JPS5828278B2 - 白金−ジオキソピリミジン錯体混合物の製造法 - Google Patents

白金−ジオキソピリミジン錯体混合物の製造法

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JPS5828278B2
JPS5828278B2 JP49112688A JP11268874A JPS5828278B2 JP S5828278 B2 JPS5828278 B2 JP S5828278B2 JP 49112688 A JP49112688 A JP 49112688A JP 11268874 A JP11268874 A JP 11268874A JP S5828278 B2 JPS5828278 B2 JP S5828278B2
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ジヨセフ ペレシイ ヘンリイ
ジヨージ フイシヤー ロバート
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Description

【発明の詳細な説明】 1973年10月10日付の同時係属出願第40518
4号(この出願は1972年2月29日付の米国特許出
願第230533号の継続出願であり、この第2305
33号の出願は1970年4月20日付の米国特許出願
第30239号の継続出願である)には抗腫瘍剤として
有効な種々の白金配位化合物が開示しである。
1972年6月8日付の同時係属出願第260989号
には抗腫瘍剤として有効なもう1つの白金配位化合物群
すなわちマラナト白金化合物が開示されている。
1973年4月13日付の同時係属出願第350924
号には白金配位化合物を利用するビールス症状の治療法
が開示されている。
上記の白金配位化合物は種々の腫瘍に対して非常に有効
であるが、(1)腎臓毒性が高く且つ(2)水に対する
溶解度が低L・という欠点がある。
水に対する溶解度が低いため治療上有効な組成物の製剤
が困難になる。
ある種の白金“青“錯体は抗腫瘍活性が高く、水溶性で
且つ腎臓毒性が低いと℃・うことが発見されている。
先行技術では古くからいわゆる“白金青“錯体が知られ
て(・る。
これらの青色錯体がそう名付けられた“白金青“はホフ
マンおよびブツゲ(Hofmannand Bugge
)(Ber、41 : 312314.1908)に
よって発見されたと一般に信じられている。
彼らはAg2SO4と黄色白金(II)配位化合物Pt
(CH3CN)2C12とを水溶液中で反応させ、深青
色の無定形物質を単離した。
このものは2価の状態の白金を含む単量体であると考え
られた。
この発見以後、′白金青“および同様な青色生成物に関
する研究につ(・ての二、三の難文がでて℃・る。
ギラードとウィルキンソン(J。Chem、 Soc
、、2835−37.1964. ) ハ“白金青“が
P t (CHs C0NH) 2・H2Oの実験式を
有し、重合体鎖、橋かげアセトアミド基および2価の白
金を含むと推定した。
ブラウンら(J。A、C,S、91 : l 1 :
2895−2902.1969および90 : 20:
5621−5622.1968)は白金青がキレート
性アセトアミド配位子を含み且つ他の2つの配位位置に
ヒドロキシル基を含む白金■錯体であることを示そうと
企てた。
本発明者らは“白金青“反応から青色生成物と紫色生成
物の両方が単離でき、紫色の生成物の方がより高度に酸
化されている(下を見よ)ことを発見した。
この錯体の正確な性質については種々議論されている。
ブラウンら(向上)はまた例えばトリノチルアセトアミ
ドとPt(CH3CN)2C12またはに2〔PtCl
4〕のいずれかとを加熱することによる高度に着色した
白金錯体の製造を報告している。
この反応からクロマトグラフィーによって3つの成分が
確認された。
そのうちの2つは黄色結晶性物質であり、もう1つは青
色無定形粉末であった。
ブラウンらはこれらの生成物を確実に固定することはで
きなかったと報告しているが、青色物質は4価の白金を
含み、配位圏を完成する二座アミド陰イオンおよび塩素
配位子を持つと推定している。
アミドではなくシス−アミノ基を配位子として含む異常
に着色した白金化合物についての他の唯一の参考文献は
シス−ジクロロジアンミン白金(II)と硫酸との混合
物に関するもの(ギラードら、同上)である。
この場合は青黒色の結晶が得られ、予備的X線回折研究
の結果pt−ptの距離が3.06入であり、強力な相
互作用のあることを示唆した。
ギラードらはこの錯体がpt−pt結合によって結合さ
れた何層ものシス−ジクロロジアミン白金(U)から敗
り、硫酸イオンは配位アンモニア基に水素結合している
と結論した。
本発明はシス−シアコシアミン白金(II)と2・4ジ
オキソピリミジンとの反応によって生成する“白金青“
錯体が腎臓毒性が低く且つ水に対する溶解度の高い抗腫
瘍、抗ビールスおよび抗菌剤であるという発見に基づく
ものである。
適当な2・4−ジオキソピリミジンは式 (上式中、R1とR2とは同じであっても異なってL・
でもよく、H11個アルキル、ジー低級アルキルアミノ
、ジ−ハロ低級アルキルアミノ、ハロゲン、ヒドロキシ
、ヒドロキシ低級アルキル、カルボ低級アルコキシから
成る群から選ばれ、R3とR4とは同じであっても異な
っていてもよく、H,低級アルキルリボシル、デオキシ
リボシル、トリアセチル−、トリベンゾイル−または2
′・31低級アルキリテンリボシル、リボシル、リボシ
ルホスフェート、チオキシリボシルホスフェートから成
る群から選ばれる) を有する化合物またはその5・6−2H誘導体を含む。
本発明はまた上記2・4−ジオキソピリミジンとシス−
シアコシアンミン白金(II)とを、ピリミジン対白金
化合物のモル比的2:1〜約1:lで、温度約O〜約5
5℃で錯体が生成するのに十分な時間反応させることに
よる白金−〔2・4−ジオキソピリミジン〕錯体の製造
法にも関する。
本発明はまた用量単位形で、薬学的に受容できる担体お
よび上記の2・4−ジオキソピリミジンと白金化合物と
の錯体約1mg/ru1.〜約50■/mlから成り、
腫瘍、細菌性およびビールス性感染ならびに関節炎症状
の治療に適した薬剤組成物にも関する。
本発明はまた腫瘍や細菌性およびビールス性感染に罹病
した生物に上記錯体を体重1 kg当り約1■〜約80
0m9投与することから成る腫瘍や細菌性およびビール
ス性感染の治療方法にも関する。
本発明の錯体は簡単のため“白金前“と呼ぷが、上述の
反応からの生成物は実際には混合物であり、分離は極め
て困難である。
分析および分子量測定により、幾つかの結論を引出すこ
とができた。
一般に、本発明の錯体は白金1分子に対して1分子のピ
リミジンを含んでいる。
大体において、1個の錯体は白金1分子につき2個のア
ンモニア配位子、1個のピリミジン陰イオン、1個の水
酸イオンを含んでいるが、その外に結合位置は不明であ
るが2個の酸素原子を含んでいる。
5−フルオロウラシル錯体は例外で、過剰の酸素を含ん
でいない。
本発明の錯体を構成するには白金のシス−ジアンミン構
成が不可欠のように思われる。
本発明の白金錯体の2・4−ジオキソピリミジン残基は
上記のように1.3.5.6の位置に種種の置換基を持
つことができるが、好ましい錯体はR1、R2、R3、
R4がそれぞれ水素であるものおよびR1、R3、R4
がそれぞれ水素でR2がCH3であるものである。
この化合物はウラシルとチミンである。
ウラシルおよびチミンとシスシアコシアンミン白金(I
I)との反応で生成する錯体は本質的に有効な抗腫瘍、
抗菌および抗ビールス剤であることがわかった。
上述のように、現在の所これらの錯体の正確な構造は不
明である。
しかし、これら錯体は水に極めて良く溶ける。
これらの錯体は適当な2・4ジオキノピリミジンとシス
−シアコシアンミン白金(川とを水溶液中で、2・4−
ジオキソピリミジン対白金錯体のモル比的2:1〜約1
:1で、約0〜約55℃の温度、好ましくは室温で、錯
体を生成するのに十分な時間、好ましくは約1〜約21
日間反応させることによって製造することができる。
本発明の方法はpHが約3〜約8の範囲、好ましくはp
H約6.5の水性媒質中で行うことが好ましい。
本発明の化合物の最も顕著な特性は水に非常に溶けやす
いことであり、水1OUllに1′?程度溶解する。
このように水に溶は易いため本発明の錯体は生物の腫瘍
および細菌性およびビールス性感染の治療に特に適して
いる。
例えば、シス−シアコシアンミン白金−ウラシル錯体は
スイスホワイトマウスの腹水サルコマ−180腫瘍に対
して特に有効であることがわかった。
この錯体の毒性は極めて低く、スイスホワイトマウスは
この錯体を1回注射した場合体重1 kg当り500■
まで全く死亡するものがなかった。
上記の錯体はまたフオウルボックス(FowlPox)
ビールスをこの錯体と共に極めて短期間培養した後被接
種系としての胚芽卵に接種した場合このビールスに対し
て有効であることもわかった。
また、この錯体はビールス接種後に注射しても、生ビー
ルスが腹を侵す場合に典型的な膿庖の発生を十分防止す
ることができることも見出だされた。
白金−ウラシル錯体の広範囲の活性のもう1つの例とし
て試験管培養で生育した大腸菌に対して試験を行った。
極めて低濃度(すなわち5ppm)でも、大腸菌は塊と
なり、糸形成は全く見られなかった。
高濃度(すなわち40ppm以上)では菌は完全に死滅
した。
白金−ウラシル錯体はADJ/PC6腫瘍系に対しても
有効であった。
本発明の錯体は腫瘍、細菌性およびビールス性感染の治
療用の薬剤組成物の製剤に用いる通常の調剤用担体と混
合することができる。
この薬剤組成物は、用量単位剤形で薬学的に受容できる
担体と約1■/rnl〜約50■/mlの上記錯体とを
含むべきである。
白金−ウラシル錯体および関連錯体の投与形式は治療し
ようとする疾病の種類によって異なる。
溶液は腹腔内、筋肉内、皮下または静脈内注射によって
投与することができ、固体としては経口投与することが
できる。
以下、本発明を実施例で説明するが、これらの実施例は
本発明を限定するためのものではない。
実施例 1 31のシス−ジクロロジアンミン白金(IIK 0.0
1モル)と0.02モルの硝酸銀とを1007711の
水中で、暗室中、23℃で1夜間攪拌した。
銀は白金錯体から塩素を除去し、シス−シアコシアンミ
ン白金(II)を100%の収量で得る。
次に塩化銀を1過して取る。
銀イオンは溶液から完全に除く必要がある。
残留溶液の少量を取り、少量の0.1 MHCI を加
えて過剰の銀があるかどうかを試験する。
もし、溶液が濁ったら反応はまだ完了していないことに
なる。
溶液が透明のま〜であれば反応は完結したと考えられる
次に溶液を2. ON水酸化ナトリウムで中和し、最終
pH値を6と7の間にする。
次に、1.12Pのウラシルを1007rllの水に溶
解してスラリーをつくる。
2.ON水酸化ナトリウムでpHを9に調節し、50℃
に加温してウラシルを溶解させ、0,01モルのウラシ
ルを含む溶液を得る。
次に、このウラシル溶液をシス−シアコシアンミン白金
(II)錯体と1:1のモル比になるように混合する。
pHを6と7の間に調節する。
容器に栓をして、アルミ箔でカバーし、37℃の水浴中
に1週間放置して反応を完結させる。
約24時間後に青色が生じる。
1週間後には少量の青色沈殿ができてL・る。
この溶液を1夜間O℃近くに冷却すると多量の青色沈殿
が得られる。
これを1過し、非常に少量の冷水で洗う。
r液を多量(毎回的150m0の沸騰している100%
エタノールで3回洗い、存在する過剰のウラシルを除去
する。
3度目の洗浄エタノールは4後透明でなげればならない
これは溶液中にもはや遊離のウラシルが存在しないこと
を示す。
r液を風乾し、次に40℃で12時間真空乾燥する。
この結果、純粋な白金−ウラシル錯体の暗青色粉末試料
が得られる。
最初の濾過の上澄液を元の容積の約25%になるまで蒸
発し、等容のエタノールを加えた。
0℃に冷却すると青色沈殿と暗緑色溶液とが得られた。
この青色沈殿を1過し、1液をさらに濃縮した。
さらにエタノールを加えると淡緑色の沈殿が得られた。
従って、本発明の方法では明らかに“白金前“化合物の
複雑な混合物が得られる。
しかし、本発明は反応混合物の種々の成分全部を混合物
の形または単離された形のいずれかで含むものであると
解すべきである。
一般に、最初に得られた沈殿すなわち青色沈殿は水−エ
タノール混合物中への溶解度が低く、第2回目に得られ
た成分の方が水−エタノール系により可溶性である。
実施例 2 2′・3′・5′−トリアセチルウリジンを用L・、溶
液を蒸発乾固して錯体をエタノールに溶解する以外は実
施例1の操作を繰返した。
エーテルを加えると暗青色の吸湿性沈殿が得られ、これ
を集めてエーテルで洗った。
実施例 3−13 実施例1の操作に従って第1表記載の錯体を製造した。
第1表には実施例1および3−14の錯体の元素分析も
示しである。
本発明の“白金前“錯体の中には単量体、2量体および
3量体を含むオリゴマ一種の混合物もあると考えられる
この理由のため、錯体の赤外スペクトルから構造の特徴
を解釈するのはむずかしい。
これらの錯体は可視赤色領域に1個または2個のピーク
から成る吸収帯を持つことを特徴としており、このため
種々の錯体が特性的な緑色、青色または紫色を示す。
上で製4したシス−シアコシアンミン白金(lI)−ウ
ラシル錯体の吸収スペクトルは第1図に示しである。
赤外吸収スペクトルからアンミン配位子が存在し、環状
構造が依然として存在すると推定される。
これらの錯体は水に対する溶解度は高いが、ジメチルホ
ルムアミドやジメチルスルホキシドのような溶剤には溶
解度が非常に低い。
白金−ウラシル錯体はX線回折および電子線回折分析か
ら完全に無定形物質であることがわかっている。
導電性試験ではこの錯体が中性であることを示唆してい
る。
白金−ウラシル錯体の多数の種々の試料の可視スペクト
ルを濃度10m9710′rIll(1my/ ] m
Oの水溶液でICTLの石英セルを用いてカリ−(Ca
ry)15分光光度計で測定した。
分子量が1200であると分析された試料のスペクトル
には722nmに吸光度的0.9の中心を持つ幅広い吸
収帯と582nm(光学密度−0,74)の幅広い肩と
がある。
単量体(分子量約400)と考えられる試料のスペクト
ルには617nm(光学密度0.6)に幅広い肩、56
3nm(光学密度0.62)に幅広い吸収帯、468
n m (光学密度0.42)に吸収帯があった。
パリアンA56/60分光計で、DSS (TMSの水溶形)を内部標準(Oppmにセットする
)として用い、D20溶液中で白金−ウラシル、チミン
および5・6−シスチルウラシル錯体試料のプロトン磁
気共鳴(PMR)スペクトルを測定した。
白金−ウラシル錯体は2.84 ppmに中心を持つ鋭
い二重線(2,76ppmおよび2.92ppmにピー
ク)、4.47ppmに溶媒によるピークおよび7.6
9 に弱く幅広い吸収pm (lppm幅で1/2の高さ)を示した。
溶媒ピークを4.47 ppmに調節した場合pt−チ
ミン錯体では、スペクトルは1.71 に幅広い1
9m (1/2高さで2ppm幅)ピーク、2.85ppmに
中心を持つ鋭い二重線(2,77ppm と2.93p
pmにピーク)および7.5ppm(おそらく未反応の
遊離塩基による)に弱く副広いピーク(lppm幅)を
示した。
D20の中の遊離ウリジンのPMRスペクトルは7.6
5ppmにウラシルのH6に帰属する二重線および5.
80 ppmにH5プロトンによる二重線(溶媒ピーク
4.54ppm 、Oppm KDDSのピーク)を示
した。
遊離チミンのd7−DMF溶液のPMRスペクトルは1
.72ppmにメチルプロトンに帰属する鋭L・ピーク
および7.20ppm KH6に帰属する弱く幅広いピ
ークを示す(TMSのピークをOppmにセットした場
合)。
5・6一ジ2メチルウラシル化合物のスペクトルは4.
47 ppmのHDOのピークに対して1.76ppm
および2゜O7ppm にピークを示した。
これらのスペクトルから、これらの塩基中のプロ)・ン
の磁気環境は青色錯体中にこれら塩基が配位する場合に
変化してプロトンの遮蔽が増加するとだけ結論すること
ができる。
X線光電子分光学から白金の4f電子の結合エネルギー
について化学分析のための電子散乱(ESCA)測定を
行うとシス P t (1’J)(3)2 C1273,02eVの
値が得られる。
白金−ウラシル錯体中のptでは73.6eVの値が得
られた。
このことは白金−ウラシル中の白金の原子価状態が■で
あって■ではないことを示唆している。
白金−ウラシル錯体の青色沈殿の電子吸収スペクトルは
550〜650nmの付近に500〜100071モル
/CrrL程度の分子吸光係数を持つ幅広い吸収帯を示
す。
白金ウラシル錯体の緑色沈殿の方は720nm付近に同
様な強度の単一の幅広い吸収帯を示す。
これら青色化合物および緑色化合物は290Hm付近に
非常に強い吸収帯がある。
スイスホワイトマウスの腹水サルコマ180腫瘍を用い
て“白金前“錯体の化学療法活性を測定した。
試験方法は次のようにして行った。体重18〜201の
無作為様の雌のスイスホワイトマウス(米国ミシガン州
、ウィリアムストン市スパータン研究所からの)を無作
為的に6匹ずつ群に分けた。
約10日間を経た腹水腫瘍を持つマウスの腹膜腔から腹
水細胞を取った。
この細胞を0.85%食塩水で数回洗い、毎回750
r、 p、m。
で3〜5分間冷凍遠心機で遠心分離した。
細胞がら血液を除いた後、細胞を0.85%食塩水で希
釈して血算計で勘定した。
最終的には食塩水中2×107細胞/mlになるように
希釈した。
この懸濁液0.2 ml!を各マウスに与えた(4X]
06細胞/1匹)。
これは各試験の第0日に腹膜腔内に注射した。
2つの群(12匹)を負の対照群としてとっておき、試
験はこの負の対照群の平均死亡日数の2倍の日数で終了
した。
2つの群(12匹)を正の対照群とし、第1日にシス−
ジクロロジアンミン白金(II)の食塩水溶液を7yn
9/kgの量で腹膜腔内注射した。
すべての試験化合物は第1日に化合物を水、生理的食塩
水または落花生油中に分散したもの0.5 rnlを腹
膜腔内注射した。
可溶性の化合物は常に適当な溶液の形で試験し、不溶性
の化合物はスラリーとして試験した。
スラリーは10分間までツニケーションして(5oni
cated ) 確実に一様に分散した後、直ちに注射
した。
一般に、各化合物につし・て倍量関係で4段階の投与量
で試験を行なった。
最高投与量でも十分な薬品毒性レベルに達しない場合に
は再試験を行なった。
試験終了時になお生存しているマウスは評価当日に死亡
したと考えた。
この日に腹部膨満(触疹または肉眼で)を示さないマウ
スは治癒したと考えた。
治癒したマウスの中には、細胞注射部位のまわりに後に
なって固い腫瘍を生じたものもある。
これは注射時に針の経路に沿って細胞が洩れたかあるい
は腹膜腔内の注射孔を通って後になって細胞が洩れたと
考えられる。
何れにしても、これは偶発的な作用であり、注射時に注
意し且つより細い注射針を用(・れば無視できるように
なるはずである。
試験した化合物は通常新しく製造して精製したものであ
る。
さらに後で試験するために保存する場合は真空テシケー
ターに入れ、これを冷暗所に保存して劣化を防いだ。
一般に、試験した化合物はすべて毒性レベルが200m
9/kgまたはそれ以上であった。
毒性レベルは6匹のマウス中2匹以上が注射後8日以内
に死亡する場合の投与量と考える。
この時間後に死亡するマウスは負の対照群の初期死亡と
重複する。
試験した錯体の中には、高い投与量レベルで注射後間も
なくマウスの後脚がひどく伸びたものがある。
しかし、最初の2日間生存していたマウスは一般に毒性
による死亡の限界である8日を過ぎても生存していたが
、中には早期に死亡するものもあった。
白金錯体についての初期の経験と全く同様に、ひどい肝
臓傷害が極めて少ないかあるいは全くない(Pt(CH
3CN)2C12、白金−メチルウラシルおよび白金−
5−ブロモ−1−メチルウラシル錯体は例外)。
後の時期(評価当日および治癒マウスで3か力抜まで)
に同様な症例数で腹膜炎が生じた。
2.3の化合物では高投与量の注射後間もなく神経筋障
害の症状が見られた(例えば白金−ウラシル緑色沈殿)
被検動物には中枢押えの障害の症状は全然見られなかっ
た。
固体サルコマ−180とは異なって、スイスホワイトマ
ウスの腹水腫瘍は自然退化は示さず(0/336 )、
腫瘍にかかったマウスはすべてが死亡し、腫瘍にならな
かった百分率は0%であった。
平均死亡日数は17.5日で、標準偏差は小さい(±2
2日) 試1験結果は第2表に示しである。
文字Aは“青色“沈殿すなわち第1単離沈殿を示し、文
字Bは“緑色“沈殿すなわち第2沈殿を示す。
表中に記載したデータは担体、試験した投与量範囲、毒
性レベル(上記参照のこと)、最良寿命増加百分率(%
ILS)(実験は負の対照群の平均寿命の2倍の日数で
終了したので最高は100%である)、最良の%ILS
を与える投与量レベル、接種剤の物理的状態(溶液また
はスラリー)および最後が治癒したマウスの数(各群の
6匹中の数)である。
第2表の結果は第1日に1回だけ腹膜腔内注射した場合
に得られた結果である。
この方法は治療法として最良ではないので、薬品試料を
選んで計画に従って試験を行なった。
この結果を第3表に示す。
最初の日に3時間毎に1m9/kgずつのシス−ジクロ
ロジアンミン白金(n)を8回注射した場合、7mg/
kgを1回注射した場合(正の対照群)より驚くほど良
好な結果が得られた。
第4〜7表には、L1210、MCDV12(ビールス
によって誘起されたラウシャー白血病)、エーリンヒ腹
水症およびADJ PC6A(骨髄★★腫)腫瘍に対
して本発明の錯体を用(・た場合に得られた結果を示す
腎臓毒性はシス−ジクロロジアンミン白金(II)で治
療する際の高等動物および人間における服用量を制限す
る副作用である。
腎臓毒性がはるかに少ない他の白金製剤を見出だすこと
が望ましい。
ここに記述する組織病理学的試験結果はゝ白金−ウラシ
ル青“のグループIAはシス−ジクロロジアンミン白金
(II)またはシス−ジクロロ(ビス)シクロペンチル
アミン白金(II)より腎臓障害を起こす可能性が少な
く、これらとほぼ同程度の治療効果が得られることを示
した。
これらの試験は次のようにして行なった。
雌のスイスホワイトマウス6匹を1群とした。
腫瘍マウス群には第0日に固体サルコマ180腫瘍を移
植し、第1日から治療を開始し、第10日にマウスを殺
し、腎臓を取り出して組織学的検査を行なった。
対照群としては腫瘍移植せず且つ治療も行わないマウス
群と腫瘍移植して治療は行わないマウス群を用いた。
各腎臓の種々の部分について検査シタ。
シス−ジクロロ(ビス)シクロペンチルアミン白金(T
I)は非常に難溶性であり且つ通常落花生油中のスラリ
ーとして試験されるので本発明者沫※らは他の薬品と比
較するため食塩水中の飽和溶液として試験する必要があ
ると感じた。
その飽和濃度は明示できず、概算で1■/1001′L
lより少ないとしか言えない。
第8表にごく簡単な結果の概要を示す。
すべての場合に、組織病理学的退化性変化は投与量に依
存している。
シス−ジクロロジアンミン白金(II)およびシス−ジ
クロロ(ビス)シクロペンチルアミン白金(IT)の投
与量レベルカ高い場合には近位的尿細管の一般的空胞性
(水滴様)変性が生じたが、′白金−ウラシル青“グル
ープIAの高投与量の場合にはひどい多重小壌死病巣が
いくらかあるが一般には軽度の退化性変化を生じただけ
である。
変性組織の病巣を含む腎臓の機能は全解剖学的および生
理学的領域(すなわち近位的尿細管)が含まれる腎臓の
場合よりも障害のひどさは少ないので、ゝ白金−ウラシ
ル青“グループIAはほぼ同等の治療効果を示す投与量
で比較する時、他の2つの上記錯体より腎臓毒性が低い
(腎臓の組織病理学的証拠に基づいて)と判断される。
白金錯体の抗菌活性を試験するため次の方法を用いた。
この試験は試験管培養で生育させた大腸菌(ワイルド型
)について行なった。
標準化方法を用い、種々の被検薬品添加後の両地中での
菌の成育状態を時間に対する培地の光学密度の増加を用
いて検査した。
また菌の伸張(糸形成)の証拠を得るため周期的に位相
差顕微鏡で検査した。
試験結果は第9表に示す。
本発明の白金錯体はかなり低濃度で細菌の凝集塊を生じ
る。
例えば、白金−ウラシルは!5ppmの濃度で凝集塊を
生じる。
より高濃度では凝集塊を増加し、ついには細菌を死滅さ
せる。
この結果は本発明の白金錯体が約40ppm程度の低濃
度で強力な抗菌剤となることを示すものと考えられる。
次の方法に従って本発明の白金錯体の抗ビールス活性を
試験した。
この方法ではフオウルボックス(Fowl Pox)
ビールスと胚芽卵とを用いる。
第1の型の試験では、既知濃度のビールスを既知量の被
検薬品とともに種々の期間培養した後、この接種剤を胚
芽卵に注射し、第10日にこの卵を開き、絨毛尿膜を除
き、痘癒病巣の数を勘定する。
kこの型の試、験では試験管内での新薬との直接の相互
作用によってフォルボックスビールスの試験管内不活性
化を測定する。
第2の型の試1験は既知の力価(titer )のフォ
ルボックスビールスを胚芽卵に接種した後、被験薬品を
1同紙毛尿膜上に注射する。
数時間後にビールス粒子は消え、ピリオン(virio
n ) が細胞中に組み入れられてその反覆サイクル
を開始している“蝕相(eclipsephase )
“中に入りこみので、この試、験は被検化合物が細胞中
に入ってビールスの繁殖過程を中断させる能力を示す。
この2つの型の試験結果は第10表および第11表に示
す。
試験管内不活性化試験では、白金−ウラシル錯体に曝露
するとほとんど直ちにビールスは完全に不活性化される
ことがわかった。
生存能力のあるピリオン(virions )の不活性
化はほぼ100%に近い。
約26時間までの培養ではこのほぼ100%の不活性化
を依然として示す。
この試験管内試験から本発明の白金錯体の抗ビールス活
性は極めて有効であることがわかる。
第12表の生体内不活性化の結果から、本発明の白金−
ウラシル錯体はビールス接種後4時間まで痘癒病巣の数
を抑制する作用があり、かかる病巣数を68%減少させ
ることがわかる。
この試験を繰返した結果を第12表に示す。
この場合も、ビールスを接種してから4時間後に痘癒病
巣数の減少率は約80%であった。
【図面の簡単な説明】
図面はシスージアクオジアミン白金(II)ウーブルの
吸性スペクトルを示す。 フシル

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 白金−〔2・4−ジオキソピリミジン〕錯体混合物
    の製造方法にお(・て、式 (上式中、R1とR2とは同じであっても異なっていて
    もよく、H1低級アルキル、ジー低級アルキルアミノ、
    ジ−ハロ低級アルキルアミノ、ハロゲン、ヒドロキシ、
    ヒドロキシ低級アルキル、カルボ低級アルコキシから戒
    る群から選ばれ、R3とR4とは同じであっても異なっ
    ていてもよく、H1低級アルキルリボシル、チオキシリ
    ボシル、トリアセチル−トリベンゾイル−または2′・
    3’ (figアルキリテンリボシル、リシジル、リボ
    ンルホスフエートおよびデオキシリボシルホスフェ−1
    ・から成る群から選ばれる) を有する2・4−ジオキノピリミジンまたはその5・6
    −2Hi導体とシス−シアコシアンミン白金(II)と
    を、2・4−ジオキソピリミジン対シスシアコシアンミ
    ン白金(II)のモル比約2:1〜約1:1で、約0〜
    約55°Cの温度で上記錯体混合物を生成するのに十分
    な時間反応させ且つ上記錯体混合物を単離する事を特徴
    とする一ヒ記方法。
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