JP3426600B2 - 安定化されたセンターショルダーシールを有する管状部材連結部 - Google Patents

安定化されたセンターショルダーシールを有する管状部材連結部

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JP3426600B2 JP51568493A JP51568493A JP3426600B2 JP 3426600 B2 JP3426600 B2 JP 3426600B2 JP 51568493 A JP51568493 A JP 51568493A JP 51568493 A JP51568493 A JP 51568493A JP 3426600 B2 JP3426600 B2 JP 3426600B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] この発明は石油産業において一般的に使用されている
種類の管状部材連結部に関する。特に、この発明の管状
部材連結部は安定化されたセンターショルダーシールを
有する。この連結部では、センターショルダーシールに
隣接して設けられた特殊なネジ山構造によって安定化が
行われている。この発明はまた、特殊なセンターショル
ダーシール設計に関する。さらに、この発明は管状部材
連結部を形成するときにセルフセンタリング機能を有す
るネジ山形状に関する。このネジ山形状は安定化された
センターショルダーシールを用いた連結部だけでなく、
従来の他の連結部設計に対しても使用することが可能で
ある。
[従来の技術] この発明はパイプや継ぎ手を連結するときに広く使用
することができるが、なかでも特に石油産業の管状部材
の連結において使用するために開発されてきた。という
のは、こうした連結では他の産業や分野におけるより
も、より厳しくかつ要求のきつい条件に出会うからであ
る。特に、石油業界では、掘削井戸の直径をそのままに
して、パイプの直径をできる限り小さくする傾向があ
る。掘削井戸の径が小さければ小さいほど、エネルギは
節約され、掘削の経費が少なくて済む。しかし、径の小
さいパイプを使うときには、隣接する管状パイプの間を
つなぐ連結部は幾何学形状及び性能特性がトランスペア
レント(transparent)であること、すなわち、連結部
の幾何学形状及び性能特性が管状パイプ自身のそれと同
じであることが重要である。一連のパイプ列は、あたか
も連結部が存在しないかのように動作することが好まし
い。理想的な連結部では、同じ内径及び外径であるな
ど、連結部がパイプと同じ形状を有し、また、例えばテ
ンションの度合や、圧縮、内圧及び外圧の度合、ねじり
抵抗、曲げ抵抗など、同じ性能特性を有する。
石油業界では、穴の直径を維持するために、二つのタ
イプの連結、すなわちフラッシュジョイント(flush jo
int)とスリムライン(slim line)連結が用いられてき
た。フラッシュジョイント連結部の外径は管状パイプの
外径と一般に同じである。スリムライン連結部の外径は
パイプのそれよりも一般に2〜3.5%大きい。こうした
従来のパイプの目的とするところは、幾何学的形状や性
能特性全体をトランスペアレントにすることであるけれ
ども、それはこれまで不可能であった。従来のパイプ
は、幾何学的形状においてより大きなトランスペアレン
シ(trans parency)を得るために、性能特性は犠牲に
されることが多かった。
パイプ連結部の効率を評価するために、これまでに様
々な基準が設けられてきた。そうした効率の一つは、軸
方向におけるパイプ及びパイプ連結部の負荷容量によっ
て決定される。このテンション効率は、連結部の破壊強
度を管状パイプの破壊強度と比較することによって計算
される。従来のフラッシュジョイントやスリムライン連
結の大部分は、65〜75%の範囲の効率をそれぞれ達成し
ている。もちろん、この効率は連結部のタイプや、パイ
プの直径及び厚み、そして連結部の製造方法によって変
わってくる。
従来の連結部は、ネジ山と、ショルダと、シールから
なる基本的な部材を有する。以下に掲げる従来の特許に
は、フラッシュジョイント及びスリムライン連結を形成
するために用いられてきた様々な特徴が記載されてい
る。
1901年4月2日に特許されたダブリュ・シー・フィッ
シャ(W.C.Fisher)の米国特許第671,274号には、ダブ
テール形状を有するネジ山設計が開示されている。この
ネジ山は、一つの管状部材の外側と、それに連結される
もう一つの管状部材の内側に設けられている。
1923年9月20日に特許されたジェー・ジェー・ムーア
(J.J.Moore)の米国特許第1,474,375号には、出願者が
シングルフックスレッド設計と呼んでいるものが開示さ
れている。このスレッド、すなわちネジ山は、魚雷の後
ろ側胴体の前端部をエアーフラスコ(air flask)本体
へ固定するために使用される。
1933年9月19日に特許されたジー・エム・イートン
(G.M.Eaton)らの米国特許第1,927,656号には、ネジ山
が切られているパイプ部分の壁の厚みを増やすことなく
(あるいは厚みの増大を最小限に抑えつつ)接合部の強
度を増すことのできるような方法で、一連の連続したパ
イプ列を一体に固定するためのパイプ接合が開示されて
いる。接合される二つのパイプの一方はピンの外側表面
上が機械加工され、他方はボックスの内側表面が機械加
工されており、二つのパイプはネジで一体化されて、今
日スリムライン連結と呼ばれているものを形成する。各
パイプのネジ山部分はテーパ状に機械加工されており、
ネジ山の深さはネジ山部分の中心において最も大きくな
っており、両方向へ向かうにつれて段々と小さくなりネ
ジ山部分の端で消滅している。
1936年12月1日に特許されたジー・エム・イートンら
の米国特許第2,062,407号には、接合部のネジ部のネジ
山の高さが、接合部のネジ部の中心部分において最大に
なっており、両方向に向かうにつれて段々と小さくなっ
て消滅している、上述した接合部といくらか類似したパ
イプ接合が開示されている。しかし、このネジ山設計で
は、ネジ山の消滅が、ネジ形成ラインであるパイプの長
手軸に対してテーパをなすラインと、パイプの長手軸に
対して円筒状のラインすなわち平行なラインとの交差に
対応しているところが異なっている。さらに詳しく説明
すると、ピンのパイプ外側端部におけるネジ山のルート
はパイプの長手軸と平行なラインに沿って配置されてお
り、一方、同じ位置におけるネジ山のクレストはパイプ
長手軸に対して一定のテーパをなすラインに沿って配置
されている。パイプの端部からより内側の位置に設けら
れたネジ山のルートは、パイプ長手軸に対して一定のテ
ーパをなすラインに沿って配置されており、一方、同じ
位置におけるネジ山のクレストは、ルートに対してある
距離をおいてルートに対して平行なテーパをなすライン
上に配置さている。最後に、ピン上の最も内側のネジ山
位置においては、ネジ山のルートはパイプ長手軸に対す
るテーパ上をそのまま延びており、一方、ネジ山のクレ
ストはパイプ長手軸に平行なラインに沿って形成されて
いる。従って、ネジ山が設けられた接合部の外側端部及
び内側端部の両方において、ネジ山のルートとクレスト
が交差するところでネジ山が消滅している。ボックスの
ネジ山構造はピンのそれと相補的であって、ネジ山が設
けられた二つの部材は相互に係合可能になっている。
1940年7月9日に特許されたアール・ディー・ハース
(R.D.Haas)の米国特許第2,207,005号には、(ここで
定義されているような)シングルフックスレッド形状が
開示されている。ここでは、ピン部材のロードフランク
がアンダーカット(undercut)されていて、圧力がかか
るとカム作用が働いて連結部材が互いに引き寄せられ、
密閉(sealing−off)機能が働くようになっている。ネ
ジ山は連結部の長手軸に対してテーパ状に形成されてい
る。
1949年11月22日に特許されたアール・エス・スペリ
(R.S.Sperry)の米国特許第2,488,566号には、テーパ
状のネジ山構造が開示されている。このネジ山構造は、
螺旋状のネジ山の一方のフランク上のリードが、螺旋状
のネジ山の他方のフランク上のリードと異なっており、
ネジ山構造の一方の端部から反対側の端部へと、ネジ山
の幅が一定の割合で増大している。この幅可変のネジ山
構造においては、ロッドあるいはピンをソケットから取
り外しやすくなり、部材のネジを完全に外すことなくピ
ンをソケットから分離でき、他方では、一体に連結した
ときに各部材のネジの間をくさびのようにすべりばめ
(snug interfit)できると言われている。幅可変のネ
ジ山構造の使用例としては、形成しようとする管状のワ
ーク部材と組み合わせて用いられるプルロッドの表面上
がある。
1963年11月5日に特許されたウィルアム・エフ・フラ
ンツ(William.F.Franz)の米国特許第3,109,672号に
は、円筒状の外側表面形状と、端部に設けられたテーパ
状のノコ歯ネジとを有するパイプ部材からなるネジ付パ
イプ接合が開示されている。ノコ歯ネジは、円筒状の外
側表面上で消滅しており、完全に形成されたネジ山部分
と、段々と消滅するネジ山部分とを形成している。内側
表面上にネジ山が機械加工されている相補的な関係にあ
る継ぎ手は、その長さ方向全体にわたって設けられた完
全な高さの(full−height)テーパ状のネジ山を有す
る。各部材の上に設けられた相補的なネジ山は、接合部
の長手軸に対して支持関係(bearing relationship)に
あり、かつ長手軸とほぼ直角に設けられている追い側フ
ランクと、支持関係にある進み側フランクとを有する。
進み側フランクは追い側フランクよりも大きなフランク
角を有する。クレストとルートは先端が切り取られてい
て、接合部の長手軸と平行な関係にあるフラットなクレ
スト及びルートを形成している。完全に形成されたネジ
山のクレストの切取りの高さは、ルートの切取りの高さ
よりも大きい。従って、パイプと継ぎ手を手でしっかり
と係合させたとき、相補的な関係にあるネジ山のクレス
トとルートとの間には接合部の長さ方向全体にわたって
予め決められた量の隙間が形成される。しっかりとした
形成(power make−up)が行われたあとは、継ぎ手のネ
ジ山のクレストはパイプに設けられた消滅するネジ山の
ルートと係合するが、完全に形成されたネジ山のクレス
トとルートとの間には依然として隙間が形成されてお
り、しっかりとした形成が行われたときに、継ぎ手の端
部において有害なフープ応力が生じないようになってい
る。
1976年11月2日に特許されたトーマス・エル・ブロー
ズ(Thomas.L.Blose)の米国特許第3,989,284号(1981
年6月16日に特許されたRe30,647も参照のこと)には、
ピン部材の中にフープ張力を生じボックス部材の中にフ
ープ圧縮を生じるように設計された管状部材連結(パイ
プ接合)が開示されている。この連結はダブテール相互
係合(dove−tail interfit)を行うネジ山を有する。
ダブテール相互係合を実現するために、ネジ山のフラン
クとネジ山のルートの壁との間に形成される角度は約85
゜以下になっている。別の実施例においては、ネジ山の
ロードフランクは連結部の軸方向に対して約85゜以下で
斜めになっており、一方、スタブフランク(stub flan
k)は軸方向の半径面内において半径方向に延びてい
る。ピンのネジ山のスタブフランクは、ピンがボックス
の中に入れ子式に入れられる(差し込まれる(stab))
ときに前側の端部となるネジ山フランクである。ロード
フランクはネジ山の追い側フランクである。すべての場
合において、ネジ山はピンとボックスの間に“ダブテー
ル相互係合”が実現されるような隙間が形成されるよう
に設計されており、ピンの壁を外側へ引っ張りボックス
の壁を内側へ引っ張って、接合部を形成するときに、ピ
ン部材の中にはフープ張力を生じボックス部材の中には
フープ圧縮を生じるようになっている。すなわち、出来
上がった接合部にくさび式の相互係合が実現されるよう
になっている。
各ネジ部材はブローズの特許′286に開示されてお
り、軸方向の幅が螺旋の長さ方向のほぼ全体にわたって
徐々に変化する。実施例ではパイプの長手方向に平行な
ライン上にネジ山が形成されているように見えるが、ネ
ジ山をパイプの長手軸に対して一定のテーパをなすよう
なライン上に形成する可能性についても記載されてい
る。接合部のネジ山部分の間に内側のショルダーシール
を使用することについても記載されている。ある実施例
においては、この内側のショルダーシールは、パイプの
長手軸と平行である二つの異なるライン上に設けられた
二つのネジ山部分の間に設置されており、内側のショル
ダーシールに対してマルチステップのネジ山が形成され
ている。記載されている内側ショルダーシールはパイプ
の長手軸に平行な主要係合(シーリング)面か、または
軸方向に対してテーパ状の主要係合(シーリング)面を
有する。
1977年3月1日に特許されたシャットン(Schatton)
らの米国特許第4,009,893号には、軸方向に離間された
二つのネジ山部分を有するボックス部材及びピン部材が
開示されている。二つのネジ山部分は半径方向のステッ
プ部分によって分離されている。ステップ部分は一方の
部材、例えばピン部材に対して、軸方向のアンダーカッ
トを有する環状部材と、円錐台形状の端面と、半径方向
外側へ膨らんだ周辺表面とを有する。周辺表面はステッ
プにおいてボックス部材に設けられた若干曲面状の(co
ntoured)表面とシール状態を保って係合する。一方、
環状部材の端面はボックス部材のステップ部分に設けら
れた若干曲面状の相補的な表面へ当接する。これらのス
トップ面は、ピン部材及びボックス部材の端部において
相補的なネジ山のストップ面をそれぞれ補うようになっ
ている。テフロンなど、良好な摺動特性を有するフラッ
トな環状部材を、ピン部材の環状部材端面と、ボックス
部材の相補的な支持表面との間に挟むことが好ましい。
ある実施例においては、ピン部材の環状部材端面とボッ
クス部材の相補的な支持表面との間にスペースが設けら
れ、シール用のスリーブを間に挟んでこのスペースや、
ピン部材の環状部材のアンダーカットのスペースを埋め
ることが行われる。
1979年2月28日に特許されたディー・ティー・スレー
トレ(D.T.Slatoret)らの米国特許第4,076,436号に
は、ネジ山が設けられたツールの端部と、往復運動を行
うかまたは回転する一連のドリルが取付けられたツール
に対する特別に設計された応力緩和用(stress relie
f)の溝が開示されている。
1979年7月17日に特許されたトーマス・エル・ブロー
ズの米国特許第4,161,332号には、相互に係合したツー
ステップのネジ山と、相互に係合した環状ショルダとを
有するピン部材及びボックス部材を有するパイプ接合が
開示されている。この連結の環状ショルダの一つは、ネ
ジ山の第1の対と第2の対との軸方向の間に配置されて
いる。このショルダの構造は、ピン部材のショルダのス
タブフランクが、パイプ長手軸に対して負の角度(好ま
しくは約5゜)を形成し、接合を行うとショルダが半ダ
ブテールの相互係合を行うようなものになっている。一
般に、ピン部材のネジ山は負の角度(好ましくは約15
゜)のロードフランクと、負のスタブフランク角(一般
に約30゜)を有しており、対応するボックスのネジ山と
半ダブテールの相互係合を行う。ピン部材のスタブフラ
ンクは一般に係合されず、通常の形成においては、対応
するボックスのネジ山と約0.508mm(0.020インチ)の隙
間が存在する。
1979年7月17日に特許されたティー・エル・ブローズ
の米国特許第4,224,607号には、円筒状のネジ山が設け
られたコネクタが開示されている。このコネクタは若干
のテーパを有していて、半径方向の締めしろ(interfer
ence)が制御され、不用意にネジ山が外れるようなこと
がないようになっている。
1983年2月15日に特許されたシー・エー・ボールフラ
ス(C.A.Bollfrass)の米国特許第4,373,754号には、マ
ルチステップの、テーパ状になっていないネジ山部分を
有するネジ付コネクタが開示されている。このネジ山形
状は、少なくとも一つの“かぎ型(hooked)”フランク
を有していて、引っ張り強度が改善されている。コネク
タのメス部材あるいはボックス部材の壁の厚みを制御し
てネジ山の負荷特性(loading)を改善し、オス部材あ
るいはピン部材との半径方向内側への動きを可能にし
て、軸方向の引っ張り負荷が加わったときにネジ山の
“抜け(pulling out)”が生じないようになってい
る。ピン部材の外側のネジ山ステップはボックス部材の
ネジ山と部分的にしか係合せず、ネジ山のルートにおけ
るチューブの壁の厚みのクリティカル(critical)低下
が最小限に抑えられるようになっている。
1983年5月24日に特許されたエイチ・イー・ルーサ
(H.E.Reusser)の米国特許第4,384,737号には、パイプ
部分がその中にねじ込まれるようになった継ぎ手、ある
いは一体化ソケットを有する管状部材連結部が開示され
ている。パイプ部分の外側表面は、ネジ山部分の外側端
部に、ネジ山の設けられていないノーズ部分を有する。
ノーズ部分の終端部には環状表面が設けられている。ノ
ーズ部分は、ノーズ部分の周辺を延びる凸状の複数の回
転表面を有する。回転表面はすべて、継ぎ手またはソケ
ットのネジ山が設けられていない部分と係合して、流体
に対して密閉性を有するシールを形成する。本発明はこ
うしたピンノーズ設計を使用していない。ルーサの発明
の別の特徴(特に上述したピンノーズ設計に関係しない
全ての請求の範囲に存在する)は、各部材に設けられた
ネジ山のマイナー径(minor diameter)のフラット部の
間か、または各部材に設けられたネジ山のメジャー径
(major diameter)のフラット部の間で面と面のネジ山
接触が行われること、しかし、マイナー径のフラット部
とメジャー径のフラット部の両方の間には接触がないこ
とである。本発明は連結を行うときに生じる応力に対す
るこの制御方法は用いていない。本発明の連結部は、す
べての完全な高さのネジ山と大部分の(しかしすべてで
はない)不完全な高さのネジ山に対して、連続するネジ
山のクレストとルートの間で面と面のネジ山接触が行わ
れている。
1983年8月16日に特許されたデュレット(Duret)ら
の米国特許第4,398,756号には、円柱−円錐状のパイプ
接合が開示されている。ここでは、パイプの長手軸に対
してテーパを形成する連続した形成ライン上に、接合部
の約15〜25%にわたってネジ山が設けられている。接合
部のネジ山部分の残りの75〜85%は、パイプの長手軸と
平行な連続した形成ライン上に設けられている。パイプ
の長手軸に対してテーパをなすネジ山の位置は、ピンと
ボックスを最初に入れ子式に一体化するときに連結部へ
の導入部を形成する位置になっている。従って、ボック
スの導入部のテーパによって隙間が形成されるため、実
際にネジ山を係合させる前に、最初にピンとボックスを
入れ子式に入れやすいようになっている。デュレットら
の発明の別の特徴は、メス(ボックス)部材が内側ショ
ルダを有し、この内側ショルダに対してオス(ピン)部
材の端面がシールを行うことである。本発明の連結部は
連結部の中心構造の別のシール面を利用しており、ピン
部材の端面が連結部端部で開放された状態になってい
る。
1986年2月18日に特許されたティー・エル・ブローズ
の米国特許第4,570,982号には、ツーステップの形状を
有するピン部材及びボックス部材を備えた管状部材連結
部が開示されている。ピン部材の先頭のネジ山ステップ
は第2のネジ山ステップよりも径が小さい。各部材のネ
ジ山形状は、ロードフランクが負の角度を有するような
ものであり、ネジ山のステップは逆角度(reverse angl
e)のトルクショルダ(torque shoulder)によって互い
に軸方向に離間されている。トルクショルダは一つある
いは二つの隣接する円錐面を有する。ネジ山の負のロー
ドフランク角と逆ショルダ角度とが組み合わさって各部
材を一体にロックし、係合した円錐面が半径方向に分離
しないようにしている。
1986年5月27日に特許されたシェレット(Chelette)
らの米国特許第4,591,195号には、パイプ接合の二つの
ネジ山部分の間に配置されたセンターショルダーシール
が開示されている。ネジ山部分は、パイプの長手軸に平
行なラインの上に形成されたステップ状のネジ山であ
る。センターショルダーシールは、シールのピン部分に
アンダーカットされた溝が設けられている。溝はプラス
チックあるいはゴムから形成されたシール用のリングと
組み合わせて用いられ、高温のガスあるいは液体を保持
可能なシールを形成している。
1986年8月8日に特許されたジェー・ダブリュ・ウェ
ルシュ(J.W.Welsh)の米国特許第4,603,889号には、二
つの本体へネジで連結するのに用いられる軸を有するネ
ジ付ファスナが開示されている。このファスナは内側に
ネジ山が設けられており、二つの本体は外側にネジ山が
設けられている。ネジ山は、対向する第1及び第2のロ
ードフランクを軸方向の両側に有する。第1のフランク
は第2のピッチを形成している。これらのピッチは異な
っており、ファスナが本体のネジ山へねじ込まれたとき
第1のフランクが一方の本体へ締付けられ、第2のフラ
ンクが他方の本体のネジ山へ締付けられるときという点
に特徴がある。
1987年6月9日に特許されたドナルド・ジェー・オル
トロフ(Donald J.Ortloff)の米国特許第4,671,544号
には、テーパ状のネジ山からなる二つの部分を有するネ
ジ付パイプ連結が開示されている。このパイプ連結は、
ネジ山部分の間に配置されたテーパ状のシーリング面を
有する。テーパ状のシーリング面は、シール部材が有す
る表面のうちの一つの端部の間のほぼ中央に配置された
弾力性を有するシール部材と係合する。接合部が形成さ
れたとき、シーリング面は弾力性を有するシール部材の
両側において金属対金属(metal to metal)の独立した
シールを形成する。ある実施例においては、ネジ山部分
は二つのステップからなっており、これらのステップは
上述した中央のシーリング面の両側に一つずつ設けられ
ている。ネジ山はくさび形状のネジ山であり、ネジ山の
各ステップ内において一方の方向へ幅が徐々に増大して
いる。
1987年6月30日に特許されたパトリック・イー・マク
ドナルド(Patrick E.McDonald)の米国特許第4,676,52
9号には、ピン部材及びボックス部材がツーステップの
ネジ山部分を有するパイプ接合が開示されている。ネジ
山部分の各々はパイプの長手軸に平行なラインの上に形
成されている。ピン部材及びボックス部材はネジ山部分
の間に配置された金属対金属のシーリング面を有する。
シーリング面はピンとボックスとの間の三つの係合用シ
ョルダを提供する。内側のショルダの組が接触したと
き、外側の2組のショルダはそれらの間に隙間があく。
内側のショルダの組と外側のショルダの各組との間には
溝が設けられている。一方の位置においては溝は連結部
のボックス部分の中に設けられており、他方の位置にお
いては溝は連結部のピン部分の中に設けられている。連
結部を形成するトルクが内側ショルダの組の金属の屈服
点を越えたときには、金属がボックス部材及びピン部材
に設けられた溝の中に押し出されて、かみあい面を形成
し、ボックスとピンが互いに回転しないように保持す
る。
1987年9月29日に特許されたケー・エル・チャーチ
(K.L.Church)の米国特許第4,696,498号には、一つは
内側(ボックス)にネジ山が形成され、一つは外側(ピ
ン)にネジ山が形成されている二つの部材を有する管状
部材連結部が開示されている。各部材は、急激なテーパ
形状を有する2組のフックスレッド(hook thread)
と、圧縮可能な金属対金属の主要なシールを含む二つの
内圧シールと、弾力性を有する耐腐食性の材料からなる
補助シールとを有する。さらに、この連結部は弾力性を
有する耐腐食性の主要な外圧シールを有し、またピン部
材の端部とボックス部材上に設けられたショルダとの間
でリバースショルダ係合を行うことによってシール係合
のときに主要な金属シーリング面を保持するようになっ
ている。
1987年11月3日に特許されたオルトロフらの米国特許
第4,703,954号には、テーパ状のメネジが設けられたボ
ックスと、テーパ状のオネジが設けられたピンとを有す
るネジ付パイプが開示されている。ネジ山は断面がダブ
テール形状(くさび型のネジ山)であり、ボックス上に
おいて一方の方向へ、またピン上において他方の方向へ
幅が増大している。この設計は、以下の点で上述した米
国特許第3,989,284号(Re30,647)よりも改善されてい
る。すなわち、第1のネジ山とボックスの端部との間の
ボックスの長さをパイプ直径の5%に等しくするか、ま
たはそれよりも大きくすることによって、またボックス
上に設けられた第1の完全なネジ山のクレストとピンの
上に設けられた最後のネジ山のルートとの間、及びピン
の上に設けられた最後の完全なネジ山のクレストとボッ
クスの上に設けられた第1の完全なネジ山のルートとの
間に隙間を設けることによって、第1のネジ山とボック
スの端部との間においてボックスへの大きな応力集中が
起きないようになっている点で改善されている。
1987年11月3日に特許されたイー・イー・リーブス
(E.E.Reeves)の米国特許第4,703,959号には、圧縮可
能なシールリングが備えたネジ付パイプ連結が開示され
ている。この連結は、外側にネジ山が設けられたピン部
材と、内側にネジ山が設けられたボックス部材とを有す
る。各部材はテーパ状のネジ山を有する。このネジ山は
一般にダブテール形状のネジ山であり、ピン上において
一方の方向へ、またボックス上において反対側の方向へ
ネジ山の幅が増大している。従って、ピンのネジ山とボ
ックスのネジ山が係合して、ネジ山のフランクの間と、
ネジ山のルートとクレストの間でネジ山のシールを形成
している。この改良点は、ボックス及びピンのうちの一
方の上に設けられたネジ山の端部の中間に環状の溝が設
けられていて、ボックス及びピンのうちの他方の上に設
けられているネジ山と環状の溝との間にキャビティが形
成されていること、また環状の溝の中に圧縮可能な材料
からなるリング形状のシール部材が配置されていること
であると言われている。
1988年6月28日に特許されたローレンス・ワイ・タン
(Lawrence Y.Tung)の米国特許第4,753,460号には、径
の小さいネジ山の組と径の大きなネジ山の組とを有する
管状部材連結部は開示されている。径の小さいネジ山の
組は、径が大きな組よりもネジ山の数が少ない。主要な
トルクショルダはネジ山の組の間に配置されており、補
助のトルクショルダは大きなネジ山の組の背後に配置さ
れている。この実施例においては、ピンの上に設けられ
た両方の組の最初の不完全なネジ山とボックスの上に設
けられた小さい組の最後の不完全なネジ山は、円筒形状
のルート形状を有する(ルートはパイプの長手軸と平行
なラインの上に形成されている)。一方、ネジ山の残り
はテーパ状のルート形状を有する。ピンのネジ山の組の
長手方向のテーパ角度は、ボックスのネジ山の組とは異
なっており、連結部の中央付近においてこれらの組は最
も大きく離間している。中央にはシールが設けられてい
る。ネジ山の組のセンターショルダに隣接する最後のネ
ジ山はフックされている(ピンのロードフランクの角度
がパイプの長手軸に対して負である)。記載されている
すべての実施例において、ネジ山は負のロードフランク
と正のスタブフランクを有する。ピンのセンターショル
ダ部分は二つのフランクを有する。そのうちの一つは正
であり(ネジ山の径の小さなステップの近く)、一つは
負(ショルダの中心近くであり、ネジ山の二つのステッ
プの間のほぼ中央)である。
1989年4月18日に特許されたティー・エル・ブローズ
の米国特許第4,822,081号には、駆動可能な2部材の管
状部材連結部と、特に連結部に対するネジ山の形状が開
示されている。このネジ山形状は収束性のトラップされ
た(trapped)ネジ山のフランクと、互いに係合するシ
ョルダと、異なる角度を有する端面を利用している。ツ
ーステップのネジ山設計が説明されており、ここでは幅
可変の“トラップされた”ネジ山がネジ山の各ステップ
上に設けられている。記述によれば、ネジ山のフランク
が接触するまえに、ネジ山のクレストとルートが接触す
る。このブローズらの発明は、ショルダ/端面が軸方向
の圧縮負荷に耐えるのを助けるうえでのネジ山スタブフ
ランクの利点と、互いに係合するショルダと端面との間
の角度を変えることによって、幅方向に圧縮負荷が加わ
ったときのショルダの変形を小さくする点に関係してい
る。
1990年1月16日に特許されたケー・ディー・シェレッ
トらの米国特許第4,893,844号には、通気可能なシール
を備えた管状部材連結部が開示されている。二つの表面
の間に変形可能なシール部材が配置されており、シール
部材の少なくとも一方のサイドにおいてスペースが設け
られるようになっている。この連結部は、フックされた
ネジ山を有するボックス部材及びピン部材と、二つの部
材の間に設けられたストップショルダと、種々のシール
部材を有している。
1990年4月17日に特許されたドイル・イー・リーブス
の米国特許第4,917,409号には、テーパ状のくさび形状
のネジ山を用いたネジ付連結部が開示されている。この
ネジ山はボックス上において一方の方向へ、またピン上
において他方の方向へと幅が増大している。従来のもの
に対する改善は、パイプのネジ山に対する潤滑油といっ
しょに使用できるように設計されたネジ山設計にあるよ
うに見える。こうした潤滑油を収容できるようにするた
めに、ネジ山はネジ山のルートとクレストの間の半径方
向の隙間をなくすことによって、連結部を形成したとき
に拡張可能なチャンバの生じる可能性を、それを完全に
なくせない場合には最小限に抑えるような設計になって
いる。拡張可能なチャンバの中には液体やペースト状の
ネジ潤滑油が溜って、誤ったトルク出力値(reading)
を生じる可能性がある。くさび形状のネジ山は、ダブテ
ールか、または半ダブテールのネジ山形状にできる。幅
可変のネジ山構造(スレッドの幅が与えられた方向にお
いて徐々に増大する)が、(ブローズの特許第3,989,28
4号のように)ダブテールあるいは半ダブテールのネジ
山形状と組み合わせて使用される。リーブスの明細書及
び請求の範囲には、“回転して、ネジ山が設けられた連
結部を形成するのとほぼ同時に”、ネジ山のロードフラ
ンク及びスタブフランクが完全に係合すると記載されて
いる(Col.4、line43−48)。出願継続中においては、
継続出願しか登録されていないけれども(新たな内容を
含めることのできる一部継続出願はない)、請求の範囲
は続く継続出願の中で補正されており、ネジ山のフラン
クがほぼ同時に完全には係合しないという制限が含めら
れている。
リーブスに記載されており、独立に請求が行われてい
る別の概念は、同じネジ山位置において、最も広い部分
におけるネジ山の幅を最も幅の狭い部分の約4倍に広げ
ることが望ましいということである。なぜこのことが従
来のもの(ネジ山の幅の増大が小さいと言われている)
に対して利点があるのかという議論はなされていない。
1990年7月31日に特許されたエス・アール・リード
(S.R.Read)の米国特許第4,944,538号には、改善され
たシールリングエントラップメント(entrapment)を有
するネジ付パイプ接合が開示されている。
1990年9月25日に特許されたシー・キャペリ(C.Cape
lli)らの米国特許第4,958,862号には、少なくとも一つ
のテーパ状のオネジが設けられたピン部材と、相補的な
メネジが設けられたボックス部材とを有する管状部材連
結部が開示されている。各ネジ山部分を越えたところの
ピン部材端部が円錐形状のシール面を有し、ボックス部
材がピン部材のそれと同じテーパを備えた円錐シール面
を有しており、その結果、接合部を締め付けると、ピン
部材の前端部においてピンとボックスの間にシールが形
成される。
1991年7月9日に特許されたケー・ディー・シェレッ
トらの米国特許第5,029,906号は、変形可能なシーリン
グ部材に関するものである。このシーリング部材は、係
合する管状部材に対して圧力の通気を行うために使用さ
れる。一般的なネジ付継ぎ手はピン及びボックスを有
し、これらのピン及びボックスの各々はストップショル
ダの少なくとも一方のサイドに、かぎ型のステップ状ネ
ジ山構造を有する。
1920年に公開されたダブリュ・ピッカード(W.Pickar
d)の英国特許明細書第137,777号には、種々のネジ山設
計が示されている。これらのネジ山構造は、二つまたは
それ以上の部材あるいは物体を横方向に連結するために
使用可能である。このネジ山は材料を中に入れるとその
中に固定されて、連結部の長手軸に対して直角なすべて
の方向に対する分離に抵抗する。この明細書の図8はシ
ングルフックスレッドを示している。図10はダブルフッ
クスレッドを示している。
1981年11月4日に公開されたケー・マルヤマ(K.Maru
yama)の英国特許願には、石油あるいはガスの井戸のパ
イプに対する、流体に対して密閉性を有するネジ接合が
開示されている。この接合部はボックス部材とピン部材
を有する。ピン上のネジ山は丸みをもった三角形のネジ
山としてピンの端部から始まっており、ノコ歯ネジにな
っている。ボックス部材上のネジ山は、それと対応する
ように形成されている。
[定義] 記述の便宜と正確さのために、本発明の連結部を説明
するにおいて以下の定義を用いる。
連結部の“ピン部材”とは、管状部材のオス部分を意
味するものとする。ピン部材はその外側表面上にネジ山
が設けられており、ボックス部材上に設けられたネジ山
と相互に係合して連結部を形成する。
連結部の“ボックス部材”とは、管状部材のメス部分
を意味するものとする。ボックス部材はその内側表面上
にネジ山が設けられており、ピン部材上に設けられたネ
ジ山と相互に係合して連結部を形成する。
“ツーステップのねじ山”とは、一方のネジ山部分が
他方のネジ山部分よりもパイプ長手軸からの半径が大き
いような、二つのネジ山部分を有する連結部を意味する
ものとする。
“センターショルダーシール”とは、連結部のうち
の、少なくとも二つのネジ山部分の間に配置されている
部分を意味するものとする。この部分は、ピン部材及び
ボックス部材の間か、またはピン部材及びボックス部材
と環状のシール用スリーブのような第3の部材との間
に、直に接触する表面を有しており、従ってこの部分は
組付けられた状態にある連結部の中を(ネジ山を介し
て)流体が流れないようにするためのシールを提供して
いる。
“ロックダブルショルダ”構造を有するセンターショ
ルダーシール構造とは、互いにかみあった部材を有する
センターシール設計であり、この互いにかみあった部材
の一部は各連結部材から延びているようなセンターシー
ル設計を意味するものとする。ロックダブルショルダ連
結の縦断面においては、ロックダブルショルダ構造はそ
の先から尻尾が延びている逆S字形をしているように見
える。一般に連結部の長手中心線の方向に延びる逆S字
の中心バー(center bar)を、この中心線に対して平行
にすることもできるし、中心線に対して斜めにすること
もできる。連結部の長手方向の中心線に対する角度は約
45゜以下であることが好ましい。逆S字形の中心バー
の、連結部の長手方向中心線に対する角度は約25゜以下
であることがさらに好ましい。
“ネジ山のルート”とは、管状部材の壁が最大の深さ
にまで機械加工されているネジ山位置を意味するものと
する。ネジ山のルートはボックスのネジ山のメジャー径
(谷の径)と、ピンのネジ山のマイナー径(谷の径)と
を形成する。
“ネジ山のクレスト”とは、管状部材の壁が最も浅く
機械加工されているネジ山の位置を意味するものとする
(ある場合においては壁はネジ山のクレストにおいて機
械加工が行われない)。ネジ山のクレストはピンのネジ
山のメジャー径(外径)と、ボックスのネジ山のマイナ
ー径(内径)とを形成する。
“ランアウトスレッド”とは、そのルートが管状部材
の長手軸に対してテーパ状に機械加工されているが、そ
のクレストは管状部材の長手軸と平行に機械加工されて
いるようなネジ山部分を意味するものとする。ネジ山の
クレストの形成ラインとルートの形成(機械加工)ライ
ンは徐々に交差し、ネジ山が消滅するようになってい
る。組付けられた状態の管状部材連結部においては、ピ
ン部材あるいはボックス部材上のランアウトスレッド
は、一般に対応するボックス部材あるいはピン部材上の
ランインスレッドとそれぞれ対応している。
“ランインスレッド”とは、そのルートが管状部材の
長手軸と平行に機械加工されているが、そのクレストが
管状部材の長手軸に対してテーパ状に機械加工されてい
るようなネジ山部分を意味するものとする。ネジ山のク
レストの形成ラインとルートの形成ラインは出発点から
広がっており、ネジ山は最後には完全な高さになる。組
付けられた状態の管状部材連結部においては、ピン部材
あるいはボックス部材上のランインスレッドは、一般に
対応するボックス部材あるいはピン部材上のランアウト
スレッドとそれぞれ対応している。
“ネジ山のスタブフランク”とは、ピンをボックスの
中に入れ子式に入れるときに、ネジ山の前側にあるフラ
ンクあるいは進み側フランクを意味するものとする。
“ネジ山のロードフランク”とは、ピンをボックスの
中に入れ子式に入れるときの、ネジ山の追い側フランク
を意味するものとする。
ネジ山の“フランク角”とは、ネジ山のフランクと、
ネジ山フランクのルートにおいて連結部(管状部材)の
長手軸に垂直なラインとがなす角度を意味するものとす
る。理解を容易にするために、フランク角は幾何学用語
で定義されている。例えば、その先端側のネジ山端部が
右の方を向いており、その後端側のネジ山端部(一般に
そのあとに管状部材が延びている)が左の方を向いた連
結部材を示した連結部材の断面図において、正のフラン
ク角とは垂直ラインをネジ山のフランクへ向けて回す方
向が時計方向であるようなものであり、負のフランク角
とは垂直ラインをネジ山のフランクへ向けて回す方向が
反時計方向であるようなものである。この明細書を通じ
て用いられている連結部の図面においては、連結部のピ
ン部材はその先端が右側になるようにして図面の下の方
に描かれており、連結部のボックス部材はその先端が左
側になるようにして図面の上の方に描かれている。従っ
て、ボックス部材に対して、ネジ山フランクのルートに
おいて連結部の長手軸に垂直に形成されたラインの回転
方向を見るためには、ボックス部材の図面の向きを変更
してその先端が右側にくるようにすればよい。前述した
ように、各連結部材のネジ山のスタブフランクは、連結
部材を入れ子式に一体化したときに先端にくる、すなわ
ち最も前にくるネジ山のフランクである。
“対応する連結部材部分”とは、連結部を組付けたと
きに、問題としている部材と接触する連結部材部分のこ
とを意味するものとする。例えば、連結部のピン部材の
一部を問題としているときには、それに対応する連結部
材部分は、連結部を組付けたときにピン部材の一部と接
触するボックス部材の部分になる。
“相補的係合”とは、対応する部材の相互係合を意味
するものとする。対応する部材の両方には各部材に対し
てほぼ等しい長さの部分にわたってネジ山が設けられて
いる。ネジ山が設けられた部分につき少なくとも一方の
部材上のネジ山の全体の高さは、もう一方の対応する部
材のネジ山部分のネジ山の高さに完全に包含されるよう
になっている。
“リードインスレッド”とは、完全な高さのネジ山、
または完全な高さに近いネジ山が始まる部分を意味する
ものとする。この完全な高さのネジ山または完全な高さ
に近いネジ山は管状部材の長手軸に対するテーパ上に機
械加工されており、センターショルダーシール構造に隣
接したところから始まっている。組付けられた状態の管
状部材連結部においては、ピン部材またはボックス部材
上のリードインスレッドは、対応するボックス部材また
はピン部材上のランアウトスレッドにそれぞれ対応して
いる。
[発明の概要] この発明においては、少なくとも二つの連結部材とセ
ンターショルダーシールとを有する管状部材連結部が検
討されており、センターショルダーシールが安定化さ
れ、連結の効率(連結部の強度/管状部材の強度)が改
善されている。
またこの発明においては、金属対金属の多数のシーリ
ング面を提供するセンターショルダーシール設計が開示
されている。このシール設計はロックダブルショルダ形
状を有する。
さらに、この発明は連結部を形成する(組付ける)と
きにセルフセンタリング機能を有するようなネジ山形状
に関する。
この発明は管状部材や継ぎ手からなる連結部に適用可
能であるが、この発明の最も多い応用は二つの連結部材
からなる管状部材連結部である。従って、以下ではこの
発明はこの形で説明する。
二つの連結部材、すなわちピン部材とボックス部材か
らなる管状部材連結部に対して、センターショルダーシ
ールの安定化は、各連結部材のセンターショルダ構造に
隣接する少なくとも一つのランアウトスレッド部分を用
いることによって実現されている。一般に、前述した少
なくとも一つのランアウトスレッド部分は、センターシ
ョルダ構造に隣接した、壁の厚みが小さい連結部材部分
に設けられている。ランアウトスレッド部分は、一般
に、対応する連結部材上に設けられたランインスレッド
部分と組み合わせて使用される。しかし、ランアウトス
レッド部分は対応する連結部材上に設けられた完全な高
さのリードインスレッドと組み合わせることもできる。
ランアウトスレッド部分とランインスレッド部分を同
じ連結部材の上でいっしょに使用することが好ましい。
このとき、センターショルダ構造は二つのネジ山部分の
間に配置される。対応する連結部材も対応するランイン
スレッド部分とランアウトスレッド部分をそれぞれ有し
ており、センターショルダーシールに隣接する1組のラ
ンインスレッドとランアウトスレッドが存在することに
なる。さらに好ましくは、センターショルダーシールに
隣接する1組のランアウトスレッド部分とランインスレ
ッド部分を有する連結部に加えて、連結部は連結部の終
端部に隣接して第2の組のランアウトスレッドとランイ
ンスレッドを有する。こうした2組のランインスレッド
部分とランアウトスレッド部分によって、センターショ
ルダーシールと連結部全体が安定化される。2組のラン
インスレッド部分とランアウトスレッド部分はまた、最
も効率的な連結を実現する。
連結部材が、センターショルダ構造の一方のサイドに
隣接する単一のランアウトスレッドと、センターショル
ダ構造の他方のサイドに隣接する完全な高さのリードイ
ンスレッドとを有する(他方の連結部材の上には対応す
るネジ山が設けられている)ときには、リリーフ溝(re
lief groove)がセンターショルダ構造と完全な高さの
ネジ山との間に配置される。リリーフ溝は、連結部を組
付けたときにネジ山の相互係合を可能とし、完全な高さ
のリードインスレッドの機械加工を容易にする。センタ
ーショルダーシールがそれらの間に配置された状態で1
組のランアウトスレッドとランインスレッドを使用する
とき、または2組のランアウトスレッドとランインスレ
ッドを使用するときには、一般にこうしたリリーフ溝を
使用する必要はない。
最も好ましいセンターショルダーシール設計は、噛み
合い(interlock)構造が得られる“ロックダブルショ
ルダ(locked double shoulder)”である。組付けられ
た状態のピンとボックスの(センターショルダーシール
領域内の)接触表面の長手軸方向の断面は、先端から尻
尾が延びた逆S字形をしている。一般に、組付けられた
状態のロックダブルショルダ構造の断面は、(連結の長
手軸に平行な)軸方向における“広さ”に対して、(管
の長手軸と直角な)半径方向において2倍から3倍“高
い”。さらに、この高さはパイプ本体の壁の厚みの1/4
から1/3の間である。一般に連結の長手方向の中心線の
方向へ延びる逆“S字”の中心バーは、この中心線と平
行にすることもできるし、中心線に対して斜めにするこ
ともできる。連結部の長手方向の中心線に対する角度は
約45゜以下であることが好ましい。この角度は約25゜以
下であることがさらに好ましく、一般には約15゜以下で
ある。このシール設計では、金属対金属のシーリング面
が三つまで提供され、また通常の組付けにおいてはスレ
ッドコンパウンドを詰め込むことのできる、隙間のない
精密な公差のシーリング面が三つまで提供される。
ロックダブルショルダのセンターシールが好ましいけ
れども、センターショルダと隣接する上述したランアウ
トスレッド及びランインスレッド構造を用いて従来型の
他のセンターショルダーシール設計を安定化することも
できる。特にそれらに限定されるわけではないが、安定
化することのできる他のショルダ設計の例としては、方
形ショルダや、フックショルダ(ショルダが連結の長手
軸に対して少なくとも一つの負の角度を有する)、円錐
台形状のシールを有する方形ショルダ、環状ショルダ
(連結の長手軸に対してテーパ状に設けられたショル
ダ)、シール用のスリーブやリングまたは環状部材を用
いた軸方向のアンダーカットを有する環状部材あるいは
溝を有するショルダ、連結を組付けたときにその一部が
隣接する溝の中へ横方向に押し出されるように設計され
たショルダがある。ランアウトスレッド部分やランイン
スレッド部分を形成するために使用可能な個々のネジ山
の形状は、ダブルフックスレッド(double hook threa
d)やシングルフックスレッド(single hook thread)
からなるグループの中から適当に選択する。ただし、産
業界で標準となっている他のネジ山形状を使用すること
もできる。
ダブルフックスレッド形状は機械的な性能の点で好ま
しい。ダブルフックスレッドは負のロードフランク(lo
ad flank)角と正のスタブフランク(stab flank)角を
有する。ロードフランク角とスタブフランク角の絶対値
の(ロードフランク角とスタブフランク角の符号とは関
係ない)和が約20゜以下であるようなダブルフックスレ
ッド形状がこの発明においては適切な機能を果たす。負
のロードフランク角が約8゜を越えず、正のスタブフラ
ンク角が約5゜を越えないことが好ましい。負のロード
フランク角が約0〜5゜以下の範囲であり、正のスタブ
フランク角が約0〜2゜以下の範囲であり、それらの角
度の絶対値の和が5゜以下であることがさらに好まし
い。
シングルフックスレッドは、約0〜約15゜までの範囲
の負のロードフランク角と、0゜から約マイナス35゜ま
での範囲のスタブフランク角を有する。負のロードフラ
ンク角は8゜以下であり、負のスタブフランク角は20゜
以下であることが好ましい。負のロードフランク角は約
0゜から約8゜以下の範囲であり、スタブフランク角は
約0゜からプラス約8゜の角度以下の範囲であることが
さらに好ましい。最も好ましいのは、負のロードフラン
ク角が約0゜から約8゜以下の角度であり、スタブフラ
ンク角が0゜からプラス約5゜の角度までの範囲である
ことである。
上述したダブルフックとシングルフックのネジ山形状
は幅可変のネジ山と組み合わせて用いることが好まし
い。各部材上に設けられたネジ山は幅方向の幅が徐々に
変化する。ピン部材のネジ山の幅は、ネジ山の各ステッ
プの先端または前端部から後ろ側端部または後端部へ向
けて徐々に増大する。また、ボックス部材のネジ山の幅
は反対方向へ向けて増大する。
シングルフックまたはダブルフックのネジ山を有する
連結部の形成は、ネジ山のスタブフランクに面取り部を
設けることによって大きく改善される。この面取り部
は、ピン部材をボックス部材の中に入れ子式に入れると
きに、セルフセンタリング機能を持たせる。さらに、こ
の面取り部は入れ子式に入れるときに各部材の間の接触
領域を大きくし、任意の接触点における全体の負荷を軽
減し、形成される連結部への損傷を小さくする。面取り
部の軸方向の走行距離あるいは走行幅は、約0.127mm
(0.005インチ)かそれ以下であることが好ましい。面
取り部の角度は、ネジ山のピッチとテーパの関数であ
る。面取り部の角度は、面取り部の半径方向の(連結部
の長手軸と直角な)高さが、面取りされたスタブフラン
クとそのまえのロードフランクとの間のステップの高さ
にほぼ等しくなるようになっている。スタブフランクの
高さからそのまえのネジ山のロードフランクの高さを引
いたものは、ステップ高さと呼ばれる。
[図面の簡単な説明] 図1Aは、組付けられた状態にあるこの発明の連結部の
第1の実施例に対する縦断面図である。この連結部はロ
ックダブルショルダのセンターショルダーシールと、セ
ンターショルダーシールの一方のサイドに隣接してピン
部材の上に設けられた単一のランアウトスレッド部分
と、センターショルダーシールの他方のサイドに隣接し
てピン部材の上に設けられている完全な高さのリードイ
ンスレッド部分とを有する。ボックス部材上には対応す
る形状のネジ山が設けられている。
図1Bは、図1Aに示されているピン部材の縦断面図であ
る。
図1Cは、図1Aに示されているボックス部材の縦断面図
である。
図2Aは、組付けられた状態にあるこの発明の連結部の
第2の実施例に対する縦断面図である。この連結部は、
センターショルダーシールを形成するロックダブルショ
ルダ構造と、センターショルダーシールの各サイドに設
けられた1組のランアウトスレッド部分とランインスレ
ッド部分とを有する。
図2Bは、図2Aに示されているピン部材の縦断面図であ
る。
図2Cは、図2Aに示されているボックス部材の縦断面図
である。
図3Aは、組付けられた状態にあるこの発明の連結部の
第3の実施例に対する縦断面図である。この連結部は、
ロックダブルショルダのセンターショルダーシールと、
2組のランアウトスレッド部分及びランインスレッド部
分とを有する。一方の組はセンターショルダーシールに
隣接しており、他方の組はピン部材とボックス部材の終
端部に配置されている。
図3Bは、図3Aに示されているピン部材の縦断面図であ
る。
図3Cは、図3Aに示されているボックス部材の縦断面図
である。
図4Aは、組付けられた状態にあるこの発明の連結部の
第4の、そして最も好ましい実施例に対する縦断面図で
ある。この連結部は、ロックダブルショルダのセンター
ショルダーシールと、2組のランアウトスレッド部分及
びランインスレッド部分と、好ましいネジ山形状(シン
グルフックであり、面取りされたスタブフランクを有す
る幅可変のネジ山)を有する。
図4Bは、図4Aに示されているピン部材の縦断面図であ
る。
図4Cは、図4Aに示されているボックス部材の縦断面図
である。
図5Aは、図1Aに示されている形の組付けられた状態に
ある連結部の、ロックダブルショルダのセンターショル
ダーシールの一つの実施例に対する拡大縦断面図であ
る。
図5Bは、図5Aに示されているピン部材の縦断面図であ
る。
図5Cは、図5Aに示されているボックス部材の縦断面図
である。
図6Aは、負のロードフランク角と、正のスタブフラン
ク角を有する、この発明のダブルフックスレッド部分の
一部に対する縦断面図である。
図6Bは、負のロードフランク角とゼロ度の(直角の)
スタブフランクを有する、この発明のシングルフックス
レッドの縦断面図である。
図6Cは、負のロードフランク角と負のスタブフランク
角を有する、この発明の一般的なシングルフックスレッ
ド形状に対する縦断面図である。
図6Dは、負のロードフランク角と、若干正の角度であ
り0゜に近いスタブフランク角を有する、この発明のダ
ブルフックスレッド形状に対する縦断面図である。
図7は、負のロードフランク角度と、ゼロ度の(直角
の)スタブフランクと、面取りされたスタブフランクと
を有する、この発明のシングルフックスレッド形状に対
する縦断面図である。このネジ山形状は幅可変であり、
各部材の上に設けられたネジ山の軸方向の幅が徐々に変
化するのが最も好ましい。
図8Aは、図2の組付けられた状態にある連結部の縦断
面図である。しかし、ネジ山は図5Aに示されているダブ
ルフックスレッド形状を有している。また、ロードフラ
ンクとスタブフランクは異なるリードを有していて、各
ネジ山上のネジ山のクレスト/ルートの幅が変化してい
る。
図8Bは、図8Aに示されているピン部材及びボックス部
材のダブルフックスレッドの一部に対する縦断面図であ
る。
図9Aは、図3に示されている、しかしネジ山がシング
ルフックスレッド形状を有する、この発明の組付けられ
た状態にある連結部に対する縦断面図である。
図9B〜図9Dは、図9Aに示されているピン部材及びボッ
クス部材のシングルフックスレッドの一部に対する縦断
面図である。
図10Aは、図4Aに示されている組付けられた状態の連
結部に使用されているようなロックダブルショルダのセ
ンターショルダーシールのより好ましい実施例に対する
拡大縦断面図である。
図10Bは、図10Aのピン部材の縦断面図である。
図10Cは、図10Aのボックス部材の縦断面図である。
[実施例の説明] この発明の管状部材連結部は、パイプや継ぎ手などを
接合するのに広く用いることができる。しかし、ここで
は石油産業における管状部材連結部に関連して説明を行
う。というのは、これがこの発明の最も価値のある応用
だからである。特に、この発明はフラッシュジョイント
またはスリムライン連結において最も一般的に使用され
る。フラッシュジョイントやスリムライン連結において
は、連結部と、組付けられた管状部材との外径及び内径
の違いを最小限に抑えることが望ましい。この発明の連
結部に対する二つの主な応用は、一般にフラッシュな外
径を有するフラッシュジョイントライナ(flush joint
liner)としてと、形成された連結部が一般に外径に最
大で+3.5%変わるようなライナータイバック(liner t
ie−back)である。
この発明の管状部材連結部は、(連結部の少なくとも
二つのネジ山部分の間に)センターシールを用いてお
り、流体(液体または気体)が連結部の中を(ネジ山を
介して)流れないようになっている。この発明の実施例
は、あとで詳しく述べるロックダブルショルダのセンタ
ーショルダーシールを有するとして詳細な説明が行われ
る。しかし、例えば方形ショルダやフックショルダ、円
錐台形状のシールを備えた方形ショルダ、環状ショルダ
などの他のセンターシール設計を、この発明の安定化さ
れたセンターショルダーシールを用いた管状部材連結に
使用することができる。
この発明においては、センターショルダーシールは、
シールに大きな損傷が加わったり、かつ/またはシール
を介して漏れが生じたりすることなく、組付けられた管
状部材の上へ加わる様々な力にシールが耐えられるよう
な形で、安定化される。この安定化は、センターショル
ダーシールに隣接して設けられるネジ山部分を様々に組
合せることによって行われる。特に、センターショルダ
ーシールの安定化は、各連結部材のセンターショルダー
シール構造に隣接する少なくとも一つのランアウトスレ
ッド部分を用いることによって行われる。一方の連結部
材上に設けられたランアウトスレッド部分は、一般に対
応する連結部材の上に設けられたランインスレッド部分
と組み合わせて使用される。しかし、一方の連結部材上
に設けられたランアウトスレッド部分は、対応する連結
部材上に設けられた完全な高さのリードインスレッドと
組み合わせて使用することもできる。
図1から図4は、この発明による連結部の四つの異な
る実施例を示している。図1〜図4に示されている連結
部の四つの実施例の各々は、図1の実施例を参照してこ
れから説明するある共通の特徴を有している。ここで図
1A、図1B、図1Cを参照する。この発明のパイプ接合ある
いはネジ付きの連結部は図1Aにおいて参照番号100で表
されている。このパイプ接合は管状部材103の端部に形
成されたピン部材102と、別の管状部材107の端部に形成
されたボックス部材106を含んでいる。管状部材103と管
状部材107の一方あるいは両方が長手軸14を形成してい
る(図8Aまたは図9Aを参照のこと)。長手軸14は連結部
100の長手方向の中心線である。ボックス部材106はその
中に形成されたメネジ構造を有する。ボックス部材106
のメネジ構造は、ピン部材102の上に形成された相補的
なオネジ構造と相互に係合して、管状パイプ列(図示さ
れていない)の一部である管状部材103,107を機械的に
連結する。連結部100は、さらに連結部100の長手方向の
ほぼ中央に配置されたセンターショルダーシール104を
有する。ピン部材102のオネジ構造は、そのピンノーズ
すなわち先端105から第1のセンターショルダ構造119に
隣接する部分109まで延びている。そのあと、ピン部材1
02のオネジ構造は第1のセンターショルダ構造119の反
対側の部分111へと続き、連結部100の後ろ側の端部113
に位置するオネジ端部まで延びている。ボックス部材10
6の相補的なメネジ構造は、ボックスの先端115から第2
のセンターショルダ構造108に隣接する部分117まで延び
ている。そのあと、相補的なメネジ構造は第2のセンタ
ーショルダ構造の反対側の部分121へと続き、連結部100
の後ろ側の端部123に位置するメネジ端部まで延びてい
る。
連結部のネジ山部分からなる互いに係合するネジ山の
組の間に配置された連結部100のセンターショルダーシ
ール104は、流体(液体または気体)が連結部の中を
(ネジ山を介して)流れないようにしている。この発明
の実施例はあとで詳しく述べるように、ロックダブルシ
ョルダのセンターショルダーシールを有するとして説明
されている。しかし、例えば方形ショルダや、フックシ
ョルダ、円錐台形状のシールを備えた方形ショルダ、環
状ショルダなどの他のセンターシール設計を、この発明
の安定化されたセンターショルダーシールを用いた管状
部材連結部に使用することができる。
この発明の第1の実施例である管状部材の連結部100
を示している図1を再び参照する。センターショルダー
シール104は、ピン部材102の上に設けられた第1のセン
ターショルダ構造119と、ボックス部材106の上に設けら
れた第2のセンターショルダ構造108からなるロックダ
ブルショルダである。各連結部材の上に設けられた、セ
ンターショルダーシールの安定化を行うためのネジ山部
分(ランアウトスレッド部分)は、ピン部材102の上に
設けられたランアウトスレッド部分110の、ボックス部
材106の上に設けられたランアウトスレッド部分114であ
る。ピン部材102に関しては、センターショルダ構造119
に隣接するランアウトスレッド部分110が、センターシ
ョルダ構造119に隣接する部分109から延びており、完全
な高さのテーパ状のネジ山部分126と合わさっている。
ネジ山部分126はピン部材102の先端105まで延びてい
る。ボックス部材106に関しては、センターショルダ構
造108に隣接するランアウトスレッド部分114がセンター
ショルダ構造108に隣接する部分117から延びており、完
全な高さのテーパ状のネジ山部分128と合わさってい
る。ネジ山部分128はボックス部材106の先端115まで延
びている。ピン部材102の上に設けられたランアウトス
レッド部分110と相互に係合する相補的なネジ山部分
は、ボックス部材106の上に設けられた完全な高さのリ
ードインスレッド部分112である。ボックス部材106の上
に設けられたランアウトスレッド部分114と相互に係合
する相補的なネジ山部分は、ピン部材102の上に設けら
れた完全な高さのリードインスレッド部分116である。
ボックス部材106とピン部材102の上に設けられたリード
インスレッド部分112,116は、それぞれ完全な高さのネ
ジ山部分122,124として延びており、これらネジ山部分
の端部123,113までそれぞれ完全な高さのテーパ状のネ
ジ山として延びている。ピン部材102とボックス部材106
の先端105,115からそれぞれ延びているネジ山部分のテ
ーパは、ボックス部材106とピン部材102の後ろ側の端部
123,113へ向けてそれぞれ延びているリードインスレッ
ド部分112及びネジ山部分124や、リードインスレッド部
分116及びネジ山部分122のテーパよりも若干大きい。
連結部100を組付けたとき、ピン部材102のランアウト
スレッド部分110はボックス部材106の完全な高さのリー
ドインスレッド部分112と相互に係合する。そして、ピ
ン部材102の完全な高さのネジ山部分126は、ボックス部
材106の完全な高さのネジ山部分124と相互に係合する。
連結部100を組付けたとき、ボックス部材106のランアウ
トスレッド部分114は、ピン部材102の完全な高さのリー
ドインスレッド部分116と相互に係合する。そして、ボ
ックス部材106の完全な高さのネジ山部分128は、ピン部
材102の完全な高さのネジ山部分122と相互に係合する。
ピン部材102は、完全な高さのリードインスレッド部
分116と第1のセンターショルダ構造119との間にネジ山
のリリーフ溝118を有する。対応するボックス部材106
は、完全な高さのリードインスレッド部分112と第2の
センターショルダ構造108との間にネジ山のリリーフ溝1
20を有する。ネジ山のリリーフ溝は、ピン部材102上に
設けられた完全な高さのリードインスレッド部分116及
びネジ山部分122や、ボックス部材106の上に設けられた
完全な高さのリードインスレッド112及びネジ山部分124
の機械加工を容易にし、任意の対応するネジ山の完全に
相補的な係合を可能にする。リリーフ溝118,120はま
た、スレッドコンパウンドを貯蔵することができ、ネジ
山の油圧ロックアップが起きないようにする。
螺旋状の完全な高さのリードインスレッド部分112及
びネジ山部分124とリードインスレッド部分116及びネジ
山部分122は、連結部100の長手軸に対する一定のテーパ
上に機械加工されている。螺旋状の完全な高さのネジ山
部分126,128も連結部100の長手軸14に対する一定のテー
パ上に機械加工されている。しかし、これら後者のネジ
山部分のテーパは、それらに対応する部材のリードイン
スレッド部分112及びネジ山部分124や、リードインスレ
ッド部分116及びネジ山部分122のテーパよりもそれぞれ
大きくなっており、組付けたときの連結部100の終端部
での応力が小さくなるようになっている。ランアウトス
レッド部分110,114は、ネジ山のクレストの形成ライン
が連結部100の長手軸14と平行であり、ネジ山のルート
の形成ラインが長手軸に対して一定のテーパをなすよう
に機械加工されているランアウトスレッド部分である。
しかし、個々のクレスト表面や個々のルート表面は一般
に連結部の長手軸に平行に機械加工されている。切り取
りされた個々のランインスレッドのクレストをテーパ状
にしておくことは可能であるが、それらは連結部の長手
軸と平行に機械加工する方が好ましい。
組付けを行ったとき、相互に係合した連結部100はラ
ンアウトスレッド部分110,114が完全に相補的な係合を
行っている。ランアウトレッド部分110,114の各々は、
センターショルダーシール104に対して各連結部材の壁
の厚みが小さい方のサイド、すなわち薄い壁部130,132
にそれぞれ配置されている。さらに、ネジ山では若干の
締めしろが設けられており、ネジ山が確実に最大限に係
合するようになっている。締めしろを用いた係合におい
ては、ピン部材102とボックス部材106の上の対応する係
合箇所において、ピン部材102がボックス部材106よりも
若干大きく機械加工されている。締めしろが設けられた
テーパ状のネジ山は当該分野においては十分に確立され
たものである。ランアウトスレッド部分の完全な相補的
係合によれば、利用可能なネジ山のフランクの座面(be
aring surface)が完全に使用され、その結果、より効
果的な連結が行われる。一方、それと同時に、ピン部材
102の上に設けられた薄い壁部132やボックス部材106の
上に設けられた薄い壁部130で生じる応力が制限され
る。さらに、ピン部材やボックス部材の上にこれらの部
分に設けられたランアウトスレッド部分のために、セン
ターショルダーシール104に隣接する領域での連結部の
壁の厚みをできる限り大きく維持することができ、より
効果的な連結が行えるようになる。
説明のために、この発明の第1の実施例が図1に示さ
れている。この実施例は、負のロードフランク角と負の
スタブフランク角とを有するシングルフックスレッド形
状を有する。個々のネジ山のクレストとルートは連結部
の長手軸に平行である。以下で述べるような、シングル
フックスレッド以外のネジ山形状も同様に用いることが
できる。
従来のものと比較すると、パイプ本体の直径よりも3
%大きく形成されたボックスのスリムライン連結構造を
有するこの発明の第1の実施例は、約85%の効率(連結
部(接合部)の強度/パイプ強度)を有する。これに対
して、当該分野において周知の+3%に形成されたボッ
クスの最もよい連結部でも約75%の効率しか得られてい
ない。構造がフラッシュジョイント連結のときには、当
該分野で周知の従来の最良のフラッシュジョイント連結
の効率が65%であるのに対して、この発明の実施例は約
75%の効率を実現することができる。
次に図2Aを参照する。図2Aはこの発明の第2の実施例
を示している。管状部材の連結部200は、管状部材203の
外側端部を機械加工されたピン部材202と、管状部材207
の内側端部を機械加工されたボックス部材206から形成
されている。管状部材の連結部200のセンターショルダ
ーシール204は、ピン部材202の上に設けられた第1のセ
ンターショルダ構造219と、ボックス部材206の上に設け
られた第2のセンターショルダ構造208から形成された
ロックダブルショルダ構造である。
図2Bはピン部材202を示している。ピン部材202はラン
アウトスレッド部分210を有する。ランアウトスレッド
部分210は、ピン部材202の薄い壁部230の上に設けられ
た第1のセンターショルダ構造219に隣接する部分209か
ら、完全な高さのテーパ状のネジ山からなるネジ山部分
226まで延びている。ネジ山部分226はピン部材202の先
端205まで延びている。ピン部材202はさらにランインス
レッド部分216も有する。ランインスレッド部分216はピ
ン部材202の厚い壁部の上に設けられた第1のセンター
ショルダ構造219に隣接する部分211から、完全な高さの
テーパ状のネジ山からなるのネジ山部分212まで延びて
いる。ネジ山部分212はピン部材202の後ろ側の端部213
まで延びている。
図2Cはボックス部材206を示している。ボックス部材2
06はランアウトスレッド部分214を有する。ランアウト
スレッド部分214は、ボックス部材206の薄い壁部232の
上に設けられた第2のセンターショルダ構造208に隣接
する部分217から、完全な高さのテーパ状のネジ山から
なるネジ山部分228まで延びている。ネジ山部分228はボ
ックス部材206の先端215まで延びている。ボックス部材
206はランインスレッド部分222も有する。ランインスレ
ッド部分222は、ボックス部材206の厚い壁部の上に設け
られた第2のセンターショルダ構造208に隣接する部分2
21から、完全な高さのテーパ状のネジ山からなるネジ山
部分224まで延びている。ネジ山部分224はボックス部材
206の後ろ側の端部223まで延びている。
連結部200を組付けたとき、ピン部材202のランアウト
スレッド部分210は、ボックス部材206のランインスレッ
ド部分222と相互に係合する。そして、ピン部材202の完
全な高さのネジ山部分226はボックス部材206の完全な高
さのネジ山部分224と相互に係合する。さらに、ボック
ス部材206のランアウトスレッド部分214はピン部材202
のランインスレッド部分216と相互に係合する。また、
ボックス部材206の完全な高さのネジ山部分228はピン部
材202の完全な高さのネジ山部分212と相互に係合する。
ピン部材202の上に設けられた螺旋状の完全な高さの
ネジ山部分212,226と、ボックス部材206の上に設けられ
た完全な高さのネジ山部分224,228は、連結部200の長手
軸に対する一定のテーパ上に機械加工されている。しか
し、これらのネジ山部分の個々のルート及びクレストの
表面は連結部200の長手軸に対して平行である。ピン部
材202上のランアウトスレッド部分210のマイナー径(ル
ート)は、隣接する完全な高さのネジ山部分226のマイ
ナー径(谷の径)が形成する一定のテーパの延長上に機
械加工されている。一方、そのメジャー径(外径)は連
結部200の長手軸に平行に機械加工されている。ピン部
材202の上に設けられたランインスレッド部分216のマイ
ナー径は連結部200の長手軸に平行に機械加工されてお
り、一方、そのメジャー径(クレスト)は隣接する完全
な高さのネジ山部分212のメジャー径が形成する一定の
テーパの延長として機械加工されている。ボックス部材
206の対応するランアウトスレッド部分とランインスレ
ッド部分は同じように構成されている。ルートがメジャ
ー径(谷の径)を形成しており、クレストがマイナー径
(内径)を形成している。上述したようにして連続した
クレスト及びルートは機械加工されるが、個々のクレス
ト及びルートは一般に連結部の長手軸に対して平行に機
械加工されている。この例外は、ランインスレッド部分
である。ここでは、個々のクレスト表面は隣接する完全
な高さのネジ山のメジャー径が形成する一定のテーパの
延長として機械加工されているか、または連結部の長手
軸に平行に機械加工することができる。個々のクレスト
表面は連結部の長手軸に平行に機械加工されている方が
好ましい。図1に示されている連結部100におけるよう
に、ピン部材202に設けられた完全な高さのネジ山部分2
26やボックス部材206のネジ山部分228のテーパは、ボッ
クス部材206に設けられた対応する完全な高さのネジ山
部分224やピン部材202のネジ山部分212のテーパよりも
大きい。
また、説明のために、シングルフックスレッド形状を
有するこの発明の第2の実施例が図2に示されている。
シングルフックスレッドは負のロードフランク角とゼロ
度のスタブフランク角を有する。しかし、以下で述べる
ように、他のスレッド形状を同じように用いることがで
きる。
第2の実施例においては、1組のランアウトスレッド
部分とランインスレッド部分がセンターショルダーシー
ル204の各サイドに隣接して使用されている。組付けら
れたネジ山部分において、使用されない(係合しない)
ネジ山表面はできる限り小さく抑えられている。連結部
200は、対応するランアウトスレッド部分とランインス
レッド部分の対が完全に相補的な係合を行う。このた
め、これらテーパ状のネジ山は非常に効率がよく、図1
に示されている第1の実施例におけるよりもセンターシ
ョルダーシール204の安定性がずっと大きくなってい
る。
従来のものと比較した場合、この発明の第2の実施例
は図1に示されている第1の実施例が有するのとほぼ同
じ効率の改善が、従来のものに対して行われている。
次に図3Aを参照する。図3Aはこの発明の第3の実施例
を示している。管状部材の連結部300は、管状部材303の
外側端部の上が機械加工されたピン部材302と、管状部
材307の内側端部の上が機械加工されたボックス部材306
から形成されている。連結部300のセンターショルダー
シール304は、ロックダブルショルダ構造である。この
ロックダブルショルダ構造は、ピン部材302の上に設け
られた第1のセンターショルダ構造319と、ボックス部
材306の上に設けられた第2のセンターショルダ構造308
から形成されている。
図3Bはピン部材302を示している。ピン部材302は、ラ
ンアウトスレッド部分310を有する。ランアウトスレッ
ド部分310は、ピン部材302の薄い壁部330の上に設けら
れた第1のセンターショルダ構造319に隣接する部分309
から、完全な高さのテーパ状のネジ山からなるネジ山部
分326まで延びている。ネジ山部分326はランインスレッ
ド部分334まで延びている。ランインスレッド部分334は
ピン部材302の先端305まで延びている。ピン部材302は
ランインスレッド部分316も有する。ランインスレッド
部分316はピン部材302の厚い壁部の上に設けられた第1
のセンターショルダ構造319に隣接する部分311から、完
全な高さのテーパ状のネジ山からなるネジ山部分312ま
で延びている。ネジ山部分312はランアウトスレッド部
分336まで延びている。ランアウトスレッド部分336はピ
ン部材302の後ろ側の端部313まで延びている。
図3Cはボックス部材306を示している。ボックス部材3
06はランアウトスレッド部分314を有する。ランアウト
スレッド部分314は、ボックス部材306の薄い壁部332の
上に設けられた第2のセンターショルダ構造308に隣接
する部分317から、完全な高さのテーパ状のネジ山から
なるネジ山部分328まで延びている。ネジ山部分328はラ
ンインスレッド部分338まで延びている。ランインスレ
ッド部分338はボックス部材306の先端315まで延びてい
る。ボックス部材306はランインスレッド部分322も有す
る。ランインスレッド部分322は、ボックス部材306の厚
い壁部の上に設けられた第2のセンターショルダ構造30
8に隣接する部分321から、完全な高さのテーパ状のネジ
山からなるネジ山部分324まで延びている。ネジ山部分3
24はランアウトスレッド部分340まで延びている。ラン
アウトスレッド部分340はボックス部材306の後ろ側の端
部323まで延びている。
連結部300を組付けたとき、ピン部材302のランアウト
スレッド部分310はボックス部材306のランインスレッド
部分322と相互に係合する。そして、ピン部材302の完全
な高さのネジ山部分326は、ボックス部材306の完全な高
さのネジ山部分324と相互に係合する。また、ピン部材3
02のランインスレッド部分334は、ボックス部材306のラ
ンアウトスレッド部分340と相互に係合する。さらに、
ボックス部材306のランアウトスレッド部分314は、ピン
部材302のランインスレッド部分316と相互に係合する。
そして、ボックス部材306の完全な高さのネジ山部分328
は、ピン部材302の完全な高さのネジ山部分312と相互に
係合する。また、ボックス部材306のランインスレッド
部分338は、ピン部材302のランアウトスレッド部分336
と相互に係合する。
ピン部材302の上に設けられた螺旋状の完全な高さの
ネジ山部分312,326と、ボックス部材306の上に設けられ
たネジ山部分324,328は、連結部300の長手軸に対する一
定のテーパ上に設けられている。しかし、それらのルー
ト及びクレストの個々の表面は、連結部300の長手軸に
対して平行である。ピン部材302の上に設けられたラン
アウトスレッド部分310,336と、ボックス部材306の上に
設けられたアンアウトスレッド部分314,340のルート
は、隣接する完全な高さのネジ山部分が形成する一定の
テーパの延長上に機械加工されている。ピン部材302の
上に設けられたランアウトスレッド部分310,336と、ボ
ックス部材306の上に設けられたランアウトスレッド部
分314,340のクレストは、連結部300の長手軸に平行に機
械加工されている。ピン部材302の上に設けられたラン
インスレッド部分316,334と、ボックス部材306の上に設
けられたランインスレッド部分322,338のルートは、連
結部300の長手軸に平行に機械加工されている。一方、
それらのクレストは、隣接する完全な高さのネジ山部分
のメジャー径とマイナー径が形成する一定のテーパの延
長上に機械加工されている。
この発明の第3の実施例が図3に示されている。この
実施例は、ダブルフックスレッド形状を有する。しか
し、以下で述べるように、他のスレッド形状も同じよう
に使用することができる。
前述した2組のランアウトスレッドとランインスレッ
ド(一つの組はセンターショルダーシール304に隣接
し、もう一つは連結部300の終端部に設けられている)
によって、連結部300のセンターショルダーシール304に
対する最大の接合効率と最大の安定性が得られる。2組
のランアウトスレッド及びランインスレッドによって、
ピン部材302とボックス部材306との間で最も滑らかな負
荷伝達も行われるようになり、その結果、連結部の定格
負荷能力が大きくなるだけでなく、過負荷能力(すなわ
ち安全ファクタ)も大きくなる。
従来のものと比較すると、この発明の第3の実施例は
パイプ本体の径に対して3%大きく形成されたボックス
において、スリムライン連結は約95%の効率(連結部
(接合部)の強度/パイプの強度)を有する。この構造
が3%大きく形成されたボックスの連結であるときに
は、効率は約90%に減少する。当該分野において周知の
最良の+3%に形成されたボックスの連結では、75%の
効率しか得られない。
上述したこの発明の第3の実施例に関しては、フラッ
シュ外径の連結部構造において、効率は約77%である。
当該分野で周知の最良のフラッシュ連結でも65%の効率
しか得られない。
次に図4Aを参照する。図4Aはこの発明の第4の実施例
を示している。管状部材の連結部400は、管状部材403の
外側端部が機械加工されたピン部材402と、管状部材407
の内側端部が機械加工されたボックス部材406から形成
されている。連結部400のセンターショルダーシール404
はロックダブルショルダ構造である。このロックダブル
ショルダ構造は、ピン部材402の上に設けられた第1の
センターショルダ構造419と、ボックス部材406の上に設
けられた第2のセンターショルダ構造408から形成され
ている。
図4Bはピン部材402を示している。ピン部材402はラン
アウトスレッド部分410を有する。ランアウトスレッド
部分410は、ピン部材402の薄い壁部430の上に設けられ
た第1のセンターショルダ構造408に隣接する部分409か
ら、完全な高さのテーパ状のネジ山からなるネジ山部分
426まで延びている。ネジ山部分426は、ランインスレッ
ド部分434まで延びている。ランインスレッド部分434は
ピン部材402の先端405まで延びている。ピン部材402は
ランインスレッド部分416も有する。ランインスレッド
部分416は、ピン部材402の厚い壁部の上に設けられた第
1のセンターショルダ構造419に隣接する部分411から、
完全な高さのテーパ状のネジ山からなるネジ山部分412
まで延びている。ネジ山部分412はランアウトスレッド
部分436まで延びている。ランアウトスレッド部分436は
ピン部材402の後ろ側の端部413まで延びている。
図4Cはボックス部材406を示している。ボックス部材4
06はランアウトスレッド部分414を有する。ランアウト
スレッド部分414はボックス部材406の薄い壁部432の上
に設けられた第2のセンターショルダ構造408に隣接す
る部分417から、完全な高さのテーパ状のネジ山からな
るネジ山部分428まで延びている。ネジ山部分428はラン
インスレッド部分438まで延びている。ランインスレッ
ド部分438はボックス部材406の先端415まで延びてい
る。ボックス部材406はランインスレッド部分422も有す
る。ランインスレッド部分422は、ボックス部材406の厚
い壁部の上に設けられた第2のセンターショルダ構造40
8に隣接する部分421から、完全な高さのテーパ状のネジ
山からなるネジ山部分424まで延びている。ネジ山部分4
24はランアウトスレッド部分440まで延びている。ラン
アウトスレッド部分440はボックス部材406の後ろ側の端
部423まで延びている。
この発明のこの第4の実施例と、図3に示されている
第3の実施例との主な相違は、ネジ山形状にある。この
第4の実施例のネジ山形状は、特殊なセルフセンタリン
グ機能を有するネジ山形状である。この形状では、図7
に示されているように、そして図7を参照して以下で詳
しく述べるように、すべての完全な高さのネジ山のスタ
ブフランクが面取りされている。従って、ピン部材402
に設けられた完全な高さのネジ山部分412,426の各スタ
ブフランクと、ボックス部材406に設けられた完全な高
さのネジ山部分424,428の各スタブフランクは面取りさ
れている。面取り部の幅(軸方向の距離)は、約0.127m
m(0.005インチ)か、またはそれ以下であることが好ま
しい。面取り部の(連結部または管状部材の長手軸に直
角な方向の)高さは、ステップの高さ(スタブフランク
の高さから、そのまえのネジ山のロードフランクの高さ
を引いたもの)にほぼ等しい。ピン部材402とボックス
部材406の両方の上に設けられているすべての完全な高
さのネジ山のスタブフランクの上にこの面取り部が設け
られているために、連結部400を組付けるときにセルフ
センタリング機能が得られる。特に、ピン部材402をボ
ックス部材406の中へ最初に入れ子式に入れる(差し込
む)ときに、このセルフセンタリング機能が得られる。
連結部400を組付けるとき、最初に入れ子式に入れた
あと、ピン部材402のネジ山のスタブフランクはボック
ス部材406のスタブフランクの上に載り、スタブフラン
クの面取り部が、上述したセルフセンタリング機能を行
う。組付けが完了すると、しっかりとした締め付けを行
うために、ピン部材402のランアウトスレッド部分410が
ボックス部材406のランインスレッド部分422と相互に係
合し、ピン部材402の完全な高さのネジ山部分426がボッ
クス部材406の完全な高さのネジ山部分424と相互に係合
する。また、ピン部材402のランインスレッド部分434が
ボックス部材406のランアウトスレッド部材440と相互に
係合する。さらに、ボックス部材406のランアウトスレ
ッド部分414がピン部材402のランインスレッド部分416
と相互に係合し、ボックス部材406の完全な高さのネジ
山部分428がピン部材402の完全な高さのネジ山部分412
と相互に係合する。また、ボックス部材406のランイン
スレッド部分438はピン部材402のランアウトスレッド部
分436と相互に係合する。しっかりとした締め付けを行
った状態においては、各部材の完全な高さのネジ山のロ
ードフランクと、ルートと、クレストは十分に接触して
いて、シーリング係合を行っている。一方、これらのネ
ジ山のスタブフランクは若干の隙間(一般に約0.0508mm
(0.002インチ))を有する。
ピン部材402の上に設けられた螺旋状の完全な高さの
ネジ山部分412,426と、ボックス部材406の上に設けられ
たネジ山部分424,428は、連結部400の長手軸に対する一
定のテーパ上に機械加工されている。しかし、それらの
ルート及びクレストの個々の表面は連結部400の長手軸
と平行である。ピン部材402の上に設けられたランアウ
トスレッド部分410,436と、ボックス部材406の上に設け
られたランアウトスレッド部分414,440の連続したルー
トは、隣接する完全な高さのネジ山部分が形成する一定
のテーパの延長上に機械加工されている。ピン部材402
の上に設けられたランアウトスレッド部分410,436と、
ボックス部材406の上に設けられたランアウトスレッド
部分414,440の連続したクレストは、連結部400の長手軸
に平行に機械加工されている。ランアウトスレッド部分
の個々のルート及びクレストの表面は、連結部の長手軸
に平行に機械加工されている。ピン部材402の上に設け
られたランインスレッド部分416,434と、ボックス部材4
06の上に設けられたランインスレッド部分422,438の連
続したルートは、連結部400の長手軸と平行に機械加工
されている。一方、それらの連続するクレストは、隣接
する完全な高さのネジ山部分のメジャー径またはマイナ
ー径が形成する一定のテーパの延長線上に機械加工され
ている。これらのランインスレッド部分の個々のルート
の表面は、連結部(連結部材)の長手軸に平行に機械加
工されているが、ランインスレッド部分に関連して前述
したように、個々のクレストは連結部の長手軸に対して
テーパ状か、または連結部の長手軸に平行に機械加工す
ることができる。
図4に示されているこの発明の第4の実施例は、面取
りされたスタブフランクを有するネジ山形状を有する。
スタブフランクは、そのまえのネジ山のルート(及び連
結部の長手軸)に垂直なラインに対して約2゜以下の正
のスタブフランク角を有する。ロードフランク角は約3
゜以下の負の角度である。この発明の最も好ましい実施
例においては、スタブフランク角は0゜であり、ロード
フランク角は約3゜の負の角度である。
図4に示されている連結部の効率は、図3に示されて
いるそれと本質的に同じである。
図5Aは、図1の第1の実施例に示されているセンター
ショルダーシール500の拡大図である。組付けられたセ
ンターショルダーシール500は、ピン部材514の上に設け
られた第1のセンターショルダ構造510と、ボックス部
材534の上に設けられた第2のセンターショルダ構造530
から形成されたロックダブルショルダーシールである。
ピン部材514の上に設けられたネジ山のリリーフ溝512
と、ボックス部材534の上に設けられたネジ山のリリー
フ溝532は、ピン部材514の上に設けられた完全な高さの
リードインスレッド526と、ボックス部材534の上に設け
られた完全な高さのリードインスレッド546をそれぞれ
用いているために必要となる。例えば連結部の第2、第
3、第4の実施例(参照番号200,300,400で表されてい
る)において、完全な高さのリードインスレッドを使用
しないときには、ネジ山のリリーフ溝の使用は随意であ
る。図5Aに示されているネジ山形状は、図6Dに示されて
いる種類のダブルフックである。
図5B及び図5Cは、ピン部材514の第1のセンターショ
ルダ構造510と、ボックス部材534の第2のセンターショ
ルダ構造530をそれぞれ示している。各連結部材は、ピ
ン部材514の上に設けられたランプ516と、ボックス部材
534の上に設けられたランプ536を有する。連結部のピン
部材514のセンターショルダ構造510は、ショルダ520を
有する。ショルダ520は第1のアンダーカット面528と、
第1のシーリング面518と、第4のシーリング面522を有
する。連結部のボックス部材534のセンターショルダ構
造530はショルダ540を有する。ショルダ540は第2のア
ンダーカット面548と、第2のシーリング面542と、第3
のシーリング面538を有する。
センターショルダーシール500を組付けると、ピン部
材のセンターショルダ構造510のショルダ520の上に設け
られた第1のシーリング面518は、ボックス部材のセン
ターショルダ構造530の対応する第1のランプ536の上の
位置に揃えられ、ガイドされる。それと同時に、ボック
ス部材のセンターショルダ構造530のショルダ540の上に
設けられた第2のシーリング面542は、ピン部材のセン
ターショルダ構造510の対応する第2のランプ516の上の
位置に揃えられ、ガイドされる。組付けが進むにつれ
て、ショルダ520上の第1のシーリング面518がボックス
部材のセンターショルダ構造530の上に設けられた第3
のシーリング面538へ当接すると、金属対金属のシール
が形成される。それと同時に、ショルダ540の上に設け
られた第2のシーリング面542がピン部材のセンターシ
ョルダ構造510の上に設けられた第4のシーリング面522
と当接するにつれて、金属対金属のシールが形成され
る。ショルダ520,540が所定の位置に移動するにつれ
て、一般にそれらは若干曲がり、第1のセンターショル
ダ構造510の上の表面524と第2のセンターショルダ構造
530の上の表面544との間のギャップを閉じる。そうし
て、表面524と表面544の少なくとも一部の間の隙間をな
くすか、金属対金属のシールを形成する。あとの方で述
べた隙間のなくなること、または金属対金属のシール
は、上述した曲げ作用が行われるまえに、表面524と表
面544との間に大きな隙間(0.127mm(0.005インチ)以
上)が存在するときには起きない。
組付けられた連結部を最終的に締め付ける(トルクを
加える)と、ショルダ520の先端表面はボックス部材の
センターショルダ構造530の上に設けられた第1のアン
ダーカット面548と接触する。一方、ショルダ540の先端
表面はピン部材のセンターショルダ構造510の上に設け
られた第2のアンダーカット表面528と接触する。こう
して、さらに二つの隙間のないシーリング面が形成され
る。
このように、連結部を組付ける(形成する)ときに、
合わせて少なくとも二つの、場合によっては三つの金属
対金属の隙間のないシールが形成される。金属対金属の
二つのシールは、シーリング面518,538が接触してお
り、またシーリング面522,542が接触している、センタ
ーショルダーシール500の外側の面取り端部に形成され
る。一つの金属対金属のシーリング面は、センターショ
ルダーシール500の内側の、表面524,544が接触している
壁面に形成される。隙間のないシールは、ピン部材のシ
ョルダ520の前面がボックス部材のアンダーカット面548
と接触し、ボックス部材のショルダ540の前面がピン部
材のアンダーカット面528と接触するところで形成され
る。このように、センターショルダーシール500は金属
対金属の多数のシールを形成する。この金属対金属のシ
ールは互いに係合する金属対金属のシーリング面を有し
ており、組付けられた連結部を締め付けると、シールの
中にエネルギを溜めることが可能となる。従って、パイ
プや連結部に様々な負荷が加わったときに、シールは性
能を発揮し続け、シーリング係合を維持し続ける。ま
た、隙間のない幾つかのシールが形成されている。これ
らは金属対金属のシールと組み合わされ、連結部が受け
る様々な条件の負荷のもとで漏れが生じないようにして
いる。
ネジ山が設けられた連結部の表面ではスレッドコンパ
ウンドが一般に使われる。このスレッドコンパウンドは
約0.127mm(0.005インチ)以下の表面欠陥や隙間を埋め
て、シーリング性能を改善する。表面欠陥または機械加
工の公差によって金属表面の間に約0.127mm(0.005イン
チ)以下の隙間が生じるときには、こうしたスレッドコ
ンパウンドは意図する金属対金属の間の隙間のないシー
ルの補助を行う。スレッドコンパウンドはまた、連結部
を締め付けたあと隙間がゼロにならないような表面の油
圧シールも形成する。例えば、スレッドコンパウンドを
用いて、ピン部材514の表面529とボックス部材534の表
面537の間や、ピン部材514の表面517やボックス部材534
の表面549の間に油圧シールが形成できる。さらに、連
結部のネジ山の各ステップに油圧シールを形成できる。
なぜなら、金属対金属の接触が行われないネジ山表面
は、スレッドコンパウンドを用いて埋めることのできる
密着係合した表面だからである。
連結部の断面に対するこの発明のロックダブルショル
ダのセンターシールの場所や寸法について次に説明す
る。ロックダブルショルダーシールが設けられている領
域において連結部を形成している管状部材の壁部の断面
のバランスをとって、より効率のよい連結を行うことが
望ましい。次に述べる式を用いれば、ロックダブルショ
ルダーシールの半径方向の中心(連結部の長手軸に対す
る半径方向の中心)が形成する円に対して、その好まし
い直径を計算することができる。本質的に、この好まし
い直径は、連結部の外径の2乗に連結部の内径の2乗を
加え、定数kを引き、全体を2で割って、その結果の平
方根をとったものに等しい。定数kは噛み合わされたシ
ョルダ520,540の高さを2乗したものの2倍に等しい。
図5Aに示されているように、ロックダブルショルダーシ
ールの半径方向の中心は、ショルダ520及びショルダ540
の接触している表面524,544にそれぞれ位置している。
噛み合わされたショルダ520,540の高さは高さ552であ
る。噛み合わされたショルダ520,540の最小の高さ552
は、連結部を形成するために使用されている管状部材
(パイプ)の壁の厚みの関数である。一般に噛み合わさ
れたショルダ520,540の半径方向の高さ552は、ショルダ
520,540の図5Aに示されている長手方向の幅554の2倍か
ら3倍である。さらに、噛み合わされたショルダ520,54
0の断面の高さ552は、一般に管状部材(パイプ)の壁の
厚みの1/4から1/3である。
この発明の連結部は、センターショルダーシール500
によって提供される種々のシールの上に一定の支持力を
生じる。センターショルダーシール500が有する曲面状
の端部であるシーリング面518,538,522,542が締めしろ
を有する係合を行って金属対金属のシールを形成するだ
けでなく、連結部が締付けられると、アンダーカット表
面548と接触しているショルダ520の表面と、アンダーカ
ット表面528と接触しているショルダ540の表面に負荷が
加わって、表面524,544の間の環状の接触が一般にシー
ルを形成する。これは、シーリング面518が接触するシ
ーリング面538及び、シーリング面542が接触するシーリ
ング面522からと、最終の締付けが行われたときの金属
のポアソン効果から生じるショルダへの曲げ作用によ
る。
図5A〜図5Cに示されているものよりも好ましいロック
ダブルショルダ構造を図10A〜図10Cを参照してあとで説
明する。
上述した隣接するランアウトスレッド部分とランイン
スレッド部分を用いることによって、従来知られている
他のセンターショルダ設計を安定化することもできる。
それらに制限されるわけではないが、安定化することの
できるセンターシール設計の例としては、方形ショル
ダ、フックショルダ(ショルダが少なくとも一つの、連
結部の長手軸に対して負の角度を有する)、円錐台形状
のシールを備えた方形ショルダ、環状ショルダ(連結部
の長手軸に対してテーパ状のショルダ)、シール用のス
リーブ、リング、または環状部材を有する環状部材また
は溝を有するショルダ、連結部を組付けたときにその一
部が隣接する溝の中へ横方向に押し出されるように設計
されたショルダがある。
図6Aから図6Dは、この発明の連結部の他の特徴と組み
合わせて使用される四つのネジ山形状を示している。
説明の便宜と正確さのために、この発明のネジ山のロ
ードフランク及びスタブフランクの角度を記述するの
に、以下の幾何学の慣例を用いる。角度αはネジ山のス
タブフランク角を表しており、角度βはネジ山のロード
フランク角を表している。これらの角度は、ネジ山のフ
ランクのルートにおいて、連結部(管状部材)の長手軸
に対して垂直なラインに対して幾何学的な用語で定義さ
れている。負のフランク角の大きさは、垂直ラインをネ
ジ山フランクと一致するように反時計方向に回転させる
ときの角度である。正のフランク角の大きさは、垂直ラ
インをネジ山フランクと一致するように時計方向に回転
させるときの角度である。スタブフランク角やロードフ
ランク角を定義するためのこれらの慣例は、パイプのネ
ジ山を機械加工するときに使用される一般の慣例とは必
ずしも一致しない。
図6Aは完全な高さのダブルフックスレッド600Aの一部
に対して、対応するピン部材610とボックス部材630の断
面形状を示している。ダブルフックスレッドは、負のロ
ードフランク角βと、正のスタブフランク角αを有す
る。ピン部材610の一部からとられた完全な高さのネジ
山のネジ山形状が、この発明のネジ山が設けられた管状
部材の断面の中に示されている。スタブフランク612
は、連結部の長手軸14と平行なルートの壁616に垂直な
ラインに対して正のスタブフランク角αを形成してい
る。また、ロードフランク614は連結部の長手軸に平行
なルートの壁618に垂直なラインに対してロードフラン
ク角βを形成している。
ボックス部材630の一部からとられた完全な高さのダ
ブルフックスレッドのネジ山形状が、この発明のネジ山
が形成された管状部材の断面の中に示されている。例え
ば、ピンのネジ山と同様な方法で、スタブフランク632
はルートの壁636に垂直なラインに対して正の角度αを
形成し、ロードフランク634はルートの壁636に垂直なラ
インに対して負の角度βを形成している。ピン部材610
のダブルフックスレッドをボックス部材630のダブルフ
ックスレッドと相互に係合可能にするためには、図6Aに
示されているように、ネジ山の幅がピン部材610の先端
(ボックス部材の中に入れ子式に最初に入れられる端
部)から一定の割合で増加するようにすることと、ネジ
山の幅をボックス部材630の対応する端部から一定の割
合で減少させる(ルートの幅は一定の割合で増加する)
ことが必要である。従って、ピン部材610のネジ山のク
レストの幅620は徐々に広くなっている。一方、ネジ山
のルートの幅622は徐々に狭くなっている。ボックス部
材630では逆のことが起きている。こうした寸法を有す
るネジ山を形成する一つの方法は、ロードフランクより
も若干大きい(長い)リードを備えたネジ山スタブフラ
ンクを機械加工することである。入れ子式に入れた(差
し込んだ)ときに、ネジ山がぴったり合う(相互に係合
する)ようにするために必要なリードの増加量(ΔL)
は、ネジ山のテーパ(T)とスタブフランク角及びロー
ドフランク角(それぞれα、β)の関数であり、以下の
式によって計算することができる。
ΔL=1/2T(tan|α|+tan|β|) 連結部に二つ以上のネジ山ステップ(例えば一つのネ
ジ山部分のあとにセンターショルダーシールがきて、そ
のあとに連結部の長手軸からの軸方向の距離が大きいと
ころに配置された別のネジ山部分が続くツーステップの
ネジ山)が存在するときには、ネジ山の幅はピン部材の
先端から連結部の端部までずっと一定の割合で増加する
ようにできる。あるいはそれとは違って、またその方が
好ましいが、ネジ山の幅がネジ山の各ステップ内におい
て徐々に増加するようにする。この場合には、ネジ山の
ピン先端のステップにおける最小幅のネジ山に始まり、
ピンのネジ山の第2のステップの前端部から幅が最小の
ネジ山が再び始まるようになっている。
機械的な性能に関しては、ダブルフックスレッドは正
のスタブフランク角と、負のロードフランク角を有す
る。これらの角度の絶対値(角度に関する符号に関係な
く)の和は約5゜から約20゜の範囲である。一般に負の
ロードフランク角は約8゜を越えず、正のスタブフラン
ク角は約4゜を越えない。しかし、機械加工の容易さと
リードの調節ΔLを最小限に抑えることから、正のスタ
ブフランク角と負のロードフランク角の絶対値の和は、
0゜より若干大きく、5゜以下である必要があり、負の
ロードフランク角は約1゜から約4゜の範囲にあること
が必要である。このようにロードフランク角とスタブフ
ランク角の絶対値の和を小さくしたときには、連結部材
のスレッドを相互に係合可能にするために、幅が一定の
割合で増加するネジ山を使用する必要はない。ロードフ
ランク角がスタブフランク角よりも大きい絶対値角度を
有することが好ましい。なぜなら、連結部の長手軸に平
行なクレスト及びルートを有するネジ山形状に対して
は、ロードフランク614とスタブフランク612を見ればわ
かるように、ロードフランクの長さはスタブフランクの
長さよりも短いからである。また、連結部が非常に厳し
い条件下で動作しているときには、ネジ山のロードフラ
ンクはスタブフランクよりも大きな力を受ける。
図6Bは、シングルフックスレッド600Bの一つの実施例
の対応するピン部材660とボックス部材670の断面形状を
示している。ピン部材650の一部からとられた完全な高
さのネジ山に対するネジ山形状が、この発明のネジ山が
設けられた管状部材の断面の中に描かれている。シング
ルフックスレッドに対するこの実施例の顕著な特徴は、
そのスタブフランク652が、連結部の長手軸とネジ山ル
ートの壁の両方に対して垂直なラインに対して0゜の角
度αをなし、一方、そのロードフランク654が、連結部
の長手軸とネジ山ルートの壁の両方に垂直なラインに対
して負の角度βをなすことである。例えば、ピン部材65
0のネジ山形状を参照するとわかるように、スタブフラ
ンク652は連結部の長手軸に対して直角であり、ルート
の壁656に垂直なラインに対して0゜の角度αをなして
おり、一方、ロードフランク654はルートの壁658に垂直
なラインに対して負の角度βを形成している。同じよう
に、ボックス部材670のネジ山形状を参照すると、スタ
ブフランク672はルートの壁676に垂直なラインに対して
0゜の角度αを形成し、一方、ロードフランク674はル
ートの壁676に垂直なラインに対して負の角度βを形成
している。
シングルフックスレッドは、ゼロ度(0゜)から約45
゜の範囲の負のスタブフランク角を有し、また、0゜よ
り大きく約15゜までの範囲の負のロードフランク角を有
する。ロードフランク角が大きい負の角度であり、スタ
ブフランク角がロードフランク角よりも小さく、その結
果、ネジ山のクレストが隣接するネジ山のルートよりも
広い場合には、最初に入れ子式に入れる(差し込む)と
きに連結部のピン部材とボックス部材を適切に相互係合
させるためには、ダブルフックスレッドに関して前述し
たように、ピンの先端から始めて一定の割合でネジ山の
幅を増大させる必要がある。
機械加工の容易さからして、より好ましいシングルフ
ックスレッド形状は、負のロードフランク角が0゜より
も大きく5゜以下の範囲であり、負のスタブフランク角
約0゜から約2゜の範囲であり、これらの角度の絶対値
の和が5゜以下であるような形状である。このように小
さい負のロードフランク角とスタブフランク角を使用し
たときには、連結部材のネジ山を相互に係合可能にする
ために、一定の割合で幅が増大するネジ山を使用する必
要はない。必要な隙間は、ネジ山のクレストをネジやま
のルートよりも狭く作ることによって形成される。
図6Cは、この発明の連結部で使用するのに適した別の
ネジ山形状の実施例600Cを示している。このネジ山形状
は、(ロックダブルショルダなどの)センターショルダ
ーシールを、対応する部材の上に設けられた単一のラン
アウトスレッド及び完全な高さのリードインスレッドと
組み合わせて使用し、これらランアウトスレッドとリー
ドインスレッドがセンターショルダーシールの各サイド
に配置されているような連結部に対して特に適してい
る。ピン部材690の一部からとられた完全な高さのネジ
山のネジ山形状はシングルフックスレッドの別の実施例
であり、この発明のネジ山が設けられた管状部材の断面
の中に示されている。シングルフックスレッドに対する
この実施例の特徴は、ピン部材690のネジ山のロードフ
ランク694が大きい負の角度βを有し、スタブフランク6
92が大きい負の角度αを有することである。一般に、角
度αは角度βよりも大きい。その結果、これらの寸法
は、フランクからフランクへの(ロードフランクからス
タブフランクへの)ベヤリングスレッド(bearing thre
ad)で定式化(formulate)できる。これらのベヤリン
グスレッドは、ネジ山のルートとクレストとの間に、例
えばピン部材690のルート696とボックス部材698のクレ
スト699との間に、隙間を有する、これは、図6Aのダブ
ルフックスレッドや図6Bのシングルフックスレッドと対
照的である。それらは、ネジ山のルート及びクレストが
座面を提供し、対応するスタブフランクとロードフラン
クとの間に隙間ができるような形により適している。図
6Cに示されているような種類のフランクからフランクへ
のベヤリングスレッドは、ランアウトスレッド部分にお
ける締めしろを修正するのに使用できる。
一般に図6Cに示されているシングルフックスレッド形
状の角度は、負のロードフランク角が約5゜から約15゜
までの範囲であり、負のスタブフランク角が約5゜から
約35゜までの範囲であり、スタブフランク角がロードフ
ランク角よりも約10゜から15゜大きくなっている。
図6Dは、ダブルフックスレッド600Dの断面形状を示し
ている。このダブルフックスレッドはほぼ0゜から2゜
以下の角度の範囲の正のスタブフランク角αと、ほぼ0
゜から5゜以下の範囲の負の小さい角度のロードフラン
ク角βを有する。フランク角の絶対値の和は5゜以下で
ある。ピン部材680の一部からとられた完全な高さのネ
ジ山のネジ山形状が、この発明のネジ山が設けられた管
状部材の断面の中に示されている。ダブルフックスレッ
ドのこの実施例の顕著な特徴は、その正の角度のスタブ
フランク682とその負の角度のロードフランク684の両方
が、連結部の長手軸とネジ山ルートの壁に垂直なライン
に対してほぼ0゜の角度をなしていることである。例え
ば、スタブフランク682は連結部の長手軸に対して、直
角の角度から、ルートの壁686に垂直なラインに対して
2゜以下の正の角度までの範囲の角度αを形成し、ロー
ドフランク684は、連結部の長手軸に対してほぼ垂直の
角度から、ルートの壁688に垂直なラインに対して5゜
以下の負の角度までの範囲の角度βを形成している。対
応するボックス部材689は説明したばかりのものと同じ
範囲のスタブフランク角とロードフランク角を有する。
図6Dに示されている種類のダブルフックスレッド形状を
使用する場合には、連結部材のネジ山の相互係合(差し
込んだあとの適切な合わせ)を可能にするために、幅が
徐々に増大するネジ山を使用する必要はない。本質的に
このネジ山形状は、修正された方形のネジ山である。
この発明に使用される最も好ましいネジ山形状は、負
のロードフランク角と、スタブフランクが面取りされて
おりゼロまたは正の角度のスタブフランク角を有するも
のである。このネジ山形状は、連結部材を最初に入れ子
式に入れるときにセルフセンタリング機能を行う。一般
に、(このネジ山形状がそれに似ている)シングルフッ
クスレッド形状は、ネジ山を適切に相互係合させるため
には幅を変化させる必要がある。図7A〜図7Cは、幅可変
のネジ山と組み合わせた、負のロードフランク角と、0
゜の面取りされたスタブフランクを有するネジ山形状を
示している。ピン部材750のネジ山形状は、負の角度β
を有するロードフランク754と、0゜の角度αを有する
面取りされたスタブフランク752を有する。面取り部756
は幅ωを有する。面取り部の角度ηはネジ山のピッチと
テーパの関数である。面取り部756の高さ758は、スタブ
フランク752の高さからそのまえのロードフランク754の
高さを引いたもの、すなわち“ステップの高さ”にほぼ
等しいか、それよりも小さい。ボックス部材770のネジ
山形状は、負の角度βを有するロードフランク774と、
0゜の角度αを有する面取りされたスタブフランク772
を有する。面取り部776は幅ωと面取り角度ηを有す
る。面取り部の高さは、ピン部材750の面取り部の高さ
と同じである。ボックス部材770の面取り部の幅と角度
と高さは、対応するピン部材750に対して説明したよう
にして決定する。面取り部の角度はスレッドの幅とテー
パの関数であり、結果としてできる面取り部の高さはス
テップの高さとほぼ等しいか、それ以下である。面取り
部の高さを大きくすると、セルフセンタリング機能が大
きくなり、好ましい。しかし、面取り部の高さがステッ
プ高さよりも大きいことは利点がない。面取り部の幅ω
は0.127mm(0.005インチ)以下であることが好ましい。
この発明の連結部の寸法を決めるときには、センター
ショルダーシールの半径方向の中心線の位置を、パイプ
の外径及び内径を参照して決定する。連結部のネジ山部
分が消滅する点を、連結部の終端部において最低限必要
な壁の厚みによって決定する。ネジ山部分の長さは、ネ
ジ山のテーパの角度と、ネジ山の直径の変化との関数で
ある。センターショルダーシールの各サイドに設けられ
たネジ山部分は連結部に加わる負荷のほぼ半分を支持す
る必要があるから、係合しているネジ山の長さを計算し
て、負荷が掛かったときにネジ山が折れ(shear off)
ないようにする。これらのパラメータがわかれば、当該
分野に習熟した者はネジ山のテーパを決定することがで
きる。
図8Aは、この発明の組付けられた状態にある管状部材
の連結部800Aを示している。連結部800Aは、センターシ
ョルダーシール810の各サイドに設けられた1組のラン
アウトスレッドとランインスレッド802,804を有する。
センターショルダシール810はロックダブルショルダ構
造として描かれている。図示されているネジ山形状はダ
ブルフックであり、図8Bではピン部材820とボックス部
材830の一部の上で拡大されて示されている。正のスタ
ブフランク角αと負のロードフランク角βを有し、それ
らの絶対値の和が約8゜よりも大きいダブルフックスレ
ッドは、手で締付けるときにネジ山を入れ子式に入れた
あとフランクを適切に合わせるためには、ネジ山のクレ
ストの幅が可変であり一定の割合で増加していること
(すなわち、スタブフランクとロードフランクとの間の
リード調節)が必要である。幅可変のネジ山を使用する
ことによって、組付けられた状態の連結部におけるフラ
ンクの間の隙間をできる限り小さく(一般に約0.0762mm
(0.003インチ)以下に)保つことが可能となる。従っ
て、連結部の組付けのときに粒子状の材料を含んでいる
スレッドコンパウンドを使用したときには、フランクの
隙間において粒子が埋め合せを行うために、ネジ山フラ
ンクの間にさらなるシールが形成される。一般に、こう
したシールは、フランクの隙間が約0.127mm(0.005イン
チ)以下のときにのみ形成が可能である。
図8Bはピン部材820とボックス部材830の一例をそれぞ
れ示している。ピン部材820のスタブフランク822は例え
ば約5゜の正の角度αを有し、ロードフランク824は例
えば約8゜の負の角度βを有する。ピン部材820の一部
の上に描かれている幅可変の完全な高さのネジ山形状
は、段々と増大するクレスト幅825を有する。この増大
するクレスト幅825は、ボックス部材830上に設けられた
段々と減少する幅可変のネジ山に対応している。このボ
ックス部材上のネジ山は段々と増大するルート幅828を
有する。
一定幅のクレスト及びルート(図示されていない)を
有するダブルフックスレッドをこの発明の連結部に使用
したときには、もっと大きいフランクの隙間(設計に応
じて約0.127mm(0.005インチ)以上)が必要となり、ネ
ジ山フランクにおけるシーリングが不確実になる。この
ため、ネジ山を介した流体の漏れの可能性が生じる。従
って、ネジ山形状が一定幅のクレスト及びルートを有す
るときには、フランクの角度の絶対値の和が8゜以下で
あるようなダブルフックスレッド形状か、従来のシング
ルフックスレッド形状を使用して、ネジ山のシーリング
を行う必要がある。
図9は、この発明の組付けられた状態にある管状部材
の連結部900Aの別の実施例を示している。連結部900A
は、センターショルダーシール910に隣接する2組のラ
ンアウトスレッドとランインスレッドの組902,904を有
する。これらのランアウトスレッドとランインスレッド
の組は、連結部の終端部に隣接する別のランアウトスレ
ッド及びランインスレッドの組906,908と組み合わされ
ている。センターショルダーシール910はロックダブル
ショルダ構造であることが好ましい。連結部900Aは面取
りされたスタブフランクを有するシングルフックスレッ
ド形状が描かれている。
図9B〜図9Dに示されているように、ピン部材950の一
部のネジ山形状は、スタブフランク952とロードフラン
ク954を備えたシングルフックスレッドを有している。
スタブフランク952は、連結部900Aの長手軸14に対して
直角である(連結部の長手軸及びルートの壁966に垂直
なラインに対して0゜の角度αをなしている)。ロード
フランク954は、連結部の長手軸14とネジ山のルートの
壁968に垂直なラインに対して負の角度βを有する。負
のロードフランク角βは、約1゜から約10゜の範囲であ
ることが好ましい。ボックス部材970のネジ山形状はピ
ン部材950のそれと相補的である。
この発明の最も好ましい実施例は、図9A〜図9Dに示さ
れている連結部900Aである。この実施例は2組のランア
ウトスレッド部分とランインスレッド部分と、ロックダ
ブルショルダのセンターシールを利用している。しか
し、この連結部は図9B〜図9Dに示されているように、面
取りされたスタブフランクを有するシングルフックスレ
ッド形状の、幅可変のネジ山を有する。この実施例によ
れば、ピン部材950とボックス部材970の間における力の
流れが最も滑らかになる。また、高いテンション効率が
得られる。さらに、優れたシーリング係合が行われるた
め、流体がネジ山の中に流れ込んだり、連結部の中を
(ネジ山を介して)流れたりしないようになっている。
シングルフックスレッドの負のロードフランクのため
に、センターショルダーシールの各サイドに設けられた
二つのネジ山領域がユニットとして動くようになる。面
取りされたスタブフランクによって、ピン部材950をボ
ックス部材970の中へ最初に入れ子式に入れるときにセ
ルフセンタリング機能が行われるようになる。
この発明のランアウトスレッド部分とランインスレッ
ド部分は、ネジ山の負荷を徐々に大きく(fade in)
し、次にネジ山の負荷を徐々に小さく(fade out)す
る。従来一般的に使われているような完全な高さのネジ
山は、ネジ山の負荷を急激に増加させ、そのため大きい
力を急激に伝達することになる。これが連結部の中で望
ましくない曲げモーメントを生じる。
連結部のテンション効率は、ピン部材とボックス部材
が形成されている範囲に依存する。一般に、形成範囲が
広いほど、達成できる効率は大きくなる。従って、管状
パイプの外径よりも3.5%まで大きい外径を有するスリ
ムライン連結においては、パイプと同じ外径を有するフ
ラッシュジョイント連結で達成される効率よりも大きい
効率が得られる。
連結部900Aの2組のランアウトスレッドとランインス
レッドは好ましい。なぜなら、相補的な係合が得られな
いようなネジ山の隙間やギャップの形での空間の無駄使
いをすることなく、パイプの壁を最大限に利用するから
である。また、リリース溝や切取り、または他の金属削
減(reduction)の形でスペースを無駄使いしないこと
が好ましい。しかし、連結部100の118,120に示されてい
るような種類のリリーフ溝は重大ではない。なぜなら、
それらはピン部材102及びボックス部材106の断面部分が
大きいところに配置されているからである。従って、そ
れらは連結部の全体の効率にとっては重要ではない。
図9A〜図9Dに示されているような、そして連結部900A
においての使用が推薦されるようなシングルフックスレ
ッド形状においては、ネジ山のメジャー径とマイナー径
との間の、すなわちピン部材950のネジ山のクレスト964
とボックス部材970のネジ山のルート984の間の締めしろ
は、しっかりとした締め付けを行うことによって得られ
る。さらに、しっかりとした締付けを行うと、隣接する
ロードフランクの間で締めしろが得られ、また隣接する
スタブフランクの間の隙間をできる限り小さくすること
ができる。ネジ山のルートとクレストの締めしろによっ
て、ピン部材650とボックス部材670それぞれにフープ応
力が生じる。そのため、締付けを行うと、なんらかの締
めしろが存在する場合には、ネジ山の金属はポアソン効
果によって変形し、ロードフランクを当接させて係合さ
せる傾向がある。締めしろは、パイプの直径とパイプの
グレードによって変わる。図9Aを参照する。直径方向の
締めしろはセンターショルダーシール910に隣接するネ
ジ山部分の組902,904において最大となり、徐々に減少
して、連結部の終端部に設けられたネジ山部分の組906,
908で最小になる。直径方向の締めしろを徐々に小さく
するのは、連結部の終端部に設けられたピン部材950の
ネジ山部分934のような、壁の薄い部材のネジ山部分を
保護するための設計である。センターショルダーシール
910に隣接する断面の大きい部分はより堅固であり、従
って、より大きい直径方向の締めしろを有し、より大き
いフープ応力を吸収することが可能である。センターシ
ョルダーシール910の各サイドに隣接する、ピン部材950
の小さなステップとボックス部材970の大きいステップ
の両方の断面部分は、ほぼ等しいように設計されてい
る。ネジ山のクレストとルートの間の内径の締めしろを
制御して、ボックス部材及びピン部材の大きい断面部分
においてリニアな応力を得るとともに、ピン部材及びボ
ックス部材の終端部に隣接するそれらの部材の断面が小
さいところでもリニアな応力を得るようにする。ネジ山
に対してしっかりとした相互係合を行わせるためには、
ある程度の量の直径方向の締めしろが必要である。一般
的な規則としては、締めしろを直径25.4mm(1インチ)
当り0.0254〜0.0508mm(0.001〜0.002インチ)の範囲で
変化させる。このとき、連結部の終端部における締めし
ろは、センターショルダーシールに隣接するところより
も小さい。
好ましいセンターシールは、パイプ列に加わる負荷か
ら隔絶されているものである。言い換えれば、連結部90
0Aのセンターショルダーシール910は、連結部に加わる
様々な負荷に対して安定であり、影響を受けないことが
必要である。連結部900Aの910で示されているようなロ
ックダブルショルダのセンターショルダーシールは、リ
ダンダント(redundant)シーリングシステム、すなわ
ち金属対金属の多数のシールを有していて、効率のよい
シーリング係合が行われるようになっている。従って、
連結部に、内圧及び外圧や、軸方向の引っ張りあるいは
圧縮、ねじり、曲げモーメントなどの様々な負荷が加わ
ったときに、シールが機能を失うようなことはない。
図10Aは、図4に示されているこの発明の連結部全体
の実施例に示されているセンターショルダーシール1000
の拡大図である。組付けられた状態のセンターショルダ
ーシール1000はロックダブルショルダーシールであり、
ピン部材1014の上に設けられた第1のセンターショルダ
構造1010と、ボックス部材1034の上に設けられた第2の
センターショルダ構造1030から形成されている。
図10Bと図10Cはピン部材1014の第1のセンターショル
ダ構造1010と、ボックス部材1034の第2のセンターショ
ルダ構造1030をそれぞれ示している。各連結部材はピン
部材1014の上に設けられたランプ1016と、ボックス部材
1034の上に設けられたランプ1036を有する。連結部のピ
ン部材1014のセンターショルダ構造1010はショルダ1020
を有する。ショルダ1020は、第1のアンダーカット面10
28と、第1の金属対金属のシーリング面1018と、第2の
金属対金属のシーリング面1022と、第3の金属対金属の
シーリング面1024を有する。連結部のボックス部材1034
のセンターショルダ構造1030はショルダ1040を有する。
ショルダ1040は、第2のアンダーカット面1048と、第4
の金属対金属のシーリング面1038と、第5の金属対金属
のシーリング面1042と、第6の金属対金属のシーリング
面1044を有する。
センターショルダーシール1000を組付けたとき、ピン
部材1014のセンターショルダ構造1010の上に設けられた
第1のシーリング面1018は、ボックス部材のセンターシ
ョルダ構造1030の上に設けられた対応する第1のランプ
1036の上の位置へ揃えられ、ガイドされる。それと同時
に、ボックス部材のセンターショルダ構造1030の上に設
けられた第5のシーリング面1042は、ピン部材のセンタ
ーショルダ構造1010の上に設けられた対応する第2のラ
ンプ1016の上の位置へ揃えられ、ガイドされる。組付け
が進むにつれて、三つの部分において金属対金属のシー
ルが形成される。三つの部分とは、ピン部材のセンター
ショルダ構造1010の第1のシーリング面1018とピン部材
のセンターショルダ構造1030の第4のシーリング面1038
との間と、ピン部材のセンターショルダ構造1010の第2
のシーリング面1022とボックス部材のセンターショルダ
構造1030の第5のシーリング面1042との間と、ピン部材
のセンターショルダ構造1010の第3のシーリング面1024
とボックス部材のセンターショルダ構造1030の第6のシ
ーリング面1044との間である。
組付けられた連結部を最終的に締め付けると、ショル
ダ1020の先端表面はボックス部材のセンターショルダ構
造1030の上の第1のアンダーカット面1048と接触し、シ
ョルダ1040の先端表面はピン部材のセンターショルダ構
造1010の第2のアンダーカット面1028と接触して、隙間
のないさらに二つのシーリング面を形成する。
このように、連結部を組付ける(形成する)ときに、
全部で三つの金属対金属のシールと、二つの隙間のない
シールが形成される。
一般に、前述したように、連結部のスレッドが設けら
れた表面上ではスレッドコンパウンドが使用され、約0.
127mm(0.005インチ)以下の表面欠陥や隙間を埋めるこ
とが行われる。
上述した、また図面に示されているこの発明の実施例
は、以下で述べる請求の範囲に示されている発明の範囲
を制限するものではない。なぜなら、当該分野に習熟し
た者であれば、実験をほとんど行うことなく、請求の範
囲に合うように実施例を拡張することができるからであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16L 15/00 E21B 17/042

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】管状部材連結機構であって、 少なくとも二つの連結部材を有し、 前記連結部材の各々が少なくとも二つのネジ山部分を有
    し、これら少なくとも二つのネジ山部分がスタブ及びロ
    ードフランクとそれらの間に設けられたセンターショル
    ダーとを有し、 前記センターショルダは係合してセンターショルダーシ
    ール構造を形成し、 前記少なくとも二つのネジ山部分の少なくとも一つは少
    なくとも一つのランアウトスレッド部分を有するととも
    に他の連結部材に設けられているネジ山に係合し、 前記少なくとも一つのランアウトスレッド部分は前記セ
    ンターショルダーシール構造に隣接するとともに、少な
    くとも、前記センターショルダーシールの先端側に位置
    するねじ山部分に設けられている管状部材連結機構。
  2. 【請求項2】前記ネジ山が可変幅のネジ山であり、ネジ
    山の幅が徐々に増大している請求項1に記載の管状部材
    連結機構。
  3. 【請求項3】前記センターショルダーシール構造がロッ
    クされたダブルショルダ構造を有する請求項1に記載の
    管状部材連結機構。
  4. 【請求項4】前記センターショルダーシール構造が円錐
    台形のシールを有するフックショルダである請求項1に
    記載の管状部材連結機構。
  5. 【請求項5】前記ネジ山が約0゜から5゜未満の負のロ
    ードフランク角と0゜から約2゜の負のスタブフランク
    角とを有する請求項1に記載の管状部材連結機構。
  6. 【請求項6】一方の連絡部材を他方の連結部材に対して
    芯合わせするために、それぞれの連結部材には相互に協
    働する面が形成されている請求項1に記載の管状部材連
    結機構。
  7. 【請求項7】前記少なくとも二つのネジ山部分が完全な
    高さのネジ山を有し、前記完全な高さのネジ山のスタブ
    フランクが面取りされている請求項1に記載の管状部材
    連結機構。
  8. 【請求項8】それぞれの前記連結部材が他の連結部材に
    設けられた前記ランアウトスレッド部分に対向するラン
    インスレッド部分を有している請求項1に記載の管状部
    材連結機構。
  9. 【請求項9】それぞれの前記連結部材が他の連結部材に
    設けられた前記ランアウトスレッド部分に対向する完全
    な高さのネジ山部分を有している請求項1に記載の管状
    部材連結機構。
  10. 【請求項10】前記連結部材の各々が後端を有し、ま
    た、各連結部材の前記センターショルダーシール構造と
    前記後端との間に少なくとも一つの追加ランアウトスレ
    ッド部分をさらに有する請求項1に記載の管状部材連結
    機構。
  11. 【請求項11】それぞれの前記連結部材が先端及び後端
    を有し、前記ランアウトスレッド部分が前記センターシ
    ョルダーシール構造と前記先端との間に位置する第1の
    ランアウトスレッド部分であり、また、それぞれの前記
    連結部材はその後端に隣接する第2のランアウトスレッ
    ド部分及びランインスレッド部分をさらに有し、ランイ
    ンスレッド部分は他の連結部材の前記第1及び第2のラ
    ンアウトスレッド部分に対向状に配置されている請求項
    1に記載の管状部材連結機構。
  12. 【請求項12】前記少なくとも二つの連結部材が第1の
    センターショルダを有する第1の部材と第2のセンター
    ショルダを有する第2の部材とを有し、 前記第1のセンターショルダが第1のショルダ及び第1
    のアンダーカット面を有し、前記第2のセンターショル
    ダが第2のショルダ及び第2のアンダーカット面を有す
    る請求項1に記載の管状部材連結機構。
  13. 【請求項13】前記第1及び第2のショルダの少なくと
    も一つが前記第1及び第2のアンダーカット面の一方に
    スライド係合する請求項12に記載の管状部材連結機構。
  14. 【請求項14】前記第1のショルダが第1の外側シーリ
    ング面を有し、前記第1のアンダーカット面が第1の内
    側シーリング面を有し、前記第2のショルダが第2の外
    側シーリング面を有し、前記第2のアンダーカット面が
    第2の内側シーリング面を有し、それによって、前記第
    1及び第2の外側シーリング面の少なくとも一つが前記
    第1及び第2の内側シーリング面の一方との間に金属間
    シールを形成する請求項12に記載の管状部材連結機構。
  15. 【請求項15】前記第1及び第2の外側及び内側シーリ
    ング面が傾斜面によって形成されている請求項14に記載
    の管状部材連結機構。
  16. 【請求項16】前記第1及び第2のアンダーカット面の
    それぞれがそれぞれ前記第2及び第1のショルダに対し
    て当接係合する部分を有する請求項12に記載の管状部材
    連結機構。
  17. 【請求項17】前記第1のショルダ及び前記第1のアン
    ダーカット面がそれらの間を延びる第1の面を形成し、
    前記第2のショルダ及び前記第2のアンダーカット面が
    それらの間を延びる第2の面を形成し、前記第1及び第
    2の面の間にはシールが形成される請求項12に記載の管
    状部材連結機構。
  18. 【請求項18】前記第1の部材が前記第1のアンダーカ
    ット面から延びる第1の内側ランプ面と前記第1のショ
    ルダから延びる第1の外側ランプ面とを有し、前記第2
    の部材が前記第2のアンダーカット面から延びる第2の
    内側ランプ面と前記第2のショルダから延びる第2の外
    側ランプ面とを有し、前記第1及び第2の外側ランプ面
    の少なくとも一つが前記第1及び第2の内側ランプ面の
    一方に対して当接係合する請求項12に記載の管状部材連
    結機構。
  19. 【請求項19】前記第1及び第2の連結部材が前記第1
    及び第2の外側ランプ面を位置合わせ及びガイドして前
    記第2及び第1の内側ランプ面に対してそれぞれシール
    係合させるためのランプ面を有する請求項18に記載の管
    状部材連結機構。
  20. 【請求項20】前記ネジ山部分が前記連結部材に設けら
    れたネジ山を有し、前記ネジ山のそれぞれが前記連結部
    材に設けられた少なくとも個々のネジ山部分に対するス
    タブフランクと同様な面取りされたスタブフランクを有
    し、これらは前記連絡部材の一方が前記連結部材の他方
    に対して最初に入れ子式に入れられるときに接触する請
    求項1に記載の管状部材連結機構。
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