JPS5829936B2 - 有機酸ポリマ−の除去方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、重合物を含有する有機酸水溶液から、重合物
を効率よく除去する方法に関する。

さらに詳しく述べると、本発明はアクリル酸およびまた
はメタクリル酸Ｃ以下（メタ）アクリル酸と略称する〕
を含有する水溶液から（メタ）アクリル酸を抽出分離す
るとき、陽イオン界面活性剤を添加することにより、ポ
リ（メタ）アクリル酸を析出させ、抽出操作を容易にす
ることに関するものである。

従来（メタ）アクリル酸を含有する水溶液から（メタ）
アクリル酸を分離回収する方法として、蒸留、分留、抽
出蒸留、および液々抽出法による方法が知られている。

この中、抽出による方法が有利な手段の一つである。

抽出操作で溶剤の選択条件として、分配係数Ｋが犬なる
溶剤が選ばれることは勿論である。

ここに分配係数にとは そして、（メタ）アクリル酸を含有する水溶液から、（
メタ）アクリル酸を分離する際の好ましい溶剤としては
、例えば、炭化水素類では石油エーテル、ベンゼン、ト
ルエン、エチルベンゼン等、エーテル類ではエチルエー
テル、インプロピルエーテル、ｎ−ブチルエーテル等、
エステル類では酢酸エチル、プロピオン酸メチル、グロ
ピオン酸エチル、酢酸イソプロピル、メタクリル酸メチ
ル等、またケトン類ではメチルｎ−プロピルケトン、メ
チル−イソブチルケトン等があり、更にこれらを混合し
た溶剤等があげられる。

しかし、この抽出操作で更に大きな問題はこのような溶
剤を用いて抽出を行なった際に、両液層の分離が充分に
行なわれる必要があることである。

従来（メタ）アクリル酸を含む水溶液から（メタ）アク
リル酸を溶剤によって抽出するとき、油層と水層の分離
が悪く、著しいときは強固なエマルジョンを生成し、抽
出塔でフラデングを起し、抽出不可能となることが多い
。

一方、エマルジョンの破壊方法として、（１）塩の添加
、（２）親水性、または疎水性溶媒の添加、（３）操作
温度の上昇がある。

塩の添加については、特公昭４９−３６２０９号の方法
があるが、添加量が多く（０，１％〜５％）、また、装
置の腐蝕、および重合などに問題があり、また溶媒の添
加、操作温度の上昇は工程を複雑化、および重合の促進
などに問題点が多く、根本的な解決には至らない。

本発明者等は、この問題を解決するため、詳細な検討を
行い、エマルジョン形成の主因は溶解している（メタ）
アクリル酸の重合物にあることを見出した。

すなわち、プロピレンまたはインブチレン、あるいはア
クロレイン又はメタクロレインの気相酸化法で（メタ）
アクリル酸を合成する際、重合物の生成防止を目的に、
種々の重合防止剤が使用されているが、得られる（メタ
）アクリル酸水溶液中の重合物を皆無にすることは困難
であり、この溶存重合物が該（メタ）アクリル酸水溶液
から（メタ）アクリル酸の有機溶剤を用いる抽出操作の
際、エマルジョンを形成する主原因となる事を見出した
のである。

そこで、本発明者らは、この重合物を系内から析出させ
ることにより、エマルジョンの生成が防止でき−Ｓもの
と考え、鋭意検討した結果、重合物が負に帯電している
ことを利用し、陽イオン界面活性剤を系内に添加するこ
とにより、油層と水層との中間に、反応重合物が析出し
、エマルジョン化が全く生起せず、分離速度も極めて速
くなることを見出し本発明を完成した。

すなわち、本発明は（メタ）アクリル酸、または（メタ
）アクリル酸および他の有機酸を含む水溶液から有機溶
剤を加えて抽出操作を行うにあたり、それら水溶液およ
び有機溶剤よりなる液（以下この液を処理液という）に
微量の陽イオン界面活性剤を添加し、溶存している重合
物を析出せしめ、抽出操作を著しく容易にするものであ
る。

尚、この際の陽イオン活性剤の効果は前述の有機溶剤の
いずれを使用した場合にも顕著に認められるものである
。

本発明で使用される陽イオン界面活性剤の具体例を示す
と 等あるが、これに限定されるものではない。

本発明における陽イオン界面活性剤の添加量は処理液中
の重合物量に左右される。

すなわち、負に帯電した有機酸の重合物の荷電を中和す
るに必要な陽イオン界面活性剤を添加すれば充分である
が、添加する陽イオン界面活性剤の凝集作用によっては
添加量は必ずしも当量的に添加する必要はなく、場合に
よっては１１５〜１／１０当量の添加量でも充分その目
的を達することができる。

一般的な陽イオン界面活性剤の添加量は溶存重合物量に
対して、重量比で０．１〜１００．好ましくは０．５〜
２０である。

本発明を以下の実施例によって具体的に説明する。

実施例 １ メタクロレインの気相酸化反応吸収液について次の実験
を行った。

この吸収液の組成は次の通りである。

メタクリル酸 ２２ ％ 酢酸 ７ ％ ポリメタクリル酸 ０．０２５％その他 水分 ２００ ｍｌの分液ロートに吸収液５０２をとり、これ
に次の４種の陽イオン界面活性剤を０．０３および０．
０６％になるように添加し、これに有機溶媒（メタクリ
ル酸メチル−トルエン：３ニア）５０２を加え、３０秒
間強くかくはんし、静置し＊＊でから二液層が完全に分
離するまでの時間を測定した。

その結果を表１に示した。表１に示す如く、陽イオン界
面活性剤を添加することによりエマルジョンの形成はみ
られない。

実施例 ２ アクロレインの気相酸化反応吸収液について有機溶媒（
酢酸エチル−トルエン：７：３）を使用し、実施例１と
同様に実験した。

この吸収液の組成は次の通りである。

※ノ※ アクリル酸 ０ ％ 酢 酸 ％ ポリアクリル酸 ０．０１５％ その他 水 分 その結果を表２に示した。

実施例 ３ メタクロレインの気相酸化反応液（組成は実施例１と同
一）について、陽イオン界面活性剤とじ＊＊てラウリル
アミンアセテートを添加し、次の６種の有機溶媒を用い
、実施例１と同様に実験した。

その結果を表３に示した。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ （メタ）アクリル酸、または（メタ）アクリル酸お
   よび他の有機酸を含む水溶液から、有機溶剤を用いて、
   （メタ）アクリル酸を抽出するとき、該水溶液および該
   有機溶剤よりなる処理液に則し、陽イオン界面活性剤を
   添加することにより溶存重合物を析出せしめ、抽出操作
   を容易にする方法。