JPS6057519B2 - 耐焼付性に優れた油井管継手およびその製造方法 - Google Patents

耐焼付性に優れた油井管継手およびその製造方法

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JPS6057519B2
JPS6057519B2 JP56129321A JP12932181A JPS6057519B2 JP S6057519 B2 JPS6057519 B2 JP S6057519B2 JP 56129321 A JP56129321 A JP 56129321A JP 12932181 A JP12932181 A JP 12932181A JP S6057519 B2 JPS6057519 B2 JP S6057519B2
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、クロム含有鋼からなる油井管継手および
その製造方法さらに詳しくはメタルシール部とネジ部と
を備え、少なくとも該メタルシール部に設けた活性化層
、さらに該活性化層上に設けたメッキ層を有する耐焼付
性に優れた油井管継手およびその製造方法に関する。
油井管には通常３．５〜１４．０に９／Ｔｒｇｉ（５
０００〜２００００ｐｓｉ）という高圧がかかるため、
油井管継手には高度の気密性が要求される。
一般に、油井管継手はネジ部とメタルシール部とから構
成され、前述のような高圧に耐える十分な気密性を発揮
させるには、メタルシール部およびネジ部において高面
圧を与えなければならず、そのためメタルシール部およ
びネジ部の１焼付きョや０むしれョは避けられなかつた
。
一方、従来、油井管の材料としては、普通鋼あるいはク
ロム（Ｃｒ）やモリブデン（ＭＯ）を数重量％含有する
Ｃｒ−ＭＯ鋼が用いられていたが、近年、油井の条件が
益々厳しくなるにしたがつて、Ｈ２ＳやＣＯ２を伴う腐
食環境下でも耐食性等の性能を十分発揮する油井管をと
の要望のもとに、Ｃｒを１０％以上含む高クロム含有鋼
からなる油井管が用いられている。
従来技術において既に知られているように、前述の焼付
きやむしれを防止するためには、油井管継手のメタルシ
ール部に表面処理を行なうことが有効である。
例えば、メタルシール部表面にリン酸塩処理またはシユ
ウ酸塩処理等の化成処理を行ない、得られた化成被膜に
よつてメタル−メタル接触を緩和するのである。゛そこ
で、従来の一般的な材質の油井管継手に対しては、リン
酸亜鉛またはリン酸マンガン等による化成処理を一般に
行なつていた。ところで、油井管継手を構成する管継手
は油井管と同一種の材料から作られるものであつて、前
述のような油井管材質の変化に伴なつて、かかる管継手
の材質も変化してきている。
すなわち、前述の高クロム含有鋼からなる油井管継手が
採用さ．れるようになつた。しかしながら、高クロム含
有鋼などの高合金鋼は化学的反応性が乏しく、従来のリ
ン酸塩処理もしくはシユウ酸塩処理では充分な被膜形成
が行なわれず、したがつて、かかる化成処理では前述の
．ような油井管継手の焼付防止の効果は得られなかつた
。
かくして、この発明の目的は、上述のような高クロム含
有鋼に特有の表面処理の困難性にもかかわらず、所期の
高度の気密性を確保しながら、焼一付きおよび１むしれ
ョを確実に防止できる油井管継手およびその製造方法を
提供することである。
そこで、本発明者らは、高合金鋼からなる油井管継手に
対する、焼付防止の効果を有する充分な表面処理方法を
検討した結果、ます合金鋼表面に表面活性化を目的とし
た予備処理を行ない、次いで特定の単一金属または合金
のメッキ被膜を形成することによつて上記目的が達成さ
れることを見い出して、この発明を完成した。かくして
、この発明は、クロムを１０％以上含有する合金鋼から
なる、メタルシール部とネジ部とを備えた油井管継手の
製造方法であつて、前記メタルシール部の表面または該
メタルシール部と前・記ネジ部の両方の表面を、塩化物
を含む酸性水溶液中で陽極電解後直ちに蔭極電解するこ
とによつて該表面上に鉄、ニッケル、亜鉛、コバルト、
銅、マンガンおよびクロムよりなる群から選ばれた１種
の金属または合金を析出させて活性化層とし、次いで、
得られた活性化層に、鉄、銅、亜鉛、クロムおよびニッ
ケルよりなる群から選ばれた１種の金属または合金のメ
ッキを施すことを特徴とする、耐焼付性に優れた油井管
継手の製造方法およびこのようにして得られた油井管継
手である。
ここに、油井管継手とは油井管と油井管とを接続する構
造物てあつて、油井管自身の先端を継手とするものも包
含する。
この発明のクロム１０％以上の合金鋼には、ＣｒｌＯ％
以上とともにＮｉその他の成分を含む、フェライト系、
マルテンサイト系、オーステナイト系或いはフェライト
とオーステナイトの２相系その他油井管用材料として用
いられる全ての鋼が含まれる。
特に、この発明にとつて好ましいのは、Ｃｒ≧１０％で
ありかつ１０％≦Ｃｒ＋Ｎｉ＋ＭＯ≦９５％である高合
金鋼である。また、メッキ層の成分としては、Ｆｅ，Ｃ
ｕ，Ｚｎ，ＣｒおよびＮｉのうちの少なとも１種が利用
される。
このように、この発明によれば、クロム１０％以上を含
む合金鋼、特に１０くＮｉ＋Ｃｒ＋ＭＯく９５（％）の
高クロム、高ニッケルのような高合金鋼になると、その
ままではメッキ被膜の密着性が悪くなるので、かかる高
合金鋼の表面を塩化物を含む酸性水溶液中て陽極電解後
直ちに陰極電解することによつてＦｅ，Ｎｉ，Ｚｎ，Ｃ
Ｏ，Ｃｕ，ＭｎぉょびＣｒから選ばれた金属または合金
を析出させ、それにより該表面を活性化したのちメッキ
を施こすことによつて、密着性の良いメッキ被膜が得ら
れるのである。
表面活性化のためのかかる予備処理を行なうには、塩化
物を含有する酸性水溶液中で高合金鋼をます陽極電解し
、この水溶液中に保持したまま、直ちに陰極電解する。
これにより良好な密着性を有するメッキ下地が形成され
る。ここに、塩化物を含有する酸性水溶液とは、Ｃｌ−
およびメッキ析出させる金属の陽イオンを含有している
。酸性ＰＨを示す水溶液である。具体的には、ＮｉＣｌ
２，ＣＬ］Ｃｌ２，ＦｅＣｌ２，ＣＯＣｌ２，ＺｎＣｌ
２，Ｍｒｌｃｌ２，Ｃｒｃｌ，などの塩化物（無水物で
も含水物でもよい）の酸性水溶液であり、必要ならば添
加剤としてＬｉＣｌ，ＮａＣｌ，ＫＣｌ，ＭｇＣＩ２，
ＣａＣｌ２を含有していてもよい。酸性の調節のために
、ＨＣｌなどの酸を添加する。このようにして得られた
活性化層に対して、Ｆｅ，Ｃｕ，Ｚｎ，ＣｒおよびＮｉ
から選んだ１種の金属または合金をメッキする。
このメッキの方法は慣用の電気メッキ法でよく充分なメ
ッキ被膜付着量が得られる方法であれば、特に制限され
ない。メッキ被膜付着量は好ましくは２ｇ／ｄ以上がよ
い。なお、上記表面活性化のための予備処理で析出させ
た金属と、その後メッキする金属が同一であれば、予備
処理を長時間続けるのみで一層のメッキとしてもよいが
、予備処理ては塩化物浴を使用するのでメッキの電析効
率が低いので製造コストが高くなる。
この発明におけるかかるメッキ処理は少なくとも継手の
メタルシール部表面に対して行なわれるが、さらにネジ
部表面に対しても行なうことにより、高度の気密性が要
求される場合にあつても、かかる部分の焼付きや１むし
れョが効果的に防止される。
第１図は、連結途中ての油井管継手の略式断面図であり
、図中、油井管１はカップリング継手２によつて相互に
連結されていて油井管継手３を構成している。
カップリング継手２はネジ部４と、該ネジ部より先端に
あつて、管側からみて先細のテーパをなして油井管外表
面と接触しているメタルシール部５とを備えており、一
般にメタルシール部の入口部分には気密性を高めるため
に継手側に一定の曲率半径をもつた凸面部位（図中、省
略）が設けてある。一方油井管継手の一部を構成する油
井管１の端部もカップリング継手２と同様にネジ部Ｃと
メタルシール部５゛とを備えている。第２図は油井管自
身の先端が管継手となつた構造例を示すもので、第１図
に示す油井管継手と同一の部材は同一の符号に示す。
実施例 第１表に示す組成の合金鋼材料で鋼管を製造し、さらに
ネジ加工を施こし、第１図に示す形状の内径１２０ｍの
鋼管およびカップリング継手を得た。
次にこのようにして得られた鋼管およびカップリング継
手のネジ部およびメタルシール部に、脱脂後、この発明
に係る表面活性化処理を行ない、次いで第２表に示すメ
ッキ処理を１０Ａ／ＤＷｔで、５０℃で所定時間実施し
た。
脱脂は、市販のアルカリ脱脂液に浸漬して汚れを除き、
次いで水洗することにより行なつた。かくして得られた
油井管継手の表面構造を第３図に模式的に示す。
カップリング継手２の内側表面には活性化層６が設けら
れ、この活性化層６の上にさらにメッキ層７が設けられ
ている。このようにして得られたネジ部およびメタルシ
，ール部を有する鋼管およびカップリング継手につき、
ＡＰＩの定めるところに従がい、ネジの締めつけ、戻し
を２旧繰回し、ネジ部およびメタルシール部の１焼付き
ョまたは１むしれョの発生の有無を目視にて判定した。
また、ＡＰＩ規格（ＲＰ３７）で窺定する気密性のテス
トを行ないＪ漏れョの有無を判定した。この気密性テス
トは、鋼管の内面降状圧力の９０％を作用させ内圧もれ
の有無を判定することにより行なつた。これらの試験の
結果は第２表にまとめて示す。
第２表の各試験は、第１表の鋼種ＡおよびＢの両方につ
いてそれぞれ行なつたものであるが、ほぼ同様の結果を
示したため、鋼種の区別をせずに示してある。これらの
結果からもわかるように、この発明によるものは比較例
に比べて、Ａ，Ｂのいずれの鋼種でも良好な耐焼付き性
を示すとともａに、気密性も良好てあつた。なお、本例
では継手および鋼管の両方のネジ部およびメタルシール
部にこの発明に係る活性化層およびメッキ層を設けた例
について示したが、継手のメタルシール部のみにかかる
２種類の層を設けるだけでも所期の効果が得られること
は当業者には容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
第１図は、連結途中の油井管継手を示す略式断面図、第
２図は、油井管同志で油井管継手を構成する場合の油井
管継手の略式断面図、および第３図はこの発明に係る方
法により得られた活性化層およびメッキ層を示す油井管
継手の略式部分断面図である。 １・・・油井管、２・・・カップリング継手、３・・・
油井管継手、４，４゛・・・ネジ部、５，５″・・・メ
タルシール部、６・・・活性化層、７・・・メッキ層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 １ クロムを１０％以上含有する合金鋼からなる、メタ
    ルシール部とネジ部とを備えた油井管継手であつて、前
    記メタルシール部の表面または該メタルシール部と前記
    ネジ部の両方の表面を、塩化物を含む酸性水溶液中で陽
    極電解後直ちに陰極電解することによつて該表面上に設
    けた鉄、ニッケル、亜鉛、コバルト、銅、マンガンおよ
    びクロムよりなる群から選ばれた１種の金属または合金
    の活性化層と、該活性化層上に設けた、鉄、銅、亜鉛、
    クロムおよびニッケルよりなる群から選ばれた１種の金
    属または合金の２ｇ／ｍ＾２以上の付着量のメッキ層と
    を備えたことを特徴とする、耐焼付性に優れた油井管継
    手。 ２ クロムを１０％以上含有する合金鋼からなる、メタ
    ルシール部とネジ部とを備えた油井管継手の製造方法に
    おいて、前記メタルシール部の表面または該メタルシー
    ル部と前記ネジ部の両方の表面を、塩化物を含む酸性水
    溶液中で陽極電解後直ちに陰極電解することによつて、
    該表面上に鉄、ニッケル、亜鉛、コバルト、銅、マンガ
    ンおよびクロムよりなる群から選ばれた１種の金属また
    はその合金を析出させて活性化層とし、次いで、得られ
    た活性化層に鉄、銅、亜鉛、クロムおよびニッケルより
    なる群から選ばれた１種の金属またはその合金のメッキ
    層を施すことを特徴とする耐焼付性に優れた油井管継手
    の製造方法。 ３ 前記メッキ層のメッキ量が２ｇ／ｍ＾２以上である
    特許請求の範囲第２項記載の方法。
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