JPS5831199Y2 - 共鳴型消音器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は共鳴型消音器の改良に関するもので、特に消音
器の共鳴周波数を可変可能とすることによって、その使
用範囲を拡大せんとするものである。

従来、この種の消音器を用いる場合、その消音効果は消
音器の共鳴周波数においては最も大きく取れるものの、
共鳴周波数よりズレるに従って著るしく消音効果が悪く
なる欠点があった。

このためこの消音器を騒音対策の一方法として用いる場
合、その効果を最大限に得ようとするには消音器の共鳴
周波数を消音せんとする騒音の周波数と一致させねばな
らない。

しかし、消音器の使用場所によって、特に周囲の温度に
よって音速が変化するため、消音せんとする周波数が変
化し、正確に求めることが困難となり、従って消音器の
共鳴周波数も正確に決定することができず、共鳴型消音
器の特性が充分に利用できなかったのが現状である。

これに対し本考案は共鳴型消音器を構成する小孔の面積
を可変可能とすることにより、消音器の共鳴周波数を任
意に可変できるようにすることで従来の欠点を解決せん
とするものである。

以下本考案の一実施例に基づき、図面を用いて詳細に説
明する。

第１図は本考案による消音器の断面図を示し、第２図は
第１図においてＡ−Ａ’面での平断面図を示す。

第１図、第２図に示す消音は外筒１、内筒２、上面３、
下面４によって密閉された空洞部５を構成するとともに
内筒２に設けたスリット状の小孔６を介して、空洞５を
内筒２内部と連通させである。

さらに内筒２内部には、内筒２内部を貫通し、かつ、外
面が内筒２内面に接すべく調節筒７を配し、調節筒７外
周囲を消音器が摺動可能とするとともに調節筒７外面に
は小孔６に対応する位置に小孔６と同様の連通口８を設
けて、調節筒７内部と空洞部５とを小孔６、連通口８を
介して連通させである。

以下上記構成における作用について説明する。

一般に共鳴型消音器の共鳴周波数は次式で示される。

ここでＦは共鳴周波数〔Ｈ２〕、ｋは定数、Ｃは音速、
Ｓは小孔部の断面積、■は空洞部の体積である。

上式において明らかなように小孔部の断面積Ｓを変化さ
せることにより、消音器の共鳴周波数を変化させること
ができる。

すなわち第１図の本考案の構成において、内筒２内部に
調節筒７を配し、かつ外筒７外面に内筒２内面が接して
消音器が摺動すべく調節筒７を配し、さらに内筒７に設
けた小孔６と同一の連通口８を調節筒７に設けているた
め、消音器を回転あるいは上下方向に摺動させることに
より、小孔６と連通口８で構成される連通部の開口面積
が変化することになる。

すなわち調節筒７の調節により、消音器の共鳴周波数を
任意に可変できるものである。

このため従来のごとく消音せんとする周波数を正確に求
める必要がなく、概略の周波数を求め、これに合わせて
消音器を設計し、実際の使用状態において、調節筒の調
節により、最大の消音効果の得られる状態にセットする
ことができ、消音器の消音効果を最大限に利用できる。

また消音器を回転もしくは上下方向に摺動させるだけで
あるため、その操作も極めて容易であるとともに調節筒
の長さを常に一定に保つことができ、減音対象管路に調
節筒を溶接等で固定使用時において、使用中に消音対象
周波数が変化しても消音器の調節により対応することが
でき、従来の消音器のように新たに設計する必要もない
。

以上示したように、本考案による消音器はその使用方法
も極めて容易で、しかも消音器の消音効果を最大限に利
用でき、その使用範囲も極めて広い特徴を有するもので
ある。

また周波数調整時には、調節筒外周の消音器を回転もし
くは上下方向に摺動させれば良いだけであるので、減音
対象管路に調節筒を溶接して接合して同接合部から流体
が漏れないようにして使用していても、簡単に周波数調
整が行えるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す共鳴型消音器の正断面
図、第２図は第１図におけるＡ−Ａ’での平断面図であ
る。 １・・・・・・外筒、２・・・・・・内筒、５・・・・
・・空洞、６・・・・・・小孔、７・・・・・・調節筒
、８・・・・・・連通口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外筒、上面、下面および小孔を有する内筒で共鳴型の消
   音器を構成し、前記内筒内部を貫通して、外面に連通口
   を有する調節筒を配し、調節筒外周囲を前記消音器が摺
   動可能とすることによって、小孔の開口面積を可変可能
   とした共鳴型消音器。