JPS583022Y2 - オ−ガ型製氷機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はオーガ型製氷機の改良に関するものである。

一般に、オーガ型製氷機は、冷凍系の蒸発器を巻着した
冷却筒に給水管を接続し、この冷却筒内に局所に螺旋刃
を設けた回転軸を配置すると共にこの回転軸の上端部に
軸受を兼ねた押圧頭を装着し、冷却筒に水を供給してそ
の内周壁面に形成される薄氷層を螺旋刃で削り取りなが
ら順次上方へ案内し、さらにこのようにして得られた削
氷片を押圧頭の周面部に螺旋状もしくは垂直状に構成し
た単一もしくは複数の圧縮通路を介して押し上げること
により、所定の圧縮氷塊を製造することができるよう構
成したものである。

しかるに、押圧頭の周面部に形成した圧縮通路が垂直状
である場合には、螺旋刃により上方へ押し上げられる削
氷片の旋回移動を垂直方向へ円滑に変換することを目的
として、例えば、隣接する圧縮通路の長さを変えたり、
前記通路を形成するボス部の下端を楔形に切削加工する
等の工夫がなされているが、いずれも構造が複雑となる
ばかりでなく、ボス部の下端を楔形にすることにより生
成される圧縮氷塊に亀裂が入り、この亀裂内に圧縮工程
時に流出する水分その他の混在物が浸入し、得られる氷
塊が汚染されて清澄な氷塊が得られなくなる欠点があっ
た。

そこで、考案者は、従来のオーガ型製氷機における押圧
頭の構造を改善して常に良質の圧縮氷塊を円滑に製造す
ることができるオーガ型製氷機を得るべく鋭意研究並び
に工夫を重ねた結果、円筒状に構成した押圧頭の周面部
に所定の間隔でその軸方向に複数の削氷圧縮通路を刻設
し、これらの通路を形成する突起片につき隣接する突起
片を交互に肉厚と肉薄とに構成し、肉厚の突起片を押圧
頭の格全長に亘って突設すると共に突起片の下端部にテ
ーパ状刃部を形成し、昔た肉薄の突起片を押圧頭の上端
部から略中位部に亘って突設すると共に突起片の下端部
にテーパ状刃部を形成することにより、尚初肉厚の突起
片間に形成される圧縮通路内に案内される削氷片はテー
パ状刃部面に沿って次第に圧縮されながら円滑に上昇し
、次いで肉薄の突起片によって仕切られた三方に分岐す
る圧縮通路内へ円滑に侵入してさらに圧縮が行われなが
ら上昇して亀裂の生じない均質で硬い清澄な圧縮氷塊を
製造することができることを突き止めた。

また、冷却筒の上端部内周面に軸方向に延在する突起部
を設けて、螺旋刃の旋回によって生成される削氷片の回
動を阻止して押圧頭内へ導入するよう構成すれば好適で
あり、この場合に前記押圧頭の圧縮通路を形成する肉厚
の突起片を前記回り止め用の突起部と連接させるため、
肉厚の突起片の下端部に形成したテーパ状刃部の先端を
半径方向外方に向って斜め上方に切除することにより、
冷却筒の案内通路と押圧頭の圧縮通路との連続性を良好
にしてより一層品質の優えた圧縮氷塊を得ることができ
ることを突き止めた。

従って、本考案の一般的な目的は、削氷片の圧縮を円滑
に行って亀裂が生じたりすることなく均質で硬い清澄な
品質の優れた圧縮氷塊を連続的に製造することができる
新規な構造の押圧頭を備えたオーガ型製氷機を提供する
にある。

本考案の主たる目的は、冷凍系の蒸発器を巻装した冷却
筒に給水管を接続し、この冷却筒の内部に螺旋刃を設け
た回転軸を配置し、冷却筒の上端部に前記螺旋刃によっ
て案内される削氷片を圧縮するための通路を形成した押
圧頭を装着し、押圧頭の局面部に所定の間隔で軸方向に
延在する複数の突起片を設けて圧縮通路を形成し、各突
起片の下端部テーパ状刃部を設けたオーガ型製氷機にお
いて、前記テーパ状刃部の少なくとも１つの先端部にお
ける半径方向外端部を斜め上方に切除し、冷却筒の上端
部内周面には切除されたテーパ状刃部に対応して突起部
が軸方向に設けられていて、この突起部が前記突起片の
切除部分に進入するよう構成したオーガ型製氷機を提供
するにある。

次に、本考案に係るオーガ型製氷機の実施例につき添付
図面を参照しながら以下詳細に説明する。

第１図はオーガ型製氷機の全体構造を示し、参照符号１
０は冷却筒であり、この冷却筒１０の外周部に冷凍系の
蒸発器１２を巻装すると共にこの蒸発器１２を断熱材１
４で囲繞被覆したものである。

冷却筒１０の内部には、外周面に螺旋刃１６を設けた回
転軸１８を配設し、冷却筒１０の底部において前記回転
軸１８を水密に構成配置した軸受２０で軸支し、さらに
この回転軸１８の下端部を適宜の減速機構を介して駆動
モータ２２に連結する。

なお、冷却筒１０の底部−側面に給水管２４を連通ずる
。

捷た、前記回転軸１８の上端部は、小径の連結軸部１８
ａを形成し、この連結軸部１８ａに軸受部材２８を介し
て押圧頭３０を装着する。

この軸受部材２８は寸法やスペースに制限があることか
ら第５図で明らかなように滑り軸受を使用している。

しかるに、本考案において使用する押圧頭３０は、第２
図乃至第５図に示すように、円筒形の本体外周面に軸方
向に延在する複数の圧縮通路３２を形成したものであり
、図示の実施例では六つの分割された圧縮通路を設け、
これらの圧縮通路を画成する突起片３４は夫々肉厚の突
起片３４ａと肉薄の突起片３４ｂとが交互に隣接するよ
う構成配置し、しかも肉厚の突起片３４ａは円筒体の全
長に亘って延在させると共に肉薄の突起片３４ｂは円筒
体の上端部から略中位部普で延在させる。

オた、このように構成した押圧頭３０において、肉厚の
突起片３４ａの下端部にはテーパ状の刃部３６を形成す
ると共に肉厚の突起片３４ｂの下端部にもテーパ状の刃
部３８を形成する。

この場合、各刃部の先端部３６ａ 、３８ａは夫々円弧
状の面取りを施し、さらに必要に応じてテーパ面と各突
起片の圧縮通路形成壁面との交差部分３６ｂ、３８ｂに
も適宜円弧状の面取りを施す。

なお、第１図に示すように、本実施例に係るオーガ型製
氷機においては、冷却筒１０の上端部内周面に軸方向に
沿って−もしくは数条の突起部４０を設けて押圧頭３０
内へ案内される削氷片の回り止めを行うように構成した
ものであるから、この突起部４０と押圧頭３０の圧縮通
路３２を形成する肉厚の突起片３４ａとの連続性を好適
に保持するため、突起片３４ａの下端部に形成してテー
パ状刃部３６の先端部３６ａにおいてその半径方向外端
部を斜め上方に切除し、この切除部分３６ｃに冷却筒１
０の内周面に突設した突起部４０の上端部が侵入し得る
よう構成する。

また、押圧頭３０は、肉厚の突起片３４ａの一部にねじ
孔４２を刻設して、このねじ孔４２に対しケーシング外
部よりねじ具４４を螺着してケーシング内部に固定する
。

この結果、回転軸１８の上端部は軸受部材２８を介して
押圧頭３０の円筒内部で摺動回転する（第１図参照）。

さらに、押圧頭３０を取付けた冷却筒１０の上方には貯
水室４６を設け、前記押圧頭３０の中心部を挿通し、貯
水室４６に突出する回転軸１８の連結軸部１８ａには回
転部材４７を同軸固定し、その外周所にテーパ状の突起
部４９を設けて、圧縮通路３２の上部開口より順次押し
上げられる圧縮氷柱を適宜折断するよう構成し、さらに
、その上部には、半径方向に延在する撹拌棒４８を取り
付け、この撹拌棒４８の回転作用下に前記折断された圧
縮氷塊を適宜攪拌するよう構成される。

次に、このように構成した本考案に係るオーガ型製氷機
の作用につき説明する。

曾ず、冷却筒１０の内部へ給水管２４を介して導入され
る製氷用水は、冷凍系の蒸発器１２の作用により冷却さ
れて冷却筒１０の内周壁面に氷結して薄氷層を形成する
。

次いで、この薄氷層は回転軸１８の螺旋刃１６により削
り取られて冷却筒１０の内周壁面に沿って回動しながら
順次上方へ押上げられ、冷却筒１０の上端部に達すると
その内周面に突設した突起部４０の作用でその回動を阻
止され垂直に上昇する。

この結果、螺旋刃に押圧される削氷片は垂直方向の運動
を与えられて直接押圧頭３０の圧縮通路３２の開口部に
円滑に案内される。

このようにして、相対する肉厚の突起片３４ａ。

３４ａ間に形成された圧縮通路内に導入された削氷片は
次第に圧縮成形される。

一次圧縮が行われた圧縮氷塊は、次いで肉薄の突起片３
４ｂで仕切られた二次圧縮通路３２ｂに分岐されて導入
される。

この場合、二次圧縮通路を分岐形成する突起片３４ｂは
肉薄に構成され、しかもテーパ状刃部３８の先端部３８
ａは円弧状の面取りが施されているので、−次圧縮され
た氷塊は亀裂等を生じることなく円滑に分岐されてしか
も次第に二次圧縮が行われる。

なお、本考案において、押圧頭３０の圧縮通路３２を形
成する各突起片３４ａ、３４ｂのテーパ状刃部３６，３
８と圧縮通路形成壁面との交差部分３６ｂ、３８ｂにも
円弧状の面取りを施しであるので、圧縮氷塊の上方への
押圧移送が円滑となる。

このようにして、本考案によれば、削氷片の一次圧縮お
よび二次圧縮が円滑に行われて、圧縮時の氷塊に対する
亀裂の発生も防止でき均質で硬い清澄な氷塊の連続製造
が容易に達成される。

従って、押圧頭３０から貯水室４６内へ案内される氷塊
は適宜の大きさに折断されて所望の大きさの氷塊となっ
て貯留することができる。

本考案に係るオーガ型製氷機において、使用される押圧
頭は圧縮通路を形成する突起片を交互に肉厚のものと肉
薄のものとを隣接配置し、肉薄の突起片を短く構成する
と共に各突起片の下端部に形成するテーパ状刃部の先端
部等に円弧状の而取りを施すことについて、螺旋刃で順
次押上げられて案内される削氷片の圧縮を円滑に達成し
、品質の良い圧縮氷塊を容易に製造することができる利
点を有する。

筐た、テーパ状刃部の切除部分に冷却筒の内周面に突設
した突起部の上端部が侵入するように構成しているので
、突起部と肉厚の突起片とが緊密につながり、突起部の
上端と押圧頭の下端との間の空間において削氷片が螺旋
刃と共回りすることがなくなり、中央部に穴を有する円
板状の硬い氷板が前記空間に形成されるとか、この氷板
により螺旋刃により押し上げられる削氷片が押し返され
るとかいったこともなくなって、螺旋刃で削り取った削
氷片を押圧頭の圧縮通路へ確実に送り込むことができる
。

昔た本実施例では、押圧頭内の押上げ力に対する抗力に
より軸受部材が片ペリしないように、押圧頭の複数の肉
厚突起片に対してそれぞれ突起片を連接させて設けであ
るので、前記押圧頭の複数の圧縮通路内で削氷片が受け
る抵抗が均一化され、品質の良い圧縮氷塊を作ることが
できると共に押圧頭に対して回転軸を回転可能にする軸
受部材の偏摩耗を防いで、寿命を坤ばすことができる。

さらに、上述の効果と共に、連続して削り取られる削氷
片を冷却筒内に詰らせることなくすみやかにしかも均一
に圧縮して氷塊を形成することにより製氷能力も最大限
に生かすことができる。

以上、本考案の好適な実施例について述べたが、本考案
の精神を逸脱しない範囲内において種々の改良変更を施
すことができることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るオーガ型製氷機の一実施例を示す
要部断面正面図、第２図および第３図は第１図に示す押
圧頭の夫々異なる方向から見た側面図、第４図は第２図
に示す押圧頭の平面図、第５図は第４図のＶ−Ｖ線断面
図である。 １０・・・・・・冷却筒、１２・・・・・・蒸発器、１
４・・・・・・断熱材、１６・・・・・・螺旋刃、１８
・・・・・・回転軸、２０・・・・・・軸受、２２・・
・・・・駆動モータ、２４・・・・・・給水管、２８・
・・・・・軸受部材、３０・・・・・・押圧頭、３２・
・・・・・圧縮通路、３４・・・・・・突起片、３６・
・・・・・テーパく状刃部、３８・・・・・・テーパ状
刃部、４０・・・・・・突起部、４２・・・・・・ねじ
孔、４４・・・・・・ねじ具、４６・・・・・・貯氷室
、４７・・・・・・回転部材、４８・・・・・・撹拌棒
、４９・・・・・・突起部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 冷凍系の蒸発器を巻装した冷却筒に給水管を接続し、こ
   の冷却筒の内部に螺旋刃を設けた回転軸を配置し、冷却
   筒の上端部に前記螺旋刃によって案内される削氷片を圧
   縮するための通路を形成した押圧頭を装着し、押圧頭の
   周面部に所定の間隔で軸方向に延在する複数の突起片を
   設けて圧縮通路を形成し、各突起片の下端部にテーパ状
   刃部を設けたオーガ型製氷機において、前記テーパ状刃
   部の少なくとも１つの先端部における半径方向外端部を
   斜め上方に切除し、冷却筒の上端部内周面には切除され
   たテーパ状刃部に対応して突起部が軸方向に設けられて
   いて、この突起部が前記突起片の切除部分に進入するよ
   う構成したオーガ型製氷機。