JPS5823065Y2 - ネンシヨウソウチ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、液体燃料特にアルコールに用いるに適したバ
ーナ形式の燃焼装置に係るもので、炎が安定し且つ安全
な燃焼装置を得ることを目的とする。

以下本考案の実施例を図によって詳述する。

第１図乃至第３図に示す実施例において、１は液体燃料
吸上芯２を収納した金属管で、Ｕ字形に同曲した上捻回
して中央部がα形に同曲された環状頭部３に形成されて
おり、金属管の両端は平行に下方へ垂下して燃料タンク
への挿入脚４，４となっている。

５は加熱部で頭部３の上部より成る。６はノズル孔で、
頭部下部の内側７の金属管面に第１図で見て斜め上向き
に穿設され、その軸線の延長線が加熱部５に衝突しない
ように設けられている。

即ちノズル孔６の軸線は、第２図と第３図で示すように
加熱部５′の両側部ｌよりやや外方へ外れるよう設けら
れている。

即ちノズル孔は金属等の環状頭部５から挿入脚４，４に
移行する付近で金属管の中心線の主法線のうち環状頭部
の中心に向う方の法線方向より稍外向き方向に穿たれて
いる。

上記法線は金属管がα形に同曲捻転された形であるため
、はぼα形のループの中心の方を向いているとはいえα
形の頂部即ち加熱部からは外れており、上記主法線より
金属管の太さ分程度外向きにノズル孔を穿ったことは工
作上置も自然であり、かつ後述する炎の自然安定を得る
上で重要な意味をもっているのである。

８は挿入脚４の上部に置設固着された鍔付ボルト部で、
１０はそのナツトであり、９はＯリングである。

第４図、第５図に示すものは、別の実施例で、頭部３′
が、α形に相当する形になっている。

即ち、この場合、挿入脚４を交叉させるとα形になる。

５′は加熱部で、この斜下の頭部下半の内側、即ち凹曲
部１１の内縁にはノズル孔６が設けられている。

このノズル孔６は、前実施例と同様に、その軸線が加熱
部５′の両側部ｌ′のやや外寄りを通過するように設け
られる。

この実施例において、前者と同一番号のものは、前者の
部材に相当する部分である。

両実施例の場合、ノズル孔６を穿設する際に、吸上芯２
もドリルをもって孔明けすると、第６図ａに示すように
、この部分に空間１２ができる。

また図すに示すように、大きく空間１３を設けてもよい
。

この空間は、蒸発した燃料ガスの溜りとなって、焔を安
定させ、火力を強める。

但し、これらの空間はなくともよく、この場合は、通常
穴が若干弱まるだけである。

第７図、第８図、第９図には、第１図に示す燃焼装置を
タンクに装着した例が示される。

即ち挿入脚４は、蓋１４の孔に挿入され、鍔付ボルト部
８にナツト１０を螺着して締付けることにより、Ｏリン
グ９によってシールされて固定される。

挿入脚４の下端はタンク本体１５の底部に殆んど届いて
いる。

蓋１４にはハンドルが側方へ連出し、このハンドルを廻
すと、部分ネジ構造によってワンタッチ的にタンク本体
１５と蓋１４が着脱される。

１７は、蓋体１４に螺着された割込み２０を有する圧力
調整ネジで、１８はそのつまみで、１９はシールである
。

２１は五徳である。

上述の装置において、タンク本体１５内にアルコールを
入れると、吸上芯２内へアルコールが吸上げられる。

このようにして、バーナの頭部３内へマツチの炎を入れ
ると、先ず加熱部５が加熱され、この熱は挿入脚４の温
度を上昇させるので、管内部のアルコールはもちろん、
管外のタンク内のアルコールを気化させ、液面上の圧力
を上昇させる。

従って挿入脚４内の気化されたアルコールガスはノズル
孔６より噴出して数秒で点火する。

この点火によって火焔は加熱部５を更に加熱するので、
タンク内のアルコールガスの圧力が高まり、強い勢でノ
ズル孔６よりアルコールガスを噴出させるので、強い火
勢の炎が得られる。

この場合、火力の弱い点火の当初は炎が直上して加熱部
を加熱し、火力が強くなった状態では炎はノズル孔の軸
線方向に伸びて加熱部の両側へ開くようになっている。

火力を調整するには、圧力調整ネジ１７をゆるめる。

このようにすると、シール１９のシールが解かれて割込
み２０の上部が蓋１４の表面より少しずつ上昇するので
、この上昇度合によって、タンク内の圧力を適宜に加減
することができる。

火を消すには、吹き消すか、第１０図ａ、ｌ）に示すよ
うなキャップ２３をバーナ部に被せて消す。

このキャップ２３の上部には柄２１′が固着され、前端
のＣ型部２２に、蓋１４のハンドル１６を挿入しておく
ことにより、ハンドル１６の補助部材として用い、また
キャップの紛失を防ぐことができる。

本考案は、バーナとして火力が安定し且つ安全である点
に特徴を有する。

即ち頭頂部を加熱部とし、この加熱部の斜め下に当る頭
部下部の内側の金属管面にノズル孔を穿ち、同ノズル孔
の軸線の延長線が加熱部の両側部ｌよりやや外方へそれ
るようになっているので、点火当初のガス圧の弱い状態
ではノズル孔で発生する炎は勢が弱いから上方に曲って
加熱部を加熱してその温度を上昇させ、金属管の温度上
昇によってガス圧が強くなったときはノズル孔より生ず
る炎は勢が強いから孔の軸線方向へ伸びて炎が加熱部の
両側部よりそれて加熱部との接触が減り、従って燃焼最
中は加熱部の加熱が無制限に増加せず、一方金属管を上
昇するガス量も当初より増しているのでその冷却効果と
相まって金属管の温度が一定点に均衡してガス圧が一定
となり安定した火力が得られ、ガス圧の上昇によって炎
が異常に長大となったり爆発するごとき危険のない安全
なものとして使用しうる。

また本考案ではα形の管の頂部を加熱部とし、この部と
挿入脚との途中にノズル孔を設けることになるので、加
熱部自体に燃料ガスが流通せず、従って燃料ガスが不必
要に燃焼前に加熱されて管内でスス等となってこびりつ
く等の問題がなく、シかも加熱部にはガスが流通しない
のでこの部において不要な冷却が行われず加熱効率が良
好であり気化熱を多量に要するアルコールに特に適した
利点を有する。

さらに本考案では、タンクを倒した場合、金属管に吸上
芯が人っているので、液体燃料が流出することなく、冷
たい液体燃料が挿入脚を浸す場合は自然消火させること
もできるのできわめて安全である。

また、本考案はどんな容器にも、複数本でも簡易に取付
けうる。

即ち、使用ずみのびん詰めの金属蓋に取付けたり、大き
な容器に何本も取付けて大型のものとして用いうる。

なお本考案においては、液体燃料は常温では固体であっ
て加熱したとき液体になる燃料用ろうのごときものでも
よい。

また、挿入脚４を別体として、上部のバーナ孔部に取付
けうるものとすれば、色々な太さの脚のものを用いて、
燃料の気化状態を加減することができる。

さらに、吸上芯としてガラスせんいを用いると耐久性を
増すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の一部切欠側面図、第２図は
同上の頭部の上面図、第３図は同上の要部のノズル孔の
位置を説明するための同上頭部の拡大縦断面図、第４図
は別実施例の側面図、第５図は同上の頭部の上面図、第
６図ａ、ｌ）はそれぞれ第１図実施例のノズル孔附近の
拡大断面図、第７図は第１図のものを装着したアルコー
ルランプの正断面図、第８図は同上の圧力調整ネジ部の
拡大断面図、第９図は両図のランプの上面図、第１０図
ａ。 ｂはそれぞれ火消しキャップの側面図と上面図である。 図中、１・・・・・・金属管、２・・・・・・液体燃料
吸上芯、３゜３′・・・・・・頭部、４・・・・・・挿
入脚、５，５′・・・・・・加熱部、６・・・・・・ノ
ズル孔、８・・・・・・鍔付ボルト部、９・・・・・・
Ｏリング、１２゜１３・・・・・・ガス溜り空間、１４
・・・・・・蓋、１５・・・・・・タンク本体、１６・
・・・・・ハンドル、１７・・・・・・圧力調整ネジ、
２０・・・・・・割込み、２３・・・・・・火消しキャ
ップ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液体燃料吸上芯を収納した金属管の中央を同曲して頭部
   を形成すると共に、両端を下方へ垂下させて燃料タンク
   への挿入脚とし、上記頭部の斜め下の部分の内側に軸線
   が頭部の両側面よりや・外方へそれるようにノズル孔を
   穿設した燃焼装置。