JPS5825342Y2 - 超音波探傷装置の探触子ホルダ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は超音波探傷装置の探触子を保持する探触子ホル
ダに関する。

超音波探傷装置は、超音波探傷装置本体から探触子に送
信された電気信号により探触子中の振動板から超音波を
発せしめ、これを被検物に入射し、被検物中の欠陥等か
ら得られる反射波を探触子で受波して電気信号に変換し
、超音波探傷装置本体に返信して、返信された電気信号
をＣＲＴ表示する等して解析することにより前記欠陥の
存否判定を行うものである。

而して探触子はその探触面を被検物に直接接触させるか
又は接触面と被検物との間に油等の接触媒質を介在させ
るようにして被検物に対する超音波の送受を行うのであ
るが、探傷走査を行う場合には探触子と被検物とを相対
的に移動させる必要があり、この場合には、前者は探触
面の摩耗、損傷、！５Ｓ不可避であり、筐た一定の接触
圧が得られず、特に高速の探傷走査には不適当である。

一方、後者によるときは、高精度の探傷を行うために探
触面と被検物との間の離隔寸法、すなわち接触媒質の液
層厚を一定に制御する必要がある。

このために従来から種々の探触子ホルダが提案されてい
るが、被検物が鋼管であって、この鋼管が定置されてお
り、探触子を該鋼管の周面に沿って高速で回転移動させ
るが如き探傷走査の用途に安定した性能を発揮し得るも
のは存在しなかった。

本考案は斯かる事情に鑑みてなされたものであって、探
触面と被検物との離隔寸法を被検物に接触して回転する
転動体によって規制する構造とすることにより、上述の
用途は勿論、種々の用途に供し得て、常に高精度の探傷
を行うことを可能とした探触子ホルダを提供することを
目的とし、以下に本考案をその実施例を示す図面に基い
て詳述する。

第１図は本考案に係る超音波探傷装置用の探触子ホルダ
（以下本案品という）の一部破砕正面図、第２図はその
右側面図である。

図において１は角筒状のケーシングであって、角穴形状
の内部空間の上部は蓋部１ａをビス止めして閉塞され、
該内部空間の下部は開口している。

ケーシング１の内部空間内には底板のない筐状のスペー
サ２を介在させて探触子３を収納している。

探触子３はその上面に固着した螺子杆３ａをスペーサ２
の上板及び蓋部１ａに開設したバカ穴から貫通突出させ
、ナツト４を螺合させることによってケーシング１に取
付けられており、探触子３の探触面３ｂをケーシング１
の内部空間の下部開口に臨捷せている。

そしてナツト４の回転により探触子３を上下動させて、
探触面３ｂがケーシング１の下面と略同レベルとなるよ
うに調整し得るようにしており、筐た蓋部１ａとスペー
サ２との間に螺子杆３ａを囲繞するコイルスプリング５
を介在させ、鋼管等の被検物Ａ上に突起物が存在してこ
れが探触面３ｂに当接した場合は探触子３が上方へ退避
し、当接解除により下方へ復帰するように付勢している
。

ケーシング１の正面中央部にはケーブル（図示せず）の
挿通孔１ｂが開設されており、この挿通孔１ｂには探触
子３のコネクタ３ｃを臨捷せている。

ケーブルの一端はこのコネクタ３ｃに接続され、他端は
本案品を取付けるべきホルダ取付部材６に設けたブラシ
（図示せず）に接続され、ホルダ取付部材６の移動を案
内するべく、第３図に示す如く鋼管等の被検物Ａの周囲
に配設されたガイド部材７に設けたスリップリング（図
示せず）に連なる超音波探傷装置本体８と探触子３との
信号の送受が行われるようにしている。

ケーシング１の右側面の中央下部には内部空間に接触媒
質９を外部から供給するための注液口１ｃが開設されて
おり、該注液口１ｃにはチューブコネクタ１０を嵌着し
ており、このチューブコネクタ１０には一端を図示しな
い接触媒質供給手段に連結した長寸のチューブ（図示せ
ず）の他端を連結している。

ケーシング１の左右側面下部における正背面寄りの部分
には計４個の角型突起１ｄを形成しており、左右側面下
部における２個の角型突起１ｄ。

１ｄ間には下面を曲面加工してなる直方体状のバネ取付
部材１１を跨設枢支している。

なお第２図に示すように右側のバネ取付部材１１の下面
中央部はチューブコネクタ１０又はチューブへの接触を
避けるために若干凹１せている。

ホルダ取付部材６に図示しないボルト等によって取付け
られ、ケーシング１を支承すべき支持部材１２は下駄状
をなし、その脚部１２ａ、１２ａ間の内側面間離隔寸法
はケーシング１の上部側面間寸法より若干大としている
。

この支持部材１２はケーシング１の上方を覆うように配
置され、脚部１２ａの下面に一端を、またバネ取付部材
１１の上面に他端を固着した計４枚の弓状の板バネ１３
を介してケーシング１を支承するようにしている。

なお板バネ１３は第２図に示すように正面側、背面側夫
々の板バネ１３が夫々正面方向及び背面方向に張出すよ
うに取付けられており、回り止めのために板バネ１３は
脚部１２ａに対して各２個の小ボルトにより固定されて
いる。

ケーシング１の正背面下端部には転動体取付縁部１ｅ、
Ｉｅが突設されており、該転動体取付縁部１ｅ、１ｅの
左右側端部を切欠き、計４１固のとの切欠部夫々に位置
させてボールベアリング等の転動体１４を枢支している
。

なお転動体１４の外周面はケーシング１の下面より下方
に位置し得るようにしている。

更にケーシング１の下面における内部空間の下部開口の
周縁には接触媒質９の内部空間からの漏出を防止するた
めの、フェルト等よりなる止液帯１５が貼着されており
、その厚さはケーシング１の下面と、転動体１４の外周
面の下端部とのレベル差より僅かに厚い。

叙上の如く構成された本案品は、例えば第３図に示すよ
うに鋼管を被検物Ａとする場合は、被検物Ａの周囲に被
検物Ａと同心的に配設されたガイド部材７に取付けられ
、手動により又はモータ等の駆動手段によりガイド部材
７に案内されて移動し得るようにしたホルダ取付部材６
に、本案品の正背面方向と被検物Ａの軸長方向とが一致
するようにして、支持部材１２を固定して取付ける。

ホルダ取付部材６には適宜の予圧付与手段が設けられて
おり、適当な予圧で本案品を被検物Ａに対して押圧する
ように調節され、これにより、４１固の転動体が被検物
Ａに当接し、且つ止液帯１５の下面が被検物Ａに密接す
る状態となる。

このようにして、超音波探傷装置本体８を動作させ、且
つ前記接触媒質供給手段から接触媒質を供給しつつ、本
案品をガイド部材７に従って例えば白抜矢符方向に移動
させると被検物Ａの周方向の探傷走査が可能となる。

而して本案品は以下の如き利点を有している。

１）探触子３の探触面３ｂと被検物Ａとの離隔寸法は転
動体１４の外周面と被検物Ａとの当接によって規制され
るので、探触子３が上向き又は横向きとなった場合にも
一定しており高精度の探傷が可能となる。

また上記離隔寸法はナツト４の回転により容易に変更調
節し得、探傷用途に応じた寸法設定が迅速に行える。

２）探触子３の探触面３ｂは被検物Ａに接触しないので
、探触面３ｂが摩耗しないことは勿論、被検物Ａの突起
が探触面３ｂに当接した場合にも探触子３が上方へ退避
し、過大な損傷を受けることがない。

３）ケーシング１は支持部材１２に板バネ１３を介して
取付けられているので、被検物Ａ上を転送する転動体１
４からの衝撃が吸収され支持部材１２を取付けたホルダ
取付部材に無理な力が加わらない。

そして上記実施例においては板バネ取付部材１１を角型
突起１ｄ、１ｄに枢支しているので板バネ１３はケーシ
ング１の上下動のみならず、左右方向への揺動も吸収し
得る。

４）被検物Ａに当接して回転する転動体１４を設けてい
るので被検物Ａの表面状態又は表面曲率に殆んど影響さ
れることなく円滑な移動が行え、その結果高速度で探傷
走査が行える。

なお本案品は鋼管に限らず鋼板等平板状の被検物の探傷
にも使用し得ることは勿論であり、また上述の実施例と
は逆に探触子及び本案品を定置して被検物を移動させて
探傷走査を行うように使用することも可能である。

更に上述の実施例においては弓状の板バネ１３を用いて
ケーシング１を支持部材１２に支承させることとしたが
、これに替えてコイルバネ等適宜の弾性体を使用し得、
また支持部材１２を特には設けることなく、板バネ１３
等の弾性体の上端を直接ホルダ取付部材６に固定する構
造としてもよいことは勿論である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであって、第１図は本
案品の一部破砕正面図、第２図は本案品の右側面図、第
３図は本案品の使用態様説明図である。 １・・・・・・ケーシング、１ｂ・・・・・・挿通孔、
１Ｃ・・・・・・注液口、２・・・・・・スペーサ、５
・・・・・・コイルスフリング、１１・・・・・・板バ
ネ取付部材、１２・・・・・・支持部材、１３・・・・
・・板バネ、１４・・・・・・転動体、１５・・・・・
・止液帯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 超音波探傷装置の探触子を保持する探触子ホルダにおい
   て、下部が開口した内部空間内に、上下動が可能であっ
   て、且つ探触面が下部開口に臨むように探触子を収納し
   得るようにしたケーシングを備え、該ケーシングの適宜
   部分には探触子及び超音波探傷装置本体間の接続のため
   のケーブルの挿通孔と、油等の接触媒質を前記内部空間
   内へ送給するための注液口とが設けられ、また該ケーシ
   ングの下部には被検物に接触して、被検物との相対的移
   動により回転可能とした転動体が取付けられ、更に該ケ
   ーシング下面における前記下部開口周縁には前記接触媒
   質の漏出を防止する止液帯を取付けてなり、該ケーシン
   グはホルダ取付部材に弾性体を介在させて支持させるよ
   うにしたことを特徴とする探触子ホルダ。