JPS5824080B2 - 超音波送受波器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、電気的な駆動パルスの印加により超音波を送
波し、あるいは受波した超音波を電気信号に変換する超
音波送受波器に係わり、特に単−又は複数の矩形状の圧
電板から構成される超音波受波器の改良に関する。

従来、圧電板の厚み振動を利用した超音波送受波器は、
はぼ単一指向性を持つ構造となっており、その為圧電板
を励振する励振電極からの引出用の電極が圧電板の一方
の面より取り出せる構造となっている。

その例を第１図及び第２図に示す。

第１図は超音波加湿機等に使用される円板状の圧電板を
用いた超音波送受波器であり、第２図は単一の矩形状の
圧電板を用いた超音波送受波器である。

尚、その他複数の矩形状の圧電板から構成された超音波
送受波器も従来から知られているが、これは第２図の送
受波器において奥の方向に分割され各々電気的に分割さ
れた構造のものであり、この構造の送受波器においても
断面が第２図に示す如くなることに変わりはない。

即ち、いずれの送受波器も電極は、上部電極１の一部を
圧電板２の端面３を経て他方の面４にまわしこんでこの
まわしこみ部分と下部電極５からリード線６ａ、６ｂを
引出す、いわゆるまわしこみ電極構造となっている。

この構造の超音波送受波器では、超音波を送波又は受波
する面（上部電極の設けられている面）に引出線（リー
ド線）が取り付けられていないので、引出線の負荷効果
による送受波器の振動異常が生じなく、超音波が一様に
放射される利点がある。

しかしながら、第２図に示したような矩形状の超音波送
受波器では、第１図のような円板状の送受波器と異なり
、上部電極のまわしこまれる圧電板の端面を含む指向性
において指向方向が傾むく傾向がある。

即ち、第３図、第４図は第１図、第２図に示した円板状
、矩形状の超音波送受波器の断面図と指向特性の関係を
示す図であるが、前者では電極構造がＹ軸に対称である
為指向特性も対称となるが、後者では電極構造か非対称
である為指向特性が非対称となり指向方向（超音波の最
大放射方向又は最大感度方向）がＹ軸に対して傾むきＹ
軸方向となってしまう。

この指向方向の傾きのある超音波送受波器を超音波探傷
等に使用した場合、ＣＲＴ等の表示装置では実際にある
傷の位置と異なる位置を示すことになり正確な探傷がな
されない欠点がある。

したがって、傷の正しい位置を表示するには、信号処埋
回路に超音波送受波器の指向特性を補正する回路を組み
込む必要があり、回路が複雑となる欠点がある。

又、駆動回路、信号処理回路等を共通に用い、又超音波
送受波器を取り換えて用いる場合には上記指向特性の補
正回路の調整が必要となる問題点もある。

本発明はこのような従来の超音波送受波器の欠点に鑑み
てなされたもので、指向方向の傾きのないまわりこみ電
極構造の矩形状の超音波送受波器を提供することも目的
とする。

本発明は、矩形状の圧電極の厚み方向で超音波送受波方
向の面に設けられる上部電極を、この電極がまわされた
圧電板の一端面に対向する端面から一定の長さの分だけ
除かれた構造とした点に特徴がある。

この上部電極の除かれる長さは、圧電板の上部電極がま
わされた端面から下部電極の近端までの長さとほぼ等し
い長さとする。

以下、本発明の実施例について述べる。

第５図ａに本発明一実施例の超音波送受波器の斜視図を
、又同図すにこの実施例の断面図を示す。

１１は矩形状の圧電板であり、この圧電板の厚み方向の
２面には２つの電極を設けられる。

圧電板１１の超音波の送波又は受波な行なう方の面１２
ａには上部電極１３が設けられこの一部は圧電板１１の
一方の端面１４ａを経て他方の面１’２ｂにまわしこま
れており、まわしこみ電極１３ａが形成されている。

上部電極のまわされた端面１４ａからまわしこみ電極、
１−３ ａの端までの長さは１１ であり、この電極と
は１２だけ離して下部電極１５が設けられる。

圧電板１１の一方の面１２ａに設けられた上部電極１３
は端面１４ｂから１３は、まわしこみ電極１３ａの長さ
１、とこのまわしこみ電極１３ａと下部電極１５０間の
ギャップ１６の長さ１２ の相とほぼ等しくなるように
する。

尚、上部電極１３の厚さは相当薄いので、圧電板１１の
端面に設けた第１の電極１３の厚さを除いた長さ１□′
と上記１２の和１１′＋１２を１３と等しくなるように
１３を定めてもよい。

上記のように１’３＝１□＋１２ となるようにする
と、次の理由で指向方向がＹ軸方向となると思われる。

即ち、端面１４ａから１１＋１□の部分パルスを印加し
ても励振されない非励振部分となり、この非励振部分が
Ｙ軸に対して対称であるからであ全３ 箪５図に示した実施例によれば圧電板の下部電極の設け
られる面にも上部電極の一部であるまわしこみ電極が固
着されている為、上部電極に接続されるリード線をこの
まわしこみ電極で接続でき圧電板の端面、上面にリード
線を接続する必要がない利点がある。

上記実施例では、上部電極の一部を下部電極の設けられ
る面までまわしだ例について説明したが、上部電極を単
に圧電板の一方の端面にまでまわしだ構造としてもよい
。

この実施例の斜視図を第６図に示した。

即ち、この実施例では圧電板２１の厚み方向で超音波の
送波又は受波の方向の面２２ａには上部電極２３が設け
られ、その一部は一端面２４ａにまでまわされている。

上部電極２３の設けられた面２２ａに対向する面２２ｂ
には、上記端面２４ａから一定の長さＬｌ だげ離して
下部電極２５が設けられる。

そして、上部電極２３は、この電極がまわされた端面２
４ａに対向する端１面２４ｂからＬｌ とほぼ等しい
長さだけ除かれた構造とされている。

この実施例において、上記電極２３に接続されるリード
線はこの電極のまわしこまれた部分の端で接続してもよ
いが、端面２４ａにおいて接続する方が容易である。

又、本発明において下部電極も上部電極と同様に圧電板
の端面にまわすようにしてもよい。

この種の本発明の一実施例を第７図に示す。

同図において３１〜３５は第６図の２１〜２５に対応す
る。

この実施例は下部電極３５が端面３４ｂにもまわされて
いる点において第６図の実施例と異なる。

この実施例では、上部電極３３のまわされた端面３４ａ
から下部電極３５の近端までの長さＬ２ とほぼ等しい
長さ分だけ、端面３４ｂから上部電極３３が除かれてい
る。

この実施例及び第６図の実施例によれば、上部電極が下
部電極の設けられている面までまわされていないので上
記Ｌ１．Ｌ２を小さくすることができ、したがって上部
電極の除かれる部分の長さも小さくでき非励振部分を少
なくして効率的な励振が可能である。

又、第７図の実施例によれば上部電極と下部電極の形状
が対称であり、両端面にリード線を接続できる利点があ
る。

上記実施例はいずれも単一の矩形状の圧電板を用いた超
音波送受波器について説明したが、複数の矩形状の圧電
板を並設した構造の超音波送受波器にも本発明を適用す
ることができる。

以上述べたように本発明によれば、上部電極のまわされ
た端面から下部電極の近端までの長さとほぼ等しい長さ
分だけ、対向する端面から上部電極が除かれた構造とさ
れている為、非励振部が両側に対称に存在することにな
り、超音波の指向方向がＹ軸方向（圧電板と垂直な方向
）となって良好な指向特性が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは従来の円板状の超音波送受波器の斜視図、ｂ
はこの送受波器の断面図第２図は従来の矩形状の超音波
送受波器の斜視図、第３図、第４図は各々第１図、第２
図の従来の送受波器の断面構造と指向特性の関係を示す
図、第５図ａは本発明一実施例の斜視図、ｂはこの実施
例の断面図、第６図、第７図は本発明の他の実施例の斜
視図である。 １１ 、２１ 、３１−・−圧電板、１２ａ、１２ｂ。 ２２ａ 、２２ｂ 、３２ａ 、３２ｂ−・・厚み方向
の面、１３，２３，３３・・・・・・上部電極、１５，
２５゜３５・・・・・・下部電極。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 矩形状の圧電板と、この圧電板の厚み方向でしかも
   超音波の送波又は受波を行なう方向の面に設けられ少な
   （とも圧電板の一端面にまでまわされた上部電極と、こ
   の電極から離して圧電板の他方の面に設けられた下部電
   極とを具備し、圧電板の上部電極のまわされた端面から
   下部電極の近端までの長さにほぼ等しい長さ分だけ前記
   端面と対向する端面から上部電極が除かれた構造である
   ことを特徴とする超音波送受波器。