JPS583547B2 - 乾式静電印刷装置用クリ−ニング装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、転写後、潜像ドラムに残存する残留トナーを
簡単な構成で効率よく除去するようにした乾式静電印刷
装置のクリーニング装置に関するものである。

乾式静電印刷装置においては、光導電層または誘電体層
を有する潜像ドラム上に光学的、または電気的な手段に
より静電的な潜像を形成し、磁気ブラシ現像によってト
ナーを付着させて顕像化する。

この顕像は記録紙に転写されるが１００％転写はされず
、潜像ドラム上に若干のトナーが残留することはよく知
られている。

この残留トナーは潜像ドラム表面をくり返し使用した場
合、次の転写工程で再び記録紙に付着し、印刷物の汚れ
となり像の解像度を著しく劣化させる。

そこで、一般には残留トナーを潜像ドラム表面から除去
するためにクリーニング装置が設けられる。

この残留トナーを除去する手段としては、円筒状毛ブラ
シを使用する方法がよく知られている。

これは動物性毛皮、または人造毛皮を円筒状ボール芯に
張りつけて円筒状毛ブラシを構成し、この毛ブラシの軸
と潜像ドラム軸とを平行にして、毛ブラシをその一部が
潜像ドラム表面に接触するように回転自在に配置したも
のである。

ところが印刷速度が速くなるにつれクリーニング装置に
も高速化が要求されているが、従来の装置では充分なク
リーニング効果が得られず、例えばブラシをベルト状に
して潜像ドラムとの接触時間を長くする、すなわち、ク
リーニング時間を長くして効果を上げるなどして、これ
を補償していた。

しかしながら、この方法は装置が複雑・大形化するばか
りかさ程の効果を期待できなかった。

本発明は形状では従来の円筒状毛ブラシと同等でしかも
高速で高効率のクリーニングを行い得る装置を提供する
ものである。

すなわち、従来ブラシの摩擦帯電はクリーニングを妨害
するものとして界面活性剤で毛の表面を処理する等の方
法で手ブラシの摩擦帯電が起こらないようにする傾向に
あったが、本発明では、この摩擦帯電を積極的にかつ効
果的に利用したもので摩擦帯電によりブラシの毛をトナ
ーと逆極性の電位に帯電させ、この電荷とトナー電荷と
の間に働くクーロン力により残留トナーを毛に吸着し潜
像ドラムより除去するものである。

摩擦帯電は、摩擦する二者の材質、形状、表面状態、摩
擦速度により摩擦帯電の電気量、極性等が定まり、これ
らの組合せを変えることにより所望の帯電状態を得るこ
とができる。

例えば接地した金属電極と摩擦した場合、レーヨンブラ
シは正にテフロンブラシは負に帯電し、電位は数キロボ
ルト（ＫＶ〕にも達する。

従って負の電荷をもつ残留トナーの除去にはレーヨンブ
ラシが有効であり、また、正の電荷を有する残留トナー
の除去にはテフロンブラシが有効である。

しかし、同一種類の毛で構成されたブラシを長時間使用
した場合、そのブラシ個有の極性に帯電し帯電電位も上
昇する。

すなわち潜像ドラムから残留ドナーを吸着、除去する力
は強まるが、一方この力はブラシの毛が潜像ドラム表面
から離れた領域で、毛からトナーを離脱する場合に障害
となる従ってブラシの摩擦帯電は、潜像ドラム表面と接
する領域ではトナーを吸着し易く、それ以外の領域では
毛からトナーが離脱し易いような電位にコントロールさ
れなければならない。

本発明は、円筒状毛ブラシの構造に若干の改良を加える
ことにより上記の目的を達成するものである。

本発明の目的は、光導電層または誘電体層を有する潜像
ドラムを用い、該ドラム上に静電潜像を形成し、該静電
潜像を乾式静電現像装置にて現像した後、記録紙に転写
、定着するようにした乾式静電印刷装置において、残留
トナーと逆極性に帯電される部材と、同極性に帯電され
る部材、あるいはいずれも残留トナーと逆極性に帯電し
、減衰時定数の異なる複数個の帯電部材とが混紡された
ブラシを該潜像ドラム表面に接触する位置に設けてなる
クリーニング装置によって達成することができる。

以下、本発明を図面により詳述する。

第１図は、レーヨンおよびテクロンの糸で構成したブラ
シの回転数と帯電位の関係を示す。

図において、横軸はブラシ回転数、縦軸は毛の帯電電位
を現わし、１はレーヨン系、２はテフロン糸の場合であ
る。

接地した金属電極にこれらの糸から構成された円筒状毛
ブラシの一部を接触させ、該ブラシを回転させると摩擦
帯電によりブラシの毛が帯電する。

帯電極性はレーヨン糸の場合、正に、テフロン糸の場合
負になり、いずれも数キロボルト〔ＫＶ〕の電位に達す
る。

従ってレーヨン糸は負に帯電したトナーを吸着する場合
に、テフロン糸は正に帯電したトナーを吸着する場合に
有効である。

接地した金属電極の代わりに有機または無機の絶縁物電
極を使用することもできる。

一例としてアクリル電極とレーヨン糸ブラシを摩擦した
場合のブラシ回転数と帯電電位の関係を第１図の曲線３
で示す。

この場合、ブラシは負に帯電するため正に帯電したトナ
ーをドラム上から吸引除去する場合に有効である。

しかし上述のように同一種類の毛で構成されたブラシを
長時間使用した場合、ブラシを構成する毛の材質特有の
極性に帯電し、帯電電位も上昇する。

従って潜像ドラム上の残留トナーを除去する力は増加す
るが、一方この吸着力は毛からトナーを離脱する場合に
障害となり好ましくない。

本発明は上述の事実にかんがみ、潜像ドラム表面と接す
るときトナーを吸着し易く、それ以外のときは毛からト
ナーが離脱し易いようにブラシの帯電電位を設定せんと
するものであり、このブラシの電位調整のために摩擦に
より潜像ドラム上の残留トナーと逆極性に帯電する糸の
他に雑留トナーと同極性に帯電する糸、または残留トナ
ーと逆極性に帯電するが、本来の糸より短い減衰時定数
を示す比抵抗を有する糸を混紡するものである。

本発明にかかるクリーニング装置の変形されたいくつか
の実施例を第２図乃至第４図に示して説明する。

第２図は、接地金属電極とブラシの摩擦帯電を応用した
クリーニング装置の構成例を示す。

図において４は円筒芯４ｂと円筒芯の円周上に接着され
た毛４ａからなる円筒状毛ブラシ、５は毛４ａに付着し
たトナーをかき落す作用を兼ねたブラシ帯電用の網状金
属電極、６は網状金属電極５を支持するとともに網状金
属電極５に電気的に接続されて接地された金属ケースで
ある。

７は静電潜像ドラム、７′は現像、転写工程を経た後、
静電潜像ドラム１表面に付着している残留トナー、８，
９はそれぞれ静電潜像ドラムおよび円筒状毛ブラシの回
転方向を示し、１０は空気の吸引口である。

円筒状毛ブラシ４は接地された網状金属電極５に摩擦さ
れて正に帯電する糸と負に帯電する糸とを混紡して構成
されている。

次に動作を説明する。

先ず円筒状毛ブラシ４は図に示す矢印８の方向に回転し
て網状金属電極５によりその表面が摩擦されて例えば全
体の帯電極性が負に帯電されたとする。

このとき、静電潜像ドラム７表面に付着している残留ト
ナー７′の極性は正に帯電されているものとする。

次に表面が負に帯電された円筒状毛ブラシ４は、円筒状
毛ブラシ４の周速度よりも遅く図矢印９の方向に回転し
ている静電潜像ドラム７に接触して、残留トナー７′の
電荷とブラシの帯電電荷との間に働くクーロン力により
ドラム表面のトナー７′は毛４ａに吸着されドラム１表
面から除去される。

円筒状毛ブラシ４はさらに回転してトナー７′の吸着さ
れた毛４ａは再び網状金属電極５に導かれてトナー７′
がかき落とされ、吸引口１０からの吸引エアにより図示
されざるトナー回収装置へ導かれる。

以上の動作が連続して繰り返される。

第３図は、絶縁物電極とブラシのマサツ帯電を応用した
クリーニング装置の構成例を示す。

図中、第２図と同一箇所には同一の番号を付し，また１
１は円筒状毛ブラシ４と接触する位置に設けられたブラ
シ帯電用の絶縁物電極である。

この実施例において網状金属電極５は第２図に示す実施
例と同様、円筒状毛ブラシ４に付着しているトナー７′
をかき落とす作用とブラシの毛４ａをトナー７′と同極
性に帯電させる作用とを兼ねる１本実施例の第２図に示
す実施例と大きく相違する点は、網状金属電極５に摩擦
されてトナー７′と逆極性の電極を誘起する材質をブラ
シの毛４ａに用いる第２図に対して本実施例ではブラシ
の毛４ａとして網状金属電極５に摩擦されてトナー７’
と同極性の電荷を誘起する材質のものを用いることであ
る。

そしてドラム７上のトナー７′を良好に吸引するため毛
４ａをトナーγの帯電電荷と逆極性に帯電させるための
摩擦部材１１を追加したことである。

摩擦部材はブラシ４とドラム７が接触する以前の位置に
設けられ、網状金属電極５はこれらが接触した後の位置
に設けられる。

一例として摩擦部材１１にアクリル系絶縁物を使用し、
毛４ａをレーヨン糸により構成した場合、円筒状毛ブラ
シ４の表面は第１図中３で示す曲線の如く負に帯電し、
正に帯電されたトナー７′を良好に吸着することができ
る。

トナー７′の吸着されたブラシ４は網状金属電極５に至
り、レーヨン糸は接地電極と摩擦されて第１図中１にて
示す曲線の如く正に帯電することからこの網状金属電極
５に摩擦されてブラシ４はトナー７′と同様正の極性に
帯電する。

その結果、ブラシ４に付着するトナー７′はブラシの帯
電電荷により反発力をうけてその表面から離脱するよう
に働く。

同時にブラシの回転によりブラシの毛は網状金属電極に
こすられてトナーを良好にかき落とす。

かき落とされたトナー７′の吸引口１０からの吸引エア
により図示されないトナー回収装置へ導かれる。

第４図は、コロナ放電装置を用いてブラシにトナー吸引
のための帯電電荷を与えるようにしたクリーニング装置
の構成例を示す。

図中の番号は、上述した実施例の各箇所に対応して付さ
れ、また図中１２は放電ワイヤ電極１２’、金属ケース
６と電気的に結合された接地電極１２”からなるコロナ
放電装置、１３は高圧電源である。

本実施例は、原理的には第３図の実施例と同様であり、
第３図にて示したトナーと逆極性の電荷をブラシに与え
る絶縁物電極１１の代わりにコロナ放電装置１２を用い
て同様の機能を行なわせるものである。

動作および効果は第３図に示す実施例とほぼ同一であり
、ただ本実施例の場合、ブラシ帯電用のコロナ放電装置
が付加されるので装置の構成は若干複雑となるが、反面
ブラシの帯電極性、帯電電荷量の調整制御が容易となる
利点を有する。

尚、上述した実施例において、接地金属電極の形状は平
板、網状、ワイヤ、針状等、材質は、銅 な、絶縁物電極材質としてはアクリル、スチロール、テ
フロン等の有機物、ガラス、セラミック等無機物、さら
に毛の材質としてはレーヨン、テフロン、ビニロン、ナ
イロン、絹等で、その断面形状は丸形、角形、まゆ形等
のいずれでもよく、形状、材質、ブラシ糸の織り方およ
びそれぞれの組合せに関し、制限されるものではない。

さらに上述の各実施例において円筒状毛ブラシの回転方
向は図示した方向を逆方向でもさしつかえない。

ただし、この場合第３図、第４図に示す実施例では絶縁
物電極１１およびコロナ放電器１２を図の下側に配置す
る必要がある。

また第２図において網状金属電極５を、網状絶縁物電極
に置きかえることにより、同じ構造ながら特性的には第
３図の実施例と同様の作用を示すクリーニング装置を得
ることができる等種々の変形が考えられる。

【図面の簡単な説明】

第１図はブラシの材質によるブラシ回転数と帯電電位の
関係を説明するための図、第２図乃至第４図は本発明に
かかるクリーニング装置の各種具体的実施例を説明する
ための図である。 図中４は円筒状毛ブラシ、５は網状金属電極、６は金属
ケース、７は静電潜像ドラム、１１は絶縁物電極、１２
はコロナ放電装置、１３は高圧電源である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 光導電層または誘電体層を有する潜像ドラムを用い
   、該潜像ドラム上に静電潜像を形成し、該静軍潜像を乾
   式静電現像装置にて現像した後、記録紙に転写、定着す
   るようにした乾式静電印刷装置において、残留トナーと
   逆極性に帯電される部材と、同極性に帯電される部材あ
   るいは、いずれも残留トナーと逆極性に帯電し、減衰時
   定数の異なる複数種の帯電部材とが混紡されたブラシを
   該潜像ドラム表面に接触する位置に設け、さらに該ブラ
   シに該ブラシとの摩擦帯電により残留トナーと同極性の
   電荷を与え、該潜像ドラムとの接触により該ブラシに付
   着したトナーを除去する網状電極と、該網状電極との摩
   擦帯電によりトナーの除去された該ブラシに該ブラシと
   の摩擦帯電により該潜像ドラム上の残留トナーとは逆極
   性の電荷を与える絶縁物電極と、を具備してなることを
   特徴とする乾式静電印刷装置用クリーニング装置。