JPS5821157B2 - パイプ特に石油採堀用パイプの接合装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は雄部及びこれに対応するネジ部を有する雌部を
有し、該雄部及び雌部を直接にパイプ上にあるいはこれ
と係合するヌリーブ土に設けうるパイプ接合用の新規な
接合装置に関する。

本発明の接合手段は特にパイプ端を相互に接続して長い
管とし、例えば石油、ガヌまたは温泉試掘弁内の流体通
路または補強用内装用にあるいは地中での流体循環用等
その他の用途に使用しうる。

例えば石油外の試掘、利用の分野におけるパイプに於て
最も厄介な問題はパイプ端間を接続する手段であること
は既知である。

パイプの接続部に於てパイプ壁自身と同一の機械的強度
を得ることが当然望ましい。

この目的を達成するため種々の接合装置が提案されたが
、これらはパイプ壁自身に比して相当の厚さ増大を伴う
ものであり、かかる厚み増加は外径の増大、または内径
の減少、またはその両者を招くこととなる。

かかる厚み増加はパイプ製作時に於て特別の複雑な操作
を必要とし、またかくして生じた寸法変化は応用上不便
である。

他方接合部の厚さがパイプ自身の厚さと変らずしかも直
径も同一なることを要求すると、多段円筒状才たは円錐
状等いかなる形式の雄ネジまたは雌ネジを使用してもパ
イプ材料が削除されまたネジ山間には空隙が存在するた
め雄部及び雌部それぞれの厚さはパイプ自身の厚さより
かなり減少しまた雄部と雌部の合計厚さもパイフ乍身の
厚さと等しくならない。

この結果雄部及び雌部それぞれの縦方向引張強度はパイ
プ自身の強度より低下する。

かかる強度低下は用途によっては許容しうる場合も多い
が、雄部及び雌部における厚さ減少はより許容し難い欠
点の原因となる。

実際に雄部及び雌部はいずれもその厚さが薄いため内部
または外部の流体圧に対し、あるいは内外部間の圧力差
即ち差圧に対して強度が低い。

使用条件によりこの差圧は内部から外部へあるいはその
逆方向に作用する。

接合部の雄部及び雌部に於ρパイプ壁の厚さ増大か好ま
しくない場合には流体圧が係合部材間に侵入することを
防ぐため雄部及び雌部を結合するネジ溝の二個の端部を
完全に気密とすることが必要となる。

内圧または外圧に対して有効な気密性を得ることは比較
的容易であるが、両方向に対して有効な気密性を得るこ
とははるかに困難であり例えばフランヌ特許２０４７２
７４号に記載の如くより複雑かつ高価な形式の接合部が
必要となる。

しかし同一バイブ列内に於て差圧の方向が時間によりあ
るいは深度により変動する如き使用条件は多数存在する
。

本発明はこれらの問題に解決を与えるものであり、時に
石油弁の試掘、運用の分野に於て非常に長いパイプ列を
形成するに当り上記の諸欠点を克服しつると共に接合部
の雄部および（または）雌部の厚さを部分的に増加させ
る必要がなく接合部の内外形が突起部なしにパイプ自身
の円筒形状の延長となる如き円筒状パイプ用接合装置を
提供するものである。

また−変形として本発明はわずかな厚さ増加が設けられ
て接合面の形状を変化させることなくパイプ径に比して
接合部外径が増加されあるいは内径か縮小された接合装
置を提供するものである。

本発明の他の目的は内方から外方へあるいは外方から内
方へ作用する差圧のいずれに対しても完全に機械的に耐
えつる接合装置を提供することにある本発明のさらに他
の目的は内部と外部との間に完全な気密性を実現しつる
接合装置を提供することにある。

本発明のさらに他の目的はネジ込み限定衝止部を有しこ
のため誤操作による過度のネジ込みに際して接合部端に
著しい変形が生ぜず、従って衝止部に隣接するネジ溝の
変形及び部分的または全面的な食違いを防止しうる接合
装置を提供することにある。

本発明はパイプ端間のら着に使用され、雄ネジ部を有す
る雄部と該雄ネジ部と係合する雌ネジ部を有する雌部と
を備え、該ネジ部のネジ山が該ネジ部の少なくとも大部
分にわたって相補的な傾角ネジ山を形成して居り、さら
に雄部の雌部内へのネジ込み量を限定する衝止部を備え
た接合装置に関し、該傾角ネジ山が次第に減少しっつ雄
雌部いずれかの衝止肩部の近傍に達して居りかっ該衝止
肩部が他者の端部に設けられたこれと対応する衝止肩部
と係合することにより該ネジ山の貫入により該衝止肩部
の近傍に到るまで全周にわたる係止作用が得られる点を
特徴とする。

本発明に於ける傾角のネジ山とは雄ネジ山または雄ネジ
山の荷重保持側面、即ち接合装置の雄部及び雌部に対し
これらを相互に引離す方向の引張力が加えられた際に相
互に圧着される側面が接合装置の軸に対して９００以下
の角度を形成し従って同時にこれらネジ山の両側面を引
離す方向の軸方向移動か行われぬ限り雄ネジ山を峡ジ山
から離脱させることが不可能である如きネジ山を意味す
る。

またかかる傾角ネジ山を有するネジ部を衝止部の近傍ま
で達するよう設けたこと及び相互に係合する二個の層状
部から成る衝止部を設けたことにより例えば差圧の作用
により雄部及び雌部が相互に半径方向に離脱させる力を
受ける場合、９００以下の角度を有する側面部の係合に
よりかがる離脱は防止され、また雄部と雌部が肩部に於
て相互に衝合されて居りかつ雌部端部における櫛型変形
もすべて阻止されているためネジ山が半径方向に離脱し
うるよう充分な間隙を得るよう軸方向に移動することも
防止されていることが本発明の他の重要な特徴である。

本発明の特に好ましい実施態様に於ては雄ネジ及び雌ネ
ジの傾角ネジ山は平行四辺形状または少なくとも平行四
辺形に近似した台形状の断面を有する。

特に有利にはネジ山の巾即ちネジ山基部におけるネジ山
側面部の距離はネジ山の有効高の１．５乃至２．５倍、
特に好ましくは１，８乃至２．２倍とされる。

これらの値は製造直後における新しいネジを対象とした
ものであり、接合部材の反復使用後には当然減少する。

これらの特徴により最も不利な使用条件即ち差圧が最大
の場合ｌこ於てもネジ山ｌこ充分な強度を持たせ雄部及
び雌部のネジ部間の嵌合係止状態を保持することが可能
であり、また該ネジ山側面部下の金属がネジ山を弱める
ことなく塑弾性変形が可能であるためネジ山の有効角の
幾何学的偏倚（製造上の誤差に由来する）及びネジ山の
ピンチ誤差は接合手段の取付及び使用時にネジ部の全長
にわたり吸収することが可能となる。

一般に厳しい使用条件下に於ては差圧が犬になるにつれ
ネジ山側面部の角度を減少させること、即ちネジ山側面
と接合部の軸に垂直な面との角度を増大させることが望
ましい。

この角度は計算可能であり、非常に重要であることが見
出されている。

例えばこの角度は軸に垂直な面に対し約３８°とするこ
とが出来る。

しかし経験的には本発明の接合装置は１０〜２０゜より
小さな角度に於ても充分な強度を有する。

本発明の特に好ましい実施態様に於ては衝止部は雄肩部
及び雌肩部を有し、これらはネジ込み量の制限衝止部を
構成すると共に気密保持面を構成する。

好ましくは衝止部は二重円錐状の二面により構成される
。

かかる実施態様に於て二個の肩部のうち御名は凹面状の
好ましくは円錐台形または類似の形状の内側環状面を有
し、その外側に好ましくは円錐台形またはこれと類似の
形状の凸面環状面が設けられるが変形として後者の代り
にほぼ円筒形状の面を用いることも可能である。

同様に他方の肩部は円錐台形または実質上円錐台形の凸
面状内側面と好ましくは円錐台形の凹面状外側面とから
構成されるが、後者は実質上円筒面状とすることも可能
である。

雄部及び雌部の対応する当該各面は正確に相補的な形状
を有しあるいは衝止及び気密保持の効果を有するよう単
に相互に接触しうる形状を有する。

衝止部は好ましくは外側に設けられ、即ち雌部はその端
部に於て該肩部を有し、また雄部はその基部に於てこれ
と対応する肩部を有する。

この二種の解決法間の選択は機能を考慮して決定される
べきものであり、衝止部を外側に設けた場合に雌部が雄
部ｔこ対して軸方向に圧縮される作用を受ければ雌部先
端は半径方向外側に向って樽形の変形を生じこの結果雌
ネジが半径方向に雄ネジから離脱する傾向を生じるが、
本発明ではこの離脱する傾向は防止される。

衝止部が内側にあってかかる圧縮作用が生じた場合には
雄部の樽形膨張を行なう傾向を有するが、この膨張は雄
ネジ及び雌ネジをさらに緊密に係合させる作用を有する
。

いずれの場合に於ても操作上の誤りがあった場合に本発
明はかかる膨張ならびに衝止部の変形を阻止または遅延
させ従って衝止部に隣接するネジ溝の部分的または全面
的な食違いが防止または少くとも著しく遅延される。

有利ζこは雄部及び雌部の肩部の内外面の角度は円錐台
形またはこれに類似の形状の面の一方が主として気密性
保持の役割を果し他方が主として衝止部の役割を果す如
く寸法を定めることが可能であるが、一般には内側面と
外側面はその役割が交換可能であり、従って外部差圧に
対してもまた内部差圧に対しても気密性を維持すること
が出来る。

また肩部の衝止部は好ましくは雄部および雌部に於て半
径方向に最大の拡がりを有する円錐台形面が有効半径の
１．８倍またはそれ以上の母線長を有する。

従って接合手段が雄スリーブを有しその中央付近に二個
の内側肩部が設けられる場合には、二個の肩部間の距離
は少くとも有効半径の３．６乃至５倍でなくてはならな
い。

また核部と接合部軸に垂直な平面とのなす角は例えば１
５ないし２０°である。

他の面と該平面とのなす角はこれより犬であってよく、
最大９０°とすることが出来、この場合ｌこは核部は事
実上円筒面となる。

このように構成された衝止部は非常に高い半径方向強度
を有し、流体の差圧を保持すると共に完全な気密性を維
持することが出来る。

また該衝止部は例えば過度のネジ込みにより非常に強い
軸方向圧縮力が発生した場合に樽状変形を有効に阻止す
る作用を行なう。

さらに該衝止部は半径方向の大きさが最も小さくかつ壁
面に開口部を有さない離層部円錐面における接触圧を上
昇させ、加工上の凹凸を平滑化すると共に取扱時特に掘
さく時にパイプに発生する衝撃により生じる凹凸を平坦
化する作用を果する。

本発明の改良された実施態様に於ては傾角ネジ山の高さ
は漸次に但し衝止肩部に近付くにつれ急速に縮小される
。

好ましくはネジ山の縮小部分は１乃至７ピツチ分にわた
って設けられる。

この結果他の既知の接合手段の場合と同様に衝止部付近
における金属の厚さを増加させることが出来る。

また衝止部を雄ネジ及び雌ネジの有効部分の終端に近付
けうる付随的利点が得られる。

実際にネジ山が角度を有するための保持側面の係合は該
側面の高さが著しく減少した部分に於てもなお有効であ
り、またネジ山が次第に減少する形式に作られなければ
ネジ山終端に於てネジ切り工具を俄外すため衝止部の近
傍に於て次第に消失する相当の長さの無駄な溝を設ける
ことが必要となろう。

さらに工具を斜方向に取外すことは必ずしもすべての加
工機械に於て可能ではなく、従って軸方向に相当の距離
を必要とし、ネジ山終端から衝止部までの距離が増大す
る結果となる。

また特に本発明の好ましい変形に於てはネジは平行四辺
形またはこれに非常に近い台形断面を有し、従ってネジ
山及びネジ溝の半径方向厚さを変化させるには通常のネ
ジ切り機械に於て単に工具を半径方向に漸次移動させる
のみで良く、これにより雌ネジの減少部分と効果的に係
合する雄ネジの減少部分が得られる。

ネジ切り作業中に工具が半径方向に移動するため、ネジ
のピッチの一種の偏差により雄ネジ及び雌ネジ山の側面
部にわずかな軸方向の偏倚が生じうることが理解されよ
う。

雄部及び雌部の減少部分におけるピッチを適当に選択す
るとネジのピッチはより長い如き外見を呈し、従ってネ
ジ込みに際して有効ネジ山間の最初の接触は衝止部から
離れた位置で生じ、上記の偏差を吸収するに要する力は
非常に弱くまた金属内には弱い応力しか発生させない。

一変形としてネジ山の高さが次第に減少する部分はネジ
山の未だ有効な高さを有する部分例えば通常のネジ山の
高さの１５ないし４０％の範囲に於てネジ山間の溝を打
切ることにより終端としてもよい。

本発明のその他の利点及び特徴は付図に示す実施例に関
する下記の説明により明らかにされよう。

第１，２図に於て接合手段は相互にら着される２個のパ
イプ端部、即ち接合装置の雄部を構成する雄部端１及び
雌部を構成する雌部端２により構成される。

雄部１はその端部３の近傍から核部１の外側円錐面上に
形成されたネジ部４を有する。

同様に雌部２はその基部から内側円錐面に形成された対
応するネジ部５を有する。

２個の対応するネジ４，５は衝止部Ｔの近傍に達してお
り、その形状の詳細は第３図に示されている。

接合手段外側に設けられた該衝止部は２個の肩部、即ち
雄部１上に設けられた雄肩部と雌部２上に設けられた離
層部とを有する。

雄肩部は外側に接合装置の軸に対して垂直な平面と角度
ａを成す凹面状円錐台形の第一面８を有する。

該凹面状円錐台形面８の内方には該平面と核内ａより大
きな角すをなす凸面状の円錐台形面９が設けられる。

同様に離層部は角Ｋａで設けられた凸面状の外側円錐台
面１０ならびに角度すで設けられた面９に圧着される凹
面状の内側円錐台面１１を有する。

該部１１の内方にはわずかに円錐状または円筒状の面１
２が設けられ、雄部の同様な面１３と一定間隔をへだて
て対向する。

雄部と雌部をら着するとある点に於て両肩部が衝合して
肩部の各面が相互に接触することが理解されよう。

また外側差圧の場合、即ち外側の圧力が高い場合に面９
，１１が相互により強固に圧着され接合装置が封止され
ることが理解されよう。

また内側の圧力が高い場合には面８゜１０が相互に圧着
され封止が行なわれる。

衝止部付近以外のネジ部４のネジ山１４及びネジ部５の
ネジ山１５は第２図に示すように実質上平行四辺形の形
状を有し、その支持側面１６゜１１は傾角ｔを有する。

伺らかの理由により雌部２の直径が増加して雄部１から
半径方向に離脱しようとする場合、例えば過度のネジ込
みにより軸方向に過度の力が発生した場合あるいはネジ
山間に圧力が発生した場合に傾角ネジ山１４，１５は係
合して雄部及び雌部を相互に固定し、衝止肩部における
接触により雄ネジと雌ネジの離脱に必要な軸方向移動が
阻止されているため雄部１の抵抗により雌部２の半径方
向膨張が阻止される。

既知の接合装置は軸方向に過大な引張力が加えられた場
合にネジ山間の摩擦を増大させネジ山の離脱を遅延させ
る目的でネジ山にわずかな傾角を有するものであるが、
本発明は上記の新規な組合せによる既知装置と明らかに
異なるものである。

第２図は雄部及び雌部の雄ネジ山１４および雄ネジ山１
５の詳細を示す。

ネジ山は傾角を有するよう形成され、その値はネジ山の
側面が相互に滑動するのに支障とならないがネジ山の支
持側面背後の金属に対して最大の強度を得るよう定めら
れ、ネジ山は最も不利な場合、即ちネジ山側面に対し最
大の軸方向力及び最大の半径方向力が同時に作用した場
合に耐えうるよう設計される。

ネジ山の巾ｌは雄雌部を軸方向ｌこ引離そうとする軸方
向牽引力に対し希望の強度を得るように定められる。

予想される最大軸方向力Ａに耐えるためには、新品状態
でのネジ山の巾は組立時における摩耗及び変形を考慮し
てかかる力に耐えうる値とすることが出来る。

また予想される最大半径方向力Ｂを考えると、これから
生じる力Ｆは斜方向に向うこととなる。

本発明に於ては支持側面１６は傾角ｔを有するよう構成
され、該合成力Ｆが過度に傾斜していない限り該側面は
力Ｆに垂直となるよう形成される。

従ってこの傾斜を考慮してネジ山に値ｌを与えるために
はネジ山の巾を有効力ｅより犬とする必要がある。

従って平行四辺形の対角線は合成力Ｆと平行になり、ネ
ジ山はかかる力に対して最大の強度を示す。

しかし製作上の理由から角度ｔは過度に大きくすること
は不可能であり、実際にはさらに大きくすることは可能
であるが１０〜２５°の範囲が有効である。

従って実際には角度ｔが力Ｆに対して垂直な理想値より
小さい場合が生じ、側面１６，１γが相互に滑る傾向が
現われるが、本発明に於てはかかる滑動は衝止部の作用
により阻止されている。

付図に於てこれらの寸法例えば７．ｅまたは有効高りは
実際に有効な材料を含むよう設計されて居り、即ち特に
加工上不可避な丸みまたは面俄り分を含んでいないこと
が理解されよう。

第２図に於てネジ山は使用時におけるら着状態に於て示
されている。

また加工場でのネジ切り作業に於てはネジ切りのピンチ
のみならずネジ山の厚さについても許容誤差が存在する
ことは既知であり、従って加工場に於ては巾ｅは過剰に
設計され、組立及び金属変形ののち第２図に示す状態に
於て予想される力に耐えうる有効中ｅが得られるよう配
慮される。

一般に有効中ｅは好ましくはネジ山の有効高さｈの１．
８乃至２．２倍の範囲とされる。

以上付図には隅の部分が丸味を有する以外はほぼ完全に
平行四辺形状のネジ山を示したが、特に加工上の困難を
避けるための変形としてネジ山１４の前側面１６と後側
面２３の間の角度は０゜でなく例えば６乃至１０°とす
ることが出来る。

またネジ山の高さ及びネジ溝の深さの許容誤差から第２
図に示す如くネジ部の頂部および（または）溝部には半
径方向の遊びが存在しても差支えない０ 装置の実例として圧延パイプの場合の各部の寸法を次表
に示す： 本発明によれば、第１図および第３図に示すように、ネ
ジ山は衝止部に近付くにつれてその高さが次第に減少す
る。

雄ネジ及び雌ネジの大部分に於て雄ネジ山１４及び雄ネ
ジ山１５は平行な円錐面２４．２５に沿って配置される
が、衝止部に近い面２６を超えると雌部２に於て円錐２
５は角度のより大きい円錐２１に移行する。

この部分に於て雌ネジのネジ山を形成する場合には工具
により形成される円錐の円錐度を減少させ、かつ最終部
のネジ山２８，２９，３０の高さは漸次減少される。

しかしこれらネジ山は平行四辺形状であるためその巾は
変化なくネジ山１５の巾に等しい。

またネジ溝の底面３Ｌ３２はネジ山１５間の溝の底面と
平行に保たれる。

また同１様に断面２６から雄ネジ頂部円筒面２４は角度
のはるかに小さい円錐面３４または円筒面に移行する。

雄ネジ切り工具により形成される円錐の円錐度は円錐２
５より犬であり、従って最終の雄ネジ山３５，３６の高
さは次第に減少する。

底面３１．３２の円錐度、即ち雌ネジ最終部加工用工具
により形成される円錐の円錐度は面３４の円錐度と実質
上同一あるいはこれよりわずかに大きく、また円錐２１
の円錐度は面２６以降の雄ネジ加工用工具により形成さ
れる円錐面の円錐度と実質上同一またはこれよりわずか
に小さい。

また雄部と雌部の円錐度が異なるため雄ネジのネジ山と
雌ネジのネジ山との間に僅かなピンチのずれが生じるこ
とが理解されよう。

また経験的には平行四辺形断面のネジを形成する工具を
使用する通常の加工機械により本発明の減少型ネジ山は
ピンチ変更または工具の調整を行なうことなく工具によ
り形成される面の円錐度を変更するのみで簡単に得られ
ることが知られている。

次に第４図に示す実施態様に於ては衝止部付近における
ネジ山の減少は雌ネジについてはネジ切り工具の軌跡に
対応する円錐度の変更なしに実現される。

この結果雌ネジ溝底面３γ、３８は工具の通過する円錐
面上に配置される。

高さの減少は円錐度の高い面３９に従って行なイっれる
。

これに対し雄ネジの高さ減少は雄ネジ加工用工具の通過
面の円錐度を増加させて行なわれ、この結果底面４Ｌ４
２，４３は他の完全なネジ溝底面に平行であるが該円錐
度と実質上同一の同錐面に従って段階的に配置される。

衝止部を内側に有する接合手段の場合には、高さが次第
に減少するネジ山は衝止部に近い小直径部分に設けられ
ることは当然である。

また希望ならば雄ネジ及び雌ネジの最終部分における高
さ減少部分を衝止部と反対側のネジ端部にも設け、雄ネ
ジ及び雌ネジがその両端に於て高さ減少部分を有する如
く構成することも可能である。

かかる構造により第１図における唇状部３の厚さを増加
させ、才だ高さ減少ネジ山から生じる厚さ増加により雌
部の部分６を強化することが出来る。

また本発明の範囲内に於て傾角ネジ山を台形状とし、そ
の両側面を平行でなくネジ山の基部が頂部より広い構造
とすることも可能である。

この場合ネジ山の高さ減少部分に於て雄部または雌部、
たとえば雌部のネジ山の小中基部は係合を可能とするた
め他方のネジ山の広巾基部と少くとも同じ巾を有さねば
ならない。

従って巾の異なるネジ山を有する二部材を用いることが
必要である。

衝止部を有する上記の接合装置は差圧の方向に拘らず差
圧に有効に耐える充分な気密性を提供し、また金属内に
耐え得ない応力が発生することを防止しうる。

第５図に示す例では、衝止部４γは接合装置の外側に設
けられて凹面状の円錐面４８及び凸面状の円錐面４９を
有し、凸面状の内側面５１はたとえばネジ部の円錐度に
一致する小角度でほぼ水平に設けられ、また雌部のこれ
に対応する面５２の角度はさらに小さく選ばれる。

【図面の簡単な説明】

第１図は外側に衝止部を有する本発明の接合装置の縦断
面図である。 第２図は衝止部付近以外のネジ山の拡大縦断面図である
。 第３図は次第に減少するネジを示す第１図の接合装置の
詳細断面図である。 第４図は第３図の接合手段の一変形例を示す。 第５図は第１図の接合手段の一変形例の縦断面図である
。 １：雄部・２；雌部、４，５；ネジ部、１；衝止部、８
，９，１０，１１；衝止肩面、１４゜１５：傾角ネジ山
、ｔ；傾角、２８，２９，３５゜３６；高さ減少部分の
ネジ山。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 雄ネジを有する雄部と該雄ネジをら着受容する雌ネ
   ジを有する雌部とを備え、該ネジのネジ山が該ネジ部の
   少くとも大部分にわたり相互に係合する側面が傾斜した
   傾角ネジ山であり）さらに雄部の雌部内へのネジ込み量
   を制限する衝止部を雄部および雌部に有する石油採掘用
   パイプの端部間のら着接合装置に於て、該傾角ネジ山が
   その高さを次第に減少させつつ雄部及び雌部の一方の衝
   止肩部の近傍まで設けられ、該肩部が他方の端部、に設
   けられたこれと対応する衝止肩部と係合し、該傾角ネジ
   山の貫入により該衝止肩部の近傍に到る迄半径方向の係
   止状態が得られることを特徴とする接合装置。 ２ 傾角ネジ山が平行四辺形または平行四辺形に近い台
   形状の断面を有する特許請求の範囲第１項記載の接合装
   置。 ３ ネジ山の巾がネジ山の有効高さの１．５なＧル２．
   ５倍である特許請求の範囲第２項記載の接合装置０４
   該巾がネジ山の有効高さの１．８ないし２．２倍である
   特許請求の範囲第３項記載の接合装置。 ５ ネジ山の側面か垂直面となす鋭角が１０°を超える
   特許請求の範囲第１乃至４項のいずれかに記載の接合装
   置。 ６ 該衝止部が雄肩部及び雌肩部を有し、該肩部の一方
   が凹面状の内側環状面及びこれを増巻く凸面状の外側環
   状面を有し、他方がこれに対応して凸面状内側面および
   凹面状外側面を有する特許請求の範囲第１乃至５項のい
   ずれかに記載の接合装置。 γ 該肩部の凹面状内側面が実質上円筒状である特許請
   求の範囲第６項記載の接合装置。 ８ 各肩部の最大半径方向距離を有する面が有効距離の
   １．８倍またはそれ以上の巾を有する特許請求の範囲前
   記各項のいずれかに記載の接合装置。 ９ 肩部の各面が実質上円錐面である特許請求の範囲前
   記各項のいずれかに記載の接合装置。 １０ ネジ山の減少する部分がネジの１乃至７ピツチに
   わたって設けられる特許請求の範囲第９項記載の接合装
   置。