JPS5827359Y2 - ロ−タリハ−ス炉 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、被加熱物の一部分を鍛造加工などのために加
熱をすることができるようにしたロータリハース炉に関
する。

従来からのロータリハース炉では、鉛直軸線を有する回
転炉床の上方に炉殻を設け、回転炉床と炉殻との間に加
熱室を形成し、被加熱部材としての小物素材の一部分、
たとえばボルトを製造するに当っては、そのボルトの素
材のボルト頭部に相当する部分を、加熱室に臨ませてそ
の部分だけを鍛造加工が可能となるように加熱している
。

加熱部分が所望の範囲に可及的に限られるようにするた
めに、被加熱物の加熱されるべきでない残余の部分は、
大気に開放しておく。

換言すると、加熱室は大気に連通しており、加熱室は密
閉されていない。

したがって、加熱室で燃焼しているバーナの燃焼騒音が
大きく、シかも加熱室の熱ガスが大気に放散されるので
、作業環境が悪い。

また熱ガスによる熱損失が大きい。

したがって本考案の主な目的は、燃焼室を密閉空間とす
ることができ、しかも被加熱物を部分的に対熱すること
ができるようにしたロータリハース炉を実現することで
ある。

第１図は本考案の一実施例の平面図であり、第２図の右
半分は第１図の切断面線Ｉ−Ｉから見た断面を示し、第
２図の左半分は第１図の切断面線ＩＩ−ＩＩから見た断
面を示す。

回転炉床１は、鉛直な回転軸線を有する。

この回転炉床１の下部に設けられた歯車２は駆動手段に
よって回転駆動される。

回転炉床１は、ボルト素材などの被加熱物Ｗための水平
な載置面３を有する。

載置面３には被加熱物Ｗの加熱されるべき部分が載置さ
れる。

載置面３は断熱材から戊る。

回転炉床１の上方には炉殻４が設けられる。

この炉殻４は、前記載置面３とともに加熱室５を規定す
る。

この加熱室５の半径方向外方帯りに周方向に間隔をあけ
てガス燃料などの燃料を燃焼する複数のバーナ６が設け
られる。

回転炉床１の外周には、水や油などの液体７を貯留する
貯留部８が設けられる。

この液体貯留部８は、回転炉床１の回転軸線と同心に水
平環状に設けられる。

炉殻４の外周には、シール部材９が全周にわたって固着
される。

このシール部材９の下端は液体７内に浸漬される。

これによって加熱室５が液封される。

加熱室５の半径方向外方において、回転炉床１には載置
面３に連続して載置部材１０が固着される。

載置面３と載置部材１０の上面とは面一である。

この載置部材１０は、被加熱物Ｗの半径方向外方側の加
熱すべきでない部分を載置するものであり、たとえば波
板であってもよい。

液体貯留部８と載置部材１０とは、ボルト１１によって
相互に固着される。

液体貯留部８と載置部材１０とは、熱伝導率の良好な材
料、たとえば金属から成る。

液体貯留部８の載置部材１０に延びる部分１２は、載置
部材１０からの熱を液体７に伝導して載置部材１０のた
めの熱放散をする熱放散部材としての機能を果ス。

載置部材１０付近には、炉殻４の外周部分１３が下方に
延びて近接し、これによって加熱室５内の熱ガスが液体
貯留部８側に流出することが可及的に抑えられる。

この炉殻４の外周には、周方向全周にわたって環状のヘ
ッダ１４が設けられる。

このヘッダ１４の下端部には、ノズル１５が周方向に沿
って形成される。

このヘッダ１４には、接続口１６から圧縮空気が送入さ
れる。

ノズル１５からの空気は、載置部材１０の上面および／
または被加熱物Ｗの回転炉床１における半径方向外方の
加熱されるべきでない部分に向けて、噴射される。

これによって加熱室５と液体貯留部８との間に環状のエ
アーカーテンが形成されて加熱室５の熱ガスが空間２４
に至ることが防がれるとともに、被加熱物Ｗの加熱され
るべきでない部分が冷却されることになる。

液体貯留部８の半径方向外方には、樋１７が環状に設け
られる。

液体貯留部８を溢流した液体は、この樋１７によって受
けられる。

回転炉床１は、第１図の矢符１８の方向に回転される。

炉殻４の周方向の一部には、排気孔１９が形成される。

排気孔１９は加熱室５に開口している。この排気孔１９
よりも回転炉床１の回転方向１８の後方には、第１図の
破線で示すような隔壁２０が形成される。

この隔壁２０は、排気孔１９を回転炉床１の回転方向１
８の前方において加熱室５と連通させ、排排孔１９に関
して回転炉床１の回転方向１８の後方において排気孔１
９を加熱室５と遮断する機能を果す。

この目的で、隔壁２０は、炉殻４から回転炉床１に向け
て垂下している。

隔壁２０は、空間２４には設けられていない。

排気孔１９および隔壁２０よりも回転炉床１の回転方向
１８の後方には、回転炉床１の載置面および載置部材１
０上に被加熱物Ｗを装入したり取出したりするための装
入取出し口２１が、炉殻４の側部に形成される。

この装入取出し口２１から装入された被加熱物Ｗは、回
転炉床１の載置面３上と載置部材１０上とにわたって載
置されたままで回転方向１８に沿って回転する間に加熱
されてゆき、隔壁２０の手前に来たとき装入取出し口２
１から取出される。

バーナ６の熱ガスは、加熱室５内を回転炉床１の回転方
向１８とは逆方向２３に移動゛して排気孔１９から外部
に放出される。

この熱ガスが排気孔１９に導入される前に、装入取出し
口２１から装入された被加熱物Ｗが熱ガスによって予熱
される。

このことは、熱ガスによる廃熱回収が行なわれることで
あり、熱損失が抑えられることになる。

液体貯留部８とシール部材９とによって規定された前述
の空間２４に連通ずる排気孔２２は、炉殻４に形成され
る。

この排気孔２２は、炉殻４の円周方向において装入取出
し口２１と同一位置に設けられる。

装入取出し口２１の上部には、ヘッダ２５が設けられる
。

ヘッダ２５には接続口２７から圧縮空気が圧送される。

このヘッダ２５に形成されたノズル２６からは下方に向
けて空間２４内に圧縮空気が噴出される。

これによって、装入取出し口２１にエアカーテンが形成
され、装入取出し口２１のシールが行なわれる。

この実施例によれば、バーナ６の熱ガスが加熱室５から
排気孔１９に導出されるので、この熱ガスが加熱室５を
移動する間に被加熱物Ｗを予熱することができ、熱効率
が向上される。

また前述の先行技術では、バーナ６の排ガスは回転炉床
１と炉殻４との隙間から作業場付近に放散されるように
構成されていたけれども、本考案では排気孔１９からの
み熱ガスが排出されるので、この熱ガスを外部に導いて
廃熱を回収して利用することができる。

以上のように本考案によれば、加熱室を液封したので、
加熱室を加熱するバーナの騒音が低減され、また加熱室
からの熱ガスの放散が抑えられる。

これによって作業環境が改善される。

またこの熱ガスは加熱室に部分的に臨む被加熱物を加熱
するものであって、被加熱物の加熱されるべきでない部
分は、載置部材上にあり、この載置部材は液封用の液体
によって冷却されることになるので、載置部材の温度上
昇が抑えられ、これによって被加熱物Ｗの部分的な加熱
が可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の平面図、第２図は第１図の
切断面線Ｉ−ＩおよびＩＩ−ＩＩから見た断面図である
。 １・・・・・・回転炉床、３・・・・・・載置面、４・
・・・・・炉殻、５・・・・・・加熱室、６・・・・・
・バーナ、７・・・・・・液体、８・・・・・・液体貯
留部、９・・・・・・シール部材、１０・・・・・・載
置部材、１２・・・・・・熱放散部材、１５．２６・・
・・・・ノズル、１９．２２・・・・・・排気孔、２０
・・・・・・隔壁、２１・・・・・・装入取出し口。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）上下に延びる回転軸線を有する回転炉床の外周に
   全周方向にわたってその回転軸線と同心の液体貯留部を
   設け、回転炉床の上部を覆う炉殻には貯留部の液体に下
   端が浸漬するシール部材を全周方向にわたって設け、こ
   れによって回転炉床と炉殻とによって規定される加熱室
   を液封し、炉殻には加熱室に臨むバーナを設け、加熱室
   の半径方向外方において回転炉床には、被加熱物の一部
   を載置するための載置部材を固着し、この載置部材と、
   載置部材に連続して載置部材から前記液体に熱を伝導し
   て放散するための熱放散部材とは、熱伝導率の良好な材
   料によって形成されることを特徴とするロータリハース
   炉。
2. （２）載置部材の上方において炉殻には、その載置部材
   に向けて冷却用気体を噴射して加熱室の半径方向外方に
   環状のカーテンを形成するノズルを設けたことを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載のロータリハー
   ス炉。
3. （３）炉殻には、前記回転軸線から半径方向にずれた位
   置に排気孔を設け、この排気孔よりも回転炉床の回転方
   向後方において炉殻には回転炉床に向けて下方に延びる
   隔壁を設けたことを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項または第２項記載のロータリハース炉。