JPS5829754Y2 - 避難梯子 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、避難口近傍の壁面内に竪向きに、スライド式
梯子体を昇降自在に格納して成る非常用避難梯子に関す
る。

高層マンション等の廊下やベランダには、火災等の非常
時に、住人が階下若しくは階上へ安全に退避するための
避難梯子装置が配設されている。

而して、従来の避難梯子装置は、廊下やベランダ等の床
面に適宜の大きさの避難口を設け、それに取付けた上蓋
と下蓋との間の空間部に折畳み式梯子を格納し、蓋の開
放と連動して折畳み梯子を垂下伸長するようにしたもの
が殆んどである。

然し乍ら、上述の如き構造の避難梯子装置にあっては、
折畳み式梯子を使用しているために、非常時にこれを伸
長して下降する時の横振れが大変大きく、避難者に著し
い不安を与えることになる。

その結果、避難に時間が掛ることになり、安全且つ迅速
な連続的避難を行ない難いという大きな欠点を有してい
る。

又、床面の極めて狭い空間内へ折り畳み格納するもので
あるため、構造が複雑になって製造コストが上昇すると
共に、機能点検を簡単に行い難いという欠点がある。

更に、廊下やベランダ等の床面に設けているために、雨
風等の漏入による機器の劣化が激しく、耐用年数が短か
くなると共に保守管理に相当の経費を必要とする。

本考案は、従前の非常用避難梯子に於ける上述の如き欠
点を除去し、避難時の振れや揺れを完全に防止すると共
に、使用操作も簡単で且つ保守点検も極めて容易な、非
常用避難梯子の提供を目的とするものである。

以下、第１図乃至第６図に示す本考案の一実施例に基づ
いて、その詳細を説明する。

尚、本考案は、実施例の構成にのみ限定されるものでは
なく、本考案の要旨を逸脱しない範囲に於いて、その構
造を適宜に変更し得るものである。

第１図は、本考案に係る避難梯子の収納状態を示す正面
図であり、第２図は梯子体を下降した場合の正面図、第
３図は、第２図イーイ断面図である。

尚何れも格納箱の扉体を取り外づした場合を示すもので
ある。

第１図乃至第３図に於いて、１は、コンクリートの打設
時に予かしめ建物壁面内に形成された梯子収納窪部であ
り、その手前近傍には避難口２が穿設されている。

前記収納窪部１内の両サイドには、２本のガイド棒３，
３が立設固定されており、又両ガイド棒３３には、第１
支持軸５により連結されたスライド体４，４力に−Ｊ々
昇降自在に挿着されている。

梯子体６は、金属製の２本の縦桟５ａ、５ａ間に、複数
個の横桟６ｂ・・曲を適宜の間隔に固着したものであり
、縦桟６ａ及び横桟６ｂは、夫々一体且つ強固に固定さ
れている。

梯子体６の上端には、２本の第１連杆７，７の一端が第
３支持軸８を介して回動自在に連結されており、該連杆
７，７の他端は、第２支持軸９により弧状の第２連杆１
０，１０の一端と回動自在に連結されている。

又、前記第２連杆１０，１０の他端は、第１支持軸５に
挿着した支持リング１１を介して、第１支持軸５へ回動
自在に連結されている。

即ち、梯子体６とスライド体４，４とを第１連杆７と第
２連杆１０を回転自在に軸結して構成した連杆Ａにより
、回動自在に連結されている。

１２は、梯子収納窪部１内に固定された操作紐巻取ロー
ルであり、該ロール１２に巻取られた操作紐１３の一端
は、滑車１４．１５を経て梯子体６の縦桟６ａ、６ａの
上端部に固着されている。

１６は、避難口２の側壁部に固定したローラであり、又
１７は避難口２の上蓋である。

尚、本実施例にあっては、梯子体６を壁面内に形成した
収納窪部１内に収納するようにしているが、梯子体６等
の格納箱を壁面表側に露出固定するようにも出来ること
は勿論である。

第４図乃至第６図を参照して、梯子体６は第６図に示す
如く、壁面に形成した収納窪部１内に格納されており、
その外側には開閉自在な扉体１８が装着されている。

尚、第４図は格納状態を示す側面図である。

避難梯子を使用するに当っては、先ず避難口２の上蓋１
７を矢印口方向に持ち上げてこれを開放する。

次に、扉体１８を開放し、巻取ロールを緩めながや梯子
体６の下端部を前方（矢印へ方向）へ引き出して、避難
口２内へ臨ませる。

その後、引き続き操作紐１３を繰り出すと、梯子体６は
その自重により順次下降する。

尚、梯子体６は、先ず第１連杆７と弧状の第２連杆１０
が、第５図に示す如く回動して直線状に引き伸ばされ、
次に、スライド体４，４がガイド棒３，３に沿って下降
することにより、第２図のような使用状態に伸長される
。

梯子体６は、その背面部がローラ１６と接当しつつ下降
するために、極めて円滑に下降移動する。

又、梯子体６は、下端部を階下の床面により、上端部を
連杆Ａを介してスライド体４により、夫々強固に支持さ
れることになり、避難者の体重が掛っても横振れや揺れ
を生ずることはない。

尚、梯子体６が所定の状態に下降された時に、第１連杆
７と梯子体６との連結点及び第１連杆７と第２連杆１０
との連結点を、夫々ロック装置（図示省略）により固定
するよう□構成しても良い。

使用後に梯子体６を再格納する場合には、巻取ロール１
２を回転し、操作紐１３によりその先端部を吊り上げる
。

梯子体６の先端部が引き上げられると、第１連杆７が回
動により反転し、弧状の第２連杆１ｏの外側に折り畳ま
れ、第１連杆７及び第２連杆１ｏを介してスライド体４
も上方へ引き上げられ、第１図に示す如き形態に再格納
される。

本考案は上述の如き構成を有するものであるがら、下記
の如く多くの優れた効用を有している。

（１）梯子体６として、折り畳み式梯子に替えて金属製
の強固な剛構造梯子を使用し、且つその上端部を連杆Ａ
によりガイド棒３へ、またその下端部を階下床面へ夫々
確実に固定するようにしているため、避難時に横振れや
揺れを生ずる恐れは全くない。

従って、使用者は安心して安全且つ迅速に避難すること
ができ、多人数の連続的避難力呵能となる。

（２）又、非常時には、巻取ロールを緩めるだけで避難
梯子を簡単に下降させることができ、且つ使用後の再格
納も極めて簡単に行ない得る。

（３）避難梯子の構造も簡単であり、製造原価の著しい
低減を図り得ると共に、保守点検にも殆んど手数を要し
ない。

（４〕壁面へも極めてコンパクトに収納することができ
、且つ塵芥や雨水の漏入等が無いために、腐食等による
耐用年数は全く無い。

本考案は上述の通り、極めて高い実用的価値を有するも
ので゛ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、扉体を取り外づした場合の、避難梯子の格納
状態を示す正面図であり、第２図は、梯子体を下降した
場合の一部省略正面図である。 第３図は、第２図イーイ視断面図である。 第４図は、梯子体の格納状態を示す側面概要図であり、
第５図は梯子体の下降動作を示す側面概要図である。 第６図は、本考案に係る避難梯子の正面図である。 Ａ・・・・・・連杆、１・・・・・・梯子収納窪部、２
・・・・・・避難口、３・・・・・・ガイドパイプ、４
・・・・・・スライド体、５・・・・・・第１支持軸、
６・・・・・・梯子体、６ａ・・・・・・縦桟、６ｂ・
・・・・・横桟、７・・・・・・第１連杆、８・・・・
・・第３支持軸、９・・・・・・第２支持軸、１０・・
・・・・第２連杆、１１・・・・・・支持リング、１２
・・・・・・巻取ロール、１３・・・・・操作紐、１４
・・・・・・滑車、１５・・・・・・滑車、１６・・・
・・・ローラ、１７・・・・・・上蓋、１８・・・・・
・扉体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 床面に穿設した避難口２の近傍の壁面に沿って立設した
   ２本のガイド棒３，３と；両ガイド棒３，３へ摺動自在
   に装着され且つ第１支持軸５により相互に連結したスラ
   イド体４，４と；第１連杆７と弧状の第２連杆１０とを
   回動自在に連結して成り、第２連杆１０の先端を前記ス
   ライド体４へ回動自在に連結した２組の連杆Ａと；両連
   杆Ａ、Ａの下端へその上端部を回動自在に連結した適宜
   の長さを有する金属製梯子体６と；滑車１４．１５を介
   して梯子体６の上端へ固着した操作紐１３を巻取り、梯
   子体６を吊上げ支持する操作紐巻取ロール１２とより構
   成した避難梯子。