JPS5821901Y2 - ヒンジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、扉とその取付枠に夫々固着される一対の取付
部材を枢着したヒンジに関するものであって、特に一方
の取付部材が座板を介して取付枠に固着され、しかも当
該固着に際して同取付部材の取付位置が前後方向に調整
できるよう構成されたものに関する。

一般にこの種ヒンジは、座板に螺合した固定ねじを取付
部材に穿設した長孔に挿通し、該長孔に沿って同取付部
材を上記座板に対し、取付枠の前後方向に移動してその
取付位置を調整した後、上記固定ねじを締付けて同取付
部材を座板に固定するよう構成されている。

ところが従来におけるこの種のヒンジでは、上記取付部
材がその長孔の長さ分だけ座板に対して移動できるよう
になっているだけでなく、同取付部材は固定ねじを中心
とする回動方向への自由度も持っているので、上記取付
位置の調整に際して、取付部材が固定ねじを中心として
不本意に回動してしまい、このため当該調整作業が極め
て行い難く、さらに同調整により位置決めを行ない、固
定ねじを締付けて取付部材を座板に固定した後でも、固
定ねじを堅く締付けておかないと、これを中心として上
記取付部材が回動してその位置がずれてしまうといった
難点があった。

本考案は、このような従来の問題点を解消すべくなされ
たものであって、取付部材の固定ねじを中心とする回動
方向の自由度を規制することにより、同取付部材を座板
に対して調整しようとする方向にのみ移動できるように
し、もってその取付位置の調整が容易かつ正確に行える
ようにすると共に、固定ねしによる固定後においても不
本意なガタなどが生じることのない安定した固定状態が
得られるようにしたものである。

以下この構成を図示の一実施例に基き説明すると、第１
図において、１は扉Ａの取付枠Ｂに、座板２を介して固
着される取付部材で、これは略中腹に段落を形成した横
板部３と、該横板部３の一側辺から立設した側板部４と
からなり、該横板部３の上記段落より後端側には、同板
３から上方へ突設した座部５付の螺孔６、固定ねじ７の
頭部径より大径の挿通孔８、および該挿通孔８と連続さ
せた案内長孔９が夫々穿設されており、さらに同横板部
３の最後端には、上記案内長孔９と平行な二条の凹欠部
１０，１０が欠設されている。

また上記側板部４の先端には軸ピン１１が軸挿され、こ
の軸ピン１１には、扉Ａに固着されるべき他方の取付部
材１２が枢着されているが、ここで同取付部材１２は、
略中央に所定幅の嵌込凹部１３を形成したブロック状の
ものからなっている。

一方上記取付部材１を取付枠Ｂに固着すべき座板２は、
略中央部に、上方へ突設した座部１４付の螺孔１５を有
し、後端に二本のピン１６．１６を突設したもので、上
記座部１４の両側において止ねじ１７゜１７により取付
枠Ｂに固着されるようになっている。

そこでこのような構成からなるヒンジを用いて、第２図
、第３図で示すように取付枠Ｂに扉Ａを蝶着するには、
先ず扉Ａ側では、鉄扉Ａの角隅部を取付部材１２の嵌込
凹部１３に嵌込み、接着剤などで個定することにより同
罪Ａの角隅部に取付部材１２を固着する。

一方取付枠Ｂ側では、止ねし１７．１７により座板２を
該取付枠Ｂの端縁部に固着し、さらにこの座板２の上面
に取付部材１を載置し、がつこの状態で座板２の座部１
４を挿通孔８側から案内長孔９に嵌合し、かつ座板２の
ピン１６．１６を凹欠部１０゜１０に嵌合して案内機構
１８を構成する。

ついで上記座部１４の螺孔１５に固定ねじ７を螺合し、
これを弛め加減とした状態で案内長孔１９に座部１４、
凹欠部１０，１０にピン１６．１６を夫々嵌合したまま
、当該取付部材１を、第２図中矢印ａ方向に移動させて
、その取付位置を取付枠Ｂに対して前後方向へ調整する
のであるが、この際上記凹欠部１０．１０は案内長孔９
と平行に欠設されており、しかもこれに座板２のピン１
６．１６が嵌合することにより案内機構１８が構成され
ているので、当該取付部材１は取付枠Ｂに固着された座
板２に対し、取付位置を調整しようとする方向（第２図
中矢印ａ方向）にのみすべり対偶をなすようその自由度
が規制され、これにより固定ねじ７を中心として取付部
材１が不本意に回動してしまうことがない。

次にこのような調整作業により取付部材１の取付位置が
決定したならば、こんどは螺孔６に螺挿した調高ねじ１
９を回動して同取付部材１の座板２に対する高さ方向（
取付枠Ｂの厚さ方向）の位置を調整し、ついで固定ねじ
７を締付けて当該取付部材１を座板２に固定する。

なお以上の実施例では、同取付部材１，１２が軸ピン１
１により直接枢着されているが、本考案はこれらの取付
部材がリンクなどを介して互いに枢着されたものについ
ても全く同様にして適用することができる。

以上説明した通り、本考案は取付部材１を座板２に固定
する固定ねじ７を、同取付部材１に穿設した案内長孔９
に嵌合することにより、同取付部材１の前後方向におけ
る取付位置を調整自在とし、さらに上記取付部材１と座
板２には、取付部材１が座板２に対し、当該調整しよう
とする方向へのみすべり対偶をなすようその自由度を規
制する凹欠部１０，１０、ピン１６．１６等の案内機構
１８を設けてなるものであるから、三点係嵌状態の回り
止め構造が得られ、したがって取付位置の調整に際して
、取付部材１が固定ねじ７を中心として不本意に回動し
てしまうようなことがなく、このため上記調整作業が極
めて行い易くなると共に、当該取付部材１の取付位置を
正しい方向に沿って正確に決定することができるように
なる。

また取付部材１を座板２に固定した場合において、固定
ねじ７の締付が多少甘いような場合でも、取付部材１が
固定ねじ７を中心として回動してしまうようなことがな
く、安定した固定状態が確保される。

さらに座部１４が取付部材１の案内長孔９内へ介入状態
となるから座板２上に取付部材１を重ねても当該座部１
．４は容易に看取でき、従って、この座部１４がメクラ
穴となってしまうことはなく、ここへ固定ねじ７をねし
こむのも容易に行なえる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す分解斜視図、第２図は
同平面図、第３図は第２図におけるＩＩＩ −ＩＩＩ線
縦線面断面図る。 １．１２・・・・・・取付部材、２・・・・・・座板、
７・・・・・・固定ねし、９・・・・・・案内長孔、１
０・・・・・・凹欠部、１４・・・＝・・座部、１６・
・・・・・ピン、Ａ・・・・・・扉、Ｂ・・・・・・取
付枠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扉とその取付枠とに夫々固定される一対の取付部材を相
   互に枢着し、かつ一方の取付部材が座板を介して上記取
   付枠に固着されるようにしたものにおいて、上記座板の
   表面には取付部材固定用とした固定ねじが螺着される螺
   孔付の座部を突設し、上記取付部材の板面には該座部と
   係嵌対応する長手方向の案内長孔を穿設し、当該座部と
   案内長孔とを相対嵌合して取付部材を座板上へ重ね合わ
   せることにより、同取付部材の前後方向における取付位
   置を調整自在とし、さらに上記取付部材と座板との相対
   関係では、取付部材が座板に対し当該調整しようとする
   方向へのみすべり対偶となるように座板表面には複数の
   ピンを並列して突設し、取付部材の板面には、該ピンと
   係合する複数の互いに平行した凹欠部を該取付部材長手
   方向に欠設してなるヒンジ。