JPS5824949Y2 - 嵩高加工装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は熱可塑性合成繊維を嵩高加工する装置に関する
。

本考案の目的は、坐屈繊維塊への圧力調節が自由で、均
一に嵩高加工のできる装置を提供するにある。

本考案は、繊維糸条に加熱圧縮の高速流体の作用により
４本以上の案内ロッドで形成した糸条充填室の上端に導
入し、開繊、可塑化しつつ、糸条を衝突、座屈、加圧す
ることにより、捲縮の付与と熱固定を行った後、該充填
室の下端より排出する嵩高加工装置において、糸条充填
室の初頭部を取り囲むように形成された流体排気室にお
いては案内ロッド群の外周に沿って通気性Ｑ網状体を設
けて糸条充填室との隔壁となし、各案内ロッドの先端は
押えロッドに連続し、各折えロッドはその一定の位置に
外側に向って放射状に各々アームを設け、該アーム群に
対しこれを押し下げる方向に作用する荷重手段を設けた
ことを特徴とする熱可塑性合成繊維の嵩高加工装置であ
る。

以下に図面により本考案の実施態様の一例と作用機構を
説明する。

第１図は本考案のうち、コイルバネを使用した嵩高加工
装置の側断面図であり、第２図は錘りを使用した嵩高加
工装置の側断面図、第３図は案内ロッドアーム部の外観
図である。

合成繊維糸条１は、導糸ノズル２を通った後流体導入管
３より供給される加熱流体（加熱圧搾空気若しくは加熱
蒸気）によって加熱可塑化されながら、該加熱流体と共
に通路４を経て、通気性網状体５を設げた充填室６へ、
開繊されながら、既に堆積している繊維塊７の上面に勢
いよく衝突すると同時に、屈曲、全屈しながら更に堆積
して行き、繊維塊となって、熱固定を受けながら、案内
ロット′ｗ、８に包囲されながら下方へ移行する。

一方、勢いの衰えた加熱流体は、充填室６の通気性網状
体５を通り、排気孔群９を経て、流体排気チャンバー１
０内へ排出され、次いで、流体排気チャンバー１０に取
付けられている流体排出管１１に連結されている吸引装
置により糸外へ排出される。

加熱流体として蒸気を用いる場合にあっては凝縮した蒸
気ドレーンはドレーン排出管１２より排出される。

各案内ロッドは充填室６を出たあとは押えロッド１４に
連続する。

その一つの好ましい態様はロッド連結部１３により押え
ロッド１４に連結される。

このロッド連結部においては、各折えロッド１４は、押
えロッド群で形成する繊維塊通路の中心軸方向と外方向
とに該連結部を支点として屈折自在である。

各折えロッド１４の一定の位置には、ロット群が形成す
る繊維塊通路の外方に向って放射状にアーム１５が設げ
られている。

このアーム群と、押えロッド群の外側に固設されたスリ
ーブ１６上の押えネジ１８との間のコイルばね１７によ
って各アームは押えロッドの長さ方向の荷重を受ける。

この荷重の大きさは押えねじ１８によって調整すること
ができる。

コイルばねに替えて第２図に示した様に、スリーブ１６
を包囲した状態で加圧用錘群１９を装着した構造として
も良い。

各アーム上の荷重点とロッド連結部との位置関係により
、荷重を受けたアームには押えロッドを内側へ押圧する
等しい分力を生じ、か（して全屈繊維塊の通過に対して
周囲から中心に向って均等な抵抗を与えることができ、
かつその力はネジまたは重錘増減により調整は容易であ
り、かつ一定である。

従って、繊維塊の充填室内での流れは、先端の排出口に
至るまで中心部周辺部共すべて等速で逼りなく進行し、
繊維塊の排出と糸条の引き出しはもつれなく円滑である
。

案内ロッドの本数は４〜８本が望ましい。

案内ロッドと押えロッドが連続する他の態様は、例えば
細いロッドやプラスチック製の如く可撓性を有するロッ
ドにあっては、連結部１３をことさら設けなくて一本の
連続ロッドを用いることである。

これによっても案内ロッド、押えロッドの作用は行われ
、本考案を実施するにあたっての支障はない０ 通気性網状体としてはステンレス等の金網、繊維織布（
金属繊維を含む）繊維不織布等が用いられる。

本考案装置によれば、ヤーンの素材、デニール、運転条
件（処理速度、流体の流量、圧力）等に応じて、全屈繊
維塊への押圧力を自由に調整し得るとともに、運転中に
糸切れ、糸詰り等のトラブルがなく、繊維塊の排出と糸
条の引き出しは円滑であり、且つ均一な品質の嵩高加工
糸が得られる。

又、運転開始時には、コイルばね、加圧重錘の作用によ
り押えロッド群の先端部が閉鎖されているため、スター
ト時において加熱流体とヤーンがロッド先端より飛び出
すことがなく、自動的にヤーンの堆積が進行するため運
転開始操作が非常に容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案装置の側断面図、第２図は第１図のコ
イルばねに代えて加圧重錘を用いた装置の側断面図の一
部、第３図は案内ロッドアーム部の外観図である。 図において、１はヤーン、２は導糸ノズル、３は流体供
給管、４は通路、５は通気性網状体、６な充填室、７は
繊維塊、８は案内ロッド群、９は排気孔群、１０は流体
排気チャンバー、１１は流体排出管、１２はドレーン排
出管、１３はロッド連結部、１４は押えロッ）Ｗ、１５
はアーム群、１６はスリーブ、１７はコイルばね、１８
は押えねじ、 １９は加圧重錘群である。

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１） 流体供給管より導かれた加熱圧縮高速流体な
   導糸ノズルの出口周囲を同心円状に取囲むように設けら
   れたスリットより糸条進行方向に噴出させることにより
   該ノズル出口に負圧を生ぜしめて糸条を導き出すと共に
   該糸条を該ノズルと対向する位置にあって４本以上の案
   内ロッドで形成した糸条充填室の上端に導入し、開繊、
   可塑化しつつ、既に充填室内に堆積している糸条塊に衝
   突、座屈させ、加圧することにより、捲縮の付与と熱固
   定を行った後絞充填室の下端より排出する嵩高加工装置
   において、糸条充填室の初頭部を取り囲むように形成さ
   れた流体排気室においては案内ロッド群の外周に沿って
   通気性の網状体を設けて糸条充填室との隔壁となし、各
   案内ロッドの先端は押えロッドに連続し、各折えロッド
   はその一定の位置に外側に向って放射状に各々アームを
   設け、案内ロッド群の外周に該アーム群に対しこれを押
   し下げる方向に作用する荷重手段を設けたことを特徴と
   する熱可塑性合成繊維の嵩高加工装置。
2. （２）アーム群に対する荷重手段は、押えロツ）Ｗの外
   側に固定されたスリーブ上の調節可能な押えネジとアー
   ム群との間にコイルバネを設けたものである実用新案登
   録請求の範囲第１項に記載の装置。
3. （３）アーム群に対する荷重手段は重錘である実用新案
   登録請求の範囲第１項に記載の装置。
4. （４）案内ロッドと押えロッドが内外屈折自由なロッド
   連結部によって接続されたものである実用新案登録請求
   の範囲第１項に記載の装置。
5. （５）案内ロッドと押えロッドが可撓性ある１本のロッ
   ドにより形成されたものである実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の装置。