JPS639794A - 大径ケ−シング用ネジ継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は大径ケーシング用ネジ継手に関する。

［従来の技術及びその問題点］　　　　　″大径ケーシ
ング（油井管）のネジ継手として、両端に雌ネジ部を有
するカップリング部材を介して管体を接続するようにし
た形式の継手が用いられている。従来この種のネジ継手
のシール構造としては、Ｏリングによるものが一般的で
あり、通常、雌ネジ部内側に設けられた溝内に０リング
を嵌め込み、雄ネジ部との間でシールを形成するように
している。

しかし、このような従来の構造は、０リングを嵌め込む
ための溝を雌ネ′ジ部内方に設ける必要があり、そのた
めの加工に非常に手間がかかるという難点がある。

また、従来の大径ケーシングでは、小径油井管などに較
べ、管体を接続する際のネジ部どうしの嵌め合せに角度
ずれを生じ易いため接続作業の作業性が悪く、加えて大
径であるためその締付作業に時間がかかるという問題も
ある。

本発明はこのような従来の大径ケーシング用ネジ継手の
欠点を解決すべくなされたもので、Ｏリングを用いるこ
となく適切なシール作用が得られ、しかも接続作業を作
業性良く能率的に行うことができる継手構造の提供をそ
の目的とする。

［問題を解決するための手段及び実施？Ｉ　Ｆこのため
本発明は、両端に雌ネジ部を有するカップリング部材を
介して管体を接続する大径ケーシング用ネジ継手におい
て、第１図に示すように、雄ネジ部先端の管軸方向で凸
曲面状に形成されたシール構成部３（外周面部）と雌ネ
ジ部内方のテーパ状シール構成部４（内周面部）として
主シールｒＡＳを構成し且つ雄ネジ部１の先端と雌ネジ
部内方のストッパ部５端面とを突合せた継手構造を採用
するとともに、このような構造において、継手部各部を
次のように構成せしめたものである。

に）ネジ部に縮代Δｄ　（＝ｄ＋　−ｄ２　）を設ける
とともに、ネジ部のロードフランク角αをＯ〜１．１°
に設定する。

〈＠　雄ネジ部側シール構成部２の管軸方向での凸曲面
（円弧面）を１００厘以上の曲率半径をもって構成せし
めるとともに、雌ネジ部側シール構成部４のテーパ角θ
を１．０〜４，７°とする。

Ｑ９　　雄ネジ部側シール構成部３の外径Ｄ１と雌ネジ
部側シール構成部の内径Ｄ２とをＤ＋＞Ｄ２としてシー
ル部縮代ΔＤ　（＝Ｄ＋　−Ｄ２　）を設けるとともに
、このシール部縮代ΔＤを、これによるシール部面圧Ｐ
が、 （ネジ継手に加わる内圧）＜Ｐ＜ （ネジ継手材料の降伏強さ） となるよう形成せしめる。

に）　シール部縮代ΔＤとネジ部縮代Δｄとの関係をΔ
Ｄ≧Δｄとする。

（ホ）ネジ部を、１インチ当りのネジ山数が１〜５で且
つ１／１２〜１／６のテーパを有するよう構成する。

以下、本発明の詳細を図面に基づいて説明する。

図面は本発明継手構造の一例を示すもので、カップリン
グ部材Ｂの両端には雌ネジ部２．２が形成され、これら
管体Ａ＋　、Ａ２先喘の各雄ネジ部１が接続され継手を
構成している。

前記雄ネジ部先端の外周面１１はネジ山がない平滑面で
しかも管軸方向で凸曲面状に形成されており、一方のシ
ール構成部３を形成している。また雌ネジ部２の内方の
内周面はネジ山がない平滑面でしかもチーパ状に構成さ
れ、他方のシール構成部４を形成している。これら両シ
ール構成部３及び４で主シール部Ｓが構成される。一方
、前記シール構成部４の端にはストッパ部５が形成され
、その端面５１に雄ネジ部の先端面が当接する。

以上の基本的な構造において、本発明ではネジ部の構造
、主シール部Ｓの構造及びネジ部と主シール部Ｓとの相
互関係がそれぞれ特定されている。

まずネジ部に関し、本発明ではこの部分においてもシー
ルが形成されるようにするため、（雄ネジ塁本径ｄｔ）
＞（雌ネジ基本径ｄ２）としてネジ部縮代Δｄ（−ｄ＋
−ｄ２）を設け、さらに、ネジ部を０〜１．１°のロー
ドフランク角αをもって構成せしめている。このロード
フランク角αが大きいとネジの締付時或いは引張荷重下
において大きな周方向応力が生じ、応力腐食割れを生ぜ
しめる原因を作る。本発明者等の実験によれば、管軸方
向に引張力が働いた場合、上記ネジ部位置での摩擦係数
が０．０２以上となると周方向に不都合な応力が働くこ
とが明らかとなった。したがって、この摩擦係数が０．
０２を下回るようにするためロードフランク角αはその
上限が１．１°に規制され、０〜１．１°の範囲に設定
されている。

主シール部Ｓに関し、本発明では雄ネジ部１側に設けら
れた凸曲面状のシール構成部３の外径Ｄ＋　　（シール
部中央における外径）と雌ネジ部２側に設けられたテー
パ状のシール構成部４の内径Ｄ２　　（シール部中央に
おける内径）とをＤ＋＞０２とすることにより、雄ネジ
部側にシール部縮代ＡＤを設けているが、さらにこのシ
ール部縮代ΔＤを、これによって得られるシール部面圧
Ｐが次の条件を満たすようにして形成せしめている。

Ｐ＜（ネジ継手材料の降伏強さ） Ｐ＞（ネジ継手内部にかかる圧力） 油井管のネジ継手は数回の締付・締戻しを受けるため、
この繰り返し作業によってもシール部面圧が変化せず、
常にシール性能が確保される必要があり、このためシー
ル部面圧Ｐは管体Ａやカップリング部材Ｂの降伏強さよ
りも低く抑えられる必要がある。一方、切削により形成
されるシール面は、ミクロ的に見ると完全に平滑ではな
く、凹凸が存在する。したがって気密を保持するには、
シール部面圧Ｐがネジ継手内部にかかる流体圧力よりも
大きくなくてはならない。本発明では、このような両面
を満足するシール部面圧Ｐが得られるようそのシール部
縮代、６Ｄが規制される。

さらに、主シール部Ｓを構成する両シール構成部の構造
に関し、まず、雌ネジ側シール構成部４は１．０〜４．
７°のテーパ角θをもって構成されている。油井管には
内圧だけでなく管自重等により強い引張力が働き、この
引張力は管体の降伏強さに相当する程度に大きなものと
なる場合もある。

本発明者等が検討したところによれば、このような引張
力が加わった場合、雌ネジ部側シール構成部には伸びが
発生し、雄ネジ部側シール構成部３と雌ネジ部側シール
構成部４との位置ずれが生じてシール部面圧を下げてし
まうという問題があることが判った。このような場合で
も適正な接触面圧Ｐを維持するためには、雌ネジ部側シ
ール構成ＰＪ４のテーパ角θは小さい程効果があり、種
々の実験によりテーパ角が４．１°以下であれば有効で
あり、２．０°以下であればより有効であることが確め
られた。一方この部分をシール構成部とするためには一
定程度以上のテーパ角θが必要であり、１、Ｏｏが下限
角度とされる。また、このようにテーパ角θを小さくす
ることにより、ネジ継手内部に内圧が加わった際、雄ネ
ジシール部が押し上げられることによりシール部の接触
面圧が増加（セルフシール効果）シ、気密性がより向上
することが確認されている。

次に雄ネジ部側シール構成部３に関し、管軸方向での凸
曲面が１００Ｍ以上の曲率半径で構成される。上記した
ようなシール糊代ΔＤが一定の場合、シール部を形成す
べき上記凸曲面の曲率半径が小さい程シール接触面積が
小さくなり、接触面圧が増加するため一見気密性が良く
なるようにみえる。

しかし本発明者等が検討したところ、継手内部に圧力が
掛った場合前述したセルフシール効果により接触面圧が
急増し、シール部が変形し易いという事実が判明した。

このため本発明では、−窓以上のシール接触面積を確保
すべくシール構成部３の凸曲面の曲率半径を所定良さ以
上に設定したものである。本発明者等の実験では、曲率
半径Ｒ１００ｍ以上で概ね良好な結果が得られ、このた
め本発明ではシール構成部３の凸曲面は１００　ｔｒｔ
ｔｎ以上が曲率半径で構成される。

以上のようなネジ部及び主シール部それぞれの構造上の
規制に加え、本発明では両部会に形成されるシールの相
互関係を規制するものであり、具体的には主シール部Ｓ
におけるシール部縮代ΔＤとネジ部におけるネジ部縮代
Δｄとの関係をΔＤ≧Δｄとする。ネジ部縮代Δｄがシ
ール部縮代ＡＤより大きいと、ネジ部の干渉によりシー
ル部面圧Ｐが設計値より低下してしまうという問題を生
ずる。従来の継手構造では、このような観点からシール
部とネジ部に構造上の配置ａを加えた例は見当らず、上
記ネジ部の干渉が、主シール部におけるシール効果がい
まひとつ十分でない一因であったと考えられる。本発明
はこのような従来考慮の対象とされていなかった構造的
な要素に着目し、これを規制した点にその特徴の１つを
有する。

さらに本発明では、ネジ部を１インチ当りのネジ山数が
１〜５で、しかもテーパ（ｂ／ａ）が１／１２〜１／６
に構成される。本実施例では１インチ当り３つのネジ山
６を有するネジ部となっている。第２図０及びに）はネ
ジ山形状の態様を示すもので、いずれの場合にもネジ部
は上記条件で構成される。

なお、ストッパ部５の端面５１とこれに当接する雄ネジ
部１の先端面はそれぞれ垂直面（管軸方向に対し９０°
）に構成され、雄ネジ部１の先端に雌ネジ部２側への押
し上げ力が働かないようにしている。仮に、ストッパ部
の端面とこれに当接する雄ネジ部の先端に、両面が噛み
合うような意味での傾斜が付されている場合、この傾斜
により雄ネジ部に押し上げ力が付与される結果、雄ネジ
部の外周面が雌ネジ部の内周面に強く押し付けられ、そ
のシール性が向上する利点が得られる。しかしこの構造
では、上記押上げ作用を得るために雄ネジ部の先端面を
相当に強くストッパ部の端面に押し当てる必要があり、
このため、ストッパ部の付根付近に曲げモーメントやく
さび効果による引裂力が動き、この部分が応力腐食を受
は易い。この点本発明では、メタルシールの性能をその
部分の寸法を特定の条件とすることにより十分確保する
ことができるため、雄ネジ部先端面とストッパ部の端面
を傾斜面にする必要がなく、これらを垂直面とすること
により応力腐食割れの原因となるくさび効果による引裂
力の発生を抑えることができる。

本発明が対象とするケーシングは通常１６インヂ以上の
大径管体であり、例えば２０インチ管の場合、管体及び
カップリング部材は次のようなサイズと［発明の効果］ 以上のような本発明の大径ケーシング用ネジ継手では、
シール構成部３．４において締代ΔＤにより形成される
主シール部Ｓと、ネジ部縮代Δｄにより形成されるシー
ル部及び雄ネジ部先端とストッパ部端面との突合せ部に
形成されるシール部とによりその気密性が確保される。

そして、このような気密構造において、雌ネジ部側シー
ル構成部４のテーパ角θと雄ネジ部側シール構成部３の
凸曲面率を規制するとともに、シール部縮代ＡＤを、こ
れによるシール部面圧Ｐと材料降伏強さ及びネジ継手に
加わる内圧との関係で規制し且つシール部縮代ΔＤとネ
ジ縮代ΔｄとをΔＤ≧Δｄに規制するため、主シール部
Ｓに高度のシール性を持たせることができ、またそのシ
ール性能を変化せしめることなく締付け・締戻しによる
繰り返し使用を可能ならしめることができる。さらに本
発明の継手では、ネジ部をそのロードフランク角を規制
しつつ構成せしめることにより、応力腐食割れの原因と
なる周方向応力の発生が適切に抑えられる。また、この
ような周方向応力の抑制による応力腐食割れ防止効果に
加え、上述したような高度なシール性確保に伴い、互い
に当接する雄ネジ部先端及びストッパ部５端面に従来の
如き傾斜角を設ける必要がなく、それら端面の角度を９
０’とすることができるため、上記傾斜角に起因した作
用力に基づく応力腐食という問題を適切に回避できる。

ざらに、管体接続時に角度ずれを生じることなくネジ部
どうしを嵌め合せることができ、しかも少ない締付回数
でネジの締付を行うことができ、管体の接続作業を作業
性良く能率的に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の継手構造の例を示す説明図である。第
２図０）及び伸）はそれぞれ本発明のネジ山形状の態様
を示す断面図である。 図において、１は雄ネジ部、２は雌ネジ部、３゜４はシ
ール構成部、５はストッパ部、Ａ＋　、Ａ２は管体、Ｂ
はカップリング部材、Ｓは主シール部である。 第　　２　　図 （イ）

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 両端に雌ネジ部を有するカップリング部材を介して管体
   を接続する大径ケーシング用ネジ継手において、雄ネジ
   部先端の管軸方向で凸曲面状に形成されたシール構成部
   と雌ネジ部内方のテーパ状シール構成部とでシール部を
   構成し且つ雄ネジ部先端と雌ネジ部内方のストッパ部端
   面とを突合せた構造であつて、継手部各部を次のように
   構成したことを特徴とする大径ケーシング用ネジ継手。 （イ）ネジ部に縮代Δｄを設けるとともに、ネジ部のロ
   ードフランク角を０〜１．１°に設定する。 （ロ）雄ネジ部側シール構成部の管軸方向での凸曲面（
   円弧面）を１００ｍｍ以上の曲率半径をもって構成する
   とともに、雌ネジ部側シール構成部を１．０〜４．７°
   のテーパ角をもって構成する。 （ハ）雄ネジ部側シール構成部の外径Ｄ＿１と雌ネジ部
   側シール構成部の内径Ｄ＿２とをＤ＿１＞Ｄ＿２とする
   ことによりシール部縮代ΔＤを設けるとともに、このシ
   ール部縮代ΔＤを、これによるシール部面圧Ｐが、 （ネジ継手に加わる内圧）＜Ｐ＜ （ネジ継手材料の降伏強さ） となるよう形成する。 （ニ）シール部縮代ΔＤとネジ部縮代Δｄとの関係をΔ
   Ｄ≧Δｄとする。 （ホ）ネジ部を、１インチ当りのネジ山数が１〜５で且
   つ１／１２〜１／６のテーパを有するよう構成する。