JPS5822354B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はインクジェット記録装置に係り、特に振動式帯
電量制御形インクジェット記録装置における荷電位相検
出電極（以下、センサという）の配置に関する。

まず、従来の振動式帯電置部脚形インクジェット記録装
置の記録原理を第１図について説明する。

加圧インクはノズル孔２に給送され、励振回路１５から
一定の周波数と電圧の励振信号が印加されている電気機
械変換素子１により振動エネルギーを与えられ、励振同
波数と同一数のインク粒子４となって飛行してゆく。

これと同時に、励振回路１５の周波数に同期して、荷電
信号発生回路１４から記録情報に応じた高さの電圧を帯
電電極３に印加することにより、インク粒子４には電圧
に比例した荷電量が与えられる。

この荷電されたインク粒子４は、アース側偏向電極５と
高圧電源γから直流高電圧が印加されている高圧側偏向
電極６とによって形成された一定の静電界中を飛行し、
その間に荷電量に比例した偏向を受けて、被記録体１１
に到着し、これを記録する。

また、記録に関与しないインク粒子は、ガター１０によ
り回収されて、再び使用される。

一方、記録情報に応じた電荷をインク粒子に与える荷電
タイミングを制御するため、記録情報電圧の間を縫って
検出用パルスも帯電電極３に印加されており、この検出
用パルスによりインク粒子に与えられた検出用荷電量は
、偏向電極５，６とガター１０との間に設置されたセン
サ８により誘導電流として検出される。

この検出信号は、同軸ケーブシレ９を介して位相検出回
路１２に入力し、ここで、前記荷電タイミングが判定さ
札位相シフトする必要がある場合のみ、位相シフト回路
１３が動作して、荷電位相をシフトする。

位相シフトされた信号は荷電信号発生回路１４に導かれ
、次からは正常な位相で荷電が行なわれるようになる。

ところで、前記センサ８は、第２図に示すように、絶縁
物からなる２つのボディー１６．１７の両面にそれぞれ
検知板１８およびシールド板１９を接着し、これら各板
１８．１９からそれぞれ予めリード線を出しておき、次
に前記２つのボディー１６．１７の間に絶縁物からなる
スペーサ２０を介在させて、これらを接着した後、同軸
ケーブル９をボディー１７に取付け、さらに同軸ケーブ
ル９と各リード線を接続してこれら全体を絶縁コーティ
ング剤２１で固めることにより、構成されている。

そのため、構造が複雑で、製作工数が多く、きわめて不
経済であった。

また、センサ８は、装置本体に組込んだ状態では、第１
図に示したように、偏向電極５，６とガター１０との間
に配置されているため、偏向電極の端面からセンサのガ
ター側端面までの距離ｌがどうしても必要となり、イン
ク粒子の飛行距離りが必要以上に長くなって、飛行距離
による記録歪みが大きくなるという欠点がある。

本発明の目的は、上記した従来技術の欠点を除き、セン
サの構造が簡単で、記録歪みの少ない良質の記録を行な
い得るインクジェット記録装置を提供するにある。

この目的を達成するため、本発明は、検出電極を平板状
に形成し、この平板状の検出電極をアース側偏向電極側
に、これと平行にかつ電気的絶縁状態で、高圧側偏向電
極と対向させて配置したことを特徴とする。

以下、本発明を図面に示す実施例により詳細に説明する
。

第３図は本発明の一実施例に係るインクジェット記録装
置の概略構成図、第４図、第５図および第６図は第３図
に示したインクジェット記録装置のセンサを備えたアー
ス側偏向電極部分を示す上面図、断面図および下面図で
あり、これら図中、第１図および第２図と同一符号は同
−物又は均等物を示す。

前記従来例と異なるところは、センサ８の構造とその配
置場所である。

すなわち、センサ８の検知板１８は、平板状に形成され
るとともに、互に対向して配置された平板状のアース側
と高圧側の偏向電極５，６のうち、アース側偏向電極５
のインク粒子飛行面に対し近接して平行に配置されてお
り、その出力端子２２は偏向電極５に穿設された穴２３
を通して反対側に突出し、同軸ケーブル９の芯線２４と
接続されている。

また、同軸ケーブル９のシールド線２５は偏向電極５に
接続され、これら検知板１８および同軸ケーブル９は、
絶縁コーティング剤２１により、偏向電極５に接着、固
定される。

前記のように、ノズル孔２から噴出され、粒子化された
インク粒子４は、第３図に示すように、１全て静電界中
に配置された検知板１８の上方を通過してゆくが、位相
検出用パルスにより予め検出用電荷量を与えられた位相
検出用インク粒子が検知板１８の上方を通過すると、こ
のインク粒子のもつ検出用電荷量によって検知板１８に
誘導電流が流れ、これが同軸ケーブル９を介して位相検
出回路１２に導かれ、位相シフトが必要であると判定さ
れたときには、位相シフト回路１３により、荷電信号発
生回路１４の荷電信号の発生タイミングが１８０°シフ
トされる。

； 本実施例によれば、アース側偏向電極５をセンサ８
の保持部材およびシールド板として兼用したので、従来
のセンサで用いられていたボディー１６．１７、スペー
サ２０およびシールド板１９が不要となり、センサの構
造がきわめて簡単になるばかりでなく、単に検知板１８
および同軸ケーブル９を絶縁コーティング剤２１で偏向
電極５に接着すればよいので、その組立工数を大幅に低
減することもできる。

また、センサ８を偏向電極５，６によって形成された静
電界中に配置したので、従来、センサが存在することに
よって必要とされていた距離ｌが不要となり、この距離
ｌの分だけインク粒子の飛行距離りを短かくでき、飛行
距離に起因する記録歪を低減することができる。

第７図は本発明の他の実施例に係るインクジェット記録
装置の概略構成図である。

この実施例では、センサ８の検知板１８がアース側偏向
電極の一部として兼用さへ高圧側偏向電極６との間で静
電界を形成している。

その他の構造は、第３図の実施例とほぼ同様であるから
、説明は省略するが、この場合にも、前記実施例とほぼ
同様の効果が得られることは明らかである。

なお、これら各実施例において、静電界中に配置された
センサにより静電界が乱されて、インク粒子の偏向に悪
影響が生じることを懸念されるかもしれないが、インク
粒子の検出用電荷量によってセンサに誘導される電流は
微弱であり、検知板はほぼアース電位にあるので、静電
界は殆んど乱されず、実用上、何ら支障のないことが実
験により確認されている。

以上説明したように、本発明によれば、センサを偏向電
界中に配置したので、従来センサが存在することによっ
て必要とされていた距離が不要となり、この距離の分だ
けインク粒子の飛行距離を短かくでき、飛行距離に起因
する記録歪を低減して良質の記録を行なうことができる
。

また、アース側偏向電極をシールド板として兼用するこ
とが可能であるため、センサの構造も簡単となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来におけるインクジェット記録装置の概略構
成図、第２図は従来のセンサの構造を示す断面図、第３
図は本発明の一実施例に係るインクジェット記録装置の
概略構成図、第４図、第５図および第６図は第３図に示
したインクジェット記録装置のセンサを備えたアース側
偏向電極部分を示す上面図、断面図および下面図、第７
図は本発明の他の実施例に係るインクジェット記録装置
の概略構成図である。 １・・・・・・電気機械変換素子、２・・・・・・ノズ
ル孔、３・・・・・・帯電電極、４・・・・・・インク
粒子、５００．・・・アース側偏向電極、６・・・・・
・高圧側偏向電極、８・・・・・・センサ、９・・・・
・・同軸ケーブル、１２・・・・・・位相検出回路、１
３・・・・・・位相シフト回路、１４・・・・・・荷電
信号発生回路、１５・・・・・・励振回路、１８・・・
・・・検知板、２１・・・・・・絶縁コーティング剤。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 加圧励振されたインクをノズル孔より噴射し、この
   インクを粒子化し、このインク粒子に記録情報に応じた
   電荷を与え、この荷電されたインク粒子を互に対向して
   配置された平板状のアース側偏向電極および高圧側偏向
   電極によって形成される静電界中を飛行させ、その電荷
   量に応じて偏向することにより被記録体に記録するとと
   もに、予定のタイミングでインク粒子に与えられた位相
   検出用電荷量を検出電極により検出し、これによって記
   録情報に応じた電荷をインク粒子に与える荷電タイミン
   グを制御するインクジェット記録装置において、前記検
   出電極を平板状に形成し、この平板状の検出電極を前記
   アース側偏向電極側に、これと平行にかつ電気的絶縁状
   態で、前記高圧側偏向電極に対向させて配置したことを
   特徴とするインクジェット記録装置。 ２、特許請求の範囲第１項において、前記検出電極は、
   その電極面が前記アース側偏向電極の電極面とほぼ面一
   に配置されて、前記アース側偏向電極の一部を兼用して
   いることを特徴とするインクジェット記録装置。