JPS5821225Y2 - 押釦式同調器における選局部材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本願は押釦式同調器の選局部材に関し、その薄形化と選
局精度の向上をはかったもので、その実施例を以下図面
について詳述すると、全体として面状に構成された器枠
１は、その前板１ａ及び後板１ｂに夫々選局部材Ａを摺
動自在に支持する摺動孔２ ａ 、２ ｂが穿設されて
おり、且つ前記前板１ａには、上方に延び、それから屈
曲して後板１ｂと反対方向（以下後方という）に水平に
延びる押釦支持片３が、器枠１に装備される選局部材数
に相当して並設されている。

選局部材Ａは、長尺で両側にリブ５を有した断面下向き
コ字状の部材から成り、前端に、上方に立上ってそれか
ら水平に延びる延長片４を設けた腕金５と、基端が腕金
５に枢軸６を介して枢着され、道端に記憶ピン７を軸止
した周波数規定板８と、該規定板８を抑止するように基
部が軸ピン９により腕金５に傾動自在に支持され、遊端
−側部にＶ字状の屈曲部１０を有した抑止片１１と、こ
の抑止片１１の内面池側部に重合され、一端が抑止片１
１の道端側に軸ピン１２を介して軸止されると共に、他
端に前記抑止片１１に穿った通孔１３を貫通して抑止片
１１の外面に突出する作用片１４を設けたバネ板から成
る弾片１５と、前記腕金５の延長片４に摺動自在に連結
され、先端に腕金５と前記屈曲部１０との間に割り込む
隆丘部１６を有した作動部片１７と、前記抑止片１１の
外端に固定され、内部に長さ方向に延びて前記腕金５の
延長片４を摺動自在に受容する孔１８と、前記押釦支持
片３を受容する孔１９とを有し、この孔１９に腕金５の
復元用スプリング２０を介した押釦２１とから構成され
ており、このように構成された選局部材Ａから前記器枠
１の摺動孔２ａ、２ｂに摺動自在に支持されている。

前記選局部材Ａと器枠１の下面との間の後部位置には、
選局部材Ａと直交するように選局用カム板２２がその長
さ方向に摺動可能に装備されており、この選局用カム板
２２の前記記憶ピン７と対向する長さ方向の側縁には、
選局部材Ａが押圧されて後板１ｂ方向に移動（以下前進
という）したとき、記憶ピン７と作用して規定板８の設
定角度に相当する横動ストロークをカム板２２に付勢す
るＶ字状の凹部２３が形成されており、このカム板２２
には、可変同調素子及び手動同調機構（いづれも図示せ
ず）とが接続されている。

また選局材部Ａと器枠１の下面との間の前部位置には、
選局部材Ａと直交するように、クラッチ作動用カム板２
４がその長さ方向に摺動可能に装備されており、このカ
ム板２４の前記作用片１４と対向する長さ方向の側縁に
は、選局部材Ａが押圧されて前進したとき、作用片１４
と作用してカム板２４に前記手動同調機構のクラッチを
切離するに必要な横動ストロークを付勢するＶ字状の凹
部２５が形成されている。

２６は一端が腕金５に軸止され遊端が抑止片１１の内面
に当接されたバネ板から成る中間部片、２７は復元用ス
プリング２０の受段部である。

なお上記受段部２７を支持片３の屈曲端部としてもよい
ことは勿論である０ しかして第１図で示すように、抑止片１１により規定板
８が抑止されている状態から、押釦２１を手前方向に牽
引すると、これに固定の作動部片１７が後退して、隆丘
部１６が抑止片１１の屈曲部１０から外れ、抑止片１１
が腕金５側に傾動して規定板８の抑止状態は解かれ、第
２図に示すように該規定板８が自由な回転状態となる。

次いで手動同調機構を操作して可変同調素子を可変する
と共に、選局用カム板２２を所要の横動ストロークに設
定した後、第２図の状態から押釦２１を矢印方向に押圧
すると、選局部材Ａが復元用スプリング２０に抗して前
進し、記憶ピン７が前記カム板２２の凹部２３に合致す
る。

このとき自由な回転状態にある規定板８が選局用カム板
２２の横動ストロークに相当して回動変位する。

また抑止片１１が腕金５側に傾動していることにより、
作用片１４はクラッチ作動用カム板２４の凹部２５から
外れた状態におかれるので、該カム板２４は選局部材Ａ
の前進によって横動されることはなく、従って手動同調
機構のクラッチが切離されない。

次いでこの状態から更に押釦２１を押圧すると、腕金５
に対し作動部片１７が前進して、その隆丘部１６が腕金
５と抑止片１１の屈曲部１０との間に楔入し、これによ
り抑止片１１は腕金５から離れる方向に傾動するので、
規定板８が抑止片１１の遊端により抑止され、規定板８
は選局用カム板２２の横動ストロークを記憶する。

この状態で押釦２１の抑圧を解くと、選局部材Ａは復元
用スプリング２０によって第１図の状態に復元する。

この場合前記作用片１４が抑止片１１と共にクラッチ作
動用カム板２４側に変位するが、弾片１５の弾性により
作用片１４はクラッチ作動用カム板２２４の面を軽い力
で接しながら後退し、選局部材Ａの復元状態でクラッチ
作動用カム板２４の凹部２５に臨む。

次いで第１図の状態から押釦２１を矢印方向に押圧する
と、作用片１４がクラッチ作動用カム板２４の凹部２５
と作用し、該カム板２４が横動して手動同調機構のクラ
ッチを切離し、また記憶ピン７が選局用カム板２２の凹
部２３と作用し、該カム板２２は規定板８の記憶角度に
相当して横動し、これにより選局状態の再現が達成され
る。

従来この種の選局部材は、一般に腕金に作用片を設けて
成るので、規定板の自由な回転状態から押釦を押圧し、
規定板を選局用カム板の横動ストロークに倣わせ、次い
で規定板を抑止する動作過程で、作用片がクラッチ作動
用カム板と作用し、これによって手動同調機構のクラッ
チが切離される。

そのため、規定板が選局用カム板の横動ストロークを記
憶するときに、クラッチの切離により選局用カム板が多
少とも横動変位して選局誤差をもたらす惧れがあったが
、本願によれば、抑止片の内面にバネ板から成る弾片の
一端を軸止し、その曲端にクラッチ作動用カムと作用す
る作用片を設けたので、規定板の自由な回転状態から押
釦を押圧し、規定板を選局用カム板の横動ストロークに
倣わせ、次いで規定板を抑止してから選局部材が後退す
る過程では、作用片がクラッチ作動用カム板と伺等作用
することはなく、従って選局用カムが横動変位して選局
誤差をもたらす惧れはなく、高い選局精度を得ることが
出来、而も作用片を有した弾片を抑止片の内位側に配置
し、抑止片の傾動作用を利用してクラッチ作動用カム板
との作用関係を制御する構成であるので、選局部材の器
枠内に収納される部分が薄形に構成出来て、同調器の薄
形化に有効であり、且つ構造も簡単であるなどの利点を
有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本願の実施例を示すもので、第１図は規定板を抑
止した状態の縦断側面図、第２図は規定板を抑止しない
状態の縦断側面図、第３図は抑止片と弾片との分解斜視
図である。 図中５は腕金、７は記憶ピン、８は周波数規定板、１１
は抑止片、１３は通孔、１４は作用片、１５は弾片、１
６は隆丘部、１７は作動部片、１９は孔、２０は復元用
スプリング、２１は押釦、２２は選局用カム板、２４は
クラッチ作動用カム板である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 腕金に、規定板と、この規定板を傾動作用により抑止す
   る抑止片と、この抑止片の遊端と腕金との間に介入して
   該抑止片に傾動作用を付勢する作動部片とを備えて成る
   押釦式同調器における選局部材において、前記抑止片の
   内面側にバネ板から成る弾片の一端を軸止すると共に、
   その他端に、クラッチ作動用カム板を操作する軸ピンを
   突設し、この軸ビンを、抑止片に穿った孔乃至切欠部を
   介して抑止片の外面に突出させて成る構造。