方への慣性を付与されていた被処
理物は第６図ハに示すように浮遊状態となり、それらの
被処理物は溶液の抵抗等により離れ易くなる。

又更に回転軸１２，１２の回転が２７０度を超えると前
述とは逆に被処理物が第６図二に示すように網状容器１
９の左側に寄り集まる。

−ヒ述のような運動が繰返されることにより、網状容器
内の被処理物は上１・−、左右に振られ、被処理物の網
状容器への触接、被処理物同志の軽い接触、溶液の被処
理物の移動に対する抵抗等の原因が絡み合い密着してい
た被処理物同志も互いに離され，各被処理物閾に溶液が
確実に浸透される。

尚本実施例においては回転軸１２．１２に回転運動を付
も．する手段として圧力空気駆動装置及びそれに連結さ
れた、歯車、チェーン等の伝達機構を使用しているので
、安価に製作し得、故障も少なく、又目転軸の停止位置
を常に一定とし得る効果を奏する。

又圧力空気は圧縮性であるために前述のように網伏容器
の下降速度が重力により加速され上昇時のそれよりも速
くなり従って網状容器内の被処理物の浮遊時間が長くな
り被処理物間への溶液の浸透がより確実に行われる効果
を奏する。

又本実施例によれば被処理物はバレル容器による場合の
如く回転されないので．長物、組付部品等の表面装置も
可能である。

本発明は以上詳述したように、回転軸の往復回動に基き
網状容器内の被処理物に水平方向と上下方向との複合運
動を付与することにより網状容器内の多数の被処理物を
互いに離隔するようにしたもので、被処理物間への処理
液の浸透が迅速且つほぼ完全に行われ被処理物への表面
処理加工を確実に行うことができ、又複処理物を傷つけ
ることなく一度に大量の表面処理を行うことができ、更
に組付部品の表面処理にも適用できる実用上極めて優れ
た装置を提供し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第６図は本発明を具体化したー実施例を示す
もので、第１図は要部斜視図、第２図は回転腕１５と保
持部材１６との関係を示す正面図、第３図は圧力空気制
御回路図，第４図は回転軸１２が反時計方向に回転され
た際の網状容器１９の移動状態を示す説明図、第５図は
回転軸１２が時計方向に回動された際の網状容器１９の
移動状態を示す説明図．第６図イ，口， ／％ ， 二
は網状容器内の被処理物の移動状態を示す説明図、第γ
図イは薄板状の部品Ａの斜視図、第１図口は薄板状の部
品Ａ，Ａが密着した状態を示す正面図である。 尚、図中１は浴槽、２はリン酸塩槽、３はシリンダコ
４はピストン、５はピストンロンド、６はラック、７は
ピニオン、１２は回転軸、１５は回転腕、１６は保持部
材、１９は網状容器である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 被処理物の表面を処理するための浴液が収容された
   浴槽と、その浴槽の上方に配置された一つの水平な共通
   軸線の周りに回転し得る一対の回転軸と、それらの両回
   転軸に少くともほぼ完全な一回転運動を繰返す往復回動
   運動を周期的に付与するための駆動装置と、前記各回転
   軸の相対向する軸端にその軸線に対し偏心して枢支され
   た容器保持部材と、その容器保持部材に吊下されて前記
   浴槽内に浸清され、内部に処理されるべき多数の被処理
   物を収容する網状容器と、 からなり前記回転軸の往復回動に基き前記網状容器内の
   被処理物に水平方向と上下方向との複合運動が付与され
   、前記網状容器内の被処理物が互いに離隔され各処理物
   間への処理液の浸透が迅速旦つほぼ完全に行われるよう
   にしたことを特徴とする表面処理装置。 ２ 前記駆動装置は圧力空気駆動装置を含むことを特徴
   とする特許請求の範囲第１項に記載の表面処理装置。