JPS5828031Y2 - 地下室用壁材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は地下室を構成する壁材に関する。

一般に民家などの地下室を構築する場合には、予じめ掘
削した地下室用穴の各壁体を構成する個所に型枠を形成
しておき、そこにコンクリートを流し込み、一定期間の
養生の後に型枠を取外して後、完成させるようにしてい
る。

ところが、このような方式によれば型枠の取付け、取外
しに手間がかかるばかりでなく、コンクリートの養生の
為にかなりの期間を要する点で工期上問題がある。

そこで、これを解決するために、プレキャスト工法によ
り予じめ壁材を製作し、現場にて組立てる方式が採用さ
れているが、これにより製作した従来の壁材では上面と
の接地壁面が単なる平板状であるため、接地面積が小さ
く、地下温度の有効利用と言った点からこれをみると、
はなはだ不満足なものとなっていた。

即ち、地下の一定温さでは年間を通じてほぼ一定温度（
約 １５〜１８℃）を保持しているが、上記従来の壁材では
単なる平板状であるため、熱伝達の効率が悪く、地下温
度を地下室内へ効率よく伝達し得す、かつ地下温度の有
効利用という点からみても不充分なものであった。

本考案はこのような点に鑑みてなされたもので、地下室
用壁材の接地側壁面に横方向に複数に凹凸条を形成する
と共に、前記凹凸状の厚内部に貫通空間部を形成するパ
イプを埋設し、これにより熱伝達の向上を図ると共に、
前記貫通空間部に蓄熱されている熱の有効利用を図るこ
とを目的とするものである。

以下本考案の実施例を図面に基いて詳細に説明する。

１はプレキャスト工法により形成された壁材で、これの
接地側の壁面には縦方向（図示の上下方向）に断面略三
角形状をなす凹凸条２，２・・・・・・が横方向（図示
の左右方向）の全長にわたって略等ピッチで多連状に複
数条形成されていると共に、この凹凸条の厚肉部にはパ
イプ３をこれと一体に埋設して貫通空間部が形成されて
いる。

尚、１ａはこの凹凸条２，２・・・・・・の上端に連な
る壁材１の上梓部であり、かつ壁材１の内側基部内には
図に示すように補強用の鉄筋４，４・・・・・・が縦横
に交叉して配筋されている。

本考案に係る壁材１は上記の如く構成されるものである
から、これを地下室用として布設使用した場合には、単
なる平板状の壁材と異なり、これの凹凸条により接地面
積が極めて大きくなり、かつ前記パイプ３内には地下熱
が蓄熱される。

従って、第２図イに示すように地下の温度が壁面を通じ
て地下室内に効率よく伝達されると共に、前記空間部に
蓄熱されている熱をファンなどにより地上階に吸引、送
出してやれば、冷暖房源として有効に利用することがで
き、また、地下室全体がほぼ一定温度を保持することが
できるため、これを例えば食料品保存用の倉庫としても
利用できる。

以上の説明で明らかな如く、本考案に係る地下室用壁材
は、接地側壁面の横方向に複数の凹凸条を多連状に形成
すると共に、前記凹凸条の厚肉部にパイプを埋設し貫通
空間部を形成したものであるから、これを前記のように
空調源や食料保存用などにそのまま応用することができ
る。

よって、本考案によれば別設特別の設備を要さずに地下
が有する熱エネルギーを有効に利用することが可能とな
り、省エネルギーに大いに寄与し得る、という利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る地下室用壁材の一実施例を示す一
部破断した斜視図、第２図はその一部を破断したＡ−Ａ
線断面図である。 １・・・・・・壁材、２・・・・・・凹凸条、３・・・
・・・パイプ（空間部）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 設置側の壁面に、縦方向に向かい、かつ断面略三角形状
   をなす凹凸条を横方向に多連状に複数条形成するととも
   に、前記凹凸条の厚肉部に貫通空間部を形成するパイプ
   を埋設したことを特徴とする地下室用壁材。