JPS5830858B2 - 延線又は引取用ドラム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はケーブルの延線又は引取りに使用するドラムに
係る。

ケーブルの延線を行う場合、ケーブルに適切な張力を附
与するため、延線車を使用する。

この種の延線車の中で代表的なものは、シューチェーン
延線車であり、このシューチェーン延線車ハ以下のよう
に構成されている。

すなわち、ケーブルに係合する凹面をそなえたシューを
連結してなるエンドレスのシューチェーンを、ドラムの
一端から他端に向かって螺旋状に巻掛け、ケーブルをシ
ューチェーンに係合させてドラムに巻回し、ドラムに１
駆動力を加えてケーブルに必要な張力を与えるようにし
ている。

上記のシューチェーン延線車では、シューチェーンの巻
終りから巻始めへの戻りに無理があるので、戻り部の長
さを相当大きくとる必要があり、そのため設置場所を大
きくとらなければならなかった。

また、シューとケーブルとの間で滑りを生じケーブルに
すり傷をつけるおそれがあった。

本発明は上記の事情に基きなされたもので、設置場所が
最小限でよくケーブルに損傷を生じるおそれのない延線
又は引取用ドラムを提供する。

以下図面につき本発明の詳細な説明する。

第１図において、一端閉鎖の円筒状のドラム基体１の周
面には軸方向の偶数箇のガイド溝２が設けられ、各ガイ
ド溝には後に説明するスライドバー３と４が一つおきに
装着されている。

基体１の閉鎖端には支軸４が設けられ、また駆動用のチ
ェーンを係合させるスプロケット５が設けられている。

スライドパー３は上方（ドラム基体１の半径方向外方）
にある短尺の部材３ａと、ガイド溝２に係合された長尺
の部材３ｂを基体軸方向に分布した複数のリンク５で連
結して構成されている。

リンク５の長さはその連結点間を連ねる直線が各部材３
ａ ＞ ３ ｂと垂直となった時、各部材間が離間さ
れる長さとしである。

スライドパー３の部材３ ａ ｔ ３ ｂの反スプロケ
ット側端部には、それぞれそれらのドラム基体１半径方
向外方の面に基体軸線に垂直な回転軸を有するフリーロ
ーラ６ａ ｔ６ｂが設けられている。

スライドバー４も前記と同様の部材４ａ、４ｂを有し、
部材４ａ、４ｂの反スプロケット側端部には前記のフリ
ーローラ６ａ、６ｂと同様のフリーローラ７ ａ 、７
ｂが、基体半径方向内方の面に設けられている。

基体１のスプロケット端には、浅い円ｉ状のカバー８が
固着され、このカバーには基体軸と垂直な回転軸を有し
、各スライドパーの長尺の部材３ｂ、４ｂと当接される
がイドローラ９が設けられている。

基体１の反スプロケット端に基体１に同心的に対向して
カム筒１０が図示しない固定部材上に支持されている。

カム筒１０は、外筒１０ａ、内筒１０ｂを有するものと
され、外筒１０ａ内周にはスライドパー３のフリーロー
ラ６ａｊ６ｂと係合するカム１１が、また内筒１０ｂ外
周にはスライドパー４のフリーローラ７ ａ 、７ ｂ
と係合するカム１２がそれぞれ設けられている。

カム１１，１２は次の如く構成されている。

すなわち、外筒内周のカム１１は、フリーローラ６ａ、
６ｂ間に挾持される突條をなし、外筒内周に基体回転方
向にスプロケット側に進行する螺旋状に設けられている
。

而して、螺旋の始点からスライドバー配置ピッチの３倍
だけはなれた位置で終端し、始端と終端とは螺旋部分よ
りも巾をせまくし、且つ両側１壁を平行とした直状のク
イックリターン部１１ａで連ねられている。

外筒内周のクイックリターン部１１ａの基体１側には、
クイックリターン部１１ａと平行なガイド１１ｂが設け
である。

クイックリターン部を上記の如く設けることによりその
スプロケット側の側壁はその反対側の側壁よりも基体回
転に対し手前側となる。

内筒１０ｂ外周のカム１２は凹溝状で、螺旋状をなしそ
のクイックリターン部１２ａはカム１１のそれの設けら
れた位置を通るカム筒直径の他端に設けられている。

また、クイックリターン部１２ａには、クイックリター
ン部側壁に平行な傾斜部およびカムに側壁と平行な直状
部を有するガイド１２ｂが設けられている。

上記の構成において、各カムのクイックリターン部両端
における基体軸方向のくいちがいを等しくしておく。

上記構成の本発明制動ドラムは次の如く作動する。

すなわち、ドラム基体１を駆動回転させる時、スライド
パー３の部材３ａ 、３ｂはフリーローラ６ａ ＋ ６
ｂとカム１１の係合により、リンク５が直立した状態、
従って第１図で見て部材３ａが上昇した状態で、カム６
ａ、６ｂにより基体軸方向に摺動される。

一つのスライドパーについて見れば、基体１の１回転終
了近くまでにその状態でカム１１のくいちがい量だけ摺
動される。

基体１の回転がさらに進行し、そのスライドパーがクイ
ックリターン部１１ａに入来すると、まず部材３ａのフ
リーローラ６ａがガイド１１ｂに押されて反スプロケッ
ト側に動き、部材３３は、第３図に示すようにリンク５
を倒し乍らその方向に摺動される。

この時、部材３ａは下降し部材３ａ、３ｂ間は接触する
。

クイックリターン部１１ａを通り抜けると、フリーロー
ラ６ａ、６ｂ間はカム１１により開かれ、部材３ａは上
昇する。

一方スライドパー４においても同様の作動が行われる。

すなわち、スライドパー４がクイックリターン部１１ａ
の反対側に設けられたカム１２のクイックリターン部１
２ａを通過する時に、部材４ａ１４ｂ間は接触し、他の
位置では部材４ａが４ｂから離れた状態で軸方向に摺動
される。

上記のような、スライドパー３，４の形成するドラム周
面にケーブルＣを螺旋状に巻回した場合、各スライドパ
ー３，４はクイックリターン部通過時以外は、ケーフル
巻回体の内周に部材３ａ。

４ａを当接させている。

従って、その基体１回転に伴う基体軸方向の摺動により
巻付けられたケーブルＣを軸方向に送り出すことができ
る。

而して、クイックリターン部においては、スライドパー
３，４は部材３ａ、３ｂ間、４ａ 、 ４ｂ間を接触さ
せてカム１１，１２の終端から始端へ移行するので、ケ
ーブルＣの巻回体と何ら干渉することなく移行すること
ができる。

カム１１゜１２の始点において部材３ａ、４ａは再び上
昇されケーブル巻回体内周に正接される。

このようにして再ひケーブルを基体軸方向に送る。

上記の動作は基体１の回転につれ次々とくりかえされる
ので、ドラム基体のカム筒側端部からケーブルＣを供給
すれば、スライドパー３，４の部材３ａ 、４ａの形成
するドラム周面に側口か巻付けられたケーブルＣは、次
次と軸方向に送られ、スプロケット側端部から引出すこ
とができる。

而して、ドラム基体１の駆動トルクを適切に選定するこ
とにより、ケーブルＣに所要の制動を加え引出されるケ
ーブルに張力を附与することができる。

上記構成の本発明によれば、シューチェーン延線車の如
く長いシューチェーンの戻り部を必要としないので、小
さな設置場所ですむ。

また、スライドバーのスライド量がケーブル巻回の１ピ
ツチと等しく、スライドバーはその戻り時にはケーブル
巻回体とじはなれているので、ケーブルに損傷をおよぼ
すことはない。

なお、本発明は上記実施例のみに限定されない。

上記実施例においてはスライドバーをドラム直径各端の
位置でクイックリターンするものを交互に配置している
が、倒れ力←方の位置でクイックリターンするもののみ
としてもよい。

また、本発明制動ドラムは引取りドラムとして使用する
こともできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明一実施例の一部切断正面図、第２図はそ
の要部の切断端面図、第３図は他の要部の切断正面図で
ある。 １・・・・・・ドラム基体、３，４・・・・・・スライ
ドバー、３ａ、３ｂ、４ａ、４ｂ・・・・・・部材、５
・・・・・・リンク、６ａ、６ｂ、７ａ、７ｂ・・・・
・・フリーローラ、１０・・・・・・カム筒、１１．１
２・・・・・・カム、Ｉｌａ 、１２ａ・・・・・・ク
イックリターン部、ｅ・・・・・・ケーブル。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 回転駆動される円筒状のドラム基体と、このドラム
   基体円面にその軸方向に可摺動に装着され上下配置の軸
   方向の２箇の部材間を部材間を離間させ得る長さのリン
   クで連結して成る複数のスライドパーと、前記ドラム基
   体の一端に同心的に対向して固定部材上に設置され前記
   スライドバー各部材端部に係合しドラム回転方向に前記
   ドラム基体の反対端に向って進行しドラム基体をほぼ一
   周する螺旋状のカムと、このカムの始端と終端とをつら
   ねるクイックリターン部とを有せしめ、前記カムは前記
   スライドバー各部材間が離間するだけのドラム基体軸方
   向寸法とし、前記クイックリターン部はそれより小中と
   し、且つクイックリターン部には、カムによってはクイ
   ックリターン部に進入されない部材を、クイックリター
   ン部に送り込むガイドを設けて成ることを特徴とする延
   線又は引取用ドラム。