JPS5914765Y2 - 棒鋼の連続磁粉探傷装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は丸ビレットなど断面円形の棒鋼を連続的に磁
粉探傷する探傷装置に関するものである。

磁粉探傷においては、被探傷材を磁化させなければなら
ないが、この場合、被探傷材である棒鋼に直接的に通電
し、いわゆる直接通電方式による磁化方法が残留磁気の
面で有利とされている。

したがってこの種の探傷装置においては、棒鋼材に接触
して通電する一対の通電接触部と、これら一対の通電接
触部の間に電流を流す通電部とを有しているのが普通で
ある。

ところで従来の装置においては、通電接触部において棒
鋼との間に火花を生じ危険であるばかりでなく通電不良
を伴なうという不利な問題点を有している。

この考案はこのような欠点を解決した探傷装置を提供す
ることを目的とするものである。

以下、図面に示す一実施例についてこの考案を説明する
。

１は矢印方向に送られる丸ビレットで搬送ローラ２，２
によってスパイラル送りされる。

この丸ビレット１の搬送方向に沿って一対の通電接触部
４，４が配置され、さらにこの間隔内に磁粉散布機構３
が配設されている。

したがってスパイラル送りで走行される丸ビレット１は
通電接触部４，４によりこれらの間で通電されて連続的
にＮ−３極に磁化され、この磁化された部分に蛍光塗料
等が付着された磁粉が散布機構３より連続的に散布され
る。

なお磁粉は油等の液体中にサスペンドされているのが通
常である。

丸ビレット１に傷が存在すれば磁界の乱れにより散布さ
れた磁粉が付着して欠陥部が表示されることになる。

すなわちこの探傷装置は探傷とマーキングを連続的にか
つ同時に行なうものである。

丸ビレット１はスパイラル送りされまた丸ビレット１の
直径は種々であるので、通電接触部４゜４はあらゆる方
向に回転自在となって常に丸ビレット１の外周面に接し
て追従することが要求される。

このことから特にこの考案では、第１図に概略的に示さ
れ、第２図に詳細に示されているとおり、丸ビレット１
の長さ方向および円周方向に並べられた４個の球ローラ
電極４１を備え有している。

すなわち第２図で゛は円周方向に並べられた２個の球ロ
ーラ電極４１．４１が示されているが、これらはそれぞ
れ保持板４２．４２の回転軸４２ａ、４２ａよって回転
自在に支えられ、この保持板４２．４２は基板４４に設
置された軸受４３．４３の回転軸４３ａ。

４３ ａにより回転自在に支承されている。

この回転軸４３ａ、４３ａは丸ビレット１の長さ方向に
対してほぼ直角な方向を向いており、また回転軸４２ａ
、４２ａは回転軸４３ａ、４３ａに対してほぼ直角にな
っている。

したがって回転軸４２ａ、４２ａは、保持板４２．４２
が回転することにより丸ビレット１の外周面に平行な面
内でいずれの方向にも自在に向くので、丸ビレット１が
長さ方向および円周方向にどのような動きをしても球ロ
ーラ電極４１．４１は外周面に接触しながら回転して追
随していく。

９は基板４４と電源部８を接続するリード線である。

通電接触部４，４がこのような構成であるから球ローラ
電極４１，４１は丸ビレット１のスパイラル送りに対し
てあらゆる方向に回転しかつ通電を可能にする。

さらにリード線９は基板４４に接続されており、球ロー
ラ電極４１へは軸受４３と保持板４２とこれらの回転軸
４３ａ、４２ａを介して通電されるようになっているた
め、構造が簡単でありノード線９もそれ程動かず安定で
ある。

実験の結果、丸ビレット１と球ローラ電極４１．４１間
における火花の発生が皆無であることは勿論、球ローラ
電極４１．４１の支承部である保持板４２．４２及び軸
受４３．４３における火花の発生もなく、球ローラ電極
４１，４１と丸ビレット１との接触が良好かつ円滑で適
確な磁化を行なわせることが確認された。

基板４４．４４はそれぞれピン４５により回動自在に支
持板４６に取付けられており、この支持板４６はリンク
機構５により保持されるとともに付勢機構６により所定
の圧力で丸ビレット１の方向に付勢されている。

リード線９はこの基板４４．４４に接続されているので
丸ビレット１の搬送状態にあっても揺動したりすること
が少なく安定である。

なお７は案内ローラで一方の支持板４６の一端部に支持
されている。

この考案は以上詳述したとおりであるから、直接通電方
式における通電接触部が簡単な構造でありながら従来に
比して著しくすぐれており磁粉探傷技術を向上させるこ
とができる。

すなわち通電接触部は簡単な構造であるにもかかわらす
被探傷材である棒鋼に対して接触関係が良好に維持され
かつ円滑に行なわれ火花の発生が皆無で磁化性能を著し
く向上させるものである。

特に棒鋼のスパイラル送りを円滑に保証するものであり
、連続磁粉探傷に極めて有益である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１図は装置
の平面図、第２図は要部を詳細に示す図である。 １・・・・・・丸ビレット、２・・・・・・ローラ、３
・・・・・・磁粉散布機構、４・・・・・・通電接触部
、４１・・・・・・球ローラ電極、４２・・・・・・保
持板、４３・・・・・・軸受、４４・・・・・・基板、
４６・・・・・・支持板、８・・・・・・電源部、９・
・・・・・リード線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面円形の棒鋼をスパイラル送りする機構と、走行中の
   棒鋼に対してその走行方向に間隔を有して配置された一
   対の通電接触部と、この両通電接触部を通じて棒鋼に磁
   化電流を流す通電部と、前記両通電接触部の間隔内に配
   置された磁粉散布機構とを備え有する棒鋼の連続磁粉探
   傷装置において、前記一対の通電接触部はそれぞれ、各
   々の回転軸が前記棒鋼の長さ方向にほぼ直角になるよう
   にして前記棒鋼の円周方向に並べて配置された少なくと
   も２個の軸受と、各々が前記軸受の回転軸に対してほぼ
   直角な回転軸を有し且つ前記軸受によって回転自在に支
   持される少なくとも２個の保持板と、この保持板の回転
   軸によって各々が回転自在に保持される少なくとも２個
   の球ローラ電極とからなることを特徴とする棒鋼の連続
   磁粉探傷装置。