JPS5826318B2 - L−セリンの製造法 - Google Patents

L−セリンの製造法

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JPS5826318B2
JPS5826318B2 JP4635476A JP4635476A JPS5826318B2 JP S5826318 B2 JPS5826318 B2 JP S5826318B2 JP 4635476 A JP4635476 A JP 4635476A JP 4635476 A JP4635476 A JP 4635476A JP S5826318 B2 JPS5826318 B2 JP S5826318B2
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JP
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serine
ethanol
acid
negative
culture
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英明 湯川
淑郎 桝田
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は醗酵法によるL−セリンの製造法に関する。
L−セリンは医薬品等として重要なアミノ酸の一つであ
り、N−メチルセリン製造の中間体としても有用な物質
である。
従来、微生物を利用したL−セリンの製造法としては、
DL−グリセリン酸から得る方法(特公昭42−177
28)、DL−セリンよりL−セリンを得る方法(特公
昭44−14788)、グリシンからL−セリンを得る
方法(特公昭44−1114、特公昭46−32793
、特公昭47−38994 )ブレビバクテリウム属ま
たはコリネバクテリウム属に属する炭化水素資化性菌を
用いて、炭化水素よりL−セリンを蓄積せしめる方法(
特公昭46−29191)が知られている。
また、エタノールを炭素源とする方法では、ブレビバク
テリウム属、コリネバクテリウム属等に属するエタノー
ル資化性菌を用いる方法(特開昭48−87083、特
公昭47−29)が知られている。
しかしながら、本発明に使用されるアルカリ土類金属、
セラチア属またはアシネトバクタ−属に属するエタノー
ル資化性菌を用い、グリシンの共存下エタノールを主炭
素源としてL−セリンを生成蓄積させる方法は未だ報告
されていない。
醗酵工業においては、炭素源が重要な要因となっており
、低価格、醗酵管理の容易さ等が要求され、従来上とし
て利用されてきた炭水化物は天然物のため、今後、価格
的に不安定度が増し、かつ量的にも将来確保が困難とな
る場合も予測されている。
このため近年諸種の原料を求めて研究が行なわれ、醗酵
原料として種々の石油化学製品の実用化が考えられるよ
うになった。
エタノールは一般的には、その生育阻害性の印象が強く
、あまり醗酵原料として注目されていなかったが、最近
になりエタノールを強力に資化する菌種探索が行なわれ
、従来法に匹敵するL−グルタミン酸生産菌の報告がさ
れる等、有力な炭素源として、考えられるようになった
( Am1no Ac1d and Nucleic
acid、Vol 19.73〜83頁1969年)
本発明者等も、エタノールを醗酵原料とし、有用な代謝
生産物の生産を目的とし探索を実施したところ、アルカ
リ土類金属、セラチア属またはアシネトバクタ−属に属
するエタノール資化性微生物がエタノールを主炭素源と
し、グリシンを添加した培地にて著量のL−セリンを生
成蓄積することを発見しここに発明を完成した。
本発明の目的に使用する微生物は自然界から得られる野
生株であっても、またそれらより公知の手法にて誘導さ
れる変異株であってもさしつかえない。
次に代表的菌株として0 アルカリゲネスエタノフィラ
スMAY−109(微工研菌寄第3520号) 0 セラチアマルセツセンスバラエテテイ−MAY−1
10(微工研菌寄第3521号) 0 アシネトバクタ−カルコアセティカスMAY−11
1(微工研菌寄第3522号) の三株のそれぞれの菌学的性質を示す。
(1)アルカリゲネスエタノフィラスMAY−109の
菌学的性質 ■ 形態的性質 0.8〜1.OXl、O〜2.0μの短桿菌。
周毛が認められ運動性有。
無胞子。ダラム陰性。非抗酸性。
■ 培養的性質 1、肉汁寒天培地 コロニー表面は扁平もしくは、やや隆起。
コロニー周縁は、波状。
26 肉汁寒天斜面培地 糸状もしくは、弱圧状。
色調は、濁乳白色。
3、肉汁培地 皮膜を形成する。
液は濁り有。4、肉汁寒天穿刺 表面によく生育。
内部生育は糸状。■ 生育条件 1、生育温度:適温27〜35℃、範囲10〜39°C 2、生育pH: 最適pH5〜8、範囲pH4〜10
3、酸素要求性:好気性 4、アンモニウム塩の利用性:有 5、尿素の利用性:微弱に有 6、硝酸塩の利用性:無 ■ 生理学的性質、その他 1、ゼラチンを液化する 2、 リドマスミルク変化有 3、硝酸塩の還元性:陽性 4、インドールの生成:陰性 5、硫化水素の生成:陰性 6、でん粉の加水分解:陰性 7、フォーゲルプロスカラエル反応:陰性8、メチルレ
ッド反応:陰性 9、カタラーゼの生成:陽性 10、ウレアーゼの生成:微弱 11、炭水化物の醗酵性 キシロース、グルコース、マンノース、 ガラクトース、フラクトース、マルトース、サッカロー
ス、セロビオース、トレハロース、デンプン、イノジッ
ト、マンニット、ソルビット、グリセリン、エスクリン
、ザリシンから酸を生成するが、ガスの発生はない。
アラビノース、ラクトース、メレビオース、ラフィノー
スからは酸の生成もガスの発生もみられない。
12、ビタミンの要求性:無 13、酢酸の資化性二弱 14、クコン酸の利用性:無 15、脱窒素反応:陽性 以上の如く本菌は、ダラム陰性の桿菌で、胞子形成は認
められず周毛によりよく運動する。
コロニーの色調は、乳白色でエタノール、酢酸を資化す
るが、デンプンは資化しない。
リドマスミルクをペプトン化する特徴を有する。
従って、本菌はアルカリ土類金属に属する事は明白であ
るが、バージ−マニュアルの第8版に記載されている4
種との比較においてアルカリゲネス、アクアマリナス(
Alcal igenessapuamar 1nus
)とは、デンプンの資化性が無いことで異なり、アル
カリゲネス・オイトロハス(Alcal igenes
eutrophus)とは、エタノールの資化性を有
する事で異なる。
また、アルカリゲネス・バラドクサス(Alcal i
ge−nes paradoxus)とは、コロニーが
乳白色である点で異なる。
アルカリゲネス・フェカリス(Alcal igene
s faecal is )とは、リドマスミルクがペ
プトン化する事で異なる。
従って、本菌はどの種にも属さないのでアルカリ土類金
属の新種と考えられ、アルカリゲネス・エタノフィラス
MA Y−109(Alcal igenesetha
nophilus )と命名した。
(2> セラチアマルセルセシスバラエティーMAY
−110の菌学的性質 ■ 形態的性質 0.8〜1.2X1.0〜2.0μの短桿菌。
周毛を有し、運動性有。
無胞子。ダラム陰性。非抗酸性。
■ 培養的性質 1.肉汁寒天培地 コロニー表面は、円錐状、色調ピンク、 コロニー周縁は波状。
2、肉汁寒天斜面培地 糸状もしくは弱症状。
3、肉汁培地 皮膜形成有。
液に濁り有。4、肉汁寒天穿刺 表面によく生育。
内部生育は糸状。■ 生育条件 1、生育温度:適温27〜35℃、範囲12〜38°C 2、生育pH:最適pH5〜8、範囲pH5〜103、
酸素要求性:好気的 4、アンモニウム塩の利用性:有 5、尿素の利用性:無 6、硝酸塩の利用性:無 7、耐塩性:肉汁培地試験 3%にて良好な生育。
■ 生理学的性質、その他 1、ゼラチンを液化せず 2、 リドマスミルク変化無 3、硝酸塩の還元性二弱 4、インドールの生成:無 5、硫化水素の生成:無 6、でん粉の加水分解:無 7、 フォーゲル・プロスカラエル反応:陰性8、メチ
ルレッド反応:陰性 9、カタラーゼの生成:陽性 10、ウレアーゼの生成:陰性 11、炭水化物の醗酵性 アラビノース、キシロース、グリコース、マンノース、
ガラクトース、フラクトース、マルトース、サッカロー
ス、ラクトース、メレビオース、セロビオース、トレハ
ロース、ラフィノース、デンプン、イノジット、マンニ
ット、ソルビット、グリセリン、エスクリン、ザリシン
から酸の生成及びガスの発生は、いずれもみられない。
12、ビタミンの要求性:無 13、クコン酸の利用性:無 14、脱窒素反応:陽性 本菌は、ダラム陰性の桿菌で胞子形成は認められず、周
毛により運動性を有する。
また本菌はピンク色のコロニーを形成する特徴を有する
従って本菌は、セラチア属に属することは、明白である
が、各種糖質からの酸の生成が認めラレない事より、セ
ラチアマルセツセンス(5erratia marce
scens)のバラエティート判断し、セラチア・マル
セツセンスバラエティーMAY−110と命名した。
(3)アシネトバクタ−カルコアセティカスMAY11
1の菌学的性質 ■ 形態的性質 1.0〜1.2X1.5〜2.0μの短桿菌、運動性無
、無胞子、ダラム陰性、非抗酸性。
■ 培養的性質 1、肉汁寒天培地 コロニー表面は、台状隆起。
色調淡黄白色。
2、肉汁寒天斜面培地 糸状もしくは弱症状。
3、肉汁培地 皮膜形成布 4、肉汁寒天穿刺 表面によく生育。
内部は糸状。■ 生育条件 1、生育温度:適温27〜35°C1範囲11〜37℃ 2、生育pH:最適pH7〜8、範囲pH6〜103、
酸素要求性:好気的 4、アンモニウム塩の利用性:有 5、尿素の利用性:無 6、硝酸塩の利用性:無 7、耐塩性:肉汁培地試験 3%にて良好な生育 ■ 生理学的性質、その他 1、ゼラチンを液化せず 2、 リドマスミルク変化無 3、硝酸塩の還元性:無 4、インドールの生成:無 5、硫化水素の生成:無 6、でん粉の加水分解:無 7、 フォーゲルプロスカラエル反応:陰性8、メチル
レッド反応:陰性 9、カタナーゼの生成:陽性 10、ウレアーゼの生成:陰性 11、炭水化物の醗酵性 アラビノース、キシロース、グルコース、マンノース、
カラクトース、フラクトース、マルトース、サッカロー
ス、ラクトース、メレビオース、セロビオース、トレハ
ロース、ラフィノース、デンプン、イノジット、マンニ
ット、ソルビット、グリセリン、エスクリン、ザリシン
からの酸の生成及びガスの発生は、いずれもみられない
12、ビタミンの要求性:無 13、クコン酸の利用性:微弱 14、脱窒素反応:陰性 15、酢酸の利用性:弱 本菌は、ダラム陰性の胞子形成能及び運動性のない桿菌
であって、糖質からの酸の生成及びガスの発生は認めら
れないが、酢酸を資化する特徴を有する。
従って、本菌は、アシネトバクタ−属に属し、アシネト
バクタ−・カルコアセティカス(Ac1netobac
ter calcoaceti−CUS)とよく一致し
たので、アシネトバククーカルコアセティカスMAY−
111と命名した。
本発明の実施に際し、培養に使用する培地組成は、エタ
ノールを主炭素源とし、グリシンを含有するものであれ
ば、窒素源無機塩は、特に限定されない。
窒素源としては、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化
アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素等を単独もしく
は、混合して用いることが出来る。
無機塩としては、リン酸−水素カリ、リン酸二水素カリ
、硫酸マグネシウム等が用いられる。
この他に菌の生育及びL−セリン生成に必要であればペ
フトン、肉エキス、酵母エキス、コーンステイブリカー
、カザミノ酸、各種ビタミン類等の栄養素を培地に添加
することができる。
培養は、通気攪拌、振盪等の好気的条件下で行ない、培
養温度は25°C〜35°Cが適当である。
培養中のpHは、5〜9が好ましく、出来るならば、中
性付近にて行なうの、がよい。
培養液中のpHの調整には酸、アルカリを常法通り添加
して行なう。
グリシンの添加濃度は0.5〜5W/v%好ましくは1
〜3W/v%である。
培養開始時のエタノールの濃度は、1〜3V/V%が適
当である。
培養期間は、2〜8日間を要する。
培養液からのL −セリンの回収方法は、培養液より遠
心分離等により、菌体を除いた後、公知の手法すなわち
イオン交換樹脂処理法、沈澱法等により、容易に培養液
中よりL−セリンを回収することが出来る。
得られたL−セリンの確認及び定量は、ペーパークロマ
トグラフィーによるニンヒドリン発色法、さらに、ロイ
コノストックメセンテロイデスATCC8042による
バイオアッセイによった。
以下本発明の実施例について説明するが、本実施例は、
単なる一例示であって、何等本発明を制限するものでは
ない。
なお実施例中のL−セリンの蓄積量は、培地中のL−セ
リン含量を差し引いた値である。
実施例−1 尿素2.0g、硫安7.0 g、KH2PO,0,5g
、K2HPO40,5g、MgSO4・7H200,5
g、酵母エキス1.0g、カザミノ酸1.0g、FeC
l3・6H202■、MnSO44〜6H2021n9
、NaC112m9、CaCl2・2H202■、ビオ
チン4μg、チアミン100μg水道水11を成分とす
る前培養用醗酵培地10rfLlを24〆試験管に分注
し、120℃、10分間殺菌する。
L−セリン生産菌アルカリゲネスエタノフィラスMAY
−109のブイヨン寒天上の生育菌体をこれに接種し、
エタノール0.2−を無菌的に添加し、30℃にて2日
間振盪培養を行なう。
次に尿素2.0g、硫安7.0.9. KH2P0゜0
.5g、K2HPO40,5g、MgSO4・7H20
0,5g、酵母エキス5.0g、カザミノ酸2.0g、
FeCl3・6H202Tn9、Mn S 044〜6
H202Tn9、NaC12Tn9、CaC112・
2H202771&、 ビオチン4μg、チアミンio
oμg、グリシン2(Bi’、水道水11を成分とする
本培養用醗酵培地50m1を500−容三角フラスコに
分注し、120℃、10分間殺菌する。
次に前記前培養醗酵液10TLlを無菌的に接種し、同
時にエタノール1.011Llを無菌的に加え、30℃
にて振盪培養を行なう。
エタノールは、消費にともない培養3日目、5日目にそ
れぞれ1.0ml無菌的に加え、培養を継続すると、培
養7日目に培養液中にL−セリンが120 ml//1
生成蓄積された。
醗酵終了液11から、遠心分離により菌体を除き、上澄
液を塩酸にてpH4にし、強酸性イオン交換樹脂ダウエ
ックス50(H+タイプ)に貫流し、L−セリンを吸着
させた。
次によく樹脂を水洗後、1.5Nアンモニア水で溶出し
、溶出液を減圧濃縮し、濃縮液に、冷アルコールを加え
、沈澱を分別、乾燥してL−セリンの粗結晶70rnI
lを得た。
実施例−2 実施例−1と同様の方法にてセラチアマルセツセンスバ
ラエティーMAY−110を培養したところ80■/l
のL−セリンが生成蓄積された。
実施例−3 実施例−1と同様の方法にてアシネトバクタ−カルコア
セティカスMAY−111を培養したところ90■/l
のL−セリンが生成蓄積された。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 アルカリ土類金属、セラチア属またはアシネトバク
    タ−属に属し、エタノールを資化し且つグリシンよりL
    −セリンを生成する能力を有する微生物を、エタノール
    を主炭素源としグリシンを含有する液体培地中に培養し
    て培地中にL−セリンを生成蓄積せしめ、これを採取す
    ることを特徴とするL−セリフの製造法。
JP4635476A 1976-04-23 1976-04-23 L−セリンの製造法 Expired JPS5826318B2 (ja)

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JP4635476A JPS5826318B2 (ja) 1976-04-23 1976-04-23 L−セリンの製造法

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JP4635476A JPS5826318B2 (ja) 1976-04-23 1976-04-23 L−セリンの製造法

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