JPS5832568B2 - 漁網の製造法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は漁網の製造法に関する。

漁網、例えばサケ・マス等の刺網に於いては網の回合の
大きさは漁獲に非常に大きな影響があり。

魚の大小により網回合の大きさを変える必要がある。

一方魚の棲息層に於いて上層には小さい魚、下層には大
きい魚が居る場合が多く、このような場合、刺網で漁労
を行うには上下方向に回合を変えた方が魚のかかりが良
くなることは明らかである。

そしてこのように回合の異なる漁網を製造するには予め
回合の異なる網地を別々に作り、これらの網地を掛継に
より継ぎ合わせて製造することが考えられる。

しかしながらこのような製造方法では掛継の手間が非常
に大きく、その作業は甚だ面倒であり、しかもコスト高
になる。

本発明は網目の複数列を単位とし各単位毎に回合を異な
らせ、魚の棲息に応じ一枚の網で大小の魚を能率よく捕
採するようにした漁網を簡単且つ安価に製造する方法を
提供せんとするものである。

本発明はかかる目的を達成するため網目の複数列単位毎
に引張伸度の異なる合成繊維製の網糸を用いて全体を略
同−の大きさの回合にて編網し、編網後この網地の両端
に張力を加えて引張り各網糸を伸度差に応じ伸長させて
各段毎に回合を異ならせ、この状態で熱処理を行い、張
力を清純して各網糸の伸長した状態を固定するようにし
たことを特徴とするものである。

以下、本発明の実施例を図によって解明する。

第１図は本発明を刺網に実施した例を示し、１は身網、
２及び３は夫々縁網である。

この身網１は第２図の如き一定張力下で引張伸度特性の
異なる合成繊維製の網糸ａ及びｂを網目の複数列単位毎
に即ち段Ａと段Ｂとに夫々配して編網機にて全て略呵−
の大きさの網目に連続して編網する。

（第１図は理解のため２段にして示したが３段又はそれ
以上の段でもよい）例えば上方の段Ａの網糸ａは下方の
段Ｂの網糸すより引張伸度が小であるようにする。

モして編網後、結節部の目線めを行い仮セットする。

更に仮セツト後仕上セットを行う。糸ａ、ｂに加える荷
重ｋｇに対する伸度の特性曲線が第２図の如（ａ、ｂ線
の通りであるとき仕上セットにて先ず網地の上下端にＰ
ｋｇの引張張力を与えて網地を横巾方向ｘ −ｘに引伸
ばしたとき、各網糸ａ、ｂはその伸度に応じて伸長し、
第２図に示すように網糸ａはα係の伸度、網糸すはβ多
の伸度になり、網糸すの方が網糸ａに比べ大きな伸びた
状態を示す。

従ってＡ段及びＢ段の回合は異なった寸法となり、即ち
上方の段Ａの回合より下方の段Ｂの回合の方が大となる
。

次にこの回合の伸びた状態で網地を熱処理して各網糸ａ
、ｂの寸法を定着処理する。

この編網に於ける一本の網糸の編網方向は第１図中に太
線矢印で示す方向になっているから段の境界ｍにおける
目金だけは編網方向の網糸ａとｂとからなっているから
この列の目だけは中間寸法の目金になるが網として伺等
差支えなく他の部分は総じて正常な等辺の目金となる。

以上より明らかなように本発明によれば網目の複数列の
単位段毎に異なる目金の身網を有する漁網を製造するに
際し、夫々引張伸度の異なる網糸を用いて先ず全てを略
同−の大きさの目金にて編網し、次いでこの網地に張力
を与えて各網糸を伸度に応じて伸長させ、この伸長した
状態で熱処理を行い、各網糸を伸長した状態に定着処理
するので面倒な掛継作業を要せず、簡単に能率的に複数
段の異なる目金を有する身網を製造することができ、安
価に提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の方法により製造した漁網例の一部平面
図、第２図は該漁網に使用する網糸の引張強伸度曲線を
示す特性図である。 １・・・・・・身網、２，３・・・・・・縁網、ａ・・
・・・・引張伸度が小の細小、ｂ・・・・・・引張伸度
が大の網糸。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 網目の複数列を単位段としかかる単位段毎に引張伸
   度特性の異なる合成繊維製の網糸を用いて全て略同−の
   大きさの回合で一連の身網に編網し。 編網後この一連の身網地の両端に張力を加えて各網糸を
   伸長させ糸の伸度に応じて回合の大きさを異ならせ、こ
   の状態のまま熱処理を行い、各網糸の伸びを固定して複
   数段の異なる回合を有する身網とする漁網の製造法。