JPS582529Y2 - 鋼塊鋳造用鋳型 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 鋼塊を鋳造するに際し、第１図及び第２図に示すように
内面に凹凸条を有する鋳型を用いることによって、第３
図または第４図に示すように表面に凹凸条を有する鋼塊
を得ることが行われている。

第１図及び第２図において、１は鋳型、２はその上端厚
内部、３ばその下端厚内部、４はその内面の凸部、５は
その内面の凹部を示す。

また、第３図及び第４図において、６は鋳造された鋼塊
、７は鋳型凸部４の包路線、８は鋳型凹部５の包路線を
示す。

そして、第３図のように、鋳型凸部４及び鋳型凹部５の
曲率半径が共にｒであるものをコルゲートと称し、鋳型
凸部４の曲率半径Ｒが鋳型凹部５の曲率半径ｒよりも大
きなものをフルートと称する。

鋼塊は、コルゲートまたはフルートを設けることにより
、表面積が増大して外部との熱交換が促進される。

従って、鋳造時には速かに強固な凝固膜を成長させて割
れを防ぎ、加熱時には速やかな温度上昇と昇温の均一化
とが得られる。

このコルゲートまたはフルートは、波高を増大し或いは
ピッチを縮小すると上述の効果を増大させることができ
るが、反面に、鋳型に発生する熱応力が増すために鋳型
が端部から割れ易くなり、鋳型の使用できる回数が減る
ために鋼塊の製造原価を押上げる。

ちなみに、平均肉厚１００ｍｍの４を鋳型の場合、内面
全体が平坦なものは平均使用回数が８５回であったが、
内面にフルートを形成したものは、下表のように波高が
増大する程鋳型の使用できる回数が減る傾向が確認され
ている。

この考案は、コルゲート、フルート等の凹凸条を内面に
有する鋳型に卦げる使用中の端部からの割れを抑制し、
鋳型の使用回数を増大させることを目的とする。

以下、この考案を第５図及び第６図に示す実施例によっ
て説明する。

第１図乃至第４図によって説明したような鋳型１におい
て、凸部４は鋳型下部においては高さが次第に低くなり
、鋳型下端内面にむいては凹部包絡線８と一致した平坦
面９が形成される。

また、凹部５は鋳型上部に卦いては深さが次第に浅くな
り、鋳型上端内面においては凸部包絡線７と一致した平
坦面１０が形成される。

上述の鋳型に注入された溶鋼は、鋳型内面の大部分にわ
たって形成されているコルゲートまたはフルートのため
に速かに冷却されて強力な凝固膜が成長し、鋼塊の割れ
を防止する。

このコルゲートまたはフルートは、鋳型の上下端には存
在していないが、鋼塊は上下端にお・いては端面からの
冷却が加わるために、そこでの冷却が遅れて弊害を生ず
ることはない。

そして鋳型自体は、割れ易い上下端で熱応力の発生が抑
制されているために、その寿命を延ばすことができる。

凝固した鋼塊は、鋳型から下方へ支障なく引出すことが
できる。

また、鋼塊の加熱時には、その上下端にフルートやコル
ゲートが存在していなくても周面の他に端面に加わる加
熱によって、全体を速かに均一に昇温させることかでき
る。

平均肉厚２５０ｍｍの１６を鋳型において、ピッチ８０
ｍｍ、波高１５闘、凸部曲率半径Ｒ３７ｍｍ１凹部曲率
半径ｒ２４ｍｍのフルートを設けたものの平均使用回数
は約１００回であった。

これに対して第５図及び第６図に示した形状の１６を鋳
型は、１３０回まで支障なく使用することができた。

なむ、鋳型の形状や上下端の肉厚の如何によってば、一
方の端には平坦面を形成せず、凹凸条を残してむくこと
も可能である。

以上のように、この考案によるときは、鋼塊に対しては
コルゲート、フルート等の凹凸条の効果を全く損わずに
与えながら、鋳型の破損を減らして使用命数を延ばすも
のである。

そして、凹凸条の波高を大きく１〜て、その効果を一層
高めることも可能にする。

よって、鋼塊の品質向上と原価の引下げの双方に貢献す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の凹凸条つき鋳型の一部切断正面図、第２
図はその底面図、第３図は凹凸条の一例を示す鋼塊断面
図、第４図は凹凸条の他の例を示す鋼塊断面図、第５図
はこの考案の実施例の一部切断正面図、第６図はその底
面図である。 １・・・鋳型、４・・・凸部、５・・・凹部、６・・・
鋼塊、９及び１０・・・平坦面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面が波形をなす凹凸条をその内面に中心軸にほぼ平行
   する方向に設けた鋳型において、この鋳型の上下端の少
   くとも一方で、上記凹凸条を次等に浅くして平坦にした
   ことを特徴とする鋼塊鋳造用鋳型。