JPS5830148Y2 - 電動圧縮機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案はレシプロ式の電動圧縮機に係り、特にシリンダ
とパルプカバーとの間に介在されるパツキンの改良に関
する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

第１図は従来の電動圧縮機の要部を示し、１はシリンダ
室２を有するシリンダである。

シリンダ室２内にはピストン３が往復動自在に収容され
る。

シリンダ室２はパルププレート４によって閉成されてい
て、これには中央に吐出孔５が、かつその周辺に吸込孔
６が設けられる。

上記吐出孔５は吐出弁１にて開閉自在であシ、上記吸込
孔６は吸込弁８にて開閉自在である。

なお吐出弁７および吸込弁８はリーフ弁力弗いられる。

シリンダ１の頭部にはパツキン９を介してパルプカバー
１０が取着される。

パルププレート４の外周縁部テ、カつシリンダ１と上記
パルプカバー１０との互い対向する面は凹状に形成さへ
これで吸込室１１が設けられることになる。

したがってこの吸込室１１は上記吸込孔６と連通する。

またパルプカバー１０には上記吐出弁７を囲む凹部が形
成され、これで吐出室１２が設けられることになる。

したがってこの吐出室１２繁上記吐出孔５と連通ずるこ
とになる。

さらにパルプカバー１０には吐出管１３が接続され、上
記吐出室１２ど連通する。

しかして、ピストン３が往復動しこれにともなって被圧
縮ガスが吸込室１１釦よび吸込孔６を介してシリンダ室
２内に導びかれ圧縮される。

圧縮された後吐出孔５、吐出室１２釦よび吐出管１３を
介して所定の部位へ導びかれる。

ところで上記パツキン９は第２図および第３図に示すよ
うになっていて、パルプカバー１０の端面に沿った形状
である。

なお１４・・・はボルト挿通用孔である。

このようにパツキン９は吸込室１１ト吐出室１２とのシ
ールができる力＼断熱効果を有することはない。

被圧縮ガスがたとえば冷媒である場合、圧縮することに
よって高温化する。

このため吐出室１２と吐出管１３を通過する圧縮ガスは
これらを加熱し、パルプカバー１０は高温化する。

この熱は吸込室１１の被圧縮ガスを温度上昇させ、シリ
ンダ室２へ過熱した状態で吸込まれる。

すると体積効率が低下し圧縮性能が悪くなり、圧縮した
ガスはさらに吸込ガスの温度を上昇させるという悪循環
を招く。

〔考案の目的〕

本考案は上記事情に着目してなされたものであり、その
目的とするところは、パツキンの確実なシール効果とと
もに効率のよい断熱効果が得られ被圧縮ガスの体積効率
を増大し圧縮性能の向上を図れるようにした電動圧縮機
を提供しようとするものである。

〔考案の概要〕

本考案は、シリンダにバルブシートラ介しテ設けられる
バルブカバーのシリンダ接合面にパッキンヲ介在し、こ
のパツキンにバルブカバー側で、シリンダとバルブカバ
ーとの互いの対向面に設けられる吸込室壁面に沿って遮
熱部を一体的に設けたものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を第４図および第５図にもとづ
いて説明する。

図中２０はシリンダ室２１を有するシリンダであり、上
記シリンダ室２１には図示しないクランクシャフトを介
して電動機部に連結するピストン２２が往復動自在に収
容される。

シリンダ室２１の開口端にはバルブプｖ −） ２３が
設けられ、これを閉成する。

バルブプレート２３の中央には吐出孔２４が穿設され、
リーフ弁からなる吐出弁２５にて開閉自在に閉成される
。

また吐出孔２４の周辺のバルブプレート２３には吸込孔
２６が設けられる。

この吸込孔２６の一端部はシリンダ室２１に対向し、他
端部はバルブプレート２３０周面に開口する。

シリンダ室２１側の吸込孔２６開ロ面はリーフ弁からな
る吸込弁２７にて開閉自在に閉成される。

シリンダ２０の頭部にはパツキン２８を介してバルブカ
バー２９が取着される。

このバルブカバー２９には上９Ｌ出弁２５を囲む凹部か
らなる吐出室３０が設けられる。

バルブカバー２９には吐出管３１が接続され、上記吐出
室３０と連通ずる。

またシリンダ２０とバルブカバー２９とが上記パツキン
２８を介して対向する面、すなわち上記バルブプレート
２３の外周囲は互いに凹状に形成され、これらで吸込室
３２が設けられる。

吸込室３２は上記吸込孔２６と連通することになる。

上記パツキン２８は第５図および第６図に示すようにな
っていて、円環状であり外周部と内周部およびこれらを
つなぐ所定部分が平坦部２８ａである。

この平坦部２８ａはバルブカバー２９の端縁と適合する
よう形成される。

平坦部２８ａ以外は所定高さずつバルブカバー２９側に
突出するよう一体に折曲形成され、これら突出部が遮熱
部２８ｂを形成する。

な＞２８ｃ・・・はボルト挿通用孔である。

そしてパツキン２８は第４図に示すようにその外径はバ
ルブカバー２９の外径に合せ、内径は吐出室３０の周縁
に合せ、かつ平坦部２８ａはバルブカバー２９とシリン
ダ２０およびバルブプレート２３との間に介在される。

遮熱部２８ｂは上記吸込室３２に位置−かつバルブカバ
ー２９側の凹状部に沿って突出することになる。

しかして、ピストン２２の往復動にともない被圧縮ガス
吸込室３２−吸込孔２６−シリンダ室２１の順に導びか
れ圧縮される。

圧縮した後は吐出孔２４−吐出室３〇−吐出管３１の順
に導びかれることとなる。

パツキン２８は吐出室３０と吸込室３２とのシールを行
うとともに吸込室３２と外部とのシールを行う。

また、圧縮にともない被圧縮ガスの温度が上昇して吐出
室３０および吐出管３１を介してバルブ：ｌ’７バー２
９を加熱する。

バルブカバー２９（Ｄ熱は吸込室３２に直接放出される
が、これはパツキン２８の遮熱部２８ｂが全て遮断し、
吸込室３２に導びかれる被圧縮ガスの温度が上昇するこ
とはない０ なお遮熱部２８ｂとバルブカバー２９の凹面とは間隙を
存していて、この間隙が遮熱効果をさらに高め得る。

また遮熱部２８ｂに遮熱効果を妨げない程度のＪ４Ｌを
穿設し、上記間隙を共鳴室となして圧縮動作にともなう
騒音を減衰させるようにしても良い。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、シリンダに、バル
ブシートを介して設けられるバルブカバーの上記シリン
ダ接合面に介在されるパツキンに、バルブカバー側の吸
込室壁面に沿って遮熱部を一体的に設けたから、上記パ
ツキンは確実なシール効果とともにバルブカバーの熱が
吸込室の吸込ガスを温度上昇せしめることを防止する効
率のよい断熱効果を得、被圧縮ガスの体積効率が増大し
圧縮性能が向上するという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の従来例を示す電動圧縮機要部の縦断面
図、第２図はパツキンの平面図、第３図は第２図■−■
線に沿う縦断面図、第４図は本考案の一実施例を示す電
動圧縮機要部の縦断面図、第５図はパツキンの平面図、
第６図は第５図■−■線に沿う縦断面図である。 ２１・・・・・・シリンダ室、２０・・・・−・シリン
ダ、２９・・・・・・パルプカバー ３０・・・・・・
吐出室、３２・・・・・・吸込室、 ２８・・・・・・パツキン、 ２８ｂ・・・・・・遮熱部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダ室を有するシリンダと、このシリンダにパルプ
   グレートを介して設けられたパルプカバーと、このパル
   プカバーに設けられた吐出室と、上記シリンダとパルプ
   カバーとの互いの対向面に設けられた吸込室と、上記パ
   ルプカバーのシリンダ接合面に介在されるパツキンとを
   具備したものにおいて、上記パツキンにパルプカバー側
   の吸込室壁面に沿う遮熱部を一体的に設け、パルプカバ
   ーの吸込室への放熱を遮断するようにしたことを特徴と
   する電動圧縮機。