JPS5836453Y2 - シ−ム溶接機における被加工物倣い装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、被加工物の周辺に形成されたフランジ部を
上下１対のシーム電極間で挟圧して電極の駆動によって
被加工物をシーム電極に対して略直角をなす平面上で旋
回運動させなからシーム電極間を通じて流れる電流によ
ってフランジ部の全周にシーム溶接を施すシーム溶接機
における被加工物倣い装置に関するものである。

従来、たとえば上動車用燃料タンクのように、プレス加
工された上槽体と下槽体とを組合せて、上槽体及び下槽
体の胴周囲に形成されたフランジ、部を気密に溶接する
場合には、一般にシーム電極面に対し略直角をなす平面
上で被加工物を受は支えながら、これをシーム電極の駆
動で旋回させて、フランジ部の電極間に案内導入するよ
うにしたいわゆるアイアンマンと称す複数のリンクを回
動自在に連結して構成された倣い装置が用いられている
。

この種従来の倣い装置は、フランジ部のシーム溶接面が
一水平面内に納まっているか、もしくはシーム溶接面が
シーム電極に対し略直角と見なすことができるような比
較的大きいＲ面（たとえば１０００ Ｒ以上）でないと
円滑な倣い動作ができないため、これらの条件から外れ
た被加工物の溶接はその大半が作業者の手持ち作業によ
って行なわなければならず、作業性、安全上の見地から
して望ましくなかった。

そこで、この考案は、被加工物のフランジ部が一水平面
から外れているような場合に、その水平面内のフランジ
部から任意の角度に傾けられたフランジ部を１回の旋回
倣い運動で正確にこれを電極間に案内通過させることが
でき、傾斜したフランジ部を含む全周のシーム溶接が連
続的に行なえるようにした−ものである。

以下この考案の実施例を図面に基づき詳細に説明する。

第１図は、この考案にかかる装置の斜視図で、図中１は
シーム溶接機の本体、２は、本体の上部アーム３に固定
されたシリンダ４により上下動する上部シーム電極、５
は、前記電極２と同一軸線上において相対向すべく前記
本体１の下部アームに固定された下部シーム電極を示す
。

７は、シーム溶接機の本体側に旋回自在に連結されたＣ
形のリンク、８は、リンク７の下腕７ａに旋回可能に保
持された回転テーブルで、このテーブル上には被加工物
Ｗを受は支えるためのワーク受は台９が、被加工物の水
平面から外れたフランジ部Ｆの傾斜角２の変化に対応し
て回転支点Ａを中心にスイングできるようにブラケット
６を介して取付けられている。

１０は、リンク７の上腕７ｂに固定されたクランプシリ
ンダ、１１は、フランツ。

シリンダ１０のロッド１２先端に回動的に取付けられた
クランプ装置でこの場合は、被加工物を安定した状態で
保つためにＨ形のクランプ板１３がクランプシリンダ１
０のロッド１２に固定の支持板１５に支承されたミニシ
リンダ１６．１６に連結され、被加工物Ｗの動きに対応
すべく左右方向へのスイング動作ができるように構成さ
れている。

１７は、回転テーブルの下側に固定されたカム板で、こ
のカム板は、被加工物Ｗのフランジ部の軌路に沿った溶
接線を投影したもので、シーム電極面の直下に配置され
たカムローラ（図示省略）間を通過するようになってい
る。

１８は、ワーク受は台９のスＩ・ツバである。

以下、この考案の動作について説明する。

ワーク受は台９に被加工物ＷをセラＩ・すると、被加工
物はクランプ装置１１によって固定される。

固定された被加工物は、上下シーム電極２，５間でフラ
ンジ部Ｆが挟圧され、電極の駆動によって電極と略直角
をなす平面内で溶接線方向にしたがって回転テーブル８
と共に旋回運動しながら電極間を通じて流れる電流によ
りシーム溶接される。

この過程において、第２図に示すように被加工物Ｗをシ
ーム電極２，５の駆動で・・・・・・線で示すイの位置
から一線で示す口の位置へ平面的な移動で更に溶接を進
行させると、−水平面から外れた傾斜角αをもつフラン
ジ部ＦのＲ面が電極の加圧点に到達したところで、ワー
ク受は台９がフランジ部の傾斜面Ｒに対応して回転支点
Ａを中心として矢印方向へ回動する。

そして被加工物が口の姿勢から−・、−線で示すような
への姿勢にかたむくことによって傾斜したフランジ部Ｆ
のシーム溶接面が電極面に対し略直角をなす平面内で安
定した状態で電極２，５間に案内導入され連続したシー
ム溶接が円滑に行なわれる。

以上で説明したように、この考案によれば、自動車用燃
料タンクのように、プレス加工された複合体のフランジ
部が一水平面から傾斜をなして外れているような場合で
も、前記被加工物を受は支えるためのワーク受は台が、
水平面から外れたフランジ部のその傾斜面に倣ってスイ
ング動作するから、常に安定した状態でフランジ部を電
極面に対して略直角をなす平面内において正確に電極間
に案内導入させることができるので、１回の旋回運動で
２次元曲線からなるフランジ部全周のシーム溶接が自動
的に行うことができる。

したがって、従来の倣い装置に較べ作業性及び安全性並
びに品質の安定性を著るしく高めることができるなど優
れた効果を十分に発揮することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案にかかる倣い装置の実施例を示す斜
視図。 第２図はこの考案装置による被加工物の動作を示す説明
図である。 １・・・・・・シーム溶接機本体、２，５・・・・・・
上・下部シーム電極、７・・・・・・リンク、８・・・
・・・回転テーブル、９・・・・・・ワーク受は台、Ｗ
・・・・・・被加工物、Ｆ・・・・・・フランジ部、Ａ
・・・・・・回転支点。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被加工物の周辺に形成されたフランジ部を上下ｌ対のシ
   ーム電極間で挟圧して、これをシーム電極の駆動によっ
   て電極と略直角をなす平面内で旋回しつつ溶接するため
   の装置であって、該装置と結合される旋回自在のリンク
   と、該リンクの先端に旋回自在に保持された回転テーブ
   ルとを有し、前記テーブルの上面には、前記被加工物を
   受は支えるためのワーク受は台が、水平面から任意の角
   度に傾けられるように、回転支点を設けて設置されたシ
   ーム溶接機における被加工物倣い装置。