JPS5830786B2 - カラ−テレビジヨンジユゾウキ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はカラーテレビジョン受像機の特に色復調回路の
色相調整状態を表示する装置に関するものである。

カラーテレビジョン受像機においては、良好なカラー映
像を受像するために色復調回路の復調軸をカラーテレビ
ジョン信号の位相に応じて正確に調整する必要がある。

しかしながら、従来の受像機においてはこのような色相
の調整を行なうには受像した放送映像の色彩を見ながら
行うしか方法がなく、人物が受像されていてその肌色を
見ながら調整できる場合を除いては色あいが明瞭には認
識されず正確な調整が困難であるという不便があった。

また、予め標準的な色相調整位置に調整器をプリセット
しておき、手動の調整器とスイッチによって切換える装
置も提供されているが、このものでも受信したカラーテ
レビジョン信号の位相が歪んでいたり放送時間で位相の
相違がある場合には調整状態が保たれないという不都合
がある。

さらに、カラーテレビジョン信号に挿入して同時に送ら
れているカラーバースト信号を用いて色相調整を自動化
しあるいは色相調整状態を表示するものも考えられてい
るが、この場合にも、バースト信号はその信号期間が短
い（通常８サイクル）ものであるために信号の反射等に
よる影響を受は易くて位相歪が生じ易く正確な動作が困
難となり、また、このバースト信号はカラーテレビジョ
ン信号のベデスクルレベルにあるのに対しカラー信号は
映像の輝度レベルにあるという差のために両者の微分位
相歪の差が発生し、このためにも色相の正確な調整がで
きなくなるなど、各種の伝送歪のために所期の目的を達
成できないという欠点がある。

本発明は上述の如き従来における不都合を解消すること
を目的とし、カラーテレビジョン信号の垂直帰線期間中
の任意の水平期間に副搬送波周波数でかつバースト信号
に対して所定の位相でしかも所定の輝度信号に重畳して
送られてくる基準信号（たとえばＶＩＲ信号の基準色バ
ー信号）を基準にして、この基準信号を用いて発生した
副搬送波信号により搬送色信号を復調した映像とバース
ト信号を基準として発生した副搬送波信号により搬送色
信号を復調した映像とをともに陰極線管上の異なる位置
に映出表示し、この両映像の色彩を対照させることによ
って色復調回路の色相調整状態を表示し、以って正確な
色相調整を行なえる受像機を提供せんとするものである
。

すなわち、このような本発明の受像機によれば、カラー
テレビジョン信号の伝送経路中においてバースト信号が
位相歪を受けても、容易には位相歪を受けることのない
基準信号を用いることによって常に受像機の色相調整の
状態を正確にかつ明瞭に表示できるようにすることがで
き、さらに、この両映像を対照することによって受像機
の色相をいつでも容易にしかも正確に調整することがで
きるものである。

以下、本発明の一実施例について添付図面とともに説明
する。

第１図はこのカラーテレビジョン受像機に用いることの
できるカラーテレビジョン信号の一例を示し、図示の信
号は通常ＶＩＲ信号（ＶｅｒｔｉｃａｌＩｎｔｅｒｖａ
ｌ Ｒｅｆｅｒｅｎｃｅ Ｓｉｇｎａｌ）と呼ばれ
ている信号である。

このＶＩＲ信号は、たとえばカラーテレビジョン信号の
垂直帰線期間中の終期の３水平期間に挿入されているも
のであって、水平同期信号Ｈと、副搬送波周波数で所定
位相が所定振幅のバースト信号Ｂと、所定の輝度レベル
の輝度信号りと、他の所定の輝度レベルの輝度信号に重
畳されバースト信号Ｂと同一の副搬送波周波数で同一位
相かつ同一振幅を持つ幅の広い基準色バー信号Ｃと、黒
レベル信号Ｂｒと、および帰線レベル信号Ｐとにより形
成されている。

本実施例の受像機ではこのＶＩＲ信号のうちの基準色バ
ー信号Ｃを基準信号（以下、基準信号Ｃと略称する）と
して用いる。

図からも明らかなように、この基準信号Ｃは通常の映像
の搬送色信号と同様に所定の輝度レベルの輝度信号に重
畳されているので、バースト信号Ｂとの間の微分位相歪
の発生態様も通常の映像における搬送色信号と全く同様
の態様を示すため、この基準信号Ｃを用いることによっ
て微分位相歪があった場合にはそれに応じた表示映像を
表示することができ、その表示に従って色相を調整する
ことによって微分位相歪を補償した正確な色相調整を行
なうことができる。

これにより、従来のバースト信号を用いた調整によって
は微分位相歪を補償できなかったという不都合を解消す
ることができる。

また、この基準信号Ｃはバースト信号Ｂに対して充分に
長い信号期間を有しているために信号の反射等による位
相歪は非常に少なくなり、これによって常に正確な表示
を行なうことができるものである。

次に、上述の如き動作を実際に行なうカラーテレビジョ
ン受像機の具体的な回路構成とその具体動作について説
明する。

第２図において、１はアンテナ、２はチューナ、３はＶ
ＩＰ回路、４は映像検波回路、５は映像増幅回路、６は
陰極線管、７は第１帯域増幅回路、８は第２帯域増幅回
路、９は色相調整回路、１０は色復調回路、１１は色出
力回路、１２はパーストゲート回路、１３は副搬送波発
振回路、１４は局部副搬送波信号移相回路であり、これ
らは通常のカラーテレビジョン受像機におけるそれらと
同様のものである。

従って、受信されたカラーテレビジョン信号の搬送色信
号は色復調回路１０で復調されて陰極線管６に映出され
、その色相は色相調整回路９においてバースト信号の位
相が調整されることにより行なわれる。

次に、この装置には、色相調整時に第３図に示すように
陰極線管６の画面上に、基準信号Ｃを復調用副搬送波信
号の基準として用いて搬送色信号を復調した映像１５と
、バースト信号を基準として発生した局部副搬送波信号
を用いて搬送色信号を復調した映像１６とを並べて異な
った位置に映出表示する色相調整状態表示用の回路が設
けられている。

それらは、カラーテレビジョン信号から基準信号Ｃを抜
取って抽出する抜取回路１７と、この基準信号Ｃに同期
してその周波数および位相と同一の周波数および位相で
発振して基準信号Ｃを基準とした色相調整用の副搬送波
信号を発生する発振回路１８と、バースト信号を基準と
して発振された色復調用の副搬送波信号と基準信号Ｃを
基準として発振された色相調整用の副搬送波信号とを切
換えて取り出し移相回路１４を介して色復調回路１０に
供給する切換回路１９と、抜取回路１７および切換回路
１９を制御するゲート信号を発生するゲート信号発生回
路２０とにより構成されている。

このような構成における動作を第４図とともに説明する
と、第４図においてａは映像検波回路４より得られる映
像信号であり、これから帯域増幅回路Ｔにおいて３．５
８ ＭＨｚのカラーテレビジョン信号のみが抽出される
。

そして、ゲート信号発生回路２０から発生される第４図
すの如き基準信号抜取ゲート信号によって第１図中の基
準信号Ｃが抜取られて抽出され発振回路１８に供給され
るため、発振回路１８においては第１図中の基準信号Ｃ
に同期してそれと同一周波数かつ同一位相の副搬送波信
号が発生される。

そして、さらに、ゲート信号発生回路２０から発生され
る第４図Ｃの如き切換用ゲート信号によって切換回路１
９が制御され、Ｔ１の期間には基準信号Ｃを基準とした
発振回路１８からの副搬送波信号が、それ以外のＴ２の
期間にはバースト信号Ｂを基準とした発振回路１３から
の副搬送波信号が、それぞれ色復調回路１０に供給され
ることにより、陰極線管６には第３図に示したような両
映像１５．１６が映出されることになる。

そこで、視聴者はこの表示映像１５．１６の色彩を対照
し、映像１６の色彩を映像１５の色彩と一致させるよう
に色相調整回路９を調整することにより受像機の復調軸
を正確に調整し、色相調整を正確にしかも容易に行なう
ことができるものである。

なお、第２図に示した受像機の要部のさらに具体的な回
路図を第５図に示す。

この回路の動作は上述の通りであるので第２図中と同一
符号を付して説明を省略するが、この回路においては抜
取回路１７と発振回路１８とを同一トランジスタで構成
している。

さらにまた、位相を調整する手段としては上述の如くバ
ースト信号の位相を調整する以外に、副搬送波発振回路
１３の出力の色復調用副搬送波信号の位相を調整しても
よく、あるいは副搬送波信号の位相を一定にしておいて
搬送色信号の方の位相を調整するようにしてもよいもの
である。

なおまた、上述の実施例の如き回路構成以外に、本発明
の目的を達成することのできる任意の具体回路構成を採
用することも差支えないものである。

また、以上の説明は全てＶＩＲ信号を用いる場合につい
て行なったが、それ以外の類似の基準信号を用いて実現
してもよく、その場合に基準信号としてはバースト信号
と同一周波数で所定の位相をもち、さらに所定の輝度レ
ベルの輝度信号に重畳されているものであればよい。

さらに、この基準信号の持続時間はバースト信号に比し
て充分に長いことが望ましいが必ずしもそうでなくても
よい。

なお、上述のように陰極線管上に２つの映像を対照でき
るように表示するのは色相を調整するときのみであって
、通常の受像時にはゲート信号発生回路からのゲートパ
ルスの発生を停止させることによってバースト信号を基
準として発振した色復調用の副搬送波信号のみを取り出
し、これによって復調した映像のみを映出させるように
することはいうまでもない。

以上詳述したように、本発明によれば、基準信号とバー
スト信号とを局部副搬送波信号の基準として用いて搬送
色信号を復調した映像をともに陰極線管に映出し、これ
を対照させて色相調整状態を正確にしかも明瞭に表示す
ることができるカラーテレビジョン受像機を得ることが
できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のカラーテレビジョン受像機に用いるこ
とができるカラーテレビジョン信号の一例の波形図、第
２図は本発明の一実施例におけるカラーテレビジョン受
像機のブロック線図、第３図は同カラーテレビジョン受
像機における表示態様を示す陰極線管の正面図、第４図
ａ、ｂ、ｃは同カラーテレビジョン受像機の動作を説明
するための波形図、第５図は同カラーテレビジョン受像
機の要部の詳細な回路図である。 ６・・・・・・陰極線管、７，８−・・・・・帯域増幅
回路、９・・・・・・色相調整回路、１０・・・・・・
色復調回路、１２・・・・・・パーストゲート回路、１
３・・・・・・局部副搬送波発振回路、１４・・・・・
・移相回路、１５・・・・・・色相調整用の副搬送波信
号による映像、１６・・・・・・色復調用副搬送波信号
による映像、１７・・・・・・抜取回路、１８・・・・
・・発振回路、１９・・・・・・切換回路、２２・・・
・・・ゲート信号発生回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ カラーテレビジョン信号の垂直帰線期間中の任意の
   水平期間に副搬送波周波数でかつバースト信号に対して
   所定の位相でしかも所定の輝度信号に重畳して送られる
   基準信号を受信し基準信号抜取ゲート信号により抜取る
   抜取回路と、上記バースト信号に同期して色復調用の副
   搬送波信号を発生する副搬送波発振回路と、上記抜取ら
   れた基準信号に同期して色相調整用の副搬送波信号を発
   生する発振回路と、色相調整時に上記副搬送波発振回路
   からの色復調用の副搬送波信号と上記発振回路からの色
   相調整用の副搬送波信号とを切換えて交互に色復調回路
   に供給する切換回路と、上記色復調用の副搬送波信号に
   より搬送色信号を復調した映像と上記色相調整用の副搬
   送波信号を用いて搬送色信号を復調した映像とを上記復
   調回路からの復調出力に基づいてそれぞれ異なる位置に
   表示し、上記両映像の色彩を対照させることにより色復
   調回路の色相調整状態の表示を行なう陰極線管等のカラ
   ー画像表示手段とを備えたことを特徴とするカラーテレ
   ビジョン受像機。