JPS5826662Y2

JPS5826662Y2 - 医療ガス湿潤器

Info

Publication number: JPS5826662Y2
Application number: JP1980007655U
Authority: JP
Inventors: 武博門下
Original assignee: 株式会社ほくさん
Priority date: 1980-01-25
Filing date: 1980-01-25
Publication date: 1983-06-09
Also published as: JPS56109744U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は病室内に設置され、患者に供給される酸素等を
加湿する為の医療ガス湿潤器に関する。

従来、病院等で、患者に酸素、または、笑気ガス等の医
療ガスを供給するのに、第１図に例示した如く、病室の
壁ａ等にアウトレットボックスｂを装着し、その図示し
ない医療ガス供給源とパイピングにより接続したアウト
レットバルブＣに湿潤器ｄを接続保持させ、酸素等を加
湿器ｄにおける水収容容器ｅの水Ｗ中に曝気させて、充
分加湿した酸素等を長時間にわたって安全に供給するよ
うにした壁面システムが実施されている。

上記システムに用いられる湿潤器ｄは、図示例の如く、
調節バルブｆを組み込んだ本体ｇと、これと相対的脱着
自在な水収容容器ｅとがら基本的には構成されていて、
必要に応じて図示例の如く、フロートメータ等の流量計
りを備えてなるものであるが、従来の潤湿器ｄにおける
調節バルブｆは、第２図に示す如く、バルブ本体ｉに、
その酸素等供給口ｊと、これより径大に設けてねし孔と
した弁部室にとを連設し、これに先端部をニードル弁ｌ
′とした調節スピンドルｌを螺進退可能に螺合配置し、
上記供給口ｊの内端に形成された弁座ｍに上記ニードル
弁ｌ′を離接自在とし、または、両者の間隔を適当に調
整することで、開閉または、酸素等供給量の調節を行う
構成となっている。

ところで病院では、酸素を通常４．０ｋｇ／Ｃｍ２の
圧力でアウトレフトボックスのバルブ迄供給し、ここか
ら湿潤器を介して酸素を患者に供給するのであるが、患
者に供給される酸素の量は比較的小量（１１〜３１７分
）である場合が多い。

そこで、約４゜０ｋｇ／ｃｍ２の圧力を有する酸素の流
量を調節バルブｆによって所望量に調節するのであるが
、実際のところ４ｋｇ／ｃｍ２の圧力の気体を毎分１
〜３１に調節することは容易ではない。

前述の従来例の如く、ニードル弁ｌ′を使用する場合に
は、酸素流量の微量調整を可能とするようニードル弁ｌ
′をかなり細くしなければならず、そのためニードル弁
ｌ′の材質として折れにくいステンレス等を使用し、ま
た調節バルブ側には真鍮、砲金鋳物等の高価な金属を使
用し、精度及び耐久性の向上を図っているが、この金属
製のニードル弁ｌ′は酸素等の停止時に金属製の弁座ｍ
に当接するため、硬度の低い材料（通常弁座側）の損傷
が免れ得ないばかりか、ニードル弁ｌ′のテーパが極め
てゆるやかであるため、閉弁の感触がなく使用者が必要
以上に締め付けることがあり、弁座側の損傷が増々助長
され酸素の遮断が完全になされないという欠陥があった
。

本考案の目的は、か・る欠陥を排除した酸素等の供給器
を提供することにある。

以下図面に示す実施例を参照しながら本考案を説明する
。

第１図において、水収容容器ｅを脱着自在にねし嵌合す
る本体ｇにバルブｆは内装されて、前述アウトレットバ
ルブＣから上記水収容容器ｅに至る酸素等の供給通路の
一部を形成している。

第３図には、調節バルブｆが図示されており、調節バル
ブｆは、内部長手方向に弁部室１を備えた弁部３と、一
端が弁部室１に連通・シ、他端が上記アウトレットバル
ブＣに連通可能で横断面が弁部室１のそれとほぼ同心円
状である酸素等供給通路５を内部に備え、アウトレット
バルブｅに脱着自在な連結部７と、弁部室１内に開口し
かつ水収容容器ｅに連通ずるガス出口孔９とから構成さ
れている。

弁部室１の長手方向には、一端にネジ部１１が形成され
たスピンドル１３が螺進退可能に収納されており、ネジ
部１１は弁部室１の内周壁に形成されたネジ部１１′に
螺合可能となっており、スピンドル１３を回転させるこ
とによって、スピンドル１３は螺進、螺退し得るように
なっている。

スピンドル１３の他端よりには、その外周面かつ円周方
向に環状溝１５．１５’が形成されており、これら環状
溝１５．１５’にはＯリング１７．１７’等の環状部材
がスピンドル１３の長手方向及び円周方向に摺動自在に
、かつスピンドル１３の外周面及び弁部室１の内周面に
密着して取付けられている。

後述の如く、酸素等供給通路５から供給されるガスは、
連結部７側よりのＯリング１７が、弁部室１の内周面に
接触している場合には、酸素等のガス出口孔９からの流
出はＯリング１７によって阻止され閉弁状態がもたらせ
られているから、スピンドル１３は、少なくともＯリン
グ１７がガス出口孔９の酸素等供給通路５側よりの端縁
１９に接する位置まで進入可能であることが必要である
。

尚、図示の実施例においては、断面円形のＯリングが使
用されているが、これに限らず弁部室１の内周面に線接
触し得る環状部材であれば適宜選択し得る。

また、ネジ部１１．１１’よりのＯリング１７′は、弁
部室１の長手方向ネジ部１１．１１’側からの弁部室１
外への漏洩を阻止するための密封手段を構成している。

尚、２１は弁部３の外周面に螺着した袋ナツトであり、
スピンドル１３は該袋ナツト２１により抜止め状態にて
支持されており、スピンドル１３の弁部３からの突出端
にはスピンドル１３を回転させるための摘み２３が付設
されている。

以上の構成に基づき以下にその作用を説明すると、湿潤
器ｄを使用する場合には、壁ａ等に装置されているアウ
トレットボックスｂのバルブＣに湿潤器ｄに内装された
調節バルブｆの接続部７を装着した後、スピンドル１３
に付設された摘み２３を適宜回転させてスピンドル１３
を第３図示の位置から袋ナツト２１方向、即ち図面にお
いて右方向へ後退させる。

このときＯリング１７はスピンドル１３の外周面円周方
向に摺動自在であるから、スピンドル１３の回転から独
立しており、またスピンドル１３の外周面長手方向に摺
動自在であるから、酸素等供給通路５から弁部室１内に
流入する酸素等の圧力Ｐを第４図の如く、図面において
左側面に受けて環状溝１５のネジ部１１側の側面、即ち
図面において溝１５の右側面に押し付けられているため
スピンドル１３の後退に伴なって後退する。

そして、Ｏリング１７がガス出口孔９に達し、弁部室１
の内周面との接触が解除されると、弁部室１内の酸素等
はガス出口孔９から流出し始める。

これをより詳細に述べると、Ｏリング１７がガス出口孔
９の酸素等供給通路５側端縁１９に線接触している場合
が、閉弁状態の限界状態であって、この位置から更に右
動すると開弁状態になる。

そして右動につれて酸素等の流出量が増加し、Ｏリング
１７がガス出口孔９のネジ部１１側端縁２５に達したと
ころでほぼ全開状態となる（第５図参照）。

この位置から更にＯリング１７が右動すると、Ｏリング
１７とガス出口孔９のネジ部１１側端縁との接触が解除
され、酸素等の一部は、Ｏリング１７とガス出口孔９の
ネジ部１１側端縁２５との間隙から弁部室１の長手方向
へ漏洩するが、これはもう一方のＯノング１７′によっ
て阻止せられる。

次に第５図の開弁状態から摘み２３を前述とは逆方向に
回転させると、スピンドル１３は弁部室１内を酸素等供
給通路５側へ進入前進する。

このときＯリング１７は相変らず酸素等の圧力Ｐを第４
図の如く受けて環状溝１５の右側面に押し付けられてい
るため、Ｏリング１７は環状溝１５の右側面によって左
方向に押されスピンドル１３と共に左動する。

そしてＯリング１７がガス出口孔９の端縁１９に接近す
るに連れて酸素等のガス出口孔９からの流出量は減少し
、ガス出口孔９の端縁１９に達したところで酸素の流出
は停止し、閉弁状態となる。

第６図には、この位置からさらに左動した場合の閉弁状
態が示されている。

尚、ガス出口孔９から流出した酸素等は水収容容器ｅで
加湿された後、カテーテル２７を介して患者に供給され
る。

尚、ガス出口孔９の孔径は１ｍｍφ以下でも毎分２０〜
３０ｌの酸素量が通過可能であり、孔径が小さくなる
程Ｏリング１７の損傷度合も減少し、■ｍｍφ以下では
殆ど損傷しないため、ガス出口孔９の孔径は可能な限り
小さい方が好ましい。

以上説明した通り本考案によれば病室内の壁等に装着さ
れるアウトレットボックスのバルブと着脱自在であり、
該バルブを通じて供給される酸素等のガスが、その量を
制御する調節ノ〈ルブを介して水収容容器内の水中で放
出かつ加湿される医療ガス湿潤器において、上記調節バ
ルブは内部長手方向に弁部室を備えた弁部と、該弁部の
弁部室内に収納されるスピンドルとからなり、上記弁部
には弁部室の一端内周にネジ部が形成されているととも
にその他端には弁部室とアウトレットバルブとを連通ず
るための供給通路が穿設されており、さらに該弁部の長
手方向中間には弁部室を開通して水収容容器と連通ずる
ためのガス出口孔が穿設されており、スピンドルの基端
外周には上記弁部室のネジ部と螺合するためのネジ部が
形成されているとともにスピンドルの先端外周には環状
溝が凹入形成されて該環状溝内には硬質の環状部材が移
動自在に嵌めこまれており、環状部材は弁部室の内周面
と接触する外径および環状溝の溝底面と接触する内径を
有しており、環状溝の溝幅はその溝内に嵌めこまれた環
状部材との間に隙間が生じる大きさとなっており、スピ
ンドルはこれの環状溝と弁部のガス出口孔とが離合自在
なるよう、しかも閉弁時には該環状溝がガス出口孔より
も奥部に位置するよう、弁部室内に挿入されているとと
もに当該スピンドルのネジ部と弁部室のネジ部とが互い
に螺合され、さらにスピンドル外周面と弁部室内周面と
の間にはこれら両面に密接する環状のシール部材が介在
されており、該シール部材は弁部室のネジ部とガス出口
孔との間に位置していることを特徴としている。

したがって本考案の場合、従来のニードル弁構造のよう
な脆弱部分はなくなり、弁を強く締めすぎることによる
構造破壊の問題がないのはもちろん、ガス出口孔、環状
部材、環状溝の三者による巧みな相対構成により、ニー
ドル弁と同様の微小流量調節が可能であす、シかも環状
溝内の環状部材は移動自在であるものの該溝内のガス圧
を受けて常に所定の溝角に落ちつき、開弁、閉弁等の安
定性を確保する。

また、環状部材は既製のＯＩＪングでよく、環状溝もこ
れを受は入れるだけの溝でよいから、微妙なコントロー
ルが要求される弁構造が簡潔化され、調節バルブのコス
トがかなり低減できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は湿潤器の使用状態を示した縦断側面図、第２図
は湿潤器における従来のバルブを示した縦断面図、第３
図は本考案に係る湿潤器のバルブを示した縦断側面図、
第４〜第６図は同バルブの作用を示す簡略説明図である
。ａ・・・・・・壁、ｂ・・・・・・アウトレットボック
ス、Ｃ・・・・・・バルブ、ｄ・・・・・・湿潤器、ｅ
・・・・・・水収容容器、ｆ・・・・・・調節バルブ、
１・・・・・・弁部室、３・・・・・・弁部、５・・・
・・・供給通路、９・・・・・・ガス出口孔、１１・・
・・・・弁部室のネジ部、１１′・・・・・・スピンド
ルのネジ部、１３・・・・・・スピンドル、１５・・・
・・・環状溝、１７・・・・・・Ｏリング（環状部材）
、１７′・・・・・・Ｏリング（シール部材）。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

病室内の壁等に装着されるアウトレットボックスのバル
ブと着脱自在であり、該バルブを通じて供給される酸素
等のガスが、その量を制御する調節バルブを介して水収
容容器内の水中で放出がっ加湿される医療ガス湿潤器に
おいて、上記調節バルブは内部長手方向に弁部室を備え
た弁部と、該弁部の弁部室内に収納されるスピンドルと
がらなり、上記弁部には弁部室の一端内周にネジ部が形
成されているとともにその他端には弁部室とアウトレッ
トバルブとを連通ずるための供給通路が穿設されており
、さらに該弁部の長手方向中間には弁部室を開通して水
収容容器と連通ずるためのガス出口孔が穿設されており
、スピンドルの基端外周には上記弁部室のネジ部と螺合
するためのネジ部が形成されているとともにスピンＦ゛
゛ルの先端外周には環状溝が凹入形成されて該環状溝内
には硬質の環状部材が移動自在に嵌めこまれており、環
状部材は弁部室の内周面と接触する外径および環状溝の
溝底面と接触する内径を有しており、環状溝の溝幅はそ
の溝内に嵌めこまれた環状部材との間に隙間が生しる大
きさとなっており、スピンドルはこれの環状溝と弁部の
ガス出口孔とが離合自在なるよう、しかも閉弁時には該
環状溝がガス出口孔よりも奥部に位置するよう、弁部室
内に挿入されているとともに当該スピンドルのネジ部と
弁部室のネジ部とが互いに螺合され、さらにスピンドル
外周面と弁部室内周面との間にはこれら両面に密接する
環状のシール部材が介在されており、該シール部材は弁
部室のネジ部とガス出口孔との間に位置している医療ガ
ス湿潤器。