JPS5822859Y2 - ジドウシヤホウコウテンカンソウチ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車の方向転換装置に関し、その目的とする
ところは簡単な機構と操作により車体の方向転換の旋回
半径を極力小さくし、トンネル構内等の狭路での方向転
換を容易に行うようにしたことである。

従来、車体の前方に第５輪を設け、該第５輪により車体
前方を持上げろと共に、第５輪を駆動して後車軸中心を
旋回中心点として方向転換する装置或いは車輌全体を昇
降させ旋回する等その他数多くの装置が提案されている
が、何れもその構造が複雑であるため、トンネル構内そ
の他の狭路では実用性のない不具合があった。

すでに公知となっているところの昇降自在の第５輪に駆
動装置を設けろ方式はフロントの重量増加と駆動装置が
車輌前端に突出しているためトンネル内等の狭路旋回時
に破損し旋回不可能になる危険性が多い。

本考案はこのような従来の不具合を解消するために提案
されたもので、その特長とするところは、車輌前方に昇
降装置により昇降自在で且つ車輌の後車輪（駆動輪）の
右又は左側の中心に対して直交するよう空転する第５輪
を取付けろと共に、該第５輪の接地状態において直交す
る側の後車輪を制動する装置を設け、非制動側の後車輪
を駆動して駆動後車輪の中心を半径中心とする方向転換
装置である。

以下本考案の実施例を図面により説明する。

第１図及び第２図において１は車体、２は車体前方に昇
降装置３を介して昇降自在に取付けられた空転する第５
輪である。

さらに第３図により詳しく説明すると、車体１の前方に
ブラケット５を介して昇降装置３をその軸線を垂直方向
にして取付けられ、ピストンワンド４端に直角方向に結
合された支持軸４ａ上に第５輪２が空転自在に支持され
ている。

この第５輪２は前記ピストンロッド４を介して、左右後
車輪６ａ 、６ｂの中心と該第５輪の中心を結ぶ線に対
して直交するタイヤ切れ角を左右何れの方向にも設定す
るよう運転室より操作が行われろようになっている。

−力抜車輪５ａ、６ｂ（駆動輪）の制動装置は第４図Ｉ
Ｃ示すように、エアタンク７、ブレーキバルブ８から後
車輪６ａ、６ｂのブレーキチャンバ１１ａ、１１ｂ［至
る通常のサービスブレーキラインの他ニ、前記エアタン
ク７とブレーキバルブ８との間の管路より分岐して三方
向切換弁９を設け、該三方向切換弁９から前記ブレーキ
チャンバ１１ａ、１ｌｂｃそれぞれダブルチェックバル
ブ１０ａ、１０ｂを介して管路接続した配管構成とする
。

従って前記三方向切換弁９を操作レバーにより切換えろ
ことによりエアタンク７のエア圧Ｕダブルチェックバル
ブ１０ａ 、 １ ｏｂの何れかを介してブレーキチャ
ンバ１１ａ、１１ｂの何れかに導入され、後車輪６ａ
、６ｂの左右何れが一方のみ制動状態となるのである。

本考案は上記の通りの構造であるから、トンネル構内や
狭路等で方向転換しようとするときは昇降装置３を作動
して第５輪を接地し、ざらにピストンロッド４を下降し
て車体１の前方を持上げろ。

これにより自動車の前車輪は地上より持上がり車体１の
前方は第５輪２によって支持される。

そしてこの第５輪２を車体１の旋回方向にタイヤ角を切
り後車輪６ａ、６ｂの何れか一方を制動する。

すなわち、第１図に例示するように車体１を時計方向に
旋回して方向転換させろときは、三方向切換弁９の切換
操作によってエアタンク７からのエア圧をダブルチェッ
クバルブ１０ａを通して右側後車軸６ａのブレーキチャ
ンバ１１ ａ ＶＣ供給−ｊろ。

これにより右側後車軸６ａのみ制動状態となり、この状
態で通常の車両の発行を行えば左側後車軸６ｂを駆動す
ることにより、制動された右側後車軸６ａの中央部を旋
回中心Ａとして半径ｒの時計方向の旋回軌跡で方向転換
する。

また、反時計方向の旋回による方向転換は左側後車軸６
ｂを制動し、右側後車軸６ａを駆動することにより、左
側後車軸６ｂの中央を旋回中心Ｂとして前記と同様な半
径ｒの旋回軌跡で方向転換するのである。

尚前記右側後車軸６ａ又は左側後車軸６ｂを三方向切換
弁９で制動状態とするときに、三方向切換弁９の操作と
連動して第５輪２のタイヤ切れ角を制動側抜車輪と対応
する方向に自動的に制御することも可能である。

このように本考案装置は車体前方を空転する第５輪で持
上げて、左右後車輪の何れか一方を制動し他方を駆動す
ることによって車体を旋回するものであるから、その車
体の旋回中心は制動された側の後車輪の中央を旋回中心
とする半径の円周軌跡で方向転換し、従来この種の方向
転換装置に比較して旋回半径を著しく小さくすることが
でき小さな面積内において十分方向転換を可能とする利
点を有し、また第５輪は昇降と角度調整のみで従来のよ
うに駆動装置を併設する必要がなく重量の軽減、取付ス
ペースの縮少、コストダウン等の有益な特長を持ってい
るものである。

さらに本考案装置は、第５輪を車体前方に設置しである
ので、保守、点検が容易であり、また旋回時に車体の前
方を持ち上げるものであるから、％に土砂等を運搬する
大型車両において第５輪に加ワる支持荷重が軽減される
ので、舗装されていないトンネル内等の作業場で第５輪
が地面に深く埋って回転不能となる不具合もなく、また
、左右後車輪の何れか一方の制動機構も、すでに装備さ
れている制動配管系にエアタンクから直接三方向切換弁
を介して専用の配管を増設するだけであるから構造も簡
単であり、作動も確実に得られろ利点を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置を備えた自動車の平面図、第２図は
同側面図、第３図は第５輪の昇降装置部分の詳細図、第
４図は後車輪制動回路図である。 １・・・車体、２・・・第５輪、３・・・昇降装置、６
ａ。 ６ｂ・・・左右後車輪、７・・・−エアタンク、９・・
・三方向切換弁、１０ａ、１０ｂ・・・タプルチェック
バルブ、１１ａ、１１ｂ・・・ブレーキチャンバ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車輌前端のシャシセンタライン上にシリンダ装置を介し
   て空転する第５輪を昇降自在に設置し、該第５輪は駆動
   後車輪の左及び右の中心から第５輪の中心を結ぶ線に対
   してほぼ直交するタイヤ切れ角を設定可能とし、前記駆
   動後車輪の制動装置には、三方向切換弁を介して圧力タ
   ンクと直接管路接続し、該三方向切換弁によって左右何
   れか一方の駆動後車輪を制動ロックする片側制動制御装
   置を付設したことを特徴とする自動車方向転換装置。