JPS5822385Y2 - 拡声装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はトランジスタ・メガホン、ホーンスピーカ等の
拡声装置に関するもので、特性改善をはかることを目的
とする。

従来のショルダー型トランジスタ・メガホンは一般的に
開口部が１つであるが、その特性を無指向性とするため
に第１図のようにホーンスピーカ４の開口部付近を３８
，３ｂ＆送個あるいは複数に分割して、それぞれ開口部
の放射方向を異ならせ、できる限り無指向性となるよう
に構成することができる。

なお同図において１はマイクロホン、２は本体、４はド
ライバーユニッ）、５ａ、５ｂ、５Ｃはホーン、６ ａ
、６ ｂは放射方向を示している。

ところでこのような構成により前後またはそれに近い状
態で２方向に放射する場合、第２図の水平指向性パター
ン特性例から明らがなように、中高域に於ては無指向性
にほぼ近い状態となる。

一方、低域に於ては後に説明するように前後開口面の正
面方向よりもサイド（９０’）方向付近の音圧レベルが
高くなる。

したがって正面に斜ては低域がら高域のバラスの良い再
生が可能であるが、サイド付近では低・高域の音圧レベ
ル差が大きく周波数特性としてバランスの悪い再生とな
り、この方向のサービスエリアに対し、音質が悪化する
。

これはサイド方向では各々のホン開口面がら放射される
音波はほぼ同相のため加え合い音圧レベルは上昇するが
正面では各々のホーンの開口面距離間Ｘが−となる周波
数（通常Ｘは３０ ｃｍ程度なので５５０ Ｈｚ付近と
なる）に於て放射される音波が互に逆相となり、かつ前
後の各々ホーンがら放射される音圧レベルは低域に於て
は無指向性に近いためほぼ等しい。

したがってその周波数付近に於て、音波はキャンセルし
、音圧レベルが低下するためである。

このような現象が起きた場合の周波数特性例を第３図に
示す。

この場合５５０ Ｈｚ付近で、がなり出力音圧が低下し
ている。

また正面からずれ、サイドに近くなるに従い、その周波
数が高くなり、高い周波数ではある程度指向性を有する
ため、音圧レベル差を生じ、各放射音のキャンセルによ
り低下する割合が少なくなる。

前述の欠点を防止するには第１図に示す各々のホーンの
開口面３ａ、３ｂの距離間Ｘをできる限り小さくするか
もしくは大きくシ、再生帯域外すなわちホーンのｆ。

以下にすることが考えられる。前者は構造上不可能であ
る。

本考案は後者の方法によって前述した欠点を除去したも
のである。

すなわち各々のホーンの開口面距離間Ｘの−となる周波
数を各々のホーンのｆｃ付近もしくはそれ以下になるよ
うに構成することによりキャセルする周波数を再生帯域
外にすることが可能であるため、第４図の水平指向性パ
ターン特性例の如く、低域から高域までほぼ無指向性の
パターンを得ることができる。

また第５図の正面周波数特性例の如くバランスの良い再
生が行なわれるのでサイド方向での音質劣下を防止でき
、広いサービスエリアのショルダー型トランジスタメガ
ホンを得ることができる。

なお、逆に各々のホーン開口面距離Ｘが仕様等により決
定されているような場合、ホーンのｆｃをその距離間Ｘ
の主となる周波数もしくはそれ以上になるように構成し
ても本考案の主旨と同様である。

また上記実施例ではショルダー型トランジスタメガホン
に限定して述べているが一般パブリック・アドレス用ホ
ーンスピーカ単体に於ても本考案を適用することができ
る。

以上の説明から明らかなように本考案によれば良好な指
向特性をもつ拡声装置を得ることができ、実用的効果の
大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ、ｂは拡声装置の斜視図および断面図、第２図
はその水平指向特性を示す図、第３図はその周波数特性
図、第４図は本考案の一実施例による拡声装置の水平指
向特性を示す図、第５図はその周波数特性図である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 異なる方向に放射する２つのホーンを設けそのλ 各々のホーンの開口面距離間が−（λ＝音波の波長）に
   なる周波数を各々のホーンのカットオフ周波数付近もし
   くはそれ以上となるように設定したことを特徴とする拡
   声装置。