JPS5832139Y2 - 粉体溶射用耐熱集合配管 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、窯炉ライニングの損傷部を耐火物粉末溶射に
よって補修する装置に関する。

かかる溶射補修においては、高温の炉内に溶射バーナー
を持ち込み、炉壁が高熱の間に耐火粉末を溶射すること
により、粉体の溶融性を良くすると共に炉壁への密着性
を向上させることができるし、補修時間の短縮も可能と
なる。

そのためには、バーナー並びに粉体、可燃ガス、支燃ガ
ス等を供給する複数の配管とそれらを内蔵した保護管を
炉内の高熱から保護し、かつバーナー自体で発する高熱
にも耐える構造とする必要があり、通常は保護管のバー
ナー直後と後端の円周部に夫々固着した管板間、並びに
バーナ一部に冷却水を供給する構造を採用している。

ところが従来の冷却構造においては、前記両管板間を冷
却水で埋めるに過ぎないため、バーナーを冷却後管板間
に供給された冷却水は、管板間の給水口から排水口まで
最短距離をとって流れ易いため、管板間の他の部分に澱
みを生じたり、ガスや気泡が溜まるなど、著るしく吸熱
効果を低減させる原因となっていた。

従って、高温の炉内に溶射装置を長時間挿入できず、一
旦炉外に出して冷却後再び炉内補修せねばならないから
、この作業の反復によって炉壁が冷え込む粉体の密着性
が低下すると共に、溶射装置の耐久性低下、作業の複雑
化と長期化や、それらに伴うコストアップなど種々の不
都合を生じていた。

本考案は、かかる欠点を解消し高度な冷却性能を有する
粉体溶射用耐熱集合配管を提供する目的でなされたもの
である。

即ち本考案は、粉体、ガス、冷却水の各配管を内蔵する
保護管の下端に設けたバーナー内を水冷した後、この冷
却水を保護管本体内に設けた複数の配管保持板の全周を
通過させることにより、冷却水が本体内を全面循環し得
るように構成した耐熱集合配管を提供するものである。

以下本考案を図面に基づき説明する。

第１図は本考案の実施例を示す耐熱集合配管の縦断面図
であり、第２図は第１図のＩ−Ｉ矢視図である。

第１図において、保護管１は下端に外向きのフランジ２
を有する鋼板等金属製筒状体であり、ハンガー（図示せ
ず）を介してクレーンにて炉内に吊り下げ得る構造にな
っている。

フランジ２の下側には管板３を介してバーナー４のフラ
ンジ５が当接し、複数個のボルト６により締め付けであ
る。

フランジ２と管板３の接合面及び管板３とフランジ５の
接合面に設けたリング溝には保護管本体１と同心のＯリ
ング７が取り付けてありこれにより本体１内及びバーナ
ー４内の気密性が保持されている。

本体１の上端部内面に設けた内向きフランジ８には、第
２の管板９が複数個のボルト６により取り付けてあり、
管板９に開けた複数個の孔に冷却水供給管１０、粉体配
管１１ 、ＬＰＧ配管１２．０２配管１３、排水管１４
が嵌合し、各配管と管板９の接合部は溶接等により固着
する。

１５は上部のフランジ８と管板９の接合面に配置したＯ
リングである。

配管１１，１２．１３は管板９の部分がら更に下方へ延
び、途中に管の熱膨張を吸収するため蛇腹式その他の伸
縮継手１６を介して下端は管板３に開けた孔に嵌合し、
嵌合部は溶接等により固着しである。

１７は冷却水出口孔である。

管板３の下端面には第２図の如く各配管 １０〜１３及び冷却水出口孔１７を囲む同心のリング溝
が設けてありそこに嵌めたＯリング１８は下部フランジ
５の上端面と圧接し、各配管１０〜１３と冷却水出口孔
１７をバーナー４内の対応する通路と気密性を保ち接続
している。

バーナー４内には粉体配管１１． ＬＰＧ配管１２．０
２配管１３と接続するノズル１１’、 １２’、 １３
’が設けてあり、ＬＰＧと０２の混合気により形成され
る火炎内に粉体が噴出するように構成されており、冷却
水供給管１０は前記各ノズルを囲む水ジャケット１９に
接続し、この水ジャケットの出口は冷却水出口孔１７に
接続している。

従って炉壁等に向い耐火粉体材料を溶融噴射している時
、冷却水供給管１０から流入する冷却水は前記ノズル及
びバーナ−４全体を冷却する。

排水管１４は上部管板９の下端面の部分において本体１
内の水室２０に向い開口しており、上端はラジェーター
を介して冷却水タンクへ接続するか、又は直接排水路へ
接続する。

冷却水供給管１０の上端部は開閉弁を介して水道又は冷
却水タンクへ接続する。

ＬＰＧ配管１２．０２配管１３は共に開閉弁及び調圧弁
を介してタンクへ接続する。

粉体配管１１はエヤースライド装置のような定量輸送手
段を介して粉体貯蔵タンクへ接続する。

上部管板９より下方の氷室２０内には上下方向の間隔を
へだてて複数個の配管保持板２１が各配管１０〜１３に
取り付けである。

配管保持板２１は配管１０〜１３が密接に嵌合する配管
挿通孔を備え、各配管１０〜１３と配管保持板２１はそ
の接合部において適宜溶着するがその他の手段により固
定してあり、このため配管保持板２１の外径は本体１の
内径より小さくシ、外周の数カ所で継手により本体１と
固着する。

従って配管保持板２１と本体１の内面との間には環状の
間隙２２が構成される。

間隙２２の半径方向の幅は例えば５〜ｌＱｍｍである。

あるいは配管保持板２１の外径を本体１の内径と一致さ
せて一部又は全接触面を固着し、該保持板２１の全周に
多数の切欠き又は孔を設けて間隙２２を形成してもよい
、。

本体１の長さが７〜８ｍの場合、配管保持板２１を例え
ば４〜５枚等間隔に配置することが望ましい。

上記の如き構成において本考案装置の操作手順を説明す
ると、まずバーナー４に設けたノズルを補修を必要とす
る炉壁内面へ向けＬＰＧ、０２ガスを各配管１２．１３
からバーナー４へ供給し、バーナー先端でそれらを混合
し火炎を噴出させる。

その中央部で補修部に向は配管１１がら供給した粉体を
噴射すると、ＬＰＧと０２ガスとの燃焼熱により粉体が
溶融し、炉壁の目的部分に溶射される。

この時本体１及びバーナー４は極めて高温の雰囲気にさ
らされるが、冷却水供給管１３から外部の冷たい冷却水
がバーナー４内へ真先に流入し、バーナー４内の要部を
循環冷却した後出口孔１７がら最初の水室２０へ流入し
水室２０を充満する。

水室２０内の各配管１０〜１３には上下間隔をへだてて
複数個の配管保持板２１が取り付けであるが、その周囲
には、環状に間隙２２が設けであるがら、最初の水室２
０で充満した冷却水は直上の保持板２１に設けた間隙２
２を通って順次上部氷室に移り、最終的には排水管１４
から外部に放出される。

以上説明したように本考案によれば、まず冷却水供給管
１０から供給された外部の冷却水が最初にバーナー４内
へ流入するため、最も熱負荷の高いバーナーを効果的に
冷却し得る。

特に本考案の特徴である複数の配管保持板２１を用いる
ことにより、バーナーを冷却後出口孔１７を通過した水
は配管保持板２１全周の間隙２２から順次上部水室２０
に移る都度、本体１の内面を高速でこすることとなり、
冷却水が本体１の内面を流動的に接続する機会が増して
本体１を極めて効果的に冷却でき、耐久性も向上する。

また、多数の間隙２２を介し水室２０内の全部に冷却水
が充満しつつ順次上部氷室に流入するから、本体１内に
澱みを生じることなく、ガス、気泡も溜まらず各配管を
均一に冷却することができる。

更に複数の配管保持板２１の外周を本体１で支持するか
ら、本体同各配管１０〜１３や水室２０の位置が安定し
、バーナーを傾斜させて溶射補修する場合にも配管が湾
曲せず耐久性が増す。

このように本考案によれば、溶射補修装置に用いる耐熱
集合配管の冷却効果及び耐久性を著るしく向上させると
共に、高温度の炉壁を冷却させずに補修できるから、補
修時間を短縮でき、しかも耐火物の炉壁密着性を向上さ
せて炉寿命の大幅な延長、またそれらに伴う費用の節減
など種々の効果をもたらすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す耐熱集合配管の縦断面図
、第２図は第１図のＩ−Ｉ矢視断面図である。 １：保護管、２：フランジ、３：管板、４：バーナー、
５：フランジ、６：ボルト、７：Ｏリング、８：フラン
ジ、９：管板、１０：冷却水供給管、１１：粉体配管、
１２ ： ＬＰＧ配管、１３ ：０２配管、１４：配水
管、１５：Ｏリング、１６：伸縮継手、１７：冷却水出
口孔、１８：Ｏリング、１９：水ジャケット、２０：水
室、２１：配管保持板、２２：隙間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 粉体溶射装置の保護管本体内に後端から先端バーナー位
   置まで燃料ガス供給管と粉体供給管を夫々貫通せしめ、
   同じく本体内後端より導入した冷却水供給管はバーナー
   位置で屈曲せしめて先端部直後の本体内管板に設けた出
   口孔まで配管し、更に本体内後部に設けた管板に外部放
   出用排水管を剛着し、前記前部と後部の管板間にはガス
   、粉体、冷却水各偶給管の挿通孔を有する配管保持板を
   適宜な間隔に複数個配置すると共に、各配管保持板の全
   周に冷却水流路を設けてなる粉体溶射用耐熱集合配管。