JPS5827613Y2 - モアの昇降装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、モアの昇降装置に関し、特に互いに連結さ
れた上・下一対の屈折型リンクの一対で成る昇降機構を
備えたモアであって、該昇降機構を作動させるためのシ
リンダと昇降機構のリンクとの間を長孔等の遊動部を介
して連結することによって刈取作業時にモアが刈取走行
面に対し旨く追随し凹凸に応じた好適な刈取効果が得ら
れるようにしたものである。

周知のようにトラクタにはその腹部などに刈取用のモア
を装備するのであり、この場合当然乍ら昇降機構を構成
する。

この場合の一般的機構としては上下一対のリンクを中途
で枢結し、その一対を左右或いは前後をなして対設する
ことによって上下に伸縮する昇降機構を構成する。

このリンク機構を実際に伸縮させるには種々の手段があ
るが現行では最も一般的な油圧シリンダに依っている訳
であり、この場合シリンダの一端に対向する一方のリン
クにピンとピン孔で結合し、他端を他方のリンクにこれ
もピンとピン孔で結合するのである。

このように従来の連結の仕方は、全く遊びのない状態で
連結するのが一般的であったので、例えばシリンダを充
分伸ばして昇降機構を下向きに伸ばし、これによってモ
アを接地させるとシリンダが昇降機構に対し遊びのない
状態で抵抗するからモアがトラクタ腹面から一定の高さ
関係にあり、その結果進行時に凹凸があるとこれに旨く
追随できないためモア自体の損傷も大きく、しかも刈取
高さにばらつきを生じると云った問題があった。

この考案は上記問題を解消するために工夫されたもので
あり、その特徴とする処は、くの字状をなして連結され
た上部・下部で成る屈折型リンクの二対をリンク上端で
もって車両側に枢支連結し、両下部リンクに連結され走
行型としたモアを、対の屈折型リンクにおける水平間を
連結するシリンダにて昇降自在としたものであって、前
記シリンダと該シリンダに連結されたリンクの倒れか一
方に係合部を、また他方に昇降動作をモアに許すべく係
合部と相対移動する遊動部を形成した点にある。

包丁、図示した一例によってこの考案を説明１−る。

第１図及び第２図に示すものは農用トラクタの機体腹部
にロータリ式モアＭを装備した一例である。

１はトラクタの機体で、周知のように前部にエンジンを
有しその後部にミッションケース２を接結した一体型フ
レームであり、ボンネット３つきエンジンの前端にはク
ランク軸がモア駆動用のＰＴＯ軸として突出されると共
に前車軸受台４を介して駆動型の前輪５が装備されてい
る。

一方後部には座席６を中央にしてその左右にフェンダ７
つきの後輪８を装備しである。

１０はトラクタの前後間中程に対称的に垂設された固定
ブラケットであり３枚の板を上下をなして組み合わせて
形成されている。

このブラケット１０の下端は前後に長く、その下端のも
のに左右に軸心を向けた固定ピン１１を前後分配的に配
しこれらを介して昇降機構１２を構成しである。

この昇降機構１２は、高さ方向の中途を屈折点１３とし
た一対のリンク１４，１４を左脳の前後に垂設して１組
となし、これを右脳にも配しである。

同機構１２の下端４点はモア機枠１５上に枢結されてい
る。

これらリンク１４のうち上段の左右に対向するリンク間
にはそれぞれ連動ロッド型の係合部１６゜１６が渡架さ
れ、両者間に１本の単動式シリンダ１７が先端を後向き
として連結されている。

シリンダ本体１８の尾端は連動ロッド型の係合部１６に
対し遊びなく連結されているがピストンロッド１９の小
端部は長孔状の遊動部２０を介して連動ロンド１６に連
結されている。

２１はピストンであり、又２２はピストン２１を戻し方
向に弾発付勢するためのバネであって第１図においてコ
ントロールレバー（図示省略）によりバルブを上昇方向
に切換えるとシリンダ１７がバネ２２に抗して縮まり昇
降機構１２が屈折して上方に縮まることで上昇される。

一方下降操作するとピストン２１はバネ２２の蓄圧で内
布オイルを戻しつつ右動しモアＭを降下させる。

この際モアＭは自重で下がる。

こうして前ゲージ輪２３と後ゲージ輪２４とが接地する
と下降は停止する訳であるが接地時においては同図示の
如く長孔状遊動部２０の丁度中途個所に連動ロッド１６
が適応する関係とされると共にピストンロッド１９はバ
ネ２２によって最大に伸ばされピストン２１の前部には
最早オイルは戻されて全くなく又背部は負圧状態を呈す
る。

こうしたもとで作業し地面の凹凸にさしかかると昇降機
構１２には上下に伸縮する余裕代が幾分残っているから
ゲージ輪２３，２４を通じてモアＭは追随でき、従って
モアＭ並ひに昇降機構１２の各所に衝撃などが作用しな
いので損傷もなく、しかも追随性により刈高さは一定と
なる。

尚、図示２５ｂ′クランク軸から前伝動ケース２６を経
て動力を取出すユニバーサルジヨイントであり、同ジヨ
イント２５からは一対のベベルギアを内省した伝動ボッ
クス２７に伝わり直接カッタ主軸からカッター２８が駆
動されるものである。

又２９は前後ゲージ輪２３，２４を高さ調節のために操
作する平行リンク型の高さ調節機構であり、これらはレ
バ一台３０をもつ操作レバー３１によって適宜状態にロ
ックできるものである。

以上のように構成されたこの考案によれば、モアの地面
に対する追随性能が向上するので別車り状態が極めて美
麗となり、しかもモア及び昇降リンク系に大きな抵抗が
加らないから損傷が少なくなり耐久性の向上が図れるも
のである。

尚、シリンダ１７は複動式のものを採用することがあり
、又シリンダ１７の連架方向は、前方右のリンクと後方
左のリンク間のように平面的にみて斜め軸状とすること
もある。

更にシリンダ１７にはその前後双方に長孔を設けること
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一例を示すモアつきトラクタの側面
図、第２図はその正面図である。 Ｍ・・・・・・モア、１・・・・・・トラクタ機体、１
２・・・・・・昇降機構、１４・・・・・・リンク、１
６・・・・・・係合部、１７・・・・・・シリンダ、２
０・・・・・・遊動部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. くの字状をなして連結された上部・下部で成る屈折型リ
   ンクの一対をリンク上端でもって車両側に枢支連結し、
   両下部リンクに連結され走行型としたモアを、一対の屈
   折型リンクにおける水平間を連結するシリンダにて昇降
   自在としたものであって、前記シリンダと該シリンダに
   連結されたリンクの倒れか一方に係合部を、また他方に
   昇降動作をモアに許すべく係合部と相対移動する遊動部
   を形成したことを特徴とするモアの昇降装置。