JPS583254B2 - 光走査装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、光ビームを特定平面内で多方向に走査させて
互いに交差する複数本の光走査線を描かせる光走査装置
に関するものである。

最近、デパートやスーパーマーケットにおいて商品の売
上げ、在庫などの管理を自動化するため、商品につけた
バーコードから商品の種類や価格などを自動的に読み取
ってこの情報を電子計算機により処理するようになった
。

商品に設けられたバーコードを読み取るには、バーコー
ドをレーザー光などの光ビームで走査しその反射光強度
の変化によりバーコードに記入された情報を読み取る方
式が通常用いられる。

バーコードを完全に読み取るには、第１図の如く、光ビ
ームスポットＳによりバーコードＬのＡ端からＢ端また
はＢ端からＡ端まで完全に走査しなければならない。

しかし商品に設けたバーコードは、必ずしも一定方向に
向けて読取装置に送り込まれるとは限らないので、光ビ
ームスポットを短時間のうちに多方向に走査し、そのう
ち少なくとも１本の走査線がバーコードＬのＡ端からＢ
端またはこの逆方向に完全走査するように考慮する。

上記多方向の光ビームスポットの走査を実現させる手段
として、従来は第２図に示すように、凸レンズと等価の
ホログラム１の特定位置を点線のように切り取って、そ
れぞれ、同一平面上において焦点位置を異ならしめたホ
ログラムピース２１〜２ｎを、回転円板の円周上に設け
た貫通孔に１つおきに嵌め込み、さらにホログラムの別
の位置３から切り取った複数個のホログラムピース３１
〜３ｎをもう１つの円板に前記と同様に嵌め込み、これ
ら２つの回転円板を互いに一部が重なるようにして回転
可能に配置し、かつそれぞれの円板に設けた貫通孔が互
いに重なり、しかもどちらか一方の貫通孔にホログラム
ピースが存在するようにし、貫通孔が重なった部分にレ
ーザービームを照射しながらこれら回転円板を同期回転
させ、たとえば第３図に示すような交差した光ビームの
走査線をバーコード上に描かせるか、１枚の回転円板上
の半径の異なる２つの円周上にそれぞれ間隔を設けて複
数個の貫通孔を穿ち、第１の円周上の貫通孔にホログラ
ムピース２１〜２ｎを嵌め込み、第２の円周上に設けた
貫通孔にホログラムピース３１〜３ｎを嵌め込み、第１
の円周上のホログラムピースに第１の光ビームを照射す
るとともに、第２の円周上のホログラムピースに第２の
光ビームを照射し、かつ第１の光ビームがホログラムピ
ースを照射しているときに第２の光ビームはホログラム
ピースを照射しないような位置関係にして回転円板を回
転させ、第３図に示すような光ビームの走差線を描かせ
る。

以上のことは先に本出願人が特願昭５０−７０３７８（
特開昭５１−１４６２４４）、特願昭５０−１５８５０
５（特開昭５２−８４７５１）で出願している。

このため、前者の光走査装置は、回転円板を２枚設ける
必要があるので、装置が大形となり、コスト上昇につな
がり、また、後者の光走査装置はレーザ光源を２個必要
とするため、これまたコスト上昇につながるという欠点
がある。

本発明は上述の如き従来の欠点を改善する新規な発明で
あり、その目的は簡単な構成によりバーコードを読取る
ことができる光走査装置を提供することにある。

その目的を達成せしめるため、本発明の光走査装置は、
同一平面上でそれぞれ焦点位置を異ならしめた複数個の
偏向ピースと反射鏡とを順次円周上に配置した回転円板
と、該回転円板を回転させたとき前記偏向ピースと反射
鏡とを順次照射する光ビームと、前記反射鏡から反射さ
れた光ビームを回転円板上の所定の偏向ピースに反射さ
せる反射装置とを備え、スクリーン上に交差した光ビー
ムの走査線を描かせるようにしたことを特徴とするもの
で、以下実施例について詳細に説明する。

第４図に示すように、アルミニウムなどの軽金属からな
る回転円板１０の中心Ｏから半径ｌ１だけへだたった円
周１１上に、一定の間隔をもち、円周方向に横長状の貫
通孔を複数個設け、該貫通孔に１つおきに反射鏡１２を
嵌め込む。

反射鏡１２と反射鏡１２の間の貫通孔には、第２図に示
したようなホログラム１から切り出し、それぞれ同一平
面上において焦点位置を異ならしめた偏向ピースを形成
するホログラムピース２１〜２ｎを嵌め込む。

また、回転円板１０の中心Ｏから半径ｌ２だけへだたっ
た円周１３上に、円周方向に横長状の貫通孔を複数個一
定の間隔を保って設ける。

この貫通孔は、円周１１上に穿った貫通孔の数の半分の
数だけ設ける。

そしてこの貫通孔に、第２図に示した偏向ピースを形成
するホログラムピース３１〜３ｎを嵌め込む。

回転円板１０の下方には、ヘリウムーネオンレーザなど
からなる光源１４と焦束レンズ群１５を配置し、光源１
４から発射された光ビーム１６は円周１１上のホログラ
ムピースまたは反射鏡を照射するように位置を定める。

そして回転円板１０を矢印方向に回転させ、光ビームが
ホログラムピース２１を照射すると、ホログラムピース
２１で偏向された光ビームは、スクリーン１７上で光走
査線２１′を描く。

回転円板１０が回転して、光ビーム１６が反射鏡１２を
照射すると、光ビーム１６は反射鏡により下方向に反射
される。

円板の下部の反射された光ビーム１６の光路には反射装
置１８が配置され、光ビーム１６をさらに回転円板１０
方向に再反射する。

そしてその光ビームは、円周１３上の貫通孔に嵌め込ま
れたホログラムピース３７を照射シ、ホログラムピース
３７で偏向された光ビームは、スクリーン上で光走査線
３７′を描く。

回転円板１０の回転により、上述のような光ビームの偏
向動作が行なわれ、回転円板１０が１周したとき、スク
リーン１７上には第３図のような複数本の光ビームが交
差した走査線モードが描かれる。

上記実施例は、回転円板１０上に２列のホログラムピー
ス列を設けたが、ホログラムピース列をさらに多くし、
たとえば円周１３の内側にもう１列追加して３列とし、
円周１１上のホログラムピースとホログラムピースの間
に２個の反射鏡を配置するとともに、さらにもう１個の
反射装置を設け、第１番目の反射鏡を光ビームが照射し
たとき、第１の反射装置により、円周１３のホログラム
ピースを照射し、第２番目の反射鏡を光ビームが照射し
たとき、第２の反射装置により円周１３の内側に配置し
たホログラムピースを照射するように構成して、スクリ
ーン上に３方向の光走査線交差させた走査線モードを描
かせるようにしてもよい。

また、回転円板１０の円周１１上に、第５図に明りよう
に示すように、光走査線の方向の異なる２つのグループ
のホログラムピースたとえば２１・・・・・・２ｎと３
１・・・・・・３ｎと反射鏡１２とを交互に配置しても
よい。

この場合、各ホログラムピースは、光源１４から直接発
射された光ビームと、反射装置１８によって反射された
光ビームとにより反射されることになるが、光源１４か
ら直接発射された光ビームを偏向してスクリーン上に光
走査線を描かせるホログラムピースは、反射装置１８に
より反射された光ビームを偏向しても、スクリーン１７
上に光走査線を描かせることはなく、また反射装置１８
により反射された光ビームを偏向してスクリーン上に光
走査線を描かせるフログラムピースは、光源１４から直
接発射された光ビームを偏向しても、スクリーン１７上
に光走査線を描かせることはない。

しかし、スクリーン上に光走査線を描かない光ビームは
、壁面等で散乱してバーコード読取りの際のノイズとな
るおそれがあるので、適当な光シールド体あるいは光吸
収体を設けて、不要な偏向光がノイズとならないように
手当てをしなくとはならない。

なお、上記実施例は、ホログラムから切り出したホログ
ラムピースを用いたが、ホログラムピースと等価な凸レ
ンズから偏向ピースを切り出してもよいことはもちろん
である。

以上、詳細に説明したように、本発明は、１個の回転円
板と１個の光源を用いて交差した光走査線を描かせるこ
とができるので、従来装置に比べて構造が簡単になり、
かつ光走査装置を小形に形成することができるほか、偏
向ピースと反射鏡を回転円板上におき、これで光ビーム
をスクリーン上に導くことにより複雑な光走査モードを
簡単な機構で構成できるなど多くの効果を有するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図はバーコードの読取りの一例を示す正面図、第２
図はホログラムからのホログラムピースの切出し位置を
示す正面図、第３図は光走査線パターンを示す正面図、
第４図は本発明の一実施例の要部説明図、第５図は他の
実施例における回転円板の部分的な正面図である。 図において、１０は回転円板、１１および１３は円周、
１２は反射鏡、１４は光源、１６は光ビーム、１７はス
クリーン、１８は反射装置、２１〜２ｎおよび３１〜３
ｎはホログラムピースである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 同一平面上でそれぞれ焦点位置を異ならしめた複数
   個の偏向ピースと反射鏡とを順次円周上に配置した回転
   円板と、該回転円板を回転させたとき前記偏向ピースと
   反射鏡とを順次照射する光ビームと、前記反射鏡から分
   射された光ビームを回転円板上の所定の偏向ピースに反
   射させる反射装置とを備え、スクリーン上に交差した光
   ビームの走査線を描かせるようにしたことを特徴とする
   光走査装置。 ２ ホログラムから切り出したホログラムピースにより
   上記偏向ピースを形成したことを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載の光走査装置。 ３ 凸レンズから切り出した上記偏向ピースを形成した
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の光走査装
   置。 ４ 偏向ピース列を回転円板上に複数列設け、回転円板
   上の反射鏡から反射された光ビームを反射装置により各
   偏向ピース列に分配するようにした特許請求の範囲第１
   項記載の光走査装置。