JPS5822992Y2 - 農業機械用エンジン装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はディーゼルエンジンに電源を印加せしめるバッ
テリをオン・オフ操作するスタートスイッチを備えた農
業機械用のエンジン装置に関するものである。

元来、この種のディーゼルエンジンに釦いては、ガソリ
ンエンジンの点火式構造と異なる為、エンジンを停止さ
せる際には電源を必要とするスイッチ操作によるエンジ
ン停止ではなく、エンジンへの作動燃料の供給を直接中
止略せる燃料カットの方式によりそのエンジンの停止を
行っている。

このため、エンジン停止時に燃料カットだけを行い、ス
タートスイッチのオフ切換え操作を忘れ該スイッチのオ
ン状態維持によるバッテリの放電或いは電装品の損傷を
招く事故が発生している。

前記の誤操作を防ぐ従来技術として、デイゼルエンジン
のストップレバーに手動ワイヤに代えて電磁ソレノイド
のプランジャを連結でせ、ディーゼルエンジンのスター
タを作動させるスタートスイッチに前記電磁ソレノイド
を電気接続させ、スタートスイッチ操作によってストッ
プレバーヲ燃料全開位置または全閉位置のいずれかに切
換る技術があった。

前記従来技術では、燃料供給停止によるエンジン停止時
にスタートスイッチのオフ操作を可能としたが、前記電
磁ソレノイドを使用するので、此の取付げに際して防水
並びに耐振構造にする必要があり、また前記ソレノイド
が高価なために製造コストの低減下に限度があり、しか
も前記ソレノイドでは此の起電力が大きいので、起電力
が大きなスタータと同時に前記ソレノイドを作動でせる
ことにより、エンジン始動時のバッテリ負荷を増大憾せ
、バッテリの使用耐用時間を短縮でせる等の欠点があっ
た。

本考案は上記の従来欠点ヲ解消するもので、燃料供給量
を調節するためのコントロールラックを有する燃料噴射
ポンプと、エンジン回転数に応じて燃料供給量を自動調
節するガバナと、エンジン始動用スタートスイッチを介
してバッテリに電気接続し、て励磁作動略せる電磁体と
を備えたデイゼルエンジンに釦いて、前記コントロール
ラックをスプリングによって燃料供給量全閉位置に保持
すると共に、前記ガバナに連結させるガバナレバーに前
記電磁体を取付け、前記スタートスイッチのオン操作と
連動して前記電磁体によってスプリングに抗してコント
ロールラックをガバナレバーに吸引連結させるように構
成するもので、従来のストップレバー及び電磁ソレノイ
ド等の装置を不要とし得、燃料噴射ポンプ取付部を簡潔
に構成し得ると共に、前記コントロールラックをガバナ
レバーに吸引連結させる電磁体では此の起電力が極めて
小さ゛くなるので、エンジン始動時のバッテリ負荷の急
増を阻止し得、また前記電磁体を含むコントロールラッ
クとガバナレバーの連結構造を従来の電磁ソレノイド等
に比べて小型コンパクトに構成し得、従来に比べて簡単
な防水構造で前記電磁体を容易に組込み得、特に前記コ
ントロールラック及びガバナレバー及びガバナからなる
調速機構の部分的な改良によって此の一部として前記電
磁体を取付は得、製造コストの低減並びに取扱い手間の
減少等を図り得、従来に比べて廉価に製作できて簡便に
組立並びに保守点検を行えるようにした農業機械用エン
ジンを提供しようとするものである。

以下、本考案の理解をさらに深めるために図示の実施例
にしたがって詳細に説明すると、第１図は本考案に係る
エンジン装置を具備してなる農用トラクタの概略平面図
で、同図中１はボンネット、２は・・ンドル、３は運転
席つまりシート、４は前輪、５は後輪、６はリフトアー
ム、７はロアリンク、８はリフトロッド、９は後述する
ディーゼルエンジンに必要な電源を印加するバッテリ１
０をオン・オフ操作せしめるキースイッチつまりスター
トスイッチである。

次に第２図を参照してエンジン部について説明すると、
ディーゼルエンジン本体１１には燃料フィルタ１２、燃
料噴射ポンプ１３、耘よび燃料噴射弁１４．１４を夫々
装着している。

前記燃料フィルタ１２は燃料タンク２５（第１図参照）
から供給される燃料中の不純物を除去して、清浄燃料を
燃料油管１５を介して前記燃料噴射ポンプ１３に送油し
ている。

さらに、前記ポンプ１３と燃料噴射弁１４．１４との間
は燃料噴射管１６．１６で接続されていて前記ポンプ１
３で高圧にした燃料を前記燃料噴射弁１４．１４に圧送
すべく構成している。

而して、本考案の核心をなすエンジン装置を第３図を参
照して説明すると、前記燃料噴射ポンプ１３にはプラン
ジャ（図示せず）を回転させて、その燃料噴射量を加減
するコントロールラック１７が往復動自在に装着されて
いる。

該コントロールラック１７は一端側に可動片１８を延設
する一方、他端側にスプリング２４を連繋して、前記コ
ントロールラック１７を常時、第３図の右方向位置に張
引する如く構成している。

また、前記可動片１８゛の左側部には該片１８端面に近
接して電磁体である電磁スイッチ１９が設けてあり、該
スイッチ１９はガバナレバー２１に一端を揺動自在に枢
支させる鉄心体１９ａと、該鉄心体１９ａの周囲に巻回
するコイル２０とからなる所謂電磁石を形成していて、
先に述べたスタートスイッチ９に直接電気接続し、該ス
タートスイッチ９のオン操作によシバツテリ１０の電源
をコイル２０に適宜印加し、コイル２０に電流を流すこ
とにより鉄心体１９ａに電磁力を発生させ、前記可動片
１８をスプリング２４に抗して吸引し、前記コントロー
ルラック１７を左側方向に摺移動源せる如く構成してい
る。

更に、前記ガバナレバー２１はその基端をエンジンケー
ス１１ａ上に固設するガバナサポート２２に揺動自在に
枢支させる一方、この中間部をメカニカルガバナ２３に
連結していて、走行時エンジンの回転に応じてガバナ２
３が作動することニヨリ、前記コントロールラック１７
を適宜移動略せてプランジャでの燃料圧送量を加減する
如く構成している。

な釦、前記コントロールラック１７を張引しているスプ
リング２４の張引付勢力は前記鉄心体１９ａの電磁吸引
力より弱く形成したもので、前記スタートスイッチ９が
オフとなり鉄心体１９ａの電磁力が消失した時、前記可
動片１８を鉄心体１９ａから離反させ、コントロールラ
ック１７を最後退位置つまり右端一杯に張引してプラン
ジャでの燃料圧送を中止させる如く構成している。

本考案は上記の如く構成するものにして、今、スタート
スイッチ９をオンにして、エンジン部に電源を印加させ
ると、同時に前記電磁スイッチ１９のコイル２０に電流
が流れて鉄心体１９ａを磁化、該鉄心体１９ａに前記可
動片１８をスプリング２４力に抗して吸着する。

このため、前記コントロールラック１７はこの可動片１
８及び鉄心体１９ａを斤して前記ガバナレバー２１に連
動連結すると共に、第３図に示すポンプ１３の左方位置
に移動して、プランジャでの燃料圧送量を最大にしてエ
ンジンを始動する。

而して、エンジンが回転しこの回転数が増大すると、前
記ガバナ２３が働いてガバナレバー２１をガバナサポー
ト２２との枢着点Ａを支点として時計方向に回転し、コ
ントロールラック１７を右方向に押動して燃料噴射量を
減少させ、エンジンの回転を低下賂せる。

また、エンジンの回転が低下すると、ガバナ２３の働き
により、前記ガバナレバー２１が前述とは逆に反時計方
向に移動し、コントロールラック１７を左側方向に引い
て噴射量を増し、エンジンの停止を防いでいる。

このようにスタートスイッチ９０オン状態の時常時コン
トロールランク１７とガバナレバー２１とを連動連結し
て、エンジンの始動並びに回転中における調速を行う。

次にスタートスイッチ９をオフにした場合は前記鉄心体
１９ａの電磁力が消失することによって、前記可動片に
与える吸引力を消滅させ、コントロールラック１７をス
プリング２４で最右側位置迄張引し燃料噴射の供給を中
止シて、エンジンの回転を停止させるものである。

なお、上記実施例では適用機種をトラクタとしているが
、デイセルエンジン搭載のセル・スタート方式のもので
あればコンバイン等何れにも適用できる。

以上実施例から明らかなように本考案は、燃料供給量を
調節するためのコントロールラック１７を有する燃料噴
射ポンプ１３と、エンジン回転数に応じて燃料供給量を
自動調節するガバナ２３と、エンジン始動用スタートス
イッチ９を介してバッテリ１０に電気接続して励磁作動
埒せる電磁スイッチ１９などの電磁体とを備えたデイセ
ルエンジンにおいて、前記コントロールラック１７をス
プリング２４によって燃料供給量全閉位置に保持すると
共に、前記ガバナ２３に連結させるガバナレバー２１に
前記電磁体１９を取付け、前記スタートスイッチ９のオ
ン操作と連動して前記電磁体１９によってスプリング２
４に抗してコントロールランク１Ｔをガバナレバー２１
に吸引連結サセるように構成するもので、従来のストッ
プレバー及び電磁ソレノイド等の装置を不要にすること
ができ、燃料噴射ポンプ１３取付部を簡潔に構成できる
と共に、前記コントロールラック１７をガバナレバー２
１に吸引連結させる電磁体１９では此の起電力が極めて
小路くなるので、エンジン始動時のバッテリ１０負荷の
急増を阻止でき、また前記電磁体１９を含むコントロー
ルラック１７とガバナレバー２１の連結構造を従来の電
磁ソレノイド等に比べて小型コンパクトに構成でき、従
来に比べて簡単な防水構造で前記電磁体１９を容易に組
込むことができ、特に前記コントロールラック１７及び
ガバナレバー２１及びガバナ２３からなる調速機構の部
分的な改良によって此の一部とし。

て前記電磁体１９を取付けることができ、製造コストの
低減並びに取扱い手間の減少等を図ることができ、従来
に比べて廉価に製作できて簡便に組立並びに保守点検を
行うことができて頗る実用的である等の顕著な効果を奏
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るエンジン装置を具備してなる農用
トラクタの概略平面図、第２図はエンジン部の要部説明
図、第３図は燃料噴射ポンプ部の簡略説明図である。 ９・・・スタートスイッチ、１３・・・燃料噴射ポンプ
、１７・・・コントロールラック、１９・・・電磁スイ
ッチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料供給量を調節するためのコントロールラック１７を
   有する燃料噴射ポンプ１３と、エンジン回転数に応じて
   燃料供給量を自動調節するガバナ２３と、エンジン始動
   用スタートスイッチ９を介してバッテリ１０に電気接続
   して励磁作動略せる電磁体１９とを備えたデイゼルエン
   ジンに卦イて、前記コントロールラック１７をスプリン
   グ２４によって燃料供給量全閉位置に保持すると共に、
   前記ガバナ２３に連結埒せるガバナレバー２１に前記電
   磁体１９を取付け、前記スタートスイッチ９のオン操作
   と連動゛して前記電磁体１９によってスプリング２４に
   抗してコントロールラック１７をガバナレバー２１に吸
   引連結させるように構成したことを特徴とする農業機械
   用エンジン装置。