JPS5825532B2 - 剪断ビレットの据込方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、剪断ビレットの据込方法、特に鍛造加工に
おける剪断ビレットの据込工程に関するものである。

一般に鍛造加工に用いられるビレットは第１図に示すよ
うに剪断機で棒材を剪断して造られる場合が多い。

そして、この剪断機で切断された剪断ビレットは、剪断
時に移動カッタ内で曲げられるため、端面の直角度が悪
くなる。

従って、この直角度の悪い剪断ビレットをそのま５ダイ
セツトに据込むとその据込品も直角度及び真円度が悪く
、最終製品の精度を悪化させる大きな原因の１つとなっ
ていた。

この発明は、上記従来の欠点を解決するもので、以下こ
の発明の構成を第１図乃至第７図で説明すると次の通り
である。

第１図乃至第２図により、この発明を述べるに先立って
、鍛造加工用の剪断ビレットの実態を説明する。

即ち、棒材の剪断と剪断面の形態は、次の如くになる。

図面において、移動カッタ１の下降により剪断が開始さ
れる。

剪断荷重の増加と共に移動カッタ１内の部材４はθ角曲
げられ、移動カッタ１により剪断面ａと固定カッタ２に
より剪断面すが形成される。

尚固定カッタ２内の部材５の傾きは小さい。

更に、加工が進行すると、刃部Ｘと刃部Ｙを結ぶ破断が
生じ、剪断が終了する。

図面に於いて、３はストッパである。

尚、剪断面ａと破断面からなる面（ＡＢＢ’Ｃ）をスト
ッパ側端面、剪断面すと破断面からなる面（ＤＥＥ’Ｆ
）をカッタ側端面と呼ぶ。

そして、この剪断ビレットの形態をモデル的に描くと第
２図のようになり、第２図イがストッパ側端面であり、
第２図ハがカッタ側端面である。

次に、剪断ビレットの端面直角度と据込品直角度の関係
は次の如くになる。

以下２つの場合に分けて説明する。

（イ）カッタ側端面を下にした場合、 小さなカッタークリアランスＳで剪断したビレットをカ
ッタ側端面を下にして水平面に立てた状態を第３図イに
それを据込んだ状態を第３図口に示す。

カッタクリアランスＳが小さいと第２図口での段差ｔ′
がなくなり、ＤＢＥ’Ｆはほぼ一平面になる。

この時の面ＤＢＥ’Ｆは、棒材が移動カッタ内でつぶさ
れθ傾いた状態で剪断されるため剪断ビレット全体につ
いてθ傾いている。

この様な状態で据込を行うと、その据込品の直角度も悪
い。

適当に大きなカッタークリアランスＳで剪断したビレッ
トをカッタ側端面を下にして水平面に立てた状態を第４
図イに、それを据込んだ状態を第４図口に示す。

カッタクリアランスＳが太きいと段差ｔ′が大きくなり
水平面に立てた場合、剪断面の端ＥＥ’とＤかＦによっ
て立つ面が決まる。

ところが金納断面の端であるＥＥ′は必ず図の中心より
Ｆ側にに出来るため、重心の関係から面ＤＥＥ′によっ
て立つ。

従って、カッタクリアランスＳを適当な大きさにえらべ
は、面Ｄ Ｅ Ｅ’は剪断ビレット全体に対して、はぼ
直角となる。

この様な状態で据込を行うと、その据込品の直角度も良
い。

（ロ）ストッパー側端面を下にした場合、小さなカッタ
クリアランスＳで剪断したビレットをストッパー側端面
を下にして、水平面に立てた状態を第５図イ、それを据
込んだ状態を第５図口に示す。

カッタクリアランスＳが小さいと、第２図口での段差ｔ
がなくなりＡＢＢ’Ｃはほぼ一平面になる。

この時の面ＡＢＢ’Ｃは棒材が固定カッタ内では、はと
んど傾かないため、剪断ビレット全体に対してほぼ直角
となる。

この様な状態で据込を行うとその据込品の直角度も良い
。

大きなカッタクリアランスＳで剪断したビレットをスト
ッパー側端面を下にして、水平面に自然に立てた状態を
第６図イに面ＡＢＢ’で立つ様に支えて立てた状態を第
６図口に示す。

カッタークリアランスＳが大きくなるに伴い、段差ｔが
大きくなり、前述のイと同じ理由で、面ＢＢ’Ｃで立つ
様になり、直角度は悪化する。

しかしながら、固定カッタ内の棒材にほぼ直交する刃Ｘ
によって形成される剪断面ＡＢＢ’はカッタークリアラ
ンスＳに影響されず、はぼ直角を保つので面Ａ Ｂ Ｂ
’で立つようにしてから据込めば直角度の良好な据込品
がえられる。

、以上述べたことから剪断ビレットからカッタ側端面が
下になるかストッパ側端面が下になるかにかかわらず、
直角度の良好な据込品をえるには、第４図イと第６図口
を組合せるのが最良である。

それには、まずカッター側端面が下になった時、直角に
立つようなカッタクリアランスＳをえらび、ストッパー
側端面が下になった時には面ＡＢＢ’で立つようにして
から据込を行えばよい。

この様ななカッタクリアランスで切られたビレットをス
トパー側端面を下にして立て、ポンチが下降して上端に
接触する時点での状態を第７図に示す。

ポンチ６はまずＤ点に接触し、力Ｐでビレットを押しつ
ぶそうとするが、ＢＢ’を中心に左回りのモーメントｐ
ｌを生じ、ビレットをＡＢＢ’面で立たせようとする。

しかしながら、この立ち直りには点りはδだけポンチ面
をすべる必要がある。

したがって、工具とビレット間の摩擦が小さい場合には
、鍛造開始時にビレット端面が工具面をすべり立ち直り
が生ずるが、摩擦が大きい場合には、ビレットは工具に
拘束され、直角度の悪い状態のまま据込まれる。

以上において、工具ビレットの間の摩擦の大きな場合に
は、第８図に示す様にポンチ８を摩擦が小さい受圧板１
４との面間で水平方向にすべらせることによって、立ち
直りを生じさせながら据込むことができる。

これにより、剪断ビレットをカッタ側端面で立てて据込
んでもストッパ側端面で立てて据込んでも直角度のよい
据込品がえられる。

プレススライド１３に取付けられたポンチガイド９にポ
ンチ８がガイドされている。

プレススライド１３が下降するにしたがいポンチ８は剪
断ビレット４の点りに当り、受圧板１３との面ですべり
、剪断ビレット４をＡ Ｂ Ｂ’で立つような立ち直り
を生じさせながら据込む。

据込後、ポンチ８が据込品と離れるとピン１０、バネ１
１、ビンガイド１２が働いて、ポンチ８を元の中心位置
へ戻す。

ポンチの移動方向は水平面内で任意の方向に動きうる。

尚、同様な機構をダイスに施しても同じ効果かえられる
。

従来の据込に供されるせん断ビレットとこの発明の方法
に供されるせん断ビレットの直角度を比較するために、
カッタクリアランスと剪断ビレットの直角度の関係を第
９図に示す。

図の直角度ａは剪断ビレットの外周と水平面のなす最小
の角度をいう。

図から従来の据込ではカッタクリアランスＳ１の範囲に
ある直角度のビレットを据込むがこの方法によればカッ
タクリアランスＳ２の範囲にあるより良好な直角度でビ
レットを据込むことができる。

以上説明したように、この発明はポンチ及びダイスで剪
断ビレットを挟圧して据込む方法に於いて、据込み時に
ビレット剪断面状態に応じて、受圧板に対して据込方法
と直交する平面内で摺動自在に支持され、かつ、据込み
後バネ等により、前記ガイド部材に対して、元の据込位
置に復帰するポンチ或いはダイスを使用して剪断ビレッ
トの据込みを行うようになしたから、慣用の棒材剪断に
よって得られる端面直角塵の悪い剪断ビレットに対して
、上記摺動可能なポンチ或いはダイスが、据込開始初期
に剪断ビレットをその中心軸が据込方向と平行となるよ
うに自動的に修正させて据込みを行わせることができ、
従って、端面直角塵の悪い剪断ビレットをそのままダイ
ス上に供給直立させておくだけで、この剪断ビレットか
ら直角度の良好な据込品を極めて簡単容易且つ確実に得
ることができる。

更に、上記方法の実施装置は、その構造が簡単であり、
製作が容易で安価に実施できるものである。

【図面の簡単な説明】 第１図は棒材の慣用剪断状態を示す図面である。 第２図は剪断ビレットのモデル的形態を示す図面である
。 第３図イはカッタクリアランスが小さい場合の剪断ビレ
ットをカッタ側端面で立てた図面口はそれを据込んだ状
態を示す図面、第４図イはカッタクリアランスが大きい
場合の剪断ビレットをカッタ側端面で立てた図面口はそ
れを据込んだ状態を示す図面、第５図イはカッタクリア
ランスが小さい場合の剪断ビレットをストッパ側端面で
立てた図面、口はそれを据込んだ状態を示す図面、第６
図イはカッタクリアランスが大きい場合の剪断ビレット
をストッパ側端面で自然に立てた図面口は、面Ａ Ｂ
Ｂ’で立つように支えた図面、第７図は第６図イの状態
にポンチが接触しはじめた状態を示す図面。 第８図はこの発明の実施例を示すもので、据込方向と直
角方向にすべり且つ除荷後は元の位置に復帰する機構を
設けたポンチを有する据込ダイセットを示す図面である
。 第９図はカッタクリアランスと剪断ビレットの直角度を
示す図面である。 １・・・・・・移動カッタ、２・・・・・・固定カッタ
、３・・・・・・ストッパ、４・・・・・・剪断ビレッ
ト、５・・・・・・棒材、６・・・・・・ポンチ、１・
・・・・・ダイス、８・・・・・・ポンチ、９・・・・
・・ポンチガイド、１０・・・・・・ピン、１１・・・
・・・バネ、１２・・・・・・ビンガイド、１３・・・
・・・プレススライド、１４・・・・・・受圧板、面Ａ
ＢＢ’Ｃ・・・・・・ストッパ側端面、面ＤＥＥ’Ｆ・
・・・・・移動カッタ側端面、Ｓ・・・・・・カッタク
リアランス。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ポンチ及びダイスで剪断ビレットを挟圧して据込む
   方法に於いて、据込み時にビレット剪断面状態に応じて
   、受圧板に対して据込方向と直交する平面内で摺動自在
   に支持され、かつ、据込み後バネ等により、前記ガイド
   部材に対して、元の据、。 込位置に復帰するポンチ或いはダイスを使用して剪断ビ
   レットの据込みを行うことを特徴とする剪断ビレットの
   据込方法。