JPS5827863B2 - 湿度センサ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は一般に湿度センサに関し、特にマイクロ波エネ
ルギにより加熱される電子レンジ内の湿度を測定し、必
要により測定データに従って電子レンジを制御すること
に適した湿度センサに関する。

現在の電子レンジはマイクロ波エネルギを利用して食品
を加熱調理するものである。

電子レンジを利用して食品や水などを加熱するとき、沸
騰後も加熱を続けることは好ましくない。

食品又は水が沸騰したとき電子レンジの加熱を停止させ
るために、従来はタイマーをもうけて加熱される食品の
種数に応じてタイマーを設定したり、マイクロコンピュ
ータで電子レンジを制御する技術が採用されている。

しかしながらこれら従来の技術では沸騰と同時に電子レ
ンジのスイッチを切ることはほとんど不可能である。

従来の別の技術として、電子レンジ内で沸騰が起ると内
部の湿度が急激に上昇する現象を利用して、塩化リシュ
ウムを利用した湿度センサにより電子レンジ内の湿度を
測定し、その結果により電子レンジを制御する技術が提
案されている（ 「マイクロウェーブ・オーブン」、Ｊ
ｏｕｒｎａｌ ｏｆ Ｍｉｃｒｏｗａｖｅ Ｐｏｗｅｒ
、 ｖｏｌ １１． Ｎｌ１−２ 、１９７６、 ｐｐ
１７７−１７８、米国）。

しかしながら塩化リュウムを利用した湿度センサは高温
高湿の環境では寿命が非常に短かいという欠点がある。

特に従来の湿度センサによるときは、センサの表面が結
露すると湿度の測定ははシネ可能となってしまう。

従って本発明は従来の技術の上記欠点を改善するもので
、その目的は、電子レンジ内の湿度を安定に測定するこ
との出来る長寿命の湿度計を提供することにある。

本発明の特徴とするところは、誘電体共振器を電子レン
ジの加熱用マイクロ波エネルギにより共振させ、湿度に
対応して変化する共振器のＱを測定することにより湿度
を計測するもので、電子レンジの加熱用マイクロ波の周
波数が不安定なところから、誘電体共振器に磁性体を周
期的に近接させて共振器の共振周波数をスイープさせる
。

以下図面により実施例を説明する。第１図は本発明によ
る誘電体共振器の斜視図で参照番号１は導波管、２はそ
の中に収容される誘電体共振器でその材質はセラミック
又はテフロンのどとく耐水性のあるものとする。

３は誘電体共振器２を支持する支持棒で、共振モードが
ＴＥ０ｏｌδでは円形共振器の中心の電界が極小となる
ので、支持棒２は電界への影響を小さくするため共振器
の円板のはゾ中心で該円板を支える。

４は共振電界をとり出す為のアンテナで、同軸ケーブル
の内部導体を電界Ｅに平行になるごとく曲げた構造であ
る。

電子レンジ内のマイクロ波エネルギは非常に強いので、
共振器への結合を弱くするために導波管１の幅ａの値は
波長の７以下とし、カットオフ導波管として動作させる
。

以上の構成で導波管は共振器の不要モードでの共振を防
ぐ金属シールドと必要なモードでの励振を行わせる結合
系とを兼ねることになり、共振器内はＴＥ０ｏ１δモー
ドで共振する。

電子レンジ内には前面ガラスの結露防止のため強制的空
気循環装置がもうけられているので、その空気排出口付
近に第１図の共振器を設定して、図の点線の矢印下の方
向に空気が流れるごとくする。

第２図は本発明による誘電体共振器の断面図で中空の支
持棒３の中に、非磁気性金属体でメッキされた鉄製の電
磁振動棒５が図の横方向ｌこ滑動可能なごとくもうけら
れる。

共振器の中での磁場の分布は図の曲線Ｓに示すごとく円
板２の部分で最大となっており、従って電磁振動棒５が
円板２に近接すると共振周波数は上昇し、又逆の場合に
は共振周波数が低下する。

電磁振動棒５はバネ６により支えられ電磁石γに流れる
交流信号により左右に振動する。

この交流信号としては例えば商用電源の周波数が利用さ
れる。

この構成により共振器の共振周波数は商用周波数に従っ
て周期的に変化することになる。

共振器の共振周波数をこのようにして変化させる理由は
、電子レンジを加熱する為のマグネトロンの出力周波数
が変動したとき、共振器の共振周波数をこの変動に追従
させるためである。

以上の構成において、湿度が低いときは共振器のＱが高
いので共振器の出力振幅は第３図ａに示すごとく高く、
湿度が高くなると共振器のＱが低くなるので共振器の出
力振幅は第３図すに示すごとく低くなる。

なお、図中τは振動棒５の振動周期をしめす。

第４図は湿度処理回路のブロックダイヤグラムをしめす
。

アンテナ４で抽出した共振器の共振電界はダイオード１
０により整流される。

ダイオード１０の出力Ｐにおける信号は湿度に従って第
３図ａ又はｂのごとくなる。

この出力は比較器１１により基準電圧と比較され、従っ
て比較器の出力１１ａには湿度が設定値より低いときに
は、周期パルスが出力され、湿度が設定値より高いとき
には比較器は出力を発生しない。

なおこの設定値はポテンシオメータ１３により調節可能
である。

この出力は７段の２進カウンタ１２のリセット端子に入
力される。

一方商用電源１４は電磁石７（第２図）を駆動するとと
もに、商用周波数によるパルスはクロックパルスＯＬと
してカウンタ１２に印加される。

カウンタ１２はクロックパルス１２により１ずつ歩進さ
れ、その内容は比較器１１の出力１１ａにより０にリセ
ットされる。

従って湿度が低いときは、クロックパルスの周期毎にリ
セットパルスが印加されるので、カウンタ１２は歩進さ
れない。

湿度が設定値より高くなると比較器１１は出力を出さな
いので、カウンタ１２はクロックパルスにより振動周期
毎に１ずつ歩進され、７段のカウンタがオーバーフロー
すると出力端子１５に信号が得られる。

この信号は電子レンジの加熱停止などの制御に利用する
ことが出来る。

カウンタが７段構成であるので、クロックパルスに商用
周波数を利用した場合、比較器１１が出力を発生してか
ら端子１５に出力が現われる迄の時間は約２秒である。

このようにカウンタによる遅延を採用することにより、
例えばマイクロ波電力の一時的変動などによる湿度計の
誤動作が防止され、かつ、実用上十分な短時間内に制御
出力を得ることが出来る。

以上実施例により詳しく説明したごとく、本発明により
電子レンジの湿度制御を完全に行なうことが出来る。

なお共振器の共振周波数の制御は実施例の機械式のもの
の他、全電子式のものも可能であり、又遅延回路の構成
もカウンタ以外に各種可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による湿度センサの斜視図、第２図は本
発明による湿度センサの断面図、第３図ａ及びｂは本発
明による湿度センサの出力波形の例、第４図は本発明に
よる湿度処理回路のブロックダイヤグラムである。 １；導波管、２：誘電体共振器、３：支持棒、４、アン
テナ、５；電磁振動棒、６；バネ、１；電磁石、１０；
ダイオード、１１；比較器、１２；カウンタ、１３；ポ
テンシオメータ、１４；商用電源、１５；出力。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ マイクロ波エネルギにより加熱される電子レンジ内
   に収容される誘電体共振器と、該誘電体１（振器に磁性
   体を周期的に近接させることにより共振器の共振周波数
   を周期的に変化させる手段と、共振器の共振電界をとり
   出すアンテナと、該アンテナの出力を整流する整流器と
   、該整流器の出力から湿度を計測する手段とを有するこ
   とを特徴とする湿度センサ。 ２、特許請求の範囲第１項の湿度センサにおいて、共振
   器の共振周波数が商用周波数により周期的に変化させら
   れる湿度センサ。 ３ マイクロ波エネルギにより加熱される電子レンジに
   収容される誘電体共振器と、該誘電体共振器に磁性体を
   周期的に近接させることにより共振器の共振周波数を周
   期的に変化させる手段と、共振器の共振電界をとり出す
   アンテナと、該アンテナの出力を整流する整流器と、該
   整流器の出力を所定のレベルと比較する比較器と、商用
   周波数で歩進されかつ前記比較器によりリセットされる
   カウンタと、該カウンタの計数値が所定の値となったと
   き出力を発生する手段とを有することを特徴とする湿度
   センサ。 ４ 特許請求の範囲第３項記載の湿度センサにおいて、
   共振器の共振周波数が商用周波数により周期的に変化さ
   せられる湿度センサ。