JPS5821515Y2 - 給電ロ−ルに対する大電流給電装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案ま給電ロールに対する大電流給電装置の考案に係
り、金属ス） ＩＪツブの連続電解処理設備の如きにお
いて、その電解槽に配設された給電ロールに対し大電流
を安定且つ的確に供給することを可能にし、又該給電ロ
ールの取扱操作を容易ならしめた新規な大電流給電装置
を提供しようとするものである。

金属ストリップの連続電解処理をなすに当ってはロール
によって該ストリップを案内して電解槽に装入し、又こ
のようなロールを利用して給電し、電解ゾーンにおいて
対極との間で電解処理することが行われている。

ところがこのような従来の給電ロールに対する電流供給
は該給電ロールの軸部に対する軸受機構の外側に該給電
ロールの軸部を延長して円板又は円筒をこの延長した軸
部に取付けて刷子接触により給電するようにしているが
、この方式によるときは給電ロールにおける重量バラン
ス上軸受機構外部に大きい円板や円筒を取付けることが
できず、該刷子接触のための円板又は円筒に制限を受け
、従って刷子接触部も小さいこととなるので大電流を供
給し難い欠点を有している。

このため上記のような給電用円板又は円筒の外側に更に
軸受を設は重量バランスを採ることも考えられるが、こ
のようにすると給電ロールに対する本来の軸受（２個）
の外に更にもう１つの軸受が必要となり、従って３個の
軸受間において長期間に亙る安定した作動をなすセンタ
ーを採ることが頗る困難となる。

本考案は上記したような従来のものの不利、欠点を解消
するように研究して考案されたものであって、その具体
的な実施態様を添附図面に示すものについて説明すると
、この実施態様のものは電解槽に装入されるス） ＩＪ
ツブ１を電解槽入側の電解ゾーン上方に設けられた軸受
２Ｃに支持されたパスロール２に捲回し、即ちガイドロ
ール１ａと電解槽側の浸漬ロール６との間において上記
パスロール２上を迂回して導入され、このパスロール２
上に押圧シリンダー７を有する給電ロール３を設けてス
トリップ１に対し直線状の適当な押圧条件下で電流を供
給するようにしたものであって、斯かる給電ロール３に
対する押圧シリンダー７による押圧操作関係の詳細は第
１図に示されているように、パスロール２は固定スタン
ド２ａ上に固定されたフレーム２ｂに装着された軸受部
２Ｃにその軸部２ｄが支持され、即ち固定的に軸受けさ
れたものであるのに対して給電ロール３の軸部３ｄは前
記フレーム２ｂ上に取付けられたブラケット３Ｃに対し
て上下方向にスライド可能な摺動ガイド３ｂを配設し、
この摺動ガイド３ｂに取付けられた軸受座３ａに軸受け
されたものであって、しかもこの軸受座３ａに対しては
上述したような押圧シリンダー７の操作ロッド７ａが連
結されていて軸受座３ａを介し給電ロール３を圧下する
。

上記したガイドロール１ａ及び浸漬ロール６が上記固定
スタンド２ａに取付けられた軸受座で支持されているこ
とは図示の通りである。

上記したような給電ロール３に対する本考案の大電流給
電装置は第２図に示す通りであって、前記した軸部３ｄ
の端部に自在継手機構１６を介して固定台１３Ｈに軸受
けされた固定回転軸１３が連結され、このような固定軸
１３に対してスリップリング１４を前記自在継手機構１
６部分の周囲をカバーした状態で設け、斯様なスリップ
リング１４に対しては複数個の給電刷子１５を配設せし
めて外部電源からの給電を図り、然して前記スリップリ
ング１４と軸部３ｄに設けられたカップリング１８との
間には可撓性導線１７を設けて給電ロール３に対して給
電するように或っているものであって、各給電刷子１５
にはバネ１９が内装されていることは図示の通りであり
、固定回転軸１３の固定台１３ａより延出した部分には
必要に応じてバランスウェイ） ２０を取付けてこの回
転軸系の重量的バランスを図ることができる。

即ちこのような構成によれば回転力は自在継手機構１６
を介して固定回転軸１３に伝えられ、又その給電は刷子
１５からスリップリング１４、可撓性導線１７．２つ割
りのカップリング１８を経て給電ロール３に電流を供給
することができることは明らかであり（スリップリング
１４は自在継手機構１６および固定軸１３と絶縁されて
いる）、その通電を行わない場合に押圧シリンダー７に
対する操作流体回路を逆方向に切換えることにより給電
ロール３がストリップ１から離脱され、このような離脱
操作に当っては自在継手機構１６における連結ピン挿通
孔を図示のように長孔状にしておくことにより給電ロー
ル３を容易に取扱われ、しかもこの状態ではギヤ１１．
１１間の係合も解放されるので給電ロールその他の点検
、保守に好都合であり、勿論この状態でパスロール２の
みを回動させることにより通板操作を実施することは容
易である。

具体的に上記したような本考案装置を使用した操業例に
ついて説明すると、厚さ０．２〜Ｑ、３ｍｍで幅３ＱＱ
ｍｍのストリップを電解槽に対してライン速度２〜２
０ｍ／ｍｉｎで搬送し電解処理するに当り、パスロール
２としては径２５０ ｍｍ、面長４００ｍｍの硬質ゴム
製のものを用い、又給電ロール３としては径２００ ｍ
ｍで面長４００ｍｍの工業用純アルミニウム製のものを
用い、給電ロール３とストノツプ１の接触圧をば２ ｋ
ｇ／Ｃｍ２として４５００ Ａの交流電流を通電せしめ
る際の前記給電ロール一端側におけるストップリング１
４としては砲金製の径３００ ｍｍ、長さ５００ ｍｍ
のものを用い、又給電刷子１５としてはメタルカーボン
製の接触面積が１個当り１００ｍ２とされたものを３２
個用い、これを８個宛４列の組として夫々放射方向に等
角関係で配設して給電させたところ、前記したような４
５００ Ａの交流電流を円滑に給電ロール３に供給する
ことが可能であって６力月以上に亙る操業結果によって
も何等の問題がなく、同様に安定した操業を継続し得る
ものであることが確認された。

以上説明したような本考案によるときは給電ロール３の
軸部３ｄにおける少くとも一端を軸受外側に延長させて
自在継手機構１６を介して固定軸に連結すると共にこの
自在継手機構部分を包囲して位置させたドラム状のスリ
ップリング１４を前記固定軸１３に連結し、前記スリッ
プリング１４を可撓性導体１７により給電ロール３の軸
部に接続し、上記スリップリング１４に対して給電刷子
を配装することにより比較的大径でしかもドラム状とさ
れた該スリップリングを介して大電流であっても有効に
給電ロール３に供給することができ、又機械的には自在
継手機構１６を介してスリップリングが固定軸側に連結
されていることから相当に大きなスリップリング１４を
採用しても給電ロール３の荷重バランスに影響すること
がなくなって安定した給電ロール３の回転作動が得られ
、更には給電ロール３部分が自在継手機構部分を屈曲さ
せて適宜に上下方向その他に操作することが可能でスト
リップの通板操作などを容易ならしめることができ、又
固定式の給電ロールを用い該給電ロールの上下操作機構
を必要としないので給電ロールの軸部およびスリップリ
ングの固定軸が３つ以上の軸受部で支持されていても（
例えばロール３がなくロール２又はロール１ａなどを給
電ロールとした場合）上記自在継手機構１６の存在によ
って芯合わせなどに苦心する必要がないなどの作業効果
を有していることは勿論であり、本考案は実用上その効
果の大きい考案である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を示すものであって、第１図は
本考案装置を適用される金属ストリップ電解処理設備入
側部分におけるロール配設関係を示した断面図、第２図
はその本考案給電装置部分に関する一部切欠側面図であ
る。 然してこれらの図面において、１はストリップ、２はパ
スロール、３は給電ロール、７は押圧シリンダー、１３
は固定回転軸、１４はスリップリ卆グ、１５は給電刷子
、１６は自在継手機構、１７は可撓性導体、１８はカッ
プリング、２０はバランスウェイトを夫々示すものであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸受座に対して回転自在に軸受けされた給電ロール軸部
   の少くとも一端側を軸受座外側に延長させ、この延長部
   分に自在継手機構を介して固定回転軸を連結し、該固定
   回転軸に前記自在継手機構部分を包囲して位置させたド
   ラム状のスリップリングを連結し、該スリップリングに
   対して給電刷子を配設すると共にこのスリップリングを
   可撓性導体を介して前記給電ロールに対し電気的に導通
   させるようにしたことを特徴とする給電ロールに対する
   大電流給電装置。