JPS5836434Y2 - 遠心鋳造装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、遠心鋳造装置に関し、特に長尺管と短尺管の
鋳造を切換えることができる遠心鋳造装置に関する。

従来の長尺管と短尺管の鋳造を行なう遠心鋳造装置にお
いては、長尺用の回転金枠の内面に仕切りを入れて短尺
用に使用するか、又はベッド上に３組の金棒回転支持装
置を一体的に設けて長尺用と短尺用にそれぞれ３組の内
の２組を使い分けるの方法がとられていた。

しかし、前者の方法では鋳造作業並びに鋳造管の品質に
問題があり、後者の方法では受口側の金枠回転支持装置
が共用されるためそのローラの摩耗が他の金枠回転支持
装置のものと不均等になり、鋳造管の品質に悪影響があ
り、不良率の増加を来たすばかりでなく、使用しない金
枠回転支持装置も鋳造中回転するために、安全上や作業
性の点で多くの問題が発生するばかりか、エネルギ効率
の点からも欠点があった。

また、後者の方法において、注湯装置により溶湯を金棒
に鋳込む場合は製品の長さにほぼ等しい長さの樋を用い
るが、この樋を金枠から引抜くときに残湯が落下したり
、飛散したりするため、短尺管を鋳造する際にベッドの
片側端の金枠回転支持装置のローラが上記落下、飛散し
た溶湯により損傷を受は易いうえに、飛散した溶湯の処
理に手間が掛るという問題があった。

本考案は、生産性及び品質の低下をきたさずに長尺管と
短尺管の各々に最適の回転金枠を使用して鋳造でき、且
つ安全上や作業性の点でも問題の少ない長尺管と短尺管
兼用の遠心鋳造装置の提供を目的とする。

本考案はこの目的を達成するため、金枠回転支持装置の
設置部を、ベッドの一端部に１個所、他端側に互いに間
隔をあけて複数個所設け、一端部に配置される金枠回転
支持装置は固定側とし、他端側に配置される金枠回転支
持装置を何れかの設置部に設置して長尺と短尺の管の鋳
造切換えを行う様にし、さらに前記設置部に金枠回転支
持装置の嵌合凹部を設けて、設置と同時に芯出しがなさ
れる様にした遠心鋳造装置を提供する。

以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明すると、第
１図において１はベース上に他の関連機器と芯出しされ
て固定設置されたベッドであり、その一端部に設けられ
た設置部２に固定側の金枠回転支持装置５が設置固定さ
れ、他端側に互いに間隔をあけて設けられた２つの設置
部３，４の内、内側の設置部３に切換側の金枠回転支持
装置６が設置固定され、外側の設置部４はカバー７で覆
われている。

前記金枠回転支持装置５，６はそれぞれ駆動ローラ８と
遊転ローラ９を備え、これらの上に短尺の管に対応した
回転金枠１０が回転駆動可能に載置される。

１１は、前記駆動ローラ８の駆動装置であって、ベッド
１に一体連設された支持架台１２上に設置されており、
出力軸が継手１４により駆動ローラ軸に直結された減速
機１３と、該減速機１３の入力軸に直結された一対のモ
ータ１５とから構成されている。

１６は、前記回転金枠１０の軸心延長軸線に沿って延び
る案内レールであって、注湯装置１７若しくは待機位置
に図示された金枠内面処理装置１８が、該案内レール１
６上を移動する台車（図示せず）上に塔載されて回転金
枠１０に向かって移動し、注湯、内面処理等の所定の作
業が行われる。

第１図の状態では切換え側の金枠回転支持装置６が内側
の設置部３に設置され、短尺管が鋳造されているが、長
尺管の鋳造を行なう場合には、第２図の如く、金枠回転
支持装置６が外側の設置部４に設置され、内側の設置部
３上にカバー７が被せられ、かつ金枠回転支持装置６の
駆動ローラ８と減速機１３の出力軸とが、設置部３，４
間の距離に対応した長さの連結軸１９を介して連結され
る。

こうして固定側の金枠回転支持装置５と切換側の金枠回
転支持装置６との間の距離が長くなり、長尺の管に対応
した回転金枠２０がこれらの上に載置され、長尺管の鋳
造が行なわれる。

前記ベット凹及び金枠回転支持装置５，６の詳細構造を
第３図乃至第８図により説明すると、金枠回転支持装置
５，６は、各駆動ローラ８、遊転ローラ９の支軸を回転
自在に支持する軸受２１と該軸受２１の取付フレーム２
２とを備え、これら軸受２１と取付フレーム２２の接当
面には軸受２１位置決め用のキ一部材２３が介装されて
いる。

前記取付フレーム２２の下端部は、前記ベッド１上面に
形成された一対の嵌合凹部２５ ａ 、２５ ｂに嵌入
係合し、ボルト・ナツト等で固定されている。

嵌合凹部２５ ａ 、２５ｂは、第４図乃至第６図に示
す様に、ベッド１上面にその巾方向、すなわちローラ軸
心と直交する方向に延設された嵌合溝２６、その内面に
取付けられたライナー２７及び嵌合溝２６の中央位置に
これを中断させる様に配置されたキ一部材２８とにより
構成されている。

そして、前記取付フレーム２２下端面には、第７図及び
第８図に示す様に前記キ一部材２８が嵌入係合する係合
凹部２４が形成されており、ベッド１の嵌合凹部２５
ａ 、２５ ｂに取付フレーム２２の下端部に嵌入保合
させたとき、この取付フレーム２２が回転金枠の軸心方
向並びにこれと直交する方向に位置決めされる様に構成
されている。

本考案の遠心鋳造装置によれば、以上の説明から明らか
な様に、長尺管と短尺管の鋳造を切換える場合にベッド
他端側の金枠回転支持装置の設置位置だけを変更すれば
良く、かつベッド上の設置部に金枠回転支持装置が嵌合
する嵌合凹部が設けられているので設置によって位置決
めも可能であり、切換え作業を容易かつ速かに行うこと
ができ、かくして生産性を低下することなく、長尺管又
は短尺管を最適の回転金枠を用いて鋳造でき、かつ余分
な金枠回転支持装置がベッド上にないので安全上や作業
性やエネルギ効果の点で問題ないばかりか、落下、飛散
した溶湯による金枠回転支持装置の損傷や、この溶湯の
処理の点においても問題がない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は全体平面図、
第２図は金枠回転支持装置の設置位置を変更した状態を
示す要部の平面図、第３図は第２図（７）ＩＩＩ−ＩＩ
Ｉ矢視図、第４図は第３図（７）ＩＶ−ＩＶ矢視図、第
５図、第６図はベッドの部分断面を示し、第５図は第４
図のＶ−■矢視図、第６図は第４図のＩＶ−Ｉ■矢視図
、第７図、第８図は取付フレームを示し、第７図は中央
部を縦断した断面図、第８図の左半分は平面図、右半分
は底面図である。 １・・・・・・ベッド、２，３．４・・・・・・設置部
、５，６・・・・・・金枠回転支持装置、８・・・・・
・駆動ローラ、９・・・・・・遊転ローラ、１０．２０
・・・・・・回転金枠、１１・・・・・・駆動装置、２
１・・・・・・軸受、２２・・・・・・取付フレーム、
２３・・・・・・キ一部材、２４・・・・・・係合凹部
、２５ ａ 、２５ ｂ・・・・・・嵌合凹部、２６・
・・・・・嵌合溝、２７・・・・・・ライナー、２８・
・・・・・キ一部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 各々駆動ローラと遊転ローラとを備え、固定側と切換側
   とからなる一対の金枠回転支持装置と、これら一対の金
   枠回転支持装置が設置されるベッドと、前記周駆動ロー
   ラを回転する回転駆動装置とを備え、前記固定側金枠回
   転支持装置の設置部を前記ベッドの一端部に１個所数け
   るとともに、前記切換側金枠回転支持装置の設置部を前
   記ベッドの他端側に互いに間隔をあけて複数個所設け、
   各設置部に前記金枠回転支持装置が嵌合する嵌合凹部を
   設けたことを特徴とする遠心鋳造装置。