JPS5836469Y2 - パイプ外面に周突起を肉盛溶接するさいに使用される溶接補助装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はパイプの外面に帯状の周突起を肉盛溶接する
さいに、そのビード形成と冶金を兼ねて使用される溶接
補助装置の提供に関する。

例えば管路を構成する鋳鉄管体においては、第３図に示
すように、その一方の受口２ａ内面に対して他方の挿口
２ｂ外面にストッパー９の係止部となる帯状の周突起１
０を有するものが多種存在している。

この帯状の周突起は、鋳鉄管の鋳造時に一体に設けるこ
とも勿論可能であるが、鋳鉄管本体の鋳造後に別体の帯
状金属部材を固着して設ける方が好都合な場合があり、
とりわけこの周突起１０を第４図に例示するように肉盛
溶接１１で設けると経済性や作業能率などの諸点で有利
となる場合がある。

この考案はパイプの外面にこのような肉盛溶接で帯状の
周突起（通常ストッパー面がパイプ外面に対し直角とさ
れる）を設けようとする場合に、これを迅速円滑に実施
可能とならしめるような全く新しい溶接補助装置を提供
する目的でなされたものである。

以下この考案の実施例を図示して説明すると、第１図、
第２図は使用状態における溶接補助装置を概要を示し、
図において１は、パイプ２の外面ａに円周方向に配置さ
れた断面路矩形状の壁板部材であり、通常パイプ２の鉛
直上方に配置される。

この壁板部材１はその下面中央部に位置するパイプ２と
の当り面３を予めパイプ２の外面ａに沿うような円弧状
に形成してあり、この部分でパイプ２に密着される。

又パイプ２の円周方向に配置された壁板部材１は、上記
のように当り面３をパイプ２の外面ａに密着した状態で
、その少なくとも溶接作業側の壁面すがパイプ外面ａと
直角を威すものである。

そして、この壁板部材１は後述する肉盛溶接に際し、そ
の冷却能が大である必要があり、それ政調又は黒鉛材質
から形成して戊り、更にその冷却能を大とするために、
内部に中空の冷却部４が設けられている。

該冷却部４は壁板部材１の上面に開口するその注入口５
および注出口６から水等の冷却媒体が流通される冷却孔
を穿って構成される。

尚このような冷却部４を固有させるためには、壁板部材
１を左右割り型のものを相合して組立ればよい。

この、ような壁板部材１は、例えば油圧シリンダのピス
トンロッド等往復運動する通常上下方向のロッド７に、
その上部を連結乃至非連結に接合させ、このロッド７に
よりパイプ２の外面ａに押接される。

而して、壁板部材１がパイプ２に押接された状態、つま
り壁板部材１の当り面３がパイプ外面ａに密着した状態
で、パイプ２は国外の例えばローラ等の回転手段により
回転駆動され、その軸心廻りに回転するようにしてあり
、−前壁板部材１はこのとき前記ロッド７の押圧力によ
りその当り面３をパイプ外面ａに摺接しつつ定位置（パ
イプ２の鉛直上方位置）でパイプ２の円周方向に相対的
に走行移動するようにされる。

この場合、壁板部材１は走行移動が円滑なものとなるよ
う、図例ではパイプ２と接していないその円周方向の両
端部には パイプ外面ａで滑走する左右一対の車輪８が
装着されている。

尚、壁板部材１をパイプ２の円周方向に相対移動させる
手段としては、上記の場合のようにパイプ２を回転する
以外にも、壁板部材１自体をパイプ２の外面ａに沿って
移動するようにすることもできるが、この場合には後述
する肉盛溶接に際して、溶接トーチも同時に移動する必
要があり更に溶接姿勢を常時下向きとすることができな
い欠点か生じる。

上記の実施例装置を用いて所期目的とするパイプ２の外
面ａにおける肉盛溶接を施工する場合について説明する
と、前記の使用状態にある壁板部材１−側の溶接作業側
に当る壁面すには、第２図仮想線図示の如く、この壁板
部材１とパイプ２とをすみ肉溶接するようにして肉盛溶
接が行なわれる。

このすみ肉溶接の如き肉盛溶接によれば、壁板部材１の
大きな冷却能により、溶着金属が瞬時に凝固整形される
のであり、この際壁板部材１とこの溶着金属が誤まって
溶着したり或いは過度に溶着金属が流動することはなく
、壁面すとパイプ外面ａとの威す直角の角隅部には所望
断面形状の、即ち片側面がパイプ外面ａと直角を威す肉
盛溶接部が簡単確実に設けられるのである。

そして、パイプ２を回転して壁板部材１をその位置で円
周方向に相対移動しつつこの肉盛溶接を連続して行なえ
ば、溶接作業が常に下向き姿勢の状態にありながらパイ
プ２の外面ａに連続した肉盛溶接部、即ち第４図の如き
目的とする帯状の周突起を設けることができる。

以上説明したように、この考案の溶接補助装置はパイプ
の外面に帯状の周突起を肉盛溶接で連続的に設けるにさ
いし、それがビード形成と冶金の役割を兼ねて、この種
溶接作業を迅速円滑に実施することを可能ならしめるも
のである。

従って、この新しく開発された装置を用いれば、所期目
的とするパイプ外面への周突起の形成作業が難な←経済
的に行なえる実益が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る装置の概略を示す正面図、第２図
は第１図の一部断面側面図である。 第３図はパイプ外面の周突起の係合構造例を示す要部側
断面図である。 第４図はパイプ外面の肉盛溶接による周突起形成例を示
す要部側断面図である。 １・・・・・・壁板部材、２・・・・・・パイプ、２ａ
・・・・・・受口、２ｂ・・・・・・挿口、３・・・・
・・当り面、４・・・・・・冷却部、５・・・・・・注
入口、６・・・・・・注出口、７・・・・・・ロッド、
８・・・・・・車輪、９・・・・・・スＩ・ツバ−１１
０・・・・・・周突起、１１・・・・・・溶着金属（ビ
ード）、ａ・・・・・・パイプ外面、ｂ・・・・・・壁
面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パイプ外面に帯状の周突起を肉盛溶接で連続的に設ける
   さいに使用される補助装置であって、パイプとの当り面
   をパイプ外面に沿う円弧状に形成しかつその溶接作業側
   の壁面をパイプ外面に対して直角面に形成してなる内部
   に冷却部を有する銅又は黒沿製の壁板部材を、パイプ外
   面に押接しつつ溶接作業に従ってパイプ外面円周方向に
   相対移動自在に配設したことを特徴とするパイプ外面に
   周突起を肉盛溶接するさいに使用される溶接補助装置。