JPS5828910Y2 - 農用トラクタ等における座席支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、農用トラクタとかコンバイン或は乗用田植
機等において、作業者が座乗する座席を支持するための
座席支持装置に関するものである。

農用トラクタ等において、機体振動、つまりエンジン振
動と走行中の振動が作業者に伝わらないように、座席を
緩衝的に支持することは、普通に行なわれているが、こ
のための座席支持装置の一般的なものは、座席の前端部
底面と後端部底面とを、それぞれ緩衝体を介して支承す
るだけの構造とされており、このため座席に座乗する作
業者は、座席の前端部と後端部との２点で機体振動を受
けることとなり、例え上記の緩衝体があるとしても、短
時間の運転で既に身体の異常をおぼえることが多かった
。

そこでこの考案は、上記の不都合を解消する、農用トラ
クタ等における新規な座席支持装置を提供しようとする
ものである。

図示の実施例について、この考案に係る農用トラクタ等
における座席支持装置の構成を説明すると、第１−３図
に示す一実施例において、１は、農用トラクタの機体２
後部上面に設置された座席であり、この座席１は、この
考案に従って、次のように支持されている。

すなわち、機体２上面には、適宜の支持板３に固定立設
して左右１対宛の前後の支柱体４，５を備えさせてあり
、この各支柱体４，５に水平ピン６．７にて中央部を枢
支して、図示の場合には放射方向に沿う、左右１対宛の
前部支持アーム８と後部支持アーム９とが、各水平ピン
６．７まわりでシーソー伏に上下揺動自在に設けられて
いる。

座席１の前端部底面には、左右１対のブラケット１０を
突設してあり、このブラケット１０間に臨ませて次のよ
うな緩衝筒１１．つまり第３図に示すように、中心の支
軸１１ａと外周１１ｂ間にゴム１１ｃを充填し焼付けし
である緩衝筒１１を、支軸１１ａ両端部をブラケット１
０の穴１０ａに挿通支持させて設けである。

なおブラケット１０の穴１０ａは、前後方向に沿い間欠
的に複数個設けられており、これにより緩衝筒１１の前
後位置を変更調節可能とされている。

そして、この緩衝筒１１と左右の前部支持アーム８とは
、緩衝筒１１における支筒１１ｂの両端に垂設した支持
片１１ｄと各前部支持アーム８の先端部間を水平ピン１
２にて接続することで、互に接続されている。

次に、左右の後部支持アーム９の後端部上面間には、上
面に緩衝ゴム１３を焼付は固定した支持板１４を架は渡
してあり、上記緩衝ゴム１３上に座席１の後端部底面を
のせて、座席１の後端部の支持を行なうこととされてい
る。

したがって座席１は、緩衝筒１１における支軸１１ａま
わりで回動可能であり、非使用時には前方へ倒伏させて
おけるものである。

前部支持アーム８の後端と後部支持アーム９の前端とは
、座席１の中央下方に位置させた接続ブロック１５に水
平ピン１６，１７にて枢支してあり、これにより前部支
持アーム８と後部支持アーム９の座席１支承端反対側の
端部が、同時的に昇降せしめられるように接続されてい
る。

そして、前記支持板３と上記接続ブロック１５とに両端
を止着して引張りバネ１８を設けてあり、これにより接
続ブロック１５を常時、下方向きに移動附勢しである。

第１−３図に図示の座席支持装置は、上記のように構威
しであるから、前部支持アーム８はその前端を上方向き
方向に、また後部支持アーム９はその後端を上方向き方
向に、それぞれ引張りバネ１８にて揺動附勢され、座席
１は、その前端部底面を緩衝筒１１を介し前部支持アー
ム８に、その後端部底面を緩衝ゴム１３を介し後部支持
アーム９に、それぞれ緩衝的に支承された関係となって
いる。

そして今、座席１の前端部に降下方向の荷重Ｆ（第１図
）が作用した場合について考えると、この荷重Ｆにより
前部支持アーム８は水平ピン６まわりで前端を下げる方
向に揺動し、引張りバネ１８力に抗して接続ブロック１
５を上方変位させるから、これにより後部支持アーム９
は水平ピン７まわりで前端を上げる方向に揺動し、該後
部支持アーム９の後端部、したがって緩衝ゴム１３が下
げられる。

このように、作業者の姿勢により座席１の前端部に下げ
方向の荷重が作用したとき、つまり該前端部で作業者が
機体振動を受ける状態となったときは、座席１の後端部
が下げられる関係となり、座席１後端部が作業者に密接
し機体振動を伝達するといった状態が自動的に解消され
ることとなる。

したがってこの状態では作業者は、実質的に専ら座席１
前端部でのみ機体振動を受けることとなる。

逆に、座席１の後端部に降下方向の荷重が作用するとき
は、上記とはちょうど逆の関係となって、作業者は、実
質的に専ら座席１後端部でのみ機体振動を受けることと
なる。

以上のように、最初に説明した従来の場合と異なり、座
席１に座乗する作業者が、該座席１の前端部或は後端部
のみの１点でのみ機体振動を受ける関係となることから
、作業者の疲労が大巾に軽減されるのである。

次に第４図に図示の他の実施例について説明すると、こ
の実施例では、先の実施例における引張りバネ１８に代
えて、前記支持板３上に立設けるバネ受フレーム２０と
前記接続ブロック１５の上面間に圧縮バネ２１を配設し
、この圧縮バネ２１により、前部支持アーム８と後部支
持アーム９の座席１支承端反対側の端部を下降方向に附
勢している。

この他の実施例により得られる作用も、先の実施例につ
いて説明した作用と同様である。

また第５図に図示の別の実施例では、第１−３図の実施
例における引張りバネ１８と第４図の他の実施例におけ
る圧縮バネ２１とを併用しており、前部支持アーム８と
後部支持アーム９の座席１支承端反対側の端部の下降附
勢力がそれだけ高められている。

以上のように、この考案の農用トラクタ等における座席
支持装置は、座席１の前端部底面を緩衝体１１を介して
支承する前部支持アーム８と、座席１の後端部底面を緩
衝体１３を介して支承する後部支持アーム９とを、それ
ぞれシーソー状に上Ｆ揺動自在に支持して設け、これら
の前記支持アーム８と後部支持アーム９の座席１支承端
反対側の端部を、該端部が同時的に昇降せしめられるよ
うに接続すると共に、該端部を下降方向に附勢する附勢
手段１８または２１または１８及び２１を設けたことを
特徴としてなるものであって、先の作用の説明から明ら
かなように、座席に座乗する作業者が機体振動を１点で
のみ受ける関係として、作業者の疲労を大巾に軽減させ
るものとなっている。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す側面図、第２図はそ
の一部横断平面図で座席を取除いて図示したもの、第３
図は同実施例の正面図、第４図及び第５図はそれぞれ、
他の実施例及び別の実施例を示す側面図である。 １・・・・・・座席、３・・・・・・支持板、４，５・
・・・・・支持体、６．７・・・・・・水平ピン、８・
・・・・・前部支持アーム、９・・・・・・後部支持ア
ーム、１０・・・・・・ブラケット、１１・・・・・・
緩衝筒、１１ａ・・・・・・支軸、１１ｂ・・・・・・
支筒、１１ｃ・・・・・・ゴム、１２・・・・・・水平
ピン、１３・・・・・・緩衝ゴム、１５・・・・・・接
続ブロック、１６，１７・・・・・・水平ピン、１８・
・・・・・引張りバネ、２１・・・・・・圧縮バネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 座席の前端部底面を緩衝体を介して支承する前部支持ア
   ームと、座席の後端部底面を緩衝体を介して支承する後
   部支持アームとを、それぞれシーソー伏に上下揺動自在
   に支持して設け、これらの前記支持アームと後部支持ア
   ームの座席支承端反対側の端部を、該端部が同時的に昇
   降せしめられるように接続すると共に、該端部を下降方
   向に附勢する附勢手段を設けたことを特徴としてなる、
   農用トラクタ等における座席支持装置。