JPS5831040Y2 - 二重殻地上式低温タンク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はＮＬＮＧやＬＰＧなどの低温液化ガスを貯蔵
する特に地上に設置される二重殻式低温タンクに関する
ものである。

従来から周知のＬＮＧやＬＰＧなどの低温液化ガスを貯
蔵する二重殻式低温タンクは、低温用金属で構成する内
槽と普通鋼材で構成した外槽との間に、粒状のパーライ
トを充てんして保冷層を設けた構造となっている。

この形式の二重殻地上式低温タンクはっ、低温の貯蔵液
に直接接触する内槽が、その貯蔵液の出し入れにともな
い膨張収縮を繰返すため、保冷層を形成するパーライト
が圧縮作用を受け、長期使用時には、これがタンク自体
の安全性に影響力を与えるおそれがある。

そのために、前記内槽はもとより保冷層を保安上から定
期的に開方検査を行う必要がある。

また、貯蔵液は、引火性あるいは毒性の危険物であり、
内槽の破壊により外槽の破壊が誘発されタンクの破壊事
故等により内容物が流出する危険があり、それを防止す
るため、そのタンク周囲に防液堤を設けなければならな
い。

ところが、内外槽間に隙間なくパーライトを充てんじた
従来のこの種のタンクは、上記開放検査が極めて困難で
ある。

更に、タンク周囲に防液堤を設けること＆も建設費の高
騰を招くばかりか、用地の拡大につながり、用地の確保
が困難なわが国にあっては問題である。

この考案は、上記の従来の二重殻地上式低温タンクの問
題点を解決することを目的とし、特に外槽の底壁と周壁
を低温、耐候性と電気的、化学的腐蝕に強いプレストレ
スコンクリートの一体岡１詰構造とし、その内部に底板
、側壁と屋根板からなる完全に密封する内槽を据置し、
外槽内周壁全面に保冷層を設け、この保冷層と内槽外面
との間に保安点検等のため、作業者が入り作業をするこ
とができる程、充分な広さを具える空間とし、内槽の検
査が容易な構造とするとともに、前記プレストレスコン
クリートの一体剛結構故による外槽に防液堤としての機
能をもたせて安全性を確保する二重バリア構造としたこ
とにある。

これを図に示す実施例によって説明すれば、全体は地上
におかれ、１は内槽で、底板、側壁と屋根板からなる完
全密封槽であり、２は外槽で、この外槽２の底壁３およ
び周壁４を一体に形成するとともに周壁４断面は下方に
行くに従い内方に向い肉厚を増したｍ面９のプレストレ
スコンクリート剛結構造とするとともに、外槽２の周壁
４内面に硬質ポリウレタン等の断熱材を取付けて保冷層
６を形成し、この保冷層６を内槽１の外周壁面との間に
＝定の空間５特に保安点検のため作業者が入って作業を
することができる程充分な広さを具える空間を設けて二
重殻式低温タンクとしたものである。

７は屋根側の保冷層であり、この保冷層７は図に示すと
おり、前記周壁保冷層と異なり、内槽１の屋根１０の上
に硬質ウレタン等の断熱材を敷きつめ、かつ内槽１の上
端周縁と外槽２の周壁４上端との間隙を上記同一断熱材
で閉塞し、内槽１の周壁および屋根がすべて保冷層で四
重れる構造となっている。

また、上記保冷層７と外層の屋根８内面との間の空間、
あるいは外層の屋根８の外面に、グラスウール等の不燃
性断熱材を充填すたは装着することにより耐火構造とし
、近隣の火災時、例えば近隣タンクの火災時における輻
射熱の影響により鋼製貯槽特に貯槽のｍ上部と屋根部が
損傷を受けることのないようにすることもできる。

なお、内槽１の底部は、従来の場合と同様に外槽底壁３
上にパーライトコンクリートブロック等を敷きつめた断
熱構造とする。

この考案は、以上説明した通り、内槽１を囲む保冷層を
内槽１の外周壁面より離し、作業者が入ることのできる
程、充分な広さを具える空間をおいて外槽２の内周壁面
に取付けた構造としたため、貯蔵液出し入れにともなう
内槽２の膨張収縮による保冷槽への影響が排除され、か
つ内槽１の周囲に空間５があるので、゛例えば、この空
間５内にガス漏出検知装置を設けることができ、この装
置により、内槽からガスが漏出しただけで外槽から漏出
する前にこれを知ることができるだけではなく、作業者
がこの空間内に入り、保安点検等の作業をすることがで
きるなど、保安点検が容易である。

また、内槽１周壁の外面よりの検査が容易であることは
いう１でもない。

その上、外槽２をプレストレスコンクリート一体剛結構
造とし、周壁下方断面を特に内方に向い下方に行くに従
い肉厚を増した変断面９としたものであるからプレスト
レスコンクリート構造にある一体化による亀裂などの破
損を完全に防止できるので、内槽１に破壊事故等を生じ
、内容物が流出する場合でも、外槽２が防液堤として機
能し流出液は外槽２内にとどまり、外部に拡散流出する
ことがない。

したがって、タンク周囲に特別の防液堤を構築する必要
がなく、建設費の高騰を抑え、最小限の用地に建設でき
るという効果をもつものである。

【図面の簡単な説明】

図は、この考案の実施例の二重殻式低温タンクの縦断面
図である。 １・・・・・・内槽、２・・・・・・外槽、３・・・・
・・外槽底壁、４・・・・・・外槽周壁ｌ、５・・・・
・・内槽と保冷層との空間、６・・・・・−保冷層、７
・・・・・・屋根上の保冷層、８，１０・・・・・・屋
根、９・・・・・・変断面構造。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外槽２の底壁３および周壁４を一体に形成した上、周壁
   ４の断面の肉厚を下方に行くにしたがい内方に増加させ
   て変断面９としたプレストレスコンクリートの剛結構造
   とするとともに、外槽２の周壁４内面に硬質ポリウレタ
   ン等の断熱材を取付け、外槽内周壁全面を保冷層６とし
   、この保冷層６と内槽１の外周壁面との間に保安点検等
   をするに充分な広さの空間５を設け、かつ、前記内槽１
   は、底板、側板と屋根からなる密封体としたことを特徴
   とする二重殻地上式低温タンク。